【GPT机翻】战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚)- 129 [千五百七十五年 九月中旬]
书名 战国小町苦劳谭
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作者: 夹竹桃
原作:http://ncode.syosetu.com/n8406bm/
翻译工具:ChatGPT
*机器输出的翻译结果UP未做任何修正,仅供试阅。标题章节号为原翻译版的顺延。*
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千五百七十五年 九月中旬(*原文网页序列号 - 146)
通常一両日で終了する秋の味覚祭りだが、今回は異例の長期間開催と相成った。
通常秋季的美食节活动只会持续一两天,但这次却成为了长期举办的例外情况。
信長が捻り出した同盟関係にある各家との親睦会を兼ねるという大義名分のもと、秋をテーマとした贅を凝らした料理が連日連夜供される宴となっていた。
在信长捏造的同盟关系下,各家的交谊会成为兼具伟大的名分,颇具奢华的秋季主题菜肴在夜以继日的宴会中倾巢而出。
当初見積もっていた食材では当然足りるはずもなく、静子は調理場を五郎と助手の四郎に任せ、献立を考えつつ食材の調達を指示したり、来客の応対をしたりと目が回るような忙しさを感じていた。
最初估计的食材肯定不够,静子将烹饪工作交给了五郎和助手四郎,同时考虑菜单并指示采购材料,忙于招待客人,感到非常忙碌。
しかし、突発的に空前の規模となった宴に対して、酒も料理も欠くことなく提供し続ける能力があるという、尾張の底力を見せつけられた他国の国人たちは、その豊かさに戦慄すら感じていた。
然而,面对突然举办的空前盛大的宴会,能够持续提供酒和料理而不缺乏尽职尽责精神的尾张之实力,让来自其他国家的人感到战栗,感受到了其中蕴含的丰富之处。
「やっと終わった……」
终于结束了……
流石に尾張滞在が一週間近くに及ぶと、安土を預かる堀から信長へと帰還の催促が度々届くようになった。
随着在尾張逗留接近一周,来自负责安土的堀向信长催促他回到家的通知屡屡到来。
最初は一読しただけで無視していた信長だが、文面に悲壮さが滲むようになると重い腰を上げざるを得なくなった。
一开始,信长只是浏览了一遍便置之不理。但随着文言文中透出的绝望感越来越浓,他不得不采取行动。
信長の帰還を皮切りに秋の味覚祭りはお開きとなり、同道してきた前久と謙信も連れ立ってそれぞれの領国へと戻っていく。
以信长归来为开始,秋季美食节也结束了。前久和謙信也带着他们的随行人员一起回到各自的领土。
当初の主賓であった家康も、突然予定外の迷惑をかけた罪滅ぼしにと、静子が持たせた山のような土産と共に三河へと帰っていった。
当初的主宾家康突然造成了额外的麻烦,为了弥补过错,静子送给他一堆土特产,然后他回到了三河。
唯一人、信忠のみは帰着地が美濃と近場であり、静子の子となった四六と器との接見を希望したため居残っていた。
唯一人、信忠的落脚点是美濃和附近,因为他想要会见静子的孩子四六和器而留了下来。
公式の会見にすると関係者が増えるため、静子邸の奥まった一室を用いて当事者だけが集められる。
公式的新闻发布会会吸引更多的相关人士参加,因此在静子家的偏僻房间中集合当事人。
「其の方らが静子の子か。そう畏まるな、母は違えど共に父上の子、我らは兄弟となるのだ」
“那些人是静子的孩子吗?不要感到害怕,虽然母亲不同但我们与他们一样是父亲的孩子,我们成为兄弟姐妹。”
信忠は四六と器に笑いかけ、鷹揚に頷いて見せた。
信忠面带微笑,从容地点头。
「お言葉を返すようですが、最早我らは静子様を親と仰いでおりまする。家臣の子女としてお取り計らい下さい」
“我们回应您的话语,现在我们视静子大人为我们的亲人。请您作为我们主公的家臣处理此事。” translated to Simplified Chinese is: “我们回应您的话语,现在我们视静子大人为我们的亲人。请您作为我们主公的家臣处理此事。”
四六の応(いら)えを受け、信忠はやや面食らってしまう。年齢に見合わぬしっかりとした受け答え、更に血縁に甘えることなく、政治的立ち位置を弁えた発言内容。
在接到四六的回应后,信忠略感意外。他的回答稳健自如,不像他的年龄所表现的那样。此外,他并没有利用血缘关系,而是表达了自己的政治立场。
果たして自分が同じ年の頃に、このような受け答えが出来たであろうか? 信忠はこの一言から、四六が子供でいることを許されなかったという背景を感じ取っていた。
难道我在同龄时也可以回答得如此流利吗?信忠从这句话中感受到了四六不能有孩子的背景。
しかし、これは信忠が見たかったものではなかった。体裁を取り繕った処世術ではなく、本来の人となりを知りたいと考え、一計を案じる。
但是,这不是信忠希望看到的。他不想采用虚假的世故手段,而是想了解真正的人性,并打算采取一些措施。
「そう肩肘を張らずとも良い。静子の態度を見よ、主家の嫡子に対する敬意なぞ何処吹く風よ」
“不用这么拘束,看看静子的态度,她对主家的嫡子也不怎么恭敬。”
信忠は笑いながら手にした扇子で静子を指し示す。
信忠笑着用手中的扇子指着静子。
四六がそちらへと顔を向けると、静子は眠たげな様子を隠そうともせず、口元を袖で隠して大あくびをしているところだった。
当四六转向那边时,静子的表情显得有些昏昏欲睡,毫不掩饰地用袖子掩住嘴巴打了一个大大的哈欠。
