【GPT机翻】战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚)- 103 [千五百七十三年 四月中旬]
书名 战国小町苦劳谭
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作者: 夹竹桃
原作:http://ncode.syosetu.com/n8406bm/
翻译工具:ChatGPT
*机器输出的翻译结果UP未做任何修正,仅供试阅。标题章节号为原翻译版的顺延。*
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千五百七十三年 四月中旬(*原文网页序列号 - 120)
信長との会談を終えた静子は、慶次たちを連れて帰宅の途についた。
结束了与信长的会谈后,静子带着景次们回家了。
尾張にある静子邸の本殿に、雇い入れた奴隷の四名を待たせているため、彼女は慌ただしく着替えを済ませて謁見の間へと急ぐ。
因为在尾张的静子邸的本殿里等待着雇佣的四名奴隶,她匆忙换好衣服,赶往接待室。
「早速ですが、四人にはそれぞれ仕事をして貰います。虎太郎さんには書物の翻訳を、弥一さんと瑠璃さんには、それぞれ金属加工と絨毯の製法の伝授、紅葉ちゃんはある植物の栽培記録を取って貰おうかな」
「首先,每个人都会分别有他们的工作。给虎太郎先生翻译书籍,给弥一先生和璐璐小姐分别传授金属加工和制作地毯的技巧,可能让红叶小姐记录某种植物的种植历史。」
ヨーロッパ諸国で記された書物を日本語に訳すには、現代の辞書があるだけでは不十分だ。静子が持ち込んだ電子辞書の類は、現代語のそれであり、中・近世の文法や語法とは異なっている可能性があった。
将欧洲国家中写成的书籍翻译成日语,仅依靠现代辞典是不够的。静子携带的电子辞典类型为现代语言,与中近世的语法和词法可能存在差异。
それならば、当時の翻訳家に日本語へと訳して貰うのが一番手っ取り早い。
那么,当时的翻译家将其翻译成日语是最快捷的。
言語学者であり、母国に居た頃より翻訳をしていた虎太郎は、ラテン語はもとより、フランス語やスペイン語、ギリシャ語も堪能であった。
语言学家虎太郎自从在故乡时就开始从事翻译工作,除了熟练掌握拉丁语,他还精通法语、西班牙语和希腊语。
日本語を流暢に操れるのも、そうした下地があったためである。尤も、複数の言語を知ったが故に、教会に目を付けられ、異端審問を受ける羽目にもなったのだが。
操流利的日语也是因为有这样的基础。当然,因为知道了多种语言,也被教会盯上,被迫接受异端审判。
「翻訳自体は構いません。しかし、何か仰りたいことがありそうだ」
“翻译本身并不重要,但似乎您有什么想要表达的意思。”
「報酬と言っては何だけど、地動説の根拠となる情報を与えましょう」
“虽说不算报酬,但是我会提供地动说的根据信息。”
地動説と言う単語を聞いて、虎太郎の眉がピクリと動いた。
听到“地动说”这个词,虎太郎的眉头动了一下。
当時の主流は、宇宙の中心に地球があり、他の天体は地球の周りを自転しながら公転しているという説、即ち天動説であった。
当时的主流学说是天动说,即宇宙中心是地球,并且其他天体绕着地球旋转公转。
これに対して宇宙の中心は太陽であり、地球やその他の惑星は太陽の周りを自転しながら公転していると唱えたのが地動説である。
这就是地动说,它声称太阳是宇宙的中心,地球和其他行星则围绕太阳自转和公转。
地動説で有名なのはガリレオ・ガリレイだが、最初に提唱したのは古代ギリシャの天文学者アリスタルコスだとも言われている。
著名的地球自转说被认为是由伽利略最先提出的,但也有人认为其最初提出者是古代希腊的天文学家阿里斯塔克斯。
紀元前2世紀の天文学者アリスタルコスは月の満ち欠け、月と太陽との距離、月と太陽の大きさから太陽が地球を回っていると考えるより、地球が太陽の周りを回っている方が自然だと考えた。
公元前2世纪的天文学家亚里士多德认为,根据月相、月球与太阳的距离和月球与太阳大小的变化,地球绕太阳旋转比太阳围绕地球旋转更为自然。
余談だが月と太陽との距離について、アリスタルコスは「月が上弦か下弦の月の時、太陽は真横から地球を照らしている。そして地球と月とは一直線の位置関係にある。それならば、その時の月と太陽の仰角を測定すれば、地球から月、また地球から太陽との距離を三角測量で測定できる」と考えた。
顺便提一句,阿里斯塔克思认为:“在月亮是上弦或下弦月的时候,太阳从地球的侧面照射地球,地球、月球和太阳处于同一条直线上。因此,如果测量当时月球和太阳的高度角,就可以用三角测量法测定地球与月球、地球与太阳之间的距离。”
そして彼は実際に計測を行い、その結果から太陽は地球から見て、月の19倍(実際には約390倍)遠くにあると考えた。
然后他实际进行了测量,并根据结果认为,太阳从地球看是月球距离的19倍(实际上约为390倍)远。
次に彼は月食から月の大きさを計測した。月食は月が地球の影に隠れるため、月に映る地球の影から、地球の大きさを求められると考えた。
然后他从月食中测量月球的大小。月食是月球被地球的阴影覆盖,可以从月球上反射出来的地球阴影中计算出地球的大小。
そしてそれらを計測し、地球の直径は月の3倍である(実際には約4倍)として計測結果をまとめた。
然后测量它们,将地球的直径测定为月球的3倍(实际上约为4倍),并总结了测量结果。
これらのデータから太陽は地球など取るに足らないと言える程に大きいと、彼は結論付けるに至った。
从这些数据可以得出结论,太阳非常之大,甚至可以说在取比地球等其他行星相比是微不足道的。
仮説を打ち立て実証し、そのデータから導き出した結論から、アリスタルコスは「地球より大きな太陽が、地球の周りを回ると考えるより、地球が太陽の周りと回っている方が自然だ」として、地動説を発表した。
通过假设建立和证实,并从数据中推导出的结论,阿里斯塔克斯声称“相较于假设地球周围有一个比地球更大的太阳,假设地球绕着太阳转动更为自然”,因此提出了地心说。
勿論、中世と同じく当時の天文学の権威から「そんな馬鹿な話があるか。神への冒涜だ」と一蹴され、激しく非難された。
当然,像中世一样,当时的天文权威们也将“这种愚蠢的说法根本不存在。这是对上帝的亵渎!”一脚踢开并猛烈谴责。
その後、二千年近い時が流れて16世紀の中世ヨーロッパ、カトリック司祭のニコラウス・コペルニクスがアリスタルコスの研究結果に着目し、誤差や欠点を独自の計算で補って再計測をした結果、地動説が正しいと確信するに至った。
此后,近2000年的时间流逝,到了16世纪的中世纪欧洲,天主教神职人员尼古拉·哥白尼注意到了亚里士多德的研究结果,通过自己的计算修正了错误和缺点后再次进行了测量,最终确认了地动说的正确性。
しかし、当時の常識である天動説を否定することは命懸けであるため、それを恐れたコペルニクスは死の間際にようやく発表した。
然而,因为否认当时的常识——天动说,是冒着生命危险的。因此,科普尔尼库斯害怕这一点,直到临死前才公开发表了他的观点。
何故、コペルニクスが地動説の発表を恐れ、ガリレオ・ガリレイが異端審問の場において、自説を撤回したのか。
为什么哥白尼害怕发表地心说,而伽利略在异端审判中撤回了自己的观点。
それは聖書に「神は大地を動かなくした」という一文があったからに過ぎない。
这只是因为圣经中有一句话说“上帝使大地不再移动”。
つまり天動説を否定することは、聖書が間違っていると糾弾することになり、ひいては神を否定するという、キリスト教国に於いて死活問題となる危険を孕んでいた。
也就是说,否定天动说意味着谴责圣经错误,进而危及否定上帝的基督教国家的生死存亡问题。
それ故にカトリック教会は頑なに地動説を否定し続けた。
因此,天主教会坚决否定了地动说。
コペルニクスの地動説を擁護し、太陽系のような天体は宇宙に無数にあると唱えたジョルダーノ・ブルーノは異端審問にかけられ、異端と宣告されても尚、自説を撤回しなかったため火刑に処された。
哥白尼的地心说支持者并声称像太阳系这样的天体在宇宙中有无数个的乔尔达诺·布鲁诺经历异端审判,并被宣告异端,尽管如此他仍然没有撤回他的信仰,最终被判处火刑。
火刑の後、彼の遺灰は川へと投げ捨てられ、教会は遺族に葬儀や墓の造営を禁じることを申し渡した。
在火刑之后,他的遗灰被抛入河中,教堂告诉遗族不允许进行葬礼或建造墓地。
ガリレオ・ガリレイは教会の苛烈な対応を知っていたため、異端審問の場で自説を撤回したと言われている。
据说,伽利略在异端审判中撤回了自己的观点,因为他了解教会的苛刻态度。
「それが正しい事を証明できますか?」
你能证明那是正确的事情吗?
