徒然草 第68段 筑紫に、なにがしの押領使などいふやうなる者のありけるが、・吉田

筑紫に、なにがしの押領使などいふやうなる者のありけるが:九州の押領司、「押領司<おうりょうし>」は、兵を率いて反乱を鎮圧する役目の律令に記載されない「役人?」。筑紫は筑前と筑後を言うので、九州全部を指す。
土大根を万にいみじき薬とて:<つちおおね>、大根のこと。今では、大根脚と蔑まれているが、この時代、大根は薬草だった。
日比こゝにものし給ふとも見ぬ人々の、かく戦ひし給ふは、いかなる人ぞ:ひごろお目にかからない人達ですが、こんなに勇ましく戦った皆さんはどなたですか?
深く信を致しぬれば、かゝる徳もありけるにこそ:深く信じていればこそ、こんな徳も出てくる。