「畏まった態度を嫌がったのは誰だったかな? 私は別に余所行きの態度でも構わないんだけど?」
“害怕的态度是谁讨厌的呢?我并不在意像一个陌生人一样的态度。”
子の面前での失態は、流石の静子も恥ずかしかったのか、少しうらめしげに信忠へと目線を投げかけた。
在孩子面前犯下的失误使得静子很尴尬,她微微低着头,向信忠投去有些不满的眼神。
思い返せば信忠が初陣に臨んだ際、静子は家臣として遜(へりくだ)った態度を示した。
回想起当信忠首战时,静子表现出卑谦的家臣态度。
それまで家族同然に付き合ってきた静子が、急によそよそしくなったように感じ、元に戻すよう命じたのは外ならぬ信忠であった。
曾一直与家人一样相处的静子突然变得尖刻,要求她恢复原状的不是别人,正是信忠。
それ以降も公式の場以外では、静子は以前と同様の態度を取り続け、信忠もそれを心地よく思っていたため、悪く言えば慣れ合いに似た関係が続いていた。
此后除了官方场合外,静子仍然保持与以前相同的态度,因为信忠也很满意,所以这种关系仍然延续着,尽管有时也可以认为是缘于习惯。
公私の分別はついているのだし、非公式の接見であると宣言もしたこともあり、信忠は自分が折れることにした。
公私分明,而且已经宣布是非正式的会见,信忠决定妥协。
「いや、静子は今のままが良い。戯言(ざれごと)を申したな。四六らは学校へ通わせておるのか?」
"不,静子现在这样很好。你说了些无聊的话。四六一直在上学吗?"
「うーん、もうすぐ農閑期だし、時期としては良いんだけどね。もう少し身辺が落ち着いてからの方が良いかなと思っているんだ」
“嗯,虽然快要进入农闲期了,时机还是很好的。但我觉得最好等我的生活再稳定一些再考虑。”
静子の考えとしては、四六と器の両名が安心して生活できる期間として1年程度を見込んでいた。その後、本人達が希望すれば学校へ通わせるつもりであった。
静子考虑到,四六和器能够安心生活的时间大约为一年左右。之后,如果他们希望,就打算让他们去上学。
勿論、それよりも早く希望するのであれば、通わせることに否やはない。
当然,如果你希望得到更快的结果,那么我不反对让他通勤。
「俺の直感が告げておる、四六は早く学校へ通わすべきだ。学友を得て、良い刺激を受ければ、こ奴は傑物になるやもしれぬ」
“我的直觉告诉我,应该让四六早日上学。如果能结交学友,受到良好的刺激,这个孩子可能会成为杰出的人物。”
「過分なお言葉、痛み入ります」
「过分的话,感到很不好意思。」
「世辞ではない。其の方らの境遇は聞き及んでおる。しかしな、世の中は静子のような人間ばかりではない。はっきりと申せば、上っ面で物事を判断する愚物の方が多い。そこで静子の学校よ、あれはいずれ日ノ本の最高学府と呼ばれるようにもなろう。そこを修了したと言うのは、其の方らの肩書に箔を付けることになる」
“这不是奉承之词。我已经听说了他们的处境。但是,世界上并不只有像静子这样的人。坦率地说,只凭表面判断事物的愚蠢的人更多。所以,静子的学校,将来会成为日本最高学府之一。毕业于那里将成为他们的荣誉。”
「箔、でございますか?」
「箔,是吗?」(simplified Chinese)
四六の言葉に信忠は頷く。静子が開設した学校は、身分に拠らず門戸を開いている。
四六的话语使信忠点头。静子开设的学校为所有人敞开大门,不分身份。
平民もいれば、貴族や武家の子女なども在籍し、彼らを区別するのはその習熟度合だけである。
平民和贵族、武家子女等都在这里就读,只有技能水平区分他们。
単位制を導入しているため、それぞれが目指す進路に応じた教育が施されるが、一般教養等の共通分野に関しては男女の区別なく、同じ教室で机を並べて学ぶこととなっている。
由于学校采用的是单位制,因此每个学生都将接受根据其所选学科相应的教育。然而,在普通教育等共同领域方面,男女学生将在同一教室内就座学习,没有性别之分。
現実問題として高等教育を必要とする女性の進路が限られているため、希望者自身が少ないものの、望めば女性であっても男性と同等の教育を受けることが出来た。
由于现实问题,需要高等教育的女性的前途受到限制,因此即使希望者很少,女性也可以接受与男性同等的教育。
最低限の教育だけに限っても、読み書き算盤をはじめ、地理や歴史に道徳など、生活する上で実用的な知識を修めることが出来る。
即使仅限于最低限度的教育,也可以学习阅读、写作、算术、地理、历史、道德等实用知识,以便在生活中得到应用。
尤も如何に豊かな尾張といえど、労働力となる年齢に達した子女を遊ばせておけるほど余裕のある親ばかりではなく、平民の子はどうしても最低限の教育だけに留まる傾向にあった。
即使是富裕的尾张地区,也并非所有父母都有足够的余裕让他们年龄到了成为劳动力的孩子们闲逛,平民阶层的孩子往往只能接受最基本的教育。
二人の会話に口を挟まず聞き役に徹していた静子は、最初の挨拶以来、器が口を開いていないことに気が付いた。
静子听两个人的对话,不插嘴地当了个听众。自打最初的问候以来,她注意到自己一直没有开口。
器へと視線を向けると、信忠と四六の会話を理解できていないのか、退屈そうにしている。
当我把目光投向器皿时,看起来信忠和四六的交谈并没有让我理解得很清楚,让我感到有些无聊。
万が一にも信忠の前で船でも漕ぎ始めると大事になるので、静子は二人の会話へ割り込むことにした。
万一在信忠面前开始划船将会很麻烦,所以静子决定插话干预他们的谈话。
「二人で話をするのなら、私と器はお先に失礼しようかと思うのだけど?」
如果你们俩要谈话的话,我和这个容器可以先退下了吗?