「私がここで正しいと請け負っても、貴方は納得できないでしょう。ならば、正しいかどうかは貴方が証明すれば良い。私が示した根拠が誤りであったならば、私を嘘つき呼ばわりすると良いでしょう」
“即使我在这里担保是正确的,你也不会满意。那么,你可以自己证明是否正确。如果我提供的证据是错误的,你可以称呼我为撒谎者。”
「なるほど、何(いず)れにせよ己の目で追実験して確かめねばなりませんね」
“我明白了,无论如何都必须亲眼进行跟踪实验以确保。”
静子の言葉に虎太郎は笑みを深める。
静子的话让虎太郎的笑容加深。
既に地動説が常識の世界で生きてきた静子が、虎太郎に地動説を確かめさせる理由は何か。それは静子が『結果』しか知らないからだ。
已经在地动说成为常识的世界中生活的静子之所以让虎太郎验证地动说的原因是什么?那是因为静子只知道“结果”。
地球は自転している、地球は太陽の周りを公転している、と言うのは簡単だ。
地球自转,地球绕着太阳公转,这很简单。
しかし、それを証明するとなると彼女の根拠は「そう習ったから」になってしまう。故に虎太郎に根拠を示し、実際に計測させて証明させるのだ。
然而,要证明这一点,她的根据只能是“因为她那样学过”。因此,我们需要向虎太郎展示证据,并实际测量以加以证明。
しかし、地動説を証明する根拠と一口に言っても、その詳細は多岐に亘る。
然而,证明地动说的根据并不只是简单的一点,其详细内容非常广泛。
ガリレオ・ガリレイは木星に衛星があること発見して公転の根拠とし、金星の満ち欠けや太陽の黒点の動きから惑星が自転していることを主張した。
伽利略发现木星有卫星,将其作为公转的依据,并从金星的阴晴和太阳黑点的运动中认为行星有自转。
また、ケプラーの法則を確立したヨハネス・ケプラーによる天文表「ルドルフ表」(当時の星表と比較して30倍もの精度を持っていた)も発表された事で、地動説に有利な証拠は幾つも出てきた。
此外,由于约翰内斯·开普勒确立了开普勒定律,他发表了天文学表格“鲁道夫表”(与当时的星表相比,具有30倍的精度),这也为地心说提供了许多证据。
それでも反論は少なからずあった。中でも「地球が一度も停止せず動き続けていられる理由」については正確な答えが出せないでいた。
即便如此,仍有相当数量的反驳。其中尤以关于“地球为何从未停止运动”的问题,尚无法给出确切答案。
この問題を解決したのがアイザック・ニュートンである。彼の「運動の法則」と「万有引力の法則」という普遍的な法則で慣性を定式化した事で、地動説の疑問が全て解消された。
艾萨克·牛顿解决了这个问题。他用他的“运动定律”和“普遍引力定律”来定式化惯性,使得所有有关地心说的问题都得到了解决。
ただし、どれほど根拠のあるデータが出ても、カトリック教会が地動説を承認したのは、コペルニクスの地動説発表から数百年後の千九百九十二年の事である。
然而,即使有多少有根据的数据出现,天主教会批准地动说是在哥白尼提出地动说几百年后的1892年。
「絨毯、ですか」
“地毯吗?”
「そうです。それが後に緞通(だんつう)へと繋がりますからね」
“是的。因为那将会与緞通(丹通)相关联。”
「あの……緞通って何でしょうか」
那个……绸缎是什么?
「いわゆる絨毯の親戚、とでも言うのでしょうか。何、細かく気にする必要はありません。貴女が知っている絨毯の製法を、職人に伝授すれば問題ないのです。後は、職人たちが勝手に自己改造するでしょう」
“所谓的地毯亲戚,可以这么说吧。不用太在意。只要把你所知道的地毯制作方法传授给工匠就可以了。然后,工匠们会自行进行改良。”
虎太郎との会話が終わると、今度は瑠璃が静子へ話しかける。
和虎太郎的交谈结束后,瑠璃又开始和静子交流。
緞通とは敷物用織物の一種で中国製の絨毯を指す。絨毯と混用される事が多いが別物だ。色々と違う点はあるが、一番大きな違いは厚みである。
缎通是一种地毯用织物,指的是中国制造的绒毯。虽然经常与绒毯混用,但它们是不同的物品。虽然有许多不同之处,但最大的区别在于厚度。
ペルシャ絨毯は非常に薄い絨毯だが、緞通は厚みを持たせた絨毯と言える。また製法も大きく異なり、ペルシャ絨毯は経(たて)糸と横糸を結ぶが、緞通は横糸に経糸を通すだけだ。
波斯地毯是非常薄的地毯,但华丽坪布可以说是带有厚度的地毯。此外,制作方法也有很大的区别,波斯地毯是将纵线和横线结合在一起,而华丽坪布只需将横线穿过纵线即可。
「は、はあ……」
"嗯、嗯……"
「過去をほじくり返す事になりますが、絨毯製法の伝授が終われば後は助言や監督をする程度で問題ありません」
“虽会涉及回忆过去,但在传授织毯技术完成后,只需提供指导和监督即可,没有问题。”
これは後に話を聞いて発覚した事だが、瑠璃は一時期アラブで奴隷として売られ、絨毯を製造する工場で下働きをさせられていた。
这是后来听到的事情,瑠璃曾一度被贩卖到阿拉伯当奴隶,在制造地毯的工厂里担任下属职位。
時に職人を手伝う事もあったゆえ、製法については一通り知っているとの事だ。
有时候也帮助工匠,所以对制法都有所了解。
その時に知った製法を尾張の職人へと伝授するのが彼女の仕事だ。
她的工作是将那时学到的制作方法传授给尾张的工匠。
ただ、全ての工程を把握している本物の職人とは違うので、簡略化された手順などで覚えている可能性もあったが、その辺りは教わった職人たちで勝手に補完するだろうと考え、静子は余り気にしていなかった。
只是,与真正了解所有工序的工匠不同,也许是通过简化的步骤来记忆,但静子认为这些工匠们会自行补充,所以并没有太在意。
ペルシャ絨毯は日本とあまり関わり合いがなさそうに思われるが、安土桃山時代に既に日本へと輸入されていた。
波斯地毯似乎与日本没有太多的联系,但在安土桃山时代已经被引进到日本。
時の権力者である豊臣秀吉はペルシャ絨毯をいたく気に入り、裁断して陣羽織にしたという話もある。
据说时任权力者丰臣秀吉非常喜爱波斯地毯,曾将其剪成衣服来穿。
「内容は簡単に聞こえますが、絨毯や緞通は外資を得るための貴重な商品になります。なので、その点にだけ注意して下さい」
“听起来很简单,但地毯和绸缎是为了获得外汇而变得宝贵的商品。所以,请只注意这一点。”
「はい、わかり、ました」
"是的,我明白了" (shì de, wǒ míng bái le)
「宜しい。弥一さんについては、今さら語る事はないでしょう。お好きなように物を作って下さい。後は職人が見て、勝手に対抗意識を燃やして、真似て何か作るでしょう」
"好的。对于弥一先生,现在说也没什么必要了吧。您可以按照自己的喜好制作物品。之后匠人们会看了自发产生竞争意识,模仿着创作出些什么东西吧。"
「……それだけで良いのですか?」
“仅仅是这样就可以吗?”
