「足る」と「足りる」の使い分け
一、「足る」と「足りる」の区別
足る:十分である 雅語的な表現
足りる:数量が必要なだけある 現代的な日本語
意味はほぼ同じだが、少し違いがある。
足りる:必要最低限度の数量
例文:
▲お金が足りる/足りない。
▲人数が足りる/足りない。
▲時間が足りる/足りない。
▲物の量が足りる/足りない。
逆に
▼努力が足りる✖ 足りない〇
▼睡眠が足りる✖ 足りない〇
▼体力が足りる✖ 足りない〇
▼理解が足りる✖ 足りない〇
▼知恵が足りる✖ 足りない〇
▼愛情が足りる✖ 足りない〇
(程度を問題にする場合、「足りない」しか使えない。)
(以上の場合、不足を表す単語は以下の通り使ってください。)
▽十分に考えてから相談してください。
▽十分な睡眠
▽愛情を満たす。
二、「~に足る/足りる」という慣用表現
意味:~値打がある/それにふさわしい資格や価値がある
例文:
1、信頼に足りる人物。
2、足ることを知れば常に楽しい。(知足長楽)