「む、そう言えば子供には酷な時間か。元より健やかに過ごしているかを知りたかっただけゆえ、器は構わぬ。先に休ませるが良い。しかし、静子はならぬ」
"嗯,说起来孩子们过得很苦啊。只是想知道他们是否过得健康,所以不介意使用手段。先让他们休息吧,但静子不能休息。"
「四六にご執心のようだから、私が残るのは構わないけど、先に用事を済ませちゃおう」
「看起来你对这件事情非常执着,所以我可以留下来陪你,但是我先去处理一下其他事情吧。」
そう言うと静子は手を叩いて、隣室に控えていた彩を呼び、器を寝所へ連れていくよう頼んだ。
这时,静子拍了拍手,叫来了待在隔壁的彩,让她把器具带到卧室去。
信忠は、彩に手を引かれて退室して行く器の姿を見送りながら、器の自意識が希薄なことが気に掛かった。
信忠看着彩牵着器的手离开房间,心中不禁感到担忧,因为器的自我意识似乎很薄弱。
どうにも浮世離れしているというか、生気が感じられないと言うか、少なくとも四六とは別の意味で子供らしくないと感じていた。
无论怎么说,我感觉他们与这个世界格格不入,缺乏生命力,至少在某种程度上,他们不像是六岁小孩那样天真烂漫。
しかし、静子が焦っている様子がないため、特に何を言う訳でもなく口を噤むことにした。
然而,由于静子并没有显出焦急的样子,我决定默不作声,特别是没有必要说什么。
「さて、四六よ。静子の学校を修了したのち、俺に仕えぬか?」
“那么,46啊。静子毕业后,你愿意为我效力吗?”
信忠は明日の天気を語るような気楽さで、四六の一生を左右する勧誘を行った。
信忠像谈论明天天气一样轻松自如,进行了左右一生的劝诱。
予想外の重大事と、頭から断られると思ってもいない信忠の態度に、四六は二の句が継げないでいた。
预料之外的重大事件和信忠没有预料到的态度,让四六无法继续说话。
「父上の子のままであったなら、後継の地位を巡って争う立場となるため、このような勧誘は出来ぬ。しかし、静子の子となった今ならば、兄弟で手を取り合うことが出来る。俺には腹の内を探らなくとも良い腹心が必要だ、そして四六、其方(そなた)は自ら静子の子であると言い放った。たとえそれが本心ではないとしても、なかなか口に出来る事ではない。俺は其方の覚悟と、才覚を買っておる」
"如果你仍是你父亲的孩子,我们就不能招募你来争夺继承地位。但是,现在作为静子的孩子,我们可以互相帮助。我需要一个可以信任的亲信,而你自己说你是静子的孩子。即使那不是你的真心话,这也很难说出口。我赞赏你的决心和才能。"
「し……しかし、私は未だ何も為しておりません」
「但是,我还没有做任何事情。」
「それゆえ学業を修めるのだ。父上の覇道の先は、戦乱の絶えた泰平の世となろう、いくさしか出来ぬ輩では十年と経たずに無用の存在となり果てる。今すぐとは言わぬ、未来を見据えて学業を修めてみせよ」
因此,我们要好好学业。父亲的霸业将会迎来和平世界,毫无能力的人在十年内就会变成无用之人。不要等到现在,为了未来好好学业。
「は……ははっ! 奇妙様のご期待と、母の顔に泥を塗らぬよう、一層奮起いたします」
「哈……哈哈!为了不辜负奇妙大人的期望,也为了不让母亲蒙羞,我会更加努力的。」
四六は信忠の言葉に感銘を受けたのか、深々と頭を下げて彼の提案を受け入れた。その様子を信忠は満足げに見守る。
四六受到信忠的话的感动,深深地低下头,接受了他的建议。信忠满意地注视着这种情况。
「随分と思い切った登用だね」
"这是一个相当大胆的任用"
「他ならぬ静子、貴様自身が示してみせたではないか? 出自が百姓であろうが、牢人であろうが、才を見出し正しく導いてやれば、一廉の人物となり得るとな」
"不是你自己给大家看到了吗?静子才不是非你不可。无论出身是农民还是囚犯,只要能够认识到其才能并正确引导,就有可能成为一位杰出的人物。"
有能であれば出自を問わないという考えから、更に一歩推し進め、在野に埋もれた才能の発掘と育成を視野に入れた時代を先取りしすぎた感のある思想を語る信忠に、静子が茶々を入れたのだが、予想外の反撃を喰らってしまった。
如果有能力的话,从不问出身的想法更进一步,将挖掘和培养隐藏于野外的才能考虑在内,信忠提出了一种思想,似乎先行了时代,但静子插话时却遭到了意料之外的反击。
「正しく人の才を見抜く目と、それを使いこなす主人としての才覚も試されるが、それは追々証明できるであろう。戦乱の世を生きぬく事も大事だが、その後を見据えた準備も同じぐらい重要だ。有能な者は決して手放すことなく、手の内に囲い込むのが上策。みすみす手放して、後に敵対されては悔やみきれぬ」