瑠璃同様、弥一の仕事も端的にいえば技術の継承それだけだった。何しろ自分が作れるものを作っていれば良い、なのだから彼らが困惑するのも無理はない。
像琉璃一样,弥一的工作也可以简单地说就是技术的传承。毕竟只要制作自己能制作的东西就可以了,所以他们困惑也不足为奇。
「構いません。こういうのは上からものを言っても、職人たちは動きません。対抗心を燃やす状況に持ち込めば、自ずと動くものです」
“没关系。这种情况即使从上面说话,工匠们也不会动。如果引起对抗心理,他们自然会行动。”
二人には普段通りの事でも、静子にとっては新しい技術が入る事が重要だった。それで良い技術が確立され、新しいものが出来るかは、彼女自身にも判断がつかない。
两人平常的事对静子来说,掌握新技能是很重要的。她自己也无法判断这是否能够确立好的技术并创造出新的东西。
だが、最初の引き金を引かないことには話は始まらない。ゆえに海外の技術は、どんな些細なものでも取り入れる気でいた。
但是,如果不拉动第一扳机,故事就不会开始。因此,我们一直打算引进海外技术,无论多么细微的技术都要引进。
「分かりました」
知道了。
「よろしくー。では最後に紅葉ちゃん。貴女は……そうだね、インドセンダンの栽培記録でも取って貰おうかな」
"请帮我翻译「好的,请注意。最后是红叶酱。你……对了,我想让你记录下蓝莓鸢尾的种植记录」"
「は、はい!」
“是,是的!”
声をかけられてびっくりしたのか、紅葉は背筋を伸ばして返事をする。何か緊張するような事をいったかな、と内心首を傾げつつ静子は言葉を続ける。
被叫到后,红叶感到很惊讶,她挺起背,回答了回去。静子心想自己是不是讲了什么紧张的话,心里犹豫不决,继续说着话。
「かたくならない、気を落ち着ける。ある程度は教えるけれど、それが確かかどうかを調べるのがお仕事だよ。別に難しくないよ? 正しければ栽培出来るし、間違っていれば枯れるだけだから」
“不要固执,冷静下来。虽然我会教你一些,但我的工作就是检查它们是否正确。其实不难的,如果正确就能种植,如果错误就会枯萎。”
「え、枯らしても、良いのですか?」
“哎,就算让它枯萎也可以吗?”
「ちゃんと検証した結果ならね。無意味に枯らす気はないよ? 何を、どうしたから枯れた、っていう記録は残しておいてね。そういった記録の積み重ねが、いずれ真実に辿り着く鍵となるのよ」
“如果是经过认真验证的结果,我不会无意义地将其耗尽。请保存记录,说明是因为什么,如何导致它枯萎。这样的记录积累,最终会成为通向真相的关键。”
「はい。わ、分かりました」
“好的。嗯,我明白了。”
紅葉の返事に、静子は満足げに頷く。
红叶的回答让静子满意地点头。
静子が紅葉に栽培させるインドセンダン(英語名ニーム、以降ニームと表記する)は、名前通りインド原産の植物だ。
静子栽培的印度楝树(英文名:Neem,以下简称Neem)正如其名,为印度原产的植物。
インドでは古くから万能薬として家庭に常備された木だが、近年害虫避けの効果がある事が分かった。
在印度,这棵树自古就被视为家庭常备的万能药,但近年来发现它还具有驱虫作用。
木全体に何かしらの効果があり、インドの伝統医療であるアーユルヴェーダではニームの種子や樹皮、葉っぱを使った薬が幾つも記載されている。
整个树木都有某种效果,在印度传统医学中,许多使用了苦楝子、树皮和叶子的药物被记录在了阿育吠陀中。
その中で特筆すべきものは、種子や樹皮に含まれているオイルだ。アザディラクチンという成分が含まれており、これが何百種類という虫を寄せ付けない効果がある。
其中值得特别注意的是种子和树皮所含的油。其中含有Azadirachtin成分,可以防止数百种昆虫寄生。
またこれを摂取した虫は成長ホルモンの働きを阻害されて死に至ることもある。これほどの効果があるのに、昆虫以外の動物には影響がないと言われている。
同样摄取这种物质的昆虫有时会被阻碍生长激素的作用而死亡。据说虽然这种物质有如此显著的效果,但不会对昆虫以外的动物产生影响。
油を取った種子の絞りカスを粉末にしたものはニームパウダーと呼ばれ、土中へ潜む害虫を駆除する効果がある。
从取出油的种子中压榨的渣滓制成的粉末被称为“印楝粉”,它能够在土中杀死隐藏的害虫。
ただし効果は1、2ヶ月程度しか持続しないため、定期的にニームパウダーを追加する必要ある。
然而,由于其效果只能持续1到2个月左右,因此需要定期添加苦楝粉。
「ある意味では、紅葉ちゃんが一番きつい仕事かもね。延々と観測して記録を取り続けるだけだから」
“某种意义上来说,红叶可能是最辛苦的工作。因为要不停地观测并记录下来。”
化学農薬が入手出来ない戦国時代において、ニームの木や種子から取れるオイルなどは化学農薬と同等の能力を持つ便利な存在だ。
在无法获取化学农药的战国时代,从苦楝树和种子中提取的油等可以拥有化学农药相同能力的便利存在。
ただしニームの木は熱帯地域が原産であるため、気温と湿度に気を遣って栽培する必要がある。耐寒温度は10度で、株が小さいときは特に寒さに弱いという欠点がある。
然而,由于印楝树原产于热带地区,因此种植时需要注意温度和湿度。其耐寒温度为10度,小苗时尤其容易受寒。
栽培の平均気温は20度から25度、日当たりが良く、それでいて水はけが良い土が必要だ。水はけが悪いと根腐れを起こす。
种植的平均气温应在20度至25度之间,需要良好的日照条件和排水良好的土壤。土壤排水不良会导致根腐病的发生。
それゆえ日本では沖縄などの亜熱帯地域でしか戸外栽培が出来ず、日本の本州では冬になれば戸内栽培に切り替える必要がある。必然的に鉢植え栽培が基本となってしまう。
因此,在日本只有亚热带地区如冲绳等才能进行室外种植,而在本州,则必须在冬季切换到室内种植。因此,盆栽成为基本的种植方式。
木そのものが害虫対策なので、病気や害虫は殆ど気にしなくて良い利点はあるが、栽培そのものはそれなりに難易度が高い。
木本身就是防虫的,因此几乎不需要担心疾病或害虫的优点,但栽培本身的难度相对较高。
「が、頑張ります」
"但是,我会努力" (dànshì, wǒ huì nǔlì)
「よろしくね」
请把「よろしくね」翻译成简体中文,只需要返回翻译后的内容,不包括原文。
一息つくと静子は改めて全員を見据える。
一息之间,静子重新注视全体成员。
「さて大体の仕事は説明したと思う。これは全員に言える事だけど仕事をこなしていたら、空いた時間は何をしても良いよ。勿論、我が国に仇成す行為をした場合は、それ相応の返礼はさせて貰うけどね」
“我已经大致讲解了工作内容。虽然这适用于所有人,但如果完成工作后有空余时间,可以做任何事情。当然,如果做出损害我们国家的行为,我们会给予相应的回报。”
