【生肉】死印 广播剧 灾厄的觉醒

烤了,把听写的原文也放上来,如果有人帮我校对的话(合掌)(合掌)
广播剧
死印 第零章 灾厄的觉醒
part1 兄长回归
沙耶:玻璃杯碎了……最近总是发生奇怪的事情。明明没有碰却碎掉的玻璃杯、持续一整晚的奇怪声响,还有这笼罩着洋馆的不祥气息,就好像被谁盯着看一样。唉……总之先收拾掉碎片吧,可不能让Mu踩到了。咦?Mu,你去哪儿了?Mu!你在这儿呀。来,回房间吧,过来。啊等等,你去哪儿?
沙耶:仓库门开着,谁在那里?
正宗:唔唔唔
沙耶:这个声音难道是?
正宗:沙耶?
沙耶:哥哥!
part2 九条馆中
柴:请用,沙耶大人
沙耶:谢谢柴先生。不好意思啊,还要让你做这些侍应生的活
柴:哪里哪里,是我擅自揽下来的,请您不要在意
沙耶:柴先生过来快一周了吧,真是帮了大忙了,谢谢你
柴:该道谢的是我才对。很感激能再次在这令人怀念的洋馆里照顾正宗大人和沙耶大人。话虽如此,真是有些不可思议啊,五年前被宣告因事故死亡的正宗大人竟突然回来了。一切平安当然再好不过,但关于回国的详细情况,正宗大人还什么都没……
沙耶:是啊,好像是想不起来了
柴:到底发生了什么呢?
沙耶:果然是因为那具人偶吧……
柴:您是说,人偶吗?
沙耶:哥哥去国外并不是为了观光,而是为了调查家中仓库的一具旧人偶
柴:原来是这样啊!这就是说,那具人偶的背景不太好,对吗?
沙耶:嗯,是的,但你是怎么知道的呢?
柴:沙耶大人从小感觉就十分敏锐,而正宗大人则双手灵巧,拥有工匠的才能。二位会调查家中的旧人偶,说明它背后一定有不为人知的秘密,对吗?
沙耶:柴先生真是名侦探呀,我们兄妹什么都瞒不过你呢
沙耶:哥哥,我们进来了哦
正宗:沙耶,柴先生
沙耶:早餐做好了,怎么样,吃得下吗?
正宗:嗯,今天感觉好多了
柴:那么,我马上为您准备
沙耶:有食欲我就稍微放心了
正宗:让你担心了,抱歉
沙耶:真是的!你要负起责任,给我快点好起来啊!
柴:话说正宗大人,您是在外国调查旧人偶吗?
沙耶:柴先生,那件事还不能……
柴:真是非常抱歉,我不该有这么多无谓的好奇心
正宗:不,没事,可以的话我还想拜托柴先生陪我说说呢,谈话间说不定能想起什么。
正宗:正如沙耶所说,我在调查仓库中旧人偶的背景。在我四处走访时,碰到了一间人偶作坊。
沙耶:但那间作坊却因世界大战战乱关闭了
正宗:对,但我不想就此放弃,之后扔在欧洲各处调查走动。后来中途遭遇事故,就这么过了五年时光。
柴:嗯,原来如此。我该怎么办才好呢?
沙耶:柴先生?
柴:不,果然还是应该向二位说明。关于九条家人偶的事情,上任家主村雨大人曾严令禁止我泄露。
沙耶:关于人偶的?到底是什么事?
柴:九条家自古就与人偶有着深厚的关系,代代相传着把特别的佛像放入招灾人偶的镇压方式
沙耶:放入佛像的人偶,和我们调查的一样啊
柴:我想,最近屋子里发生的奇怪现象,起因是否就是二位调查的人偶呢?
正宗:如果你说的是真的,那具人偶或许曾经就是九条家封印的。可能因年代久远,佛像的力量减弱了
柴:如果是这样的话,应该会有消灾的方法。上代家主也曾说过,关于人偶有些特别的规矩。
沙耶:但我没听说过啊,哥哥呢?
正宗:没,我也不知道
柴:那么,去拜访九条家以外那些知道人偶有关的规矩的人怎么样呢?
沙耶:除了九条家外,还有与人偶有渊源的家族啊
柴:是的,我想到了有那么一个人。
沙耶:我一定要见见他,说不定能获得些镇压人偶的方式。
柴:好的,我立刻去准……唔!!
沙耶:噢,是Mu呀
柴:那、那么我现在先去安排各项事宜,请您稍等
正宗:柴先生?
柴:诶?!啊……那个……虽然有点不好意思,但是我很怕这些小动物……那么,请允许我暂且告退
正宗:柴先生也有感到棘手的东西啊?真没想到
沙耶:哈哈,是呢
part3 去往学校
(广播:现在是五点零五分,各位同学回家请带好随身物品)
沙耶:茂森先生与我家交情很深,关于他无论大小事都请您务必跟我说说
工作人员:好的
沙耶:我听说茂森先生半年前从这所小学退休了
工作人员:是的。他趁着退休就搬家了,还说等日常生活稳定下来后会再联络,但之后就……其实关于这件事,前几天警察来问话的时候我也很惊讶,没想到茂森先生竟然会失踪……而且不止他本人,他们全家都失踪了
沙耶:茂森先生有没有和您聊过他的家庭或日常生活呢?
工作人员:警察也问了完全一样的问题。茂森先生不太说这些私人话题,其他同事的回答估计也差不多
沙耶:请您留步
工作人员:没帮上什么忙,真是抱歉
沙耶:哪里哪里,非常感谢您能告诉我这么多。那么我先走了
工作人员:啊!对了,警察来问话的时候,我偷听到他们说除了茂森先生以外,还有另一个失踪的老人
沙耶:老人?
工作人员:嗯……虽然没有听到详细内容,但无论如何,希望他们都没事吧……
沙耶:本来以为能接近人偶的真相了。好不容易找到的人,半年前退休了,又搬了家,之后竟然失踪了。还有最后他说的那些话,难道……不,不可能
沙耶:没人接……柴先生和哥哥应该都在啊……!是什么?刚才那奇怪的声音
沙耶:……镜子?是学校里常有的大面镜子。刚才那道强烈是视线,就是从这里……不打算出来吗?看起来是一所老学校,那住着些不好的东西也不奇怪。比起这个,我有种不祥的预感!我得马上回去!
part4 异变
沙耶:这诡异的气息……究竟发生了什么?柴先生你在吗?这强烈的气息……
正宗:啊……太美了……这佛像太美了……
沙耶:哥哥!你在这干什么!
正宗:啊,沙耶,你回来了
沙耶:哥哥,那是?
正宗:啊……这就是塞进那具人偶里的佛像!很漂亮吧!跟柴先生说的一样!
正宗:沙耶!你干嘛!
沙耶:把佛像放回人偶啊!
正宗:为什么!明明它这么美!
沙耶:你感受不到周围不祥的气息吗?振作一点啊哥哥!
正宗:……沙耶?我刚才,干了什么?
沙耶:哥哥,你终于恢复正常了。柴先生跟你说了什么?他现在在哪?
正宗:应该在屋子里吧
沙耶:Mu……对啊,我怎么没注意到呢……兔子们代代都是守护九条家的神灵所附身之物,而柴先生很长一段时间里一直是辅佐九条家的管家。以前也陪我一起照顾过兔子,不可能会害怕到