“正确地洞察别人的才能并善加利用之才与成为能够善加利用之主人的才华被试炼,但这将来会得到证明。在战乱的世界中生存很重要,但预见未来并作好准备同样重要。有能力者永远不会轻易放弃,将其手中掌握更上策。若轻易放弃后被敌对势力加以利用,必将后悔不已。”
「(うーん、予想以上に視野が広がっちゃったな。思想が隔絶しすぎて孤立しないと良いのだけれど……)ふーん、色々と考えているんだね」
「嗯,我的视野比预想中要开阔。希望我的思想不会被隔阂所孤立......嗯,你在思考很多事情呢。」
近い将来だけではなく、信長に拠る日ノ本統一後をも見据えた布石を既に打ち始めた信忠を見て、静子は危うさを感じずにはいられなかった。
看着信忠早已开始着手布置不仅仅是近期,而是着眼于信长统一日本之后的计划,静子感到了危险。
実父である信長も他者の共感を得られない言動をとるため、作らなくても良い敵を作っている節がある。
实际上,信长作为父亲,他的言行也不能赢得他人的共鸣,因此他有制造无需存在的敌人的倾向。
このままでは信忠も同じ道を歩みかねないと言う、尖った才を持つが故の危険性を孕んでいた。
这种尖锐的才能所带来的危险性,可能会导致信忠走上同样的道路。
今一度周囲と歩調を合わせたり、他者に理解を求めたりすることの重要性を理解させるためにも、信忠には敗北を学んでもらわねばならない。
为了让信忠理解与周围步调一致、寻求他人理解的重要性,他必须学习失败。
(昔から利発な子ではあったけど、ここに来て一気に花開いた感じだね。史実でも上様ほど突き抜けてはいないものの、いくさも政治も満遍なく才能を示したと言われていたんだっけ。元々才能が有ったところに、私が入れ知恵をしたことで大きく花開いたってことかな? だとするなら、過去の行いが巡り巡って今の私を苦しめているのは、なかなか厳しい皮肉だね)
(从过去起就是聪明的孩子,不过现在感觉是一下子开花了。虽然史实上也没有像上公那样出类拔萃,但是据说在战争和政治方面都展现了才能。或许是因为一开始就有才能,再加上我的提点,才得以大放异彩吧?如果是这样的话,过去的行为现在回来折磨着我,真是一种残酷的讽刺。)
東国征伐で信忠に敗北を学ばせるという、信長の目論見は、外ならぬ信忠自身の才覚によって失敗する公算が高くなっていた。
信长本来想在东瀛远征中让信忠尝到失败的滋味,但由于信忠本身的才华,这个计划的失败可能性很大。
元より先が読みにくい東国征伐に、更なる不安要素が増えたことで、結果は蓋を開けてみるまで判らない状態へと突き進む。
由于起始就难以阅读的东国征讨,加上更多不确定因素的增加,结果一直到揭晓时才能知道。
「俺だって、いつまでも父上や静子の背を追っていた童(わらし)ではない。先人に学び、追い付き追い越せるよう努力もするさ」
「我可不是一直追随着父亲和静子的脚步的小孩子。我也会学习先人的经验,努力变得更优秀。」
静子の心配をよそに、信忠は晴れやかな表情をしていた。
尽管静子很担心,但信忠的表情仍显得非常明朗。
間もなく十月になろうかと言う矢先、燻(くすぶ)り続けていた織田と本願寺とを揺るがす事件が起きた。
就在即将迎来十月的时候,一场震动織田家和本願寺的事件突然爆发,持续了一段时间。
本願寺の中核を担う人物の一人、下間(しもつま)頼廉(らいれん)が安土入りしたのを最後に消息を絶った。
承担本愿寺核心职责之一的人物-下间依赖廉,在安土城归降后失去了音讯。
信長のお膝元たる安土ということもあり、本願寺側は信長が頼廉を暗殺したのではと疑った。
因为安土地区是信长的故乡,所以本愿寺方面怀疑信长暗杀了顺廉。
掛けられた嫌疑に対して信長は、暗殺するつもりなら自分に嫌疑の掛かる安土ではなく、頼廉が本願寺に居る時を狙う。
对于被控告的嫌疑,信长表示,如果真的打算暗杀,就不会选择自己会被怀疑的安土,而是会找准信長二弟信廉在本愿寺时下手。
そもそも頼廉を暗殺してでも除かねばならない存在だと思っていないと言い放った。
他说他不认为必须要暗杀雷廉才能排除他的威胁。
自分がその気ならば、本願寺の本拠地ででも頼廉を暗殺出来ると言い放ったことで、逆説的に暗殺の容疑を否認してみせたのだ。
他宣称如果愿意的话,他甚至可以在本愿寺的总部暗杀依赖廉一事,从反面否认了暗杀的指控。
これにはさしもの本願寺もほとほと困り果て、これ以上追及することが出来なくなった。
这让本愿寺也非常的困惑,已经无法进一步追究下去了。
そして、頼廉という本願寺存続を願う穏健派の筆頭を失ったことで、織田との徹底抗戦を唱える教如をはじめとした強硬派が本願寺の主流派に躍り出た。