返礼という単語に少し身構えた四人だが、静子は人の良い笑みを浮かべて言葉を続ける。
四个人听到“返礼”这个词时都有些紧张,但静子面带微笑继续说下去。
「難しく考える必要はない。普通に我が国の法を守り、普通に生活していれば殆ど問題はないよ。気になったら質問してくれれば良い。大事なのは一人で抱え込まない事」
「不必想得太复杂。只要按照我们国家的法律,正常地生活,就几乎不会有问题。如果有疑问,可以问一下。重要的是不要独自承担问题。」
四人は互いの顔を見た後、ボソボソと相談した。そして静子の方へ顔を向けると、承知したと言わんばかりに大きく頷いた。
四个人互相看了一眼,小声交流了一下。然后他们转向静子,大大地点了点头,似乎在表示他们已经明白了。
「よし、では衣食住について案内させる。小姓たち、案内しなさい」
“好的,那接下来我将带领大家参观我们的衣食住情况。小姓们,请引领。”
四人の返答に満足した静子は、外に控えている小姓に四人の案内を命じた。
满意了四个人的回答后,静子命令外面等候的小使命带领这四个人。
彼らを迎えて三週間が経過した。表面上は特にいざこざもなく、最初は職人たちと多少ギクシャクしたものの、物珍しさから来る遠慮だったため、二週間も経てば仲良くなっていた。
他们来了三个星期了。表面上没有什么问题,虽然一开始与工匠们有些不自在,但这只是因为好奇心而保持距离,两周后就变得很友好了。
瑠璃は人が苦手なようで、兄である弥一の後ろに隠れる事が多かった。尤も、職人の妻たちによる機関銃のような会話に対応できないという面も否めない。
瑠璃好像不太擅长与人相处,经常躲在他的哥哥弥一的后面。不过,也不能否认她无法应对职人妻子们像机关枪一样的对话。
虎太郎は翻訳を手早く終わらせると、地動説の検証へと取り掛かった。殆ど引きこもりに近かったが、たまに出てきては慶次たちと酒を酌み交わしていた。
虎太郎迅速完成翻译后,开始验证地动说。他几乎像个隐士一样生活,但偶尔会出门与慶次等人喝酒。
ワインが欲しいと呟いていた、と聞いたので、その内ワイン造りに手を染める可能性がある、と静子は考えた。
听说他喃喃自语说要喝酒,静子便觉得他有可能之后尝试酿酒。
弥一は寡黙な職人で、黙々と製品作りに精を出していた。
弥一是一个寡默的工匠,默默地致力于产品制作。
決して職人たちを拒絶している訳ではなく、今までキリスト教徒から拒絶され続けた為に、どう接して良いのか分からないように見受けられた。
绝不是拒绝职人,只是因为一直被基督徒拒绝,不知道如何接触。
しかし、職人たちと酒を酌み交わすにつれ、無骨な雰囲気は変わらぬものの、少しずつ喋るようになった。
然而,随着工匠们相互倾酒而谈,粗犷的氛围虽未改变,但他们开始渐渐地交谈起来。
紅葉は真面目だった。真面目過ぎて仕事に熱が入りすぎるのが玉に瑕(きず)だが、それでも順調に仕事をこなしていた。
红叶是个认真的人。因为太认真了,有时会过于投入工作而出现小问题。但她依然能够顺利地完成工作。
ただ、他の三人と違って他人と接する機会が少ないため、日本語の習得は少し遅れ気味だった。
只是与其他三个人不同,由于接触他人的机会较少,因此日语的习得略显滞后。
「うん、問題ないね」
"嗯,没有问题"
三週間経って静子は彩から四人の報告を受け取った。内容は十分で、特別問題となる点は見受けられなかった。
三周过后,静子从彩那里收到了四份报告。报告内容充足,没有发现任何特别的问题。
「四人とも十二分に働いています。問題があるとすれば、静子様が紅葉に気を遣いすぎて、本来の仕事が遅れている点ですね」
「四人都工作得十分努力。如果有问题的话,那就是静子过于关注红叶而导致原本的工作拖延了」。
「あーそれは、ごめんね。何とか間に合わせるからさ」
"啊,对不起。我会尽快处理好的。"
「気を遣うのは構いません。しかし、あまり気を遣いすぎると、紅葉が他人のやっかみを買います。静子様は多くの者を抱える身です。何事もほどほどにお願いします」
不必担心太多,但是如果过于担心的话会招致羡慕嫉妒。静子女士是拥有很多属下的人,所以请适可而止。
「お、嫉妬かな? 私はいつも彩ちゃんが大好きだよ?」
"哦,是嫉妒吗?我一直都很喜欢彩酱哦。"
言うやいなや静子は彩に抱きつこうとする。しかし、彩はさっと身を翻すと静子の抱擁を避ける。
说完这话后,静子想要拥抱彩,但是彩很快转身避开了静子的拥抱。
「ぶー、彩ちゃんは素直になるべきだと思うよ」
“嗯,我认为彩酱应该变得更坦诚。”
「馬鹿な事を仰っていないで、ご自分のお仕事を終わらせて下さい。10万石の統治なのですから、これから今以上に書類が増えます」
“不要说傻话了,请完成您自己的工作。治理 10 万石的领地,文件将比现在更加增加。”
「ちゃんとその手の職員は用意しているよ。私は決済するだけ、そこまで仕事は増えないよ」
“专门的员工已经准备好了。我只需要处理支付,工作并不会增加。” 翻译为简体中文。
静子は信長が10万石を統治しろと言った時から、統治に必要な才能を持つ人間を集めていた。
静子从信长说要治理10万石起就开始聚集具备治理所需才能的人才。
10万石の内、5万石は前久がどのように統治するかにもよるが、残り5万石は静子だけで統治しなくてはならない。そこで、静子は5万石を細分化して、それぞれ専任の代官を立てた。
在10万石中,5万石取决于前久如何治理,剩下的5万石必须由静子单独治理。因此,静子对5万石进行了细分,并分别任命了专门的代官。
税管理の一番小さい単位を治める者を市長、複数の市長の上に立つ者を区長、それら区長を取り纏め、一番上に立つのが静子だ。
税收管理的最小单位由市长管理,区长则负责领导多个市长,静子则负责统领这些区长,是最高领导者。
静子が主にする事は法整備、税制改革、市場改革、土地の所有者整理、インフラ開発、金融改革、予算の立案と執行だ。
静子的主要工作包括法律整顿、税制改革、市场改革、土地所有者整理、基础设施开发、金融改革,以及预算的制订和执行。
「金融には銀行が必要なのだけど、それには上様が通貨発行権を得る必要があるのよね。ま、今でも銀行は稼働させているから問題ないけど」
“金融需要银行,但这需要上级获得货币发行权。不过,现在银行仍在运作中,所以没有问题。”
銀行には「金融仲介」と「決済機能」と「信用創造」の3大機能が必要となる。
银行需要具备“金融中介”、“支付功能”和“信用创造”这三大功能。
だがそれよりも、銀行は民からの信用が重要になる。信用なくして金の借り貸しである金融仲介は行えない。信用なくして決済機能は使われない。信用なくして信用創造は行えない。
但是比起那个,银行更重要的是来自于民众的信任。如果没有信任的话,金融中介的借贷业务就不能顺利进行。如果没有信任的话,支付功能也不能使用。如果没有信任的话,就无法创造信用。
何においても民から信用がある事、これがなければ民がお金を預ける事はないし、貸したお金が順当に返済される事もない。
无论在何方面,民众的信用都是最重要的。如果没有信用,人民不会把钱存入银行,也不会按时偿还借贷。
金融仲介は名の通り、借り手と貸し手の仲介を行う機能だ。借り手と貸し手の間をうまく調整し、取引におけるリスクやコストを軽減出来る。
金融中介就如其名,是指实现借款人和放款人之间的中介功能。它能够有效协调借款人和放款人的关系,减轻交易风险和成本。
決済機能は預金を使って現金を使わず送金や支払いを行う機能だ。決済機能は銀行のネットワークと豊富な資金があって初めて実現する。
"结算功能是利用存款进行转账和支付而不使用现金的功能。只有银行拥有完善的网络系统和充足的资金才能实现结算功能。"
信用創造は難しく聞こえるが、簡単に言えば預金と貸付を繰り返し行う事で、最初に銀行が受け入れた金額の、何倍もの預金通貨を作り出す事だ。
信用创造听起来很难,但简单地说,是通过不断地进行存款和贷款来创造比银行最初接受的金额多得多的存款货币。
たとえばAさんとBさんが各一千万円ずつ銀行に預けたとする。この時、銀行には二千万円の本源的預金が存在する。
例如,A先生和B先生各存入银行1000万日元。此时,银行有总计2000万日元的基本存款。
この内、準備預金という一定の金額を残し、残りを貸付のお金に回す。
保留一定金额的准备金,将余额用于贷款资金。
そしてCさんが銀行から一千万円を借りた時、銀行にはAさん預金一千万円、Bさん預金一千万円、Cさんへの貸付一千万円の合計三千万円が銀行の口座預金に存在する事となる。
当C先生从银行借了一千万元时,银行账户中就会有A先生一千万元存款、B先生一千万元存款和向C先生贷款的一千万元,总共三千万元。
最初の本源的預金が二千万円だったため、銀行には新たに一千万円の信用創造がなされた事となる。
最初的本源性存款为2000万日元,因此银行进行了新的创造信用1亿日元的操作。
この繰り返しを行う事で社会に存在する通貨が増え、経済活動が円滑になる。この機能を信用創造と言う。
通过这个循环,社会的货币增加,经济活动变得更加顺畅。这个功能称之为信用创造。
ただし名前の通り、銀行に信用がなければ成立しない機能だ。
但是正如它的名字所暗示的那样,没有银行的信誉就无法实现该功能。
「まー銀行と言っても、今は信用がないので金を預かる事しか出来ないけど」
「虽然叫做银行,但现在因为信用问题只能接受存款了」。
銀行が出来る、イコールすぐに金を預けてくれる、とはならない。銀行という機能自体が初めてであり、金を他者に預ける事に抵抗感を抱く者もいる。
银行的成立并不意味着马上可以存款。因为银行作为一个功能是第一次实现,有些人会对把钱存放在他人手中感到担忧。
武田を打ち破った事で一定の信用を得られたのか、徐々に金を預ける人間は増えているが、それでも細々としたものである。
通过打败武田,他获得了一定的信用,逐渐有更多的人开始存钱,但仍是一些零散的金额。
だが信用を得るには多大な労力が必要なので、顧客を大事にして地道に信用を獲得していく以外にない。
但是要获得信任需要付出大量的努力,除了重视客户并通过踏实积累信任外别无选择。
「徐々にですが預金者は増えております。やはり、出入りの商人が一斉に預けたのが、効果的だったようです」
「虽然缓慢,但存款者数量正在增加。显然,商人们纷纷存款是非常有效的。」
出入りの商人、特に久治郎は銀行のメリットにいち早く気付いた。それは現金を銀行に預けておけば紙のやり取りだけで金子の処理が行え、現金を持ち歩くより何倍も安全という事だ。
出入商人,特别是久治郎很快意识到银行的好处。这意味着将现金存入银行,只需要进行纸质交易就可以处理金币,比携带大量现金安全得多。
仮に決済が実行されなくとも、口座の残高さえ確保しておけば、銀行の責任となり、久治郎の信用は傷つくことがない。
即使交易无法完成,只要保持足够的账户余额,银行就会负责,久治郎的信用就不会受损。
大きな商談を纏める際にも、金主を探して相手ごとに条件を詰めながら交渉せずとも、銀行側が多くの金主を取りまとめて仲介してくれることで、多くの資金をより安く調達することが可能となる。
在达成大宗交易时,不需要为每个对手寻找资助方并谈判条件,银行可以为多个资助方招揽,并代为协调,从而以更低的价格获得更多的资金。
金子のやり取りが早くて容易、この二点が久治郎にとって大きなメリットだった。
金子的交流快速且容易,这对久治郎来说是一个重大的优势。
「大金が預金されたよね。この信用を維持するためにも、内外の敵は容赦なく徹底的に取り締まってね。仲間がいるのなら、吐くまで容赦ない取り調べも許可するよ」
"大笔钱已经存入了对吧。为了维持这个信誉,必须毫不留情地彻底打击内外敌人。如果有同伴的话,即使是强硬审问到呕吐也会被允许"
「はい。警備においては最上位の状態で対応させています」
“是的。在保安方面,我们以最高水平的状态作出应对。”
セキュリティがしっかりしている事、これがまず信用を得る第一歩だ。警備の者もおかず、何のセキュリティ対策もしていない銀行へ金を預ける馬鹿はいない。
安全措施得到充分落实是赢得信任的第一步。没有任何安全措施的银行,即使有保安也不会有人愚蠢到把钱存进去。
金を略奪する者には容赦しない、そういった厳しい態度を見せることで信用は得られる。
对于抢夺黄金的人,不会容忍,通过展现这种严厉的态度可以赢得信任。
特に戦国時代おいては、銀行強盗犯はその場で斬り捨て、一族郎党を連座させて晒すぐらいの態度でなければならない。
特别是在战国时代,银行抢劫犯必须立即被斩杀,并被强迫将他们的家族成员一起出示,以传达强硬的态度。
「法的にも銀行強盗犯の殺害は問題ないけど、全員殺しちゃったら背後関係が洗えないからね。その辺はちゃんと対応するように言って欲しい」
“虽然从法律上来说,杀银行抢劫犯并没有问题,但是如果杀死所有人,那么背后的关系将无法澄清。希望能够妥善应对这些问题。”
「心得ております」
「心得ております」 translated to Simplified Chinese is "我了解了"
「よろしくねー。多分、ここ数ヶ月程は大きな動きも無いと思うから、ゆっくりでいいよ」
“请多关照。我想这几个月内不会有太大的变动,所以可以慢慢来。”
そんな事を語った静子は、後にこの時の発言を後悔する。
提到这件事的静子后悔自己当时的发言。
そのビックニュースは瞬く間に日本中を駆け巡った。そのニュースを知った時、誰もが「まさかそんな」と口を揃えた。
那个大新闻瞬间传遍了日本。每个人听到这个消息时都异口同声地说:“这怎么可能!”
それは静子も、策を実行した信長ですら予想外の出来事だった。
那对于静子和实施了计策的信长来说,那都是出乎意料的事件。
戦国の世を震撼させた大ニュース。それは越後の龍こと上杉謙信が、信長の臣下となることを受諾したと言う事実だった。
曾在战国时期掀起巨大轰动的大新闻:越后的龙——上杉谦信接受称臣信长的请求的事实。
その報が最初に齎されたのは静子邸だった。
那个消息最初被带到的地方是静子的宅邸。
「静子殿にお目通り願いたい!」
"我想见静子殿!" (I want to see the Joko's chambers!)
ともすればふてぶてしい態度にも見える少年が、門番にそう語ったのは四月中旬を少し過ぎた頃のことだった。
这个少年看起来有点傲慢无礼,对门卫说这话时已经过了四月中旬。
少年とはいえ身なりは立派で、風貌もひとかどの武士と思えたため、門番は少し逡巡した後、人が訪ねてきた事を静子へと報告した。
即使是年轻人,但他的仪态端庄,风貌也能让人想到一位显赫的武士,因此门卫有些犹豫后,将有人前来拜访的消息传达给了静子。
蕭にスケジュールを尋ねたが、彼女からは誰かの訪問が予定されてはいないという返答だった。
肖询问了一下日程安排,但她的答复是没有人计划来访。
通常ならお引き取り願うところだが、たった一人で訪ねてきた人間を無碍に帰すのもどうかと思い、静子は少年と会う事にした。
通常情况下应该让该离开了,但是静子觉得无碍地把一个人留下并不好,因此她决定见这个男孩。
そして謁見の間で少年の姿を見て、ようやく静子は少年の正体を知る。
然后在拜见的过程中,静子看到了少年的身影,终于知道了他的真实身份。
「おや、与六君じゃないか。かれこれ一年ぶり……かな? 今回は何の用かな?」
「哦,这不是与六君吗。已经一年没见面了……是吗?这次来找我有什么事吗?」
「此度は拝謁の機会を賜り、伏して感謝申し上げます。つきましてはーー」
在此我表达我对你赐予我拜访的机会的感激之情。接下来,我想说——
気軽に訪問の理由を尋ねる静子に対し、兼続は居住まいを正して丁寧に言葉を選んでいる。しかし、途中で盛大に腹の虫が鳴った。
对于询问她造访原因的静子,兼续正视着她,谨慎地挑选着言辞,解释居住地的事情。然而,途中他的肚子突然大声咕咕叫了起来。
沈黙が場を支配する。誰もが何か発言しようとして言葉を飲み込む。誰の腹の虫かは皆知っているが、それを口にするのは憚られた。
沉默占据了场面。每个人都想表达什么,但喉咙却咽不出声来。虽然大家都知道这是谁的心事,但说出口却令人难以启齿。
頬を掻いていた静子は、天井を眺めてどうするか考えた後、咳払いをして空気を変えた。
抚摸着自己的脸颊,静子望着天花板思考接下来该做什么,然后打了个咳嗽改变了空气。
「急ぐ話でなければ、昼餉をとりながら話すとしましょう。今日は良い魚が手に入ったので、味の感想をお聞かせ願いたい」
如果不是很急迫的事情,我们可以边享用午餐边聊。今天得到了好鱼,想听听大家的口感感受。
「……は、はい。お心遣い忝(かたじけの)う存じます」
「……是,是的。非常感谢您的关怀。」
そう言って頭を下げた兼続の耳は真っ赤であった。折角格好を付けたのに、見事に馬脚を晒してしまったのだから、恥じ入るのも致し方ない。
听到这话,兼续低下了头,耳朵通红。他本来打算炫耀一下,结果却露出了真实的面目,这让他感到惭愧不已。
静子は深く突っ込まず、手を叩いて小姓たちに昼餉の用意を命じる。ほどなくして、馳走にはほど遠いが温かそうな食事が全員の前に並べられる。
静子命令侍从们准备午餐,而不深究细节,随手拍了拍手。不久,虽然宴席不怎么豪华,但一顿温暖的饭食已经被摆在了每个人的面前。
「では頂きましょう」
"那我们开始吧"
「いただきます」
"我要开始吃了" (wǒ yào kāi shǐ chī le)
食前の挨拶をした後、みなが食事を取り始める。腹の虫を鳴かせた兼続は、最初こそゆっくり食べていたものの、空腹には勝てなかったようで途中から掻き込むように食べていた。
在说了饭前问候之后,大家开始吃饭。肚子咕噜咕噜响的兼续,开始时虽然吃得很慢,但似乎还是挡不住饥饿,在中途就开始狼吞虎咽了。
前回で友情が芽生えたのか、ただ単に腹が減っていたのか、慶次や長可もまた食事を取るスピードが上がる。
上一次友谊是否已经萌芽,还是只是因为肚子饿了,景次和长可也加快了进食的速度。
「飯をおかわり! 椀じゃ物足りん。俺にはお櫃で持ってこい!」
「再来一碗饭!只吃一碗小碗根本不够。给我一个木桶吧!」
「あ、ずるいぞ! おい小姓、俺にもお櫃で頼む! 慶次よりでっかいのでな!」
“啊,太不公平了!喂,小姓,也给我来点菜吧!不要比桂次点的还多!”
「慶次殿、勝蔵、お前たち静子様の前でーー」
庆次殿、胜藏,你们在静子女士面前——
「俺も負けてはおれぬな! おかわり、一番大きなお櫃で頼むぜ!」
"我也不能输啊!再来一份,用最大的盆子给我吧!"
才蔵が苦言を呈するが、慶次や長可に声は届かなかった。何かの火がついたのか、兼続までお櫃でおかわりを要求する始末。
才藏发表了批评之言,但无法传达给景次和长可。就好像某种火种一样,结果连兼续也在火炉旁要求再倒一杯。
「……ええい! 小姓よ! 某にもお櫃を持って参れ!」
"……喔!小僮!给我拿个箱子来!"
ついに才蔵の対抗心にも火がついた。こうなると、もはや誰も手が付けられない状態だった。
终于,才藏的对抗心也燃起了火焰。这种情况已经无法控制任何人了。
「どこに入っているんだろうね」
“它在哪里进去了呢?”
