【日本中1国语】6#仰望天空

空を見上げて(仰望天空)
作者:山中 勉(やまなか つとむ)
平成二十三年三月十一日、東日本大震災が起きました。震災は沢山の人の心に辛い思いを残しました。そんな自分達の心の中を五·七·五の言葉に紡ぎ、人々に伝えることを決意した中学生がいます。大きな被害があった宮城県女川町の中学校に通う生徒達です。震災から二か月後のことでした。
(平成23年3月11日,东日本遭受了大地震。震灾给众多人的心中留下了痛苦的回忆。有一群中学生决意将这样的自己的心中想法织写成五七五的话语,并传达给人们。他们是就读于遭受了重大灾害的宫城县女川市的中学的学生们。这是距震灾两个月之后的事。)
私は、国際宇宙ステーションの「きぼう」を利用して、子供達に宇宙への関心を持ってもらう取り組みをしています。女川の中学生達も、以前からその仲間として活動していました。震災後、女川を訪れた私の前には、深い悲しみの中にいる中学生達の姿がありました。しかし、同じ思いをしている周りの大人や友達の中では、その心を表現するのにためらいを感じていたのです。私は、「地球人の一人として、遠い世界や宇宙に向けて、今の心を解き放してみては。」と呼びかけてみました。すると、中学生達は、それまで心の中に閉じ込めていた思いを、次々に紡ぎ出していったのです。
(我利用国际空间站的“希望”,致力于让孩子们对宇宙产生兴趣。女川的中学生们也从以前开始作为从事这项工作的伙伴一起活动过。震灾后,在到访女川的我的面前,是沉浸在深切的悲痛中的中学生们的身影。然而,在周围有着同样想法的大人和朋友中,对于要表现其内心感到踌躇。我试着呼吁道:“作为一名地球人,不如向着遥远的世界和宇宙,解放现在的内心吧?”于是,中学生们接连不断地将一直封闭至今的内心的想法织写了出来。)
夢だけは 壊せなかった 大震災
(唯有梦不被大震灾摧毁)
逢いたくて でも会えなくて 逢いたくて
(想见却无法相见 好想见)
みあげれば がれきの上に こいのぼり
(仰视瓦砾之上 有鲤鱼旗)
戻ってこい 秋刀魚の背中に のってこい
(乘在秋刀鱼的背上 回来吧)
心がこもった言葉には、人を動かす不思議な力があります。女川の中学生の言葉は、新聞報道などを通じて、日本の中学生や小学生、高校生、大学生の心を動かし、連句のように七·七の句が女川の中学生のもとに届けられました。
(蕴含着内心的语言有着撼动人们的不可思议的力量。女川的中学生的话语通过报纸报导等,打动了日本中小学生、高中生和大学生的心,然后女川的中学生收到了连句一样的七七的句子。)
みあげれば がれきの上に こいのぼり(女川)
(仰视瓦砾之上 有鲤鱼旗)(女川)
未来への川 登り続ける(東京)
(向着未来的河流 继续攀登)(东京)
いつだって 道のタンポポ 負けてない(女川)
(路上的蒲公英 无论何时都未败北)(女川)
こんなところで くじけるものか(京都)
(怎能在这种地方气馁)(京都)
なくなった また一からの スタートだ(女川)
(失去了 再从头开始新的起点)(女川)
ともに描こう 「希望」のスケッチ(福岡)
(共同描绘吧 “希望”的蓝图)(福冈)
そして、女川の中学生達も、またそこに句を重ねていきました。
(然后,女川的中学生们也继续写了下去。)
弟と 久しぶりに 大ゲンカ(女川)
(与弟弟久违的大吵一架)(女川)
ケンカするって 幸せなんだ(東京)
(吵架是一种幸福)(东京)
初詣 弟大吉 僕は吉(女川)
(新年初次参拜 弟弟大吉 我是吉)(女川)
夢だけは 壊せなかった 大震災(女川)
(唯有梦不被大震灾摧毁)(女川)
負けちゃいけない こんなところで(福岡)
(不能输在这种地方)(福冈)
みてなさい 数学なんかに 負けません(女川)
(看吧 不会输给数学的)(女川)
「みあげれば がれきの上に こいのぼり」と言う句が、NHKラジオ国際放送の番組で紹介されると、世界中の人々からメッセージが返ってきました。そして、そのメッセージを女川の中学生が訳し、下(しも)の句に紡ぎ直していきました。
(“仰视瓦砾之上 有鲤鱼旗”这一句被NHK国际播放的广播节目介绍后,收到了全世界的人们的信息。然后,女川的中学生翻译了这些信息,重新写下了下句。)
みあげれば がれきの上に こいのぼり(女川)
(仰视瓦砾之上 有鲤鱼旗)(女川)
リン!と希望の 鐘がなりだす(ロシア)
(叮铃!希望的钟声响起)(俄罗斯)
みあげれば がれきの上に こいのぼり(女川)
(仰视瓦砾之上 有鲤鱼旗)(女川)
その上見れば 希望の光(バングラデシュ)
(再往上看 是希望之光)(孟加拉国)
みあげれば がれきの上に こいのぼり(女川)
(仰视瓦砾之上 有鲤鱼旗)(女川)
あきらめないと 空を泳いだ(パキスタン)
(不放弃的话 遨游于空中)(巴基斯坦)
外国には、こいのぼりを揚げるという習慣はないでしょう。「こいのぼり」って何だろうと考えたことでしょう。しかし、女川の中学生の言葉は世界中の人々の心を動かし、こいのぼりは確かに世界中の人の心の中で鮮やかに泳いだのです。
(外国没有扬起鲤鱼旗的习惯。会考虑“鲤鱼旗”是什么吧?然而,女川的中学生的话语打动了全世界人们的心,鲤鱼旗确实鲜明地遨游于全世界人们的心中。)
震災と言う困難な状況下でも、日本や外国の人々を繋いでいった言葉。そこには、「あきらめないと空を泳いだ」心が込められているのです。全ての生徒達の言葉にその心を見つけることが出来ると思います。
(即使在震灾这种困难的状况下,连接着日本和外国的人们的语言中,蕴含着“不放弃的话 遨游于空中”的内心。在所有学生们的话语中能够发现这样的内心。)
女川の中学生と世界中の人々が紡いだ言葉は、ディスクに収録してロケットで打ち上げられ、「きぼう」に保管されました。「きぼう」は、夜空に明るく輝く星として世界中で見ることが出来ます。寂しい時、辛い時、この星を見上げれば、女川町の友人と、世界中の人々が重ねた心を思い出すことができます。そして、「私は一人ではない」ということを感じることが出来るでしょう。
(女川的中学生和全世界的人们所织写的话语,被收录进音盘中,并用火箭发射,然后由“希望”所保管。“希望”作为在夜空中闪耀的明星,能够在全世界看到。悲伤痛苦的时候,仰望这颗星的话,就能想起女川市的友人与全世界的人们交叠的心。然后,可以感受到“我不是一个人”吧。)
「きぼう」は、地球人の心の輝きを放ちながら、今日も地球を周回しています。
(“希望”闪耀着地球人的心灵光辉,今日也围绕着地球旋转。)

作业
1.读课文
2.思考课文相关内容:
