【日本小4道德】12#对一只蝉的感谢
一匹の蝉に「ありがとう」(对一只蝉的感谢)
「ジー、ジー、ジー。」
(“唧、唧、唧。”)
耳を塞ぎたくなるような声で、アブラゼミの合唱が始まる。いつもの年なら、そのうるささに腹を立ててしまう私だけど、今年は、ちょっと違う。
(想要捂住耳朵的油蝉的合唱开始了。往年的话,我会对这吵闹的声音感到火大,但是今年有些不一样。)
七月二十八日午後九時を過ぎた頃、庭の木を登っていく変な虫を発見した。何をしているんだろう。細い枝の先に行っては、落ちそうになりながら、必死に登っていく。
(七月二十八日午后九点过后的时候,我发现了正在庭院的树上攀爬的奇怪的虫子。它在做什么呢?尽管朝着细树枝往前爬快要掉下去了,但它还是拼命地往上爬。)
「それは、蝉の幼虫だ。明日の朝までに羽化するよ。」
(“这是蝉的幼虫。到明天早上会羽化。”)
お爺ちゃんが教えてくれた。
(爷爷告诉我道。)
私は、羽化の瞬間を見てみたくなった。椅子と、懐中電灯を用意し、観察することにした。
(我想看羽化的瞬间。我准备了椅子和手电筒,准备观察。)
幼虫は二時間ほど歩き回って、午後十一時、同じ所でしきりに足を動かし始めた。木の皮に足の先を食い込ませているようだ。
(幼虫爬来爬去爬了两小时左右。午后十一点,它开始在同一个地方不停地动着脚。它似乎在用脚尖陷入树皮。)
「羽化する場所を見つけたんだね。」と、お兄ちゃんの声がした。
(哥哥出声道:“它找到了羽化的地方吧。”)
いつの間にか、木の周りに、家族全員が集まっていた。
(不知何时,全家人聚集到了树边。)
それから二十四分後、幼虫の背中が割れ始めた。胸がどきどきしてきた。懐中電灯を握る手にも、思わず力が入った。
(然后二十四分钟后,幼虫的背开始破开。我心跳不已,还不禁牢牢地握住了手电筒。)
ぴくん、ぴくんと体を震わせながら、ゆっくり頭が出てきた。黒くて真ん丸い二つの目が、とっても可愛い。体は白くて、薄い茶色や水色の模様がある。
(它颤动着身体,缓缓冒出了脑袋。又黑又圆的两只眼睛非常可爱。身体是白色的,有着淡茶色和淡蓝色的花纹。)
十一時四十分、体を反らし始めた。細い足と小さな羽が見えてきた。
(十一点四十分,它的身体开始向后仰。渐渐能看到纤细的脚和小小的翅膀了。)
よいしょ、よいしょ。
(嗨哟,嗨哟。)
体がほとんど抜け出した。お尻だけ、殻に入れたまま二十分。柔らかい足がしっかりと硬くなるのをじっと待っているようだ。
(它的身体基本上已经脱离出来了。只有尾部还在壳里待了二十分钟。它似乎是在静静地等待柔软的脚变硬。)
時計を見ると、あっという間に日付が替わっていた。
(一看时间,眨眼间日期就变了。)
十二時六分、縮んでいた足を伸ばし、抜け殻につかまりながら体を起こした。すぽっとお尻が抜け出した。
(十二点六分,它伸长了缩着的脚,然后抓着壳起身。尾部一下子脱离了出来。)
「あっ。」と、思わず声が出てしまった。
(“啊。”我不禁出声道。)
抜け殻につかまって、ぶら下がっている成虫は、おんぶしている赤ちゃんのようだ。真夜中の暗闇の中で、懐中電灯の光に照らされた成虫の姿は、エメラルドグリーンに輝いて見える。
(抓着壳,悬挂着的成虫,就像是被背着的婴儿。在半夜的黑暗中,被手电筒的光照着的成虫的样子看起来像闪耀着翡翠绿。)
暫くの間、その姿に見とれて、私は身動きも出来なかった。
(片刻之间,我对它看入迷了,都无法动身。)
何分経っただろうか。さっきまで縮んでいた羽が、ぴいんと伸びてきた。
(过了几分钟了呢?它方才还缩着的翅膀一下子伸展开了。)
すっかり大人の蝉の形をしているけれど、私には、昼間見ている蝉とは違うもののように思えた。
(虽然它已经完全变成了蝉的成虫,但我感觉它和我在午间时看到的蝉像是不一样的东西。)
透き通った二枚の羽をつけ、空から降りてきた天使のように思えた。
(它有着透明的两枚翅膀,就像是从空中降临的天使一般。)
ふと周りを見回すと、お爺ちゃんもお婆ちゃんも目を丸くして、じっと見ている。そして、お父さんやお母さんも、懐中電灯を持って、身動きもしないで見つめている。
(突然环视了一下周围,看到爷爷奶奶瞪圆了眼睛,静静地看着它。并且,父母也拿着手电筒,一动不动地注视着它。)
私は、家族みんなが、小さな一匹の蝉を見ながら、同じ気持ちでいるんだなあと思った。こんなことは、本当に生まれて初めての経験だった。
(我们全家看着一只小小的蝉,产生了同样的心情吧。这种事真的是自我出生以来第一次的体验。)
私の住む地球では、沢山の命が次々に生まれている。今までは、そんなことを考えたことはなかった。けれども、今年の夏、一つの小さな命の誕生を見て、私は、目が覚めたような気持ちになった。そして、この一匹の蝉に、「ありがとう。」と言いたくなった。
(我所居住的地球,有众多的生命接连不断地诞生。迄今为止,我没有考虑过这种事。然而,今年夏天,我看了一个小生命的诞生,产生了一种醒悟了的感觉。以及,我想对这一只蝉说“谢谢。”。)
残り少ない夏、思いっきり太陽の光を浴びて、元気に鳴いてほしいと思う。
(我希望它们在剩余不多的夏天,尽情地沐浴着阳光,精神地鸣叫。)