目の前で繰り広げられる大食い競争に、静子は呆れながら呟いた。
目睹眼前的大胃王竞赛,静子不禁感到惊愕。
まず長可が脱落し、続いて才蔵、慶次と兼続の一騎打ちになったが、体の大きさで慶次が勝利する結果となった。茶をすすりつつその様子を、生暖かい目で見守った静子だった。
首先,长可被淘汰了,接着是才藏、景次和兼续之间的一对一对决,但因为体格的差异,景次赢得了胜利。静子则边喝茶边用温和的眼神关注着这一切。
茶を飲み干してお膳の上に置くと、唸りながら寝転んでいる兼続に声を投げる。
将茶一饮而尽,然后朝躺在餐桌上呻吟着的兼续喊道。
「それで、何の用で来たのかな?」
“那么,你来有什么事呢?”
「うぷ、文を届けに参った。後、借りた金子の返済も兼ねておる」
“我来送信了,还兼顾了借的钱子的归还。”
お腹を苦しそうにしながら兼続は文、続いて金子が入った袋を差し出す。両方を小姓が受け取ると、中を確認したのち静子の許へと届ける。
当兼续张口欲言时,同时脸上也露出了疼痛之色。随后,金子递上了装满东西的袋子。小姓接过袋子后检查一番,随后将袋子交到了静子那里。
「金子は彩ちゃんに渡しておいて。文は中身を検めます」
"将金子交给彩酱保管,我会检查文档的内容。"
「はっ」
"はっ" in Simplified Chinese can be translated as "哈”.
命を受けた小姓は静かに部屋を後にする。
接受了命令的仆从静静地离开了房间。
「今さらだが確認しなくとも良かったのか?」
「现在确认还有必要吗?」
「君が持ってきたのだから、金子袋の中身を確認するまでもないでしょう」
“既然你已经拿来了,就没必要确认金子袋的内容了。”
大の字で寝転んでいる兼続の質問に、静子は文を広げながら答える。元より、返ってくるとは思っていなかった。そんなお金を兼続はわざわざ持ってきた。
静子一边摊开书本一边回答了躺在那里的兼续的问题,她并没有预料到这样的答案。兼续竟然特意带了这么多钱。
ならば中身を確かめる必要はない、借金した金額がきちんと入っている、と静子は判断した。
如果这样的话,不需要确认内容,静子判断借入的金额已经正确收到。
(お金より文の内容が何か……だね。どれどれ……)
(比起钱,更重要的是文章的内容呢。看看看……)
寝転がっている連中を放置して、静子は文の文字を追う。読み進むにつれて彼女の眉間にしわが寄っていく。最後まで読んだところで静子はもう一度、最初から文を読み直した。
躺着的人被置之不理,静子追随文字。随着阅读的进行,她的眉头皱了起来。读完之后,静子再次从开头读起。
四回ほど文を読み直した後、静子は丁寧に文をたたんだ。
大约读了四遍之后,静子仔细地折好了这篇文章。
「念のため確認するけど、冗談や何かじゃあないよね」
「再确认一下,这不是玩笑或什么吧」
「冗談で済ませる内容ではなかろう。仮に冗談だとしたら、ここへ来る前に俺の首は飛んでいる」
"这不是可以用玩笑来解决的内容。假如这只是个玩笑的话,在我来到这里之前我的头已经飞了。"
「そうよね……ごめんね、まさかそんな、という内容だったからね」
“是啊……对不起,因为我没想到那会是这样的内容。”
「まぁ文を見たら、誰もが最初はそう思う。聞かされた時、俺も我が耳を疑った。だが御実城様が熟考した結果、出された結論だ。俺はそれに従うだけだ」
“看到这个文本,每个人起初都会这样想。听到的时候,我也疑惑了。但是这是殿下深思熟虑得出的结论,我只能遵从。”
「そう、分かったわ」
"是的,我明白了"
兼続の返答を聞いた後、静子は納得するように小さく頷いた。
听完兼续的回答后,静子微微点头表示同意。
「紙と筆を用意しなさい!」
"准备纸和笔!"
入り口へ顔を向けると、静子は大声で命令を飛ばす。滅多にない静子の大声に、小姓は何事かと思い、慌てて紙と筆を用意する。
当面朝入口时,静子大声下令。小姓觉得静子难得发这么大的声音,赶忙准备了纸和笔。
用意された紙に静子は文の内容を簡潔に要約して2通書き記す。内容に問題がないか確認した後、花押を入れて丁寧に折りたたんだ。
静子将文本简洁地总结在准备好的纸上,写下了两个便条。检查内容是否正确后,她盖上花押,仔细地将纸折叠起来。
更に元の文を一緒に入れて木箱に封じ、小姓を呼びつける。
进一步地将原来的文件与木箱一起密封起来,然后召唤侍从。
「早馬を乗り継いで、上様の許へ最速で届けるよう伝令に伝えなさい」
“骑上快马,传令告知要最快地抵达上阁君那里。”
「はっ!」
"「はっ!」" translated to Simplified Chinese is "「哈!」"
文を小姓に渡し、可能な限り急ぐ必要があることを念押しして伝えるよう命じる。ただならぬ雰囲気にあてられた小姓は、文を受け取るやいなや飛び出すように部屋を去った。
命令把信交给小姓,强调尽可能快地赶赴目的地。被一股不寻常的气氛所笼罩的小姓一接到信就像箭一样飞快地离开了房间。
「……どういった内容なんだ」
"内容是什么"
あまりの慌ただしさに文が気になった長可が、頭だけ起こして静子に質問を投げる。
由于忙乱到了极点,长可抬起头来,只是轻轻问了静子一个问题。
頤(おとがい)に手を当てて考え事をしていた静子だが、長可が質問してきた事に気付くと要約した文書を揺らしながら答えた。
静子先前正在用手托着下巴考虑事情,但当长可问了问题后,她便摇摇晃晃地回答,并摇动着摘要文件。
「これには上杉家は織田家に臣従する、その事を上様に伝えてくれ、って内容が書かれていたのよ」
“这里写着上杉家臣服于织田家,请求传达给上方。”
「…………んあっ!?」
"…………嗯啊?!"
最初は呆けた表情を浮かべ、続いて頭(かぶり)を幾度か振った後、天井を眺めて考え込む仕草を見せる長可。やがてその意味するところが腑に落ちたのか素っ頓狂な声を上げる。
起初,长可面露愕然之色,随后多次摇头,然后进行凝神思考的动作,望着天花板。不久之后,长可似乎明白了其中的含义,大声叫喊起来。
予想外に過ぎる内容だったのか、慶次や才蔵でさえも口が半開きになっていた。
意料之外的内容?景次和才藏甚至都张大了嘴巴。
「偽物、じゃあないよな?」
“假货,不是吧?”