然后,由于失去了希望维持本愿寺的温和派头面人物——依赖廉,教如等强硬派开始高涨,唿吁全力与織田抗战并逐渐成为本愿寺的主流派。
暫く続いた融和に飽いた教如達強硬派は、織田家との緊張を高めるよう舵を切った。
强硬派们厌倦了持续一段时间的融和,转向采取措施加剧与织田家的紧张关系。
信長は互いに妥協点を探るためにも話し合いが必要だと、顕如宛に親書を送り続けたが、その悉(ことごと)くを教如が握りつぶしてしまった。
为了寻找妥协点,信长不断给顕如写信说需要谈判,但教如却把所有信都扔掉了。
ことここに至っても本願寺法主である顕如は、自らの意向を示そうとはせず、ただ黙して成り行きを見守っていた。
即使到了这个时候,本愿寺的法主顯如也没有表明自己的意向,只是默默地观察着局势的发展。
相応に横車を押している自覚はあるのか、教如は顕如が自身を咎めないことに眉をひそめたが、沈黙は容認の証拠と都合よく解釈し、すぐに意識の外へと追いやった。
是否意识到自己在适当的时候推搡别人?教如虽然皱起了眉头,因为顕如不批评自己,但他沉默的态度被解释为默认,很快就将这种意识排除了。
精力的に行動し、強硬に反発する教如の姿勢とは対照的に、信長は何処までも理性的であった。
精力地行动,并与教如强硬反弹的态度形成鲜明对比,信长始终保持着理性。
頼廉暗殺説を否定すると同時に、領内に動員をかけて頼廉の捜索を命じ、この件に関しては頼廉捜索を願い出る本願寺信者にも便宜を図るよう申し付けた。
否认了关于依赖廉被暗杀的传言,同时下令在领土内展开动员搜寻依赖廉的行踪,并要求顺便为本愿寺信者提供方便。
信長を誅戮(ちゅうりく)すべしと声高に唱える教如であったが、それに対する本願寺内部の反応は芳しくなかった。
诚如是高声唱道着要惩罚信长的,在本愿寺内部却没有引起积极反应。
第一に法主の顕如が未だに意向を示していない。第二に頼廉が信長の手によって亡き者にされたという確たる証拠がないため、敵対を躊躇する者が多かった。
一是法主的显如仍未表明意向。二是由于缺乏确凿的证据证明信长把依赖廉置于死地,所以很多人还在犹豫是否敌对。
幾ら教如が顕如の実子とはいえ、現法主の意向が定かではない状態で、彼の命に従うのは憚(はばか)られた。
虽然教如被认为是顕如的亲生孩子,但在现法主的意向不明确的情况下,遵从他的命令是不合适的。
頼廉が消息を絶ったのは事実だが、未だ死体や持ち物が見つかったという報せはない。よしんば頼廉が死んでいたとして、それが織田の手に拠るものだという証拠もない。
"尽管信廉失踪是事实,但未发现任何尸体或财物。即使信廉已死,也没有证据表明它是織田的所作所为。"
何せ安土は信長の動向を探るため、間者の坩堝(るつぼ)と呼んでも過言ではない状況となっている。
鉴于安土城为了追查信长的动向而成为了间谍的集散地,可以说是一个名副其实的"间谍的聚集地"。
織田と本願寺とを争わせるため、他勢力が頼廉を攫ったという可能性も捨てきれなかった。
为了让织田和本愿寺对抗,其他势力绑架了信长的可能性也不容忽视。
そうした背景もあって、いくら教如が戦意を煽ろうとも、笛吹けど踊らずという状態が続いていた。
由于这样的背景,即使教如激励战斗意志,也仍然是没有任何反应的情况。
「先に痺れを切らすのは教如だと思うよ。でも、それは今じゃない。如何に教如が軽率でも、流石にこの状況で強硬策を取ったら、身内に消されかねない」
「让教如先失去耐性,我认为这是不明智的。但是,现在不是这样做的时候。即使教如非常轻率,如果在这种情况下采取强硬手段,他的亲人可能会被消灭。」
本願寺の様子を探らせていた間者が持ち帰った情報をもとに、静子は軍議の場で開口一番宣言した。
根据间谍搜集到的本愿寺情报,静子在军议上开口第一时间宣布。
皆も定期的に催される軍議によって情勢を把握しているのか、静子の意見に反論する者は誰もいなかった。
大家定期召开的军事会议能了解局势吗?对静子的意见没有反对者。
いくさ場での嗅覚という本能寄りの能力で状況を把握する長可ですら、当然だと言わんばかりに頷いている。
在战场上,长可通过本能化的嗅觉能力来了解情况,他自然地点了点头。
「法主である顕如が沈黙を保っている理由が不明なのと、頼廉の失踪がどう転ぶかは判らないけど、いくさになるとしたら東国征伐後になるんじゃないかな?」
“法主顕如保持沉默的原因不明,而且无法预料廉依的失踪会以何种方式发展,但如果发生战争,可能会在东国征伐之后发生。”
「任せろ! 本願寺なんぞ、いつでもぶっ飛ばしてやる!」
“交给我吧!纵然是本愿寺,我随时都能将它狠狠击败!”
いくさになる可能性に言及しただけで、長可が握った拳を手のひらに叩きつけて戦意を滲ませる。
只是提到可能会变成战争,长可就用握拳的手猛击手掌以流露出战斗意志。
「いや、だから先に東国征伐が待っているってば」
“不,我说了,东国征伐要先等着。”
「東国って……武田は既に落ち目だし、北条は孤立してるじゃないか……」
“东国……武田已经落魄,北条孤立无援啊……”
東国征伐と聞いた長可は露骨に眉を顰(ひそ)める。武田にかつての勢いはなく、依然として軍備増強に励んでいるようだが、国盗りに動ける程の余裕は見受けられない。
当听到东国征伐的消息,长可明显皱起了眉头。武田家的实力已经不如过去,虽然仍在努力加强军备,但似乎没有足够的余力进一步夺取领土。
長らく武田と国境(くにざかい)での小競り合いを続けてきた徳川家だが、三方ヶ原の合戦以降はそうした小競り合いすらも絶えていた。
长久以来,德川家族一直在武田和国境地带进行小规模的战斗,但是在三方原之战之后,这样的小规模摩擦甚至也消失了。
「『窮鼠(きゅうそ)猫を噛む』という諺があるように、追い詰められた者は予想外の反撃をすることがあるよ?」
“就像有句俗语说的‘困兽犹斗’一样,被追逼到绝境的人可能会做出意料之外的反击。”
「それはそれで楽しみだが、そんな火事場の馬鹿力が長続きするとは思えねえ」
“虽然这样也挺有趣的,但我觉得那种火急火燎的逞强劲头不会持久。”
「いくさを心待ちにするのは構わぬが、本来の目的を忘れるでないぞ?」
「期待战争并不是问题,但不要忘记本来的目的。」
主目的が戦うことになってしまっている長可を才蔵が窘(たしな)める。流石に脱線しすぎたと悟ったのか、抗弁することなく長可は引き下がった。
才藏劝阻了目的明确要战斗的长可。长可恍然大悟,意识到自己偏离了轨道,没有辩解就退缩了。
「不確定要素が多いから、そうそう楽ないくさにはならないよ。未だに旗幟を示さない北条の行動次第では、越後に巣くう親北条派と、武田家の勢力も加えた大規模反抗もあり得るんだから」
“由于存在许多不确定因素,所以情况可能不会像我们想的那样容易。北条家现在仍未表明态度,这取决于他们的行动,可能会引发新的大规模反抗,包括越后地区的北条支持者以及武田家的力量。”
「そうさせない為に、上杉が居るのでは?」
“为了防止那种事情发生,难道不是为了有上杉在吗?” translated to Simplified Chinese is “为了防止这种事情发生,上杉在这里不是吗?”
「仮に東国征伐で武田と戦端を開いた場合、上様は上杉にも参陣を要請すると思うの。本願寺と言う不安要素を抱える以上、早期決着は他に優先されるからね」
“假如在东国征伐中与武田开战,我认为您会请求上杉前来参战。因为担心本愿寺成为不安定因素,所以早日解决问题优先考虑其他方案。”
「なるほど。越後の龍が家を空ければ、その隙に北条の手勢を引き入れて蜂起するか……」
“原来如此。如果越后的龙不在家,北条的手下会趁机进入并发动叛乱……”
東国の雄であった武田が凋落し、東国三大勢力の上杉、武田、北条の力関係は、上杉が一歩抜きんでた形になっている。
东国的雄主武田家的势力正在衰落,而东国三大势力之间的力量关系中,上杉家已经稍微领先于武田家和北条家。
しかし、その差は武田と北条が手を組めばひっくり返る程度の差でしかなかった。
然而,该差距只有在武田和北条合作的情况下才能翻转。
「仮に最悪の場合、つまり武田、上杉、北条の連合軍とことを構えることになった場合、その時点で東国征伐は失敗していると思うの。その時は、奇妙様を織田領へと逃がすことを最優先しないとね」
「假如最坏的情况发生,也就是武田、上杉、北条的联合军前来攻打的话,那时候东国征讨就已经失败了。到那时候,必须优先让奇妙回到織田领地中去。」
「纏めて返り討ちにしてやれば良いんじゃないのか?」
"我们可以把他们一起干掉,怎么样?"
「出来る出来ないは別にして、武田と北条だけならその理屈で構わないけど、上杉が絡むと政治的な問題が発生するのよ。反旗を翻したからと言って、申し開きの場も与えずに皆殺しにすれば、共に戦ってくれた上杉軍との間に確執を生むことになる。そうした余計な不和の種は、なるべく抱え込まないようにしたいんだ」
「不管能不能做到,如果只有武田和北条,那个理由无所谓,但涉及到上杉,就会产生政治问题。如果你翻了旗帜,而不给予解释的机会,将人全部杀掉,那么就会在与与之一起战斗的上杉军之间产生分歧。我们不想拥有这种不必要的纷争。」
「ふーん。まあ、勝敗は兵家の常。大損害になる前に撤退するのは良いけど、だからって攻撃されて反撃しない手はないよな?」
“嗯,胜败乃兵家常事。在遭受大损失之前撤退是好的,但是也不能因此而不进行反击吧?”
静子の言葉に長可が不穏な笑みを浮かべつつ質問を投げる。周囲は長可が言わんとするところを理解しているのか、彼を止めようとするものはいなかった。
静子的话让长可露出了不安的笑容,他发问道。周围的人似乎理解长可的意图,并没有人试图阻止他。
全員の視線が自分に集中していることを理解した静子は、一つ咳払いをすると言葉を発した。
静子理解了所有人的目光都聚集在自己身上,轻咳一声后开口说话了。
「上杉に関しては上様のご意向次第だけど、それ以外については降りかかる火の粉は払うしかないよね」
关于上杉,取决于上大人的意愿,但对于其他事情,我们只能扫除降落的火种。
「そうこなくちゃな!」
"必须这样做!"
