【日本小3道德】26#百只鹤
百羽の鶴(百只鹤)
冷たい月の光で、煌々と明るい、夜更けの広い空でした。
(深夜的广阔天空,清冷的月光闪亮。)
そこへ、北の方から、真っ白な羽をひわひわと鳴らしながら、百羽の鶴が飛んできました。
(一百只鹤从北方扑闪着雪白的翅膀飞来了。)
百羽の鶴は、皆同じ速さで、白い羽をひわひわと動かしていました。首を伸ばして、ゆっくりゆっくりと飛んでいるのは、疲れているからでした。
(百只鹤以同样的速度拍打着白色的翅膀。伸长脖子,缓缓飞着,是因为疲惫了。)
何しろ、北の果ての、寂しい氷の国から、昼も夜も休みなしに飛び続けて来たのです。
(毕竟,它们是从北方尽头的荒凉的冰之国,日夜不休地持续飞来。)
だが、ここまで来れば、行く先はもうすぐでした。楽しんで、待ちに待っていた、綺麗な湖のほとりへ着くことが出来るのです。
(但是,来到了此处,马上就要到达目的地了。能够到达期盼了已久的美丽的湖畔。)
「下をごらん、山脈だよ。」と、先頭の大きな鶴が、嬉しそうに言いました。
(“往下看,是山脉。”领头的大鹤高兴道。)
皆、一緒に下を見ました。
(大家一起往下看了。)
黒々と、一面の大森林です。雪をかむった高い峰だけが、月の光を跳ね返して、鋼のように光っていました。
(一大片乌黑的森林。只有覆盖着雪的高峰如同钢铁般反射着月光。)
「もう、あと一息だ。皆、頑張れよ。」
(“再加把劲。大家加油啊。”)
百羽の鶴は、目をキロキロと光らせながら、疲れた羽に力を込めて、痺れるほど冷たい夜の空気を叩きました。
(百只鹤的目光熠熠生辉,使劲挥动疲惫的翅膀,击打着寒冷到要麻木的夜晚的空气。)
それで、飛び方は、今までよりも少しだけ、速くなりました。もう、あとすぐたと分かっているからです。残りの力を出し切って、ちょっとでも早く、湖へ着きたいのでした。
(然后飞得比目前为止要稍微快一些。因为它们知道快要到了。所以想用尽剩下的力气,尽早抵达湖畔。)
するとその時、一番後ろから飛んでいた、小さな子供の鶴が、下へ下へと落ち始めました。
(于是这时,在最后面飞着的幼鹤开始往下坠落。)
子供の鶴は、皆に、内緒にしていましたが、病気だったのです。ここまでついてくるのも、やっとでした。
(幼鹤向大家保密了生病的事。能飞到这里也已经是很不容易了。)
皆が、少しばかり速く飛び始めたので、子供の鶴は、ついていこうとして、死に物狂いで、飛びました。
(由于大家稍微开始飞快了一些,幼鹤拼命想要追上大家而飞着。)
それが、いけなかったのです。あっという間に、羽が動かなくなってしまい、吸い込まれるように、下へ落ち始めました。
(这么做不行。眨眼间,翅膀就动不了了,像要被吸进去一般开始往下坠落。)
だが、子供の鶴は、皆に、助けを求めようとは思いませんでした。もうすぐだと、喜んでいる、皆の喜びを、壊したくなかったからです。
(但是,幼鹤没有向大家求助。因为它不想破坏大家快要到达的喜悦。)
黙って、ぐいぐいと落ちながら、小さな鶴は、やがて、気を失ってしまいました。
(它沉默着不断坠落,幼鹤最终失去了知觉。)
子供の鶴の落ちるのを見つけて、そのすぐ前を飛んでいた鶴が、鋭く鳴きました。
(就在前面飞行的鹤看到幼鹤坠落,发出了尖锐的鸣叫。)
すると、たちまち、大変なことが起こりました。前を飛んでいた、九十九羽の鶴が、一斉に、さっと、下へ下へと落ち始めたのです。子供の鶴よりも、もっと速く、月の光を貫いて飛ぶ、銀色の矢のように速く、落ちました。
(于是,很快,发生了不得了的事。在前面飞行的九十九只鹤一起一下子往下飞去。比幼鹤更快,仿佛是银色的箭一样,贯穿了月光往下快速飞去。)
そして、落ちていく子供の鶴を追い抜くと、黒々と続く大森林の真上あたりで、九十九羽の鶴は、さっと羽を組んで、一枚の白い網となったのでした。
(然后,超过了坠落的幼鹤,在漆黑蔓延的大森林的正上方附近,九十九只鹤一下子将翅膀组成了一张白色的网。)
素晴らしい九十九羽の鶴の曲芸は、見事に、網の上に、子供の鶴を受け止めると、そのまま空へ舞い上がりました。
(九十九只鹤的漂亮的技艺完美将幼鹤接在了网上,然后就这样往空中飞去。)
気を失った子供の鶴を、長い脚で抱えた先頭の鶴は、何事もなかったように、皆に言いました。
(领头的鹤用长脚抱着失去知觉的幼鹤,仿佛无事发生般地对大家说道。)
「さあ、元のように並んで、飛んでいこう。もうすぐだ。頑張れよ。」
(“好了,和原来一样排好飞吧。马上就要到了。加油啊。”)
煌々と明るい、夜更けの空を、百羽の鶴は、真っ白な羽を揃えて、ひわひわと、空の彼方へ、次第に小さく消えて行きました。
(百只鹤一起扑闪着雪白的翅膀,飞过了闪亮的夜空,朝着天空的那边,身影渐渐小去,最后消失不见了。)