「足満おじさんと近衛様が連名しているから、偽物でも冗談の部類でもないと思うよ。何より与六君を使ってまで、こちらを騙す理由もない。正真正銘、これは上杉家の降伏文書(こうふくぶんしょ)よ」
「因为是由足满叔叔和近卫大人共同署名的,所以我认为这并不是假货或玩笑。更重要的是,没有理由使用与六来欺骗我们。确凿无疑,这是上杉家的投降书。」
「まじか……」
"真的吗……"
文が本物だと理解し、長可が驚嘆の声を上げる。上杉謙信は武田信玄の好敵手と評されるほどの人物だ。
文理解文章真实,长可惊叹不已。上杉谦信被评为武田信玄的好对手,是一个非常优秀的人物。
そんな人物が一戦も交えることなく、降伏に同意するのだから驚くなという方が無理な話だ。
这样的人没有参战就同意投降,不觉得惊奇才是不可能的事。
「しかし、一度もいくさをせず、降伏なんてよく同意したよな」
"然而,没曾参加过战争,却同意投降,真是能干啊"
「……仮に織田家と戦う場合、上杉家は越後を背負っていくさをする事になるからね。武士なら戦力差を気にせず、華々しく散るって言う道もあるけど、民を背負ってそれをしたら亡国のいくさにしかならない。ならば矜持を捨ててでも、越後にとって何が一番かを選ぶ必要があったんじゃないかな」
「……假如与织田家交战的话,上杉家将不得不承担背负越后而战斗的任务。作为武士,虽然也有豪华地陨落的道路,但若是承担起为人民而战的责任,就只会变成为了亡国而战。那么就算要舍弃矜持,也必须选择对越后最有利的道路。」
信長と謙信がいくさをした場合、信長は方面軍を派遣するが謙信は本人が出陣しての本土決戦となる。
若信长与藤原干信发生战斗,信长会派遣地方军队前往作战,而藤原干信会亲自率领军队进行本土决战。
そして信長は仮にいくさに負けてもやり直しが利くが、謙信は負ければそこで終わりだ。
然后信长即便在战斗中失败也可以重新再来,而是以器量狭小着称的謙信则一旦失败就彻底结束了。
謙信にとって信長と戦端を開く場合、決して負けることの出来ない連戦が相手の力尽きるまで続くことを意味する。
对于信长而言,在与謙信开战的情况下,连战连胜直至对手耗尽所有力量是绝不允许失败的。
国を賭けたいくさにて、敵との戦力差を覆す事が出来ない場合、いずれは消耗し続け最後には必ず敗北する。その時、越後に何が起きるかは想像に難くない。
在押上整个国家背负而来的战争中,如果无法逆转与敌人的实力差距,迟早会一直疲惫并最终失败。那时,越后会发生什么不难想象。
「でも、一回ぐらいいくさをしても、罰は当たらんのじゃない?」
“但是,去打一场仗只有一次,不会受到惩罚吧?”
「上杉家からすれば、今(・)じゃないと駄目なんだよ」
“对于上杉家来说,现在是必须的时刻。”
越後を一番に考えた時、謙信は武士としてあるまじき臆病な行為との誹りを外部から受け、内部から多くの批判が上がろうとも、この時期に降伏する事がもっとも良いのだ。
当首先考虑越后时,信玄认为投降是最好的选择,即使他将受到外部的背弃,也会受到内部的批评,因为这是不适合武士的懦弱行为。
「上様の敵、もしくは敵になりそうな連中は西側に本願寺、本願寺に従う雑賀衆や一向宗、毛利家、浅井家、朝倉家。東側は明確に敵対していないけど北条家に奥州の国人たち、といっぱい挙げられる。この状態で上杉家がいくさをした場合、旗色悪しと見てからの降伏は上様が受け入れない。なぜなら、武田家に続き上杉家を打ち破った、という箔が付く。そっちの方が何倍も外交で有利に立てるから」
“上方的敌人,或者可能成为敌人的人,西边是本愿寺,随从本愿寺的杂贺众、一向宗、毛利家、浅井家、朝仓家。东边明确不敌对,但提到北条家和奥州的国人们等。在这种情况下,如果上杉家发动战争,看到旗帜不利就投降,上方是不会接受的。因为当时袭击上杉家并打败了他们,这将使上方更具有外交优势。”
「お、おう」
"哦,好的"
いまいち分かっていないのか、長可は困惑した表情を浮かべる。慶次はあえて聞き流し、才蔵は真面目に聞いていたが、内容は半分ぐらいしか理解出来なかった。
"长可皱起了眉头,似乎不太理解。慶次选择了无视,才藏则认真听着,但只理解了其中一半左右的内容。"
兼続は先ほどからずっと大の字で寝転がっていた。胆力があるのか、それとも単に図太いのか判断に迷うところだった。
兼续一直躺着,呈“大”字形。不知道是因为有勇气还是单纯粗鲁。
「でも結局、上様には上杉家を屈服させた、という箔が付くね。ただ、それと引き替えに上杉家が何を言い出すか、が気になるところね」
「但最终,这给了上方屈服于上杉家的名声。不过,与此同时,我们还需要担心上杉家会有什么反应。」
「降伏するのだから、頭を下げて終わりじゃないの?」
“既然投降了,低下头就能结束了吗?”
「いや、そんな訳ないでしょう。降伏するといっても、条件は出してくるでしょう。おそらく上杉家にとって降伏条件を交渉する場こそ、外交という名のいくさ場になるでしょうね」
“不,不可能这样。即使投降,他们也会提出条件。很有可能对上杉家来说,这成为谈判投降条件的外交战场。”
頤に手を当てて静子は考える。謙信が降伏を受け入れる条件として、何を提示してくるかを。
静子把手放在下巴上思考,想知道为了接受信长的投降条件,謙信会提出什么。
一番に考えられるのは土地だ。越後の国人は土地への思い入れが強い。全領土を安堵するという条件は言い出すと考えて間違いない。
最能够考虑的是土地。越后的国人对土地情有独钟。可以肯定地认为,他们会提出要求安抚全部领土的条件。
他に考えられるのは関東管領(かんとうかんれい)の固持だ。義昭が征夷大将軍を返上すると言っても、室町幕府が与えた全ての役職が消滅する訳ではない。
另外一个想法是坚持关东管领的职位。即使义昭放弃将军职位,室町幕府授予的所有职位也不会消失。
次に誰かが征夷大将軍に就任するまで、足利将軍家による室町幕府の残滓は残り続ける。たとえ権威も権力もなくなり、完全に信長に乗っ取られた状態であろうとも。
直到下一个人就任为征夷大将军,足利幕府的残留物仍会在足利将军家中保留。即使权威和权力都已消失,在被信长完全接管的情况下仍然如此。
「(いや、関東管領は認められないかな。それを認めたら、上杉家は織田家をバックに、関東一円の支配権を確立しようとする。流石にそれは認められない。一番の落としどころは謙信の身の保障と土地の安堵かな)ともかく上様がどう判断をするか、だね。明日の朝には来るでしょう。上様を迎えるために、今日の内に食料を買い込んでおきなさい」
“(不,关东管领可能不被承认。如果承认了它,上杉家族将在織田家族的支持下建立对整个关东地区的控制权。显然这是不能容忍的。至关重要的是要保证謙信的身份和土地的安全。)总之,我们必须看看上阁如何判断。他应该会在明天早上到来。为了欢迎上阁,我们今天必须准备好食物。”
信長へ出す料理の食材を買っておくよう、静子は外にいる小姓へ命じる。小姓は返事をした後、静子の命を伝えるために席を外そうとした。
静子命令侍从外面买食材给信长做菜。侍从回答后,打算离开座位传达静子的命令。
「それから毛布を一枚持ってきて。豪胆な子だけど、風邪でも引いたら大変だから」
"然后拿来一条毛毯。虽然是勇敢的孩子,但如果感冒了就很麻烦。"
「は? ははっ」
“啥?是是...”
少し困惑しながらも小姓は命をこなす。買い物担当の人間に食料の買い出しを伝え、毛布を一枚抱えて戻ってきた。静子に毛布を渡すと、小姓は礼をして部屋を出る。
小姓有些困惑,但还是完成了任务。他告诉承担购物任务的人去买食物,自己拿着一条毛毯回来。他把毛毯递给静子后,行礼离开了房间。
「本当に豪胆だね」
"真是大胆啊"
呆れながら静子は大の字のまま寝入っている兼続に毛布をかけた。
静子惊讶地将毛毯盖在大字形躺着熟睡的兼续身上。