事実上の容認宣言を受け、長可は満足げに頷いた。殿(しんがり)は最も損害が大きくなるというのに、むしろ戦意が高揚する長可の姿を見て、周囲の者たちは苦笑していた。
在接受了实际的容忍声明后,长可满意地点了点头。虽然后阵会有最大的损失,但当看到长可的战斗意志高涨,周围的人都苦笑着。
「さて、おおよその方針は固まったし、急ぎ我々が何かをしなければならないこともない。奇妙様は相変わらず兵糧の買い入れをしているし、東国征伐の号令は近いと思う。それまでは各自、鋭気を養って下さい」
“好了,大体方针已经形成,我们必须赶紧采取行动。奇妙先生仍在采购粮食,我想东国征伐的号令也快要发布了。在那之前,请每个人都保持警惕。”
必要な情報は共有できたと考えた静子は、この言葉を以て軍議を終えた。
认为已经分享了必要的信息,静子以这句话来结束了军议。
頼廉失踪を機に緊張を帯びた織田家と本願寺との関係は、再び膠着状態に陥っていた。
在依仗顾问廉租的織田家失踪后,与本願寺关系一度紧张的局面再次陷入僵局。
束の間の平穏に終わりを告げたのは、誰しもが予想だにしなかった地から届けられた一報だった。
短暂的平静被从未料到的地方传来的消息打破了。
徳川領にあって、甲斐、相模の動向をいち早く察知しうる要衝の地、高天神城へと武田軍が攻め込んだのだ。
武田军队攻击了位于德川领地的高天神城,该城是能够迅速察觉甲斐、相模地区形势的关键据点。
幸いにして落城を免れてはいるものの、守備側二千に対して武田軍は万を超える軍勢で包囲していた。
虽然幸运地避免了城市被攻破,但武田军围攻了数量超过一万人的守军合围。
徳川とて武田がいくさの準備をしているのは把握していたが、とても大軍を他国へと派兵する余裕はないという油断があった。
「徳川知道武田正在为战争做准备,但由于没有足够的余裕派遣大军前往其他国家,因此存在着一定的大意。」
既に事態は徳川一国を超え、織田家の安全をも脅かす状況となった。家康は信長へ救援を求め、信長はこれに応じて信忠を大将に据えた東国征伐軍を遣わせた。
已经到了超越德川一国,威胁到织田家安全的情况。家康向信长请求援助,信长派遣以信忠为大将的东国征讨军前来支援。
誰もが予想し得ない事態であったにも関わらず、準備万端の用意が整っていた東国征伐軍は信長の命を受けて、即日尾張を発つと瞬く間に高天神城を包囲する武田軍の部隊に襲いかかった。
尽管情况出乎意料,但备好一切准备的东国征讨军奉信长之命,当日即离开尾张,迅速袭击了武田军包围高天神城的部队。
敵は包囲の内にあると考えていた武田軍は、予想外の急襲を受けたことに算を乱し、包囲を解いて味方の陣へと退却していった。
武田军认为敌人被包围在内,但受到了意外的突袭,打乱了他们的计划,解除了包围并撤退到盟友的阵营。
鎧袖一触に武田軍を蹴散らした東国征伐軍は、部隊の一部を城内へと送り込み、それ以外は城外にて陣を敷いた。
东国征讨军一举打败武田军,只派遣部队的一小部分进入城内,其他部分则布阵于城外。
疾風迅雷の如く駆けつけた織田軍に遅れて、徳川軍が合流すると、大将である信忠の陣にて軍議が開かれることとなった。
織田军如疾风雷电般赶到,德川军因为迟到与織田军会合,大将信忠在他的营地召开了军议。
「我らの窮地にこれ程までに早く駆けつけて頂き、かたじけない。物見からの報告によると、武田軍の後方に北条の旗指が見えたとのこと、奴らが手を結んだとなれば一筋縄では行きませぬ」
“您能这么快来到我们的困境中,我们非常感激。据侦察哨的报告,我们看到了北条的旗帜在武田军的后方。如果他们联手起来,我们将面临非常困难的局面。”
「死に体であった武田が起死回生の一打を打てたのも、北条の支援あってのことでしょう。奴らもここで領地を切り取れねば、遠からず破滅が待っていることは理解しているはず。決して侮って良い相手ではありませぬ」
“武田身处崩溃的边缘,所有这些都是得益于北条的支援而让他实现了翻盘。毕竟,他们也知道在这里掠夺领土,否则他们很快就会面临破灭的命运。这并不是一个可以轻视的对手。”
歴戦の古強者である家康に対し、信忠は実戦経験も乏しく、歳も一回り以上も離れている。
对于拥有悠久战斗经验的家康,信忠实战经验不足且年龄相差超过一圈。
緒戦で成果を上げたことも手伝って、信忠は父と肩を並べる国人を相手に堂々たる受け答えをしてみせた。
由于在起初的战斗中取得了成果,信忠展现出与他的父亲并肩作战的姿态,在面对国人的时候展现出了毫不畏惧的问答技巧。
緒戦は脚の速い部隊だけを先行させ、敵軍の背後を急襲することで勝利をもぎ取った。しかし、ここからは城を挟んで両軍が向かい合う野戦が舞台となる。
首战通过派出腿脚灵活的部队先行,突袭敌军背后取得了胜利。但是接下来,双方在城池中相遇,展开野战。
今も続々と兵站部隊などの脚が遅い部隊が合流してきている。敵軍が包囲する中、城内へと送りこめた部隊は少ない。
现在,越来越多的后勤部队和脚步缓慢的部队正在汇合。在敌军包围城市的情况下,能够进入城内的部队非常少。
どのように軍を編成し、城内の部隊とどのように連携して戦うかが課題となる。
如何组织军队并协同城内部队进行战斗是挑战。
(先陣は徳川、その後に続くよう織田軍が攻め込む、か)
(先锋是德川,其后继续攻击的是织田军,吗?)
軍議の結果、最初に武田軍へ切り込むのは徳川軍。それに続く形で織田軍が追随することとなった。織田軍は援軍であり、あくまでも東海の国人は徳川であるという自負もあるのだろう。
军议的结果是,最先进攻武田军的是德川军。接着,織田军紧随其后。織田军是援军,他们自认为东海的国人主要是德川家臣。
信忠としても徳川の面子を潰すわけにもいかず、家康の案を了承した。
既然我是信奉忠诚的人,同时又不能破坏德川家的面子,所以我接受了家康的提议。
「さて軍議の結果、徳川軍が先陣を務め、我々は遊撃隊としての役割を担う事となりました」
“经过军议决定,德川军队担任先锋,我们则担任游击队的角色。”
「よし! 先鋒は俺に任せろ!」
"好!先锋交给我来处理!"
遊撃という言葉を聞いた長可が、真っ先に名乗りを上げた。他の部隊と歩調を合わせる必要がなく、ある程度独自の裁量で動ける遊撃部隊は長可の好みに合致していた。
听到游击这个词,长可第一个站了出来。游击部队不需要与其他部队步调一致,可在一定程度上自行决定行动,这符合长可的喜好。
慶次は遊撃部隊として奇襲するよりも、真正面からの力比べを好み、才蔵は静子を護衛する任のため本陣に残る。
景次更喜欢正面的力量对比,而不是作为游击部队进行突袭,才藏则留在总部保护静子。
遊撃部隊には機動力が求められるため、間者を含め軍の殆どを歩兵が占める真田昌幸もまた残留となる。
由于游击部队需要机动性,因此包括间谍在内,大部分士兵都是步兵,因此真田昌幸留在了部队中。
尚、足満と高虎に関しては本願寺に対する備えとして、尾張に残っているため、不参加であった。
尚且、足满和高虎因为留在尾张作为对本愿寺的准备而未参加。
「反対意見もないようだし、武田攻めの先鋒隊は勝蔵君にお願いするね」
“既然没有反对意见,那就让武田攻击的先锋队向胜藏君发出请求吧。”
「横っ面を思い切り殴りつけてやろう!」
“狠狠地打横脸!”
「……程々にね。あんまり深入りすると囲まれるし、何より遊撃隊が本隊よりも戦果を上げるのは問題だからね」
"……保持适度吧。深入可能会被包围,而且游击队比主力队伍取得更高的战果是个问题,记住。"
いくさで手柄を立てるのは良いことだが、この場に限れば主役は徳川軍となる。
立功于战场固然是件好事,但就此场而言,主角应该是德川军。
ここを奪い返した後、敵軍を追撃する場になれば、新たに活躍の場が与えられるのだから、今無理をする必要性は薄い。
如果在夺回这里之后,这里会成为追击敌军的场所,那么就会有新的发挥机会,因此现在没有必要过度努力。
「流石に遊撃隊で敵陣特攻なんてやらないさ。徳川軍だけを見ている間抜けの目を覚まさせてやるだけだ」
「我们游击队不会去进行敌阵特攻。我们只是想让那些只看东丰冈和德川军队的愚蠢人认识到现实。」
「そこを理解しているなら問題ないよ。あまりくどくど言っても始まらないから、後は各自の判断に任せます」
「如果你理解了那一点,就没有问题了。不必再啰嗦了,最后的决定由各自自行决定。」
政治が絡んだいくさは面倒だと静子は独り言(ご)ちた。
政治纷争牵涉其中的战斗真是麻烦啊,静子自言自语道。
軍議の場で得た情報では、北条軍が混じっているのは確実だが、彼らに呼応して上杉家中の親北条派がどのように動くか予想できない。
军议场上获得的情报表明,确实掺杂有北条军,但上杉家中支持北条派的人如何行动还无法预测。
信忠に敗北を学ばせるという目的からすれば、武田と北条の二正面作戦までは許容できる。戦局を判断するには上杉の動向がカギを握る。
就目的在于让忠诚体验失利而言,容许武田和北条采取双面作战。上杉的态势是判断战局的关键。
上杉家内の動向は、謙信が越後に在留しているため、全く読めない状態になっていた。
上杉家的情况由于謙信留在越後,已经变得完全无法预测了。
何かと暗躍している北条の支援次第では、謙信すらを排することが出来ると考えているのか?
你认为北条正在秘密活动,如果他的支援足够,就有可能排斥甚至取代謙信吗?
それとも武田、北条連合軍だけで徳川を制することができると踏んでいたのか?
那么你认为武田和北条联军可以单独制服德川吗?
それぞれの勢力の思惑が交差するこの場で、どのような歴史が紡がれるのか、それは最早誰にも予測することが出来なくなっていた。
在各方力量的谋划相遇之际,将会编织出怎样的历史已经无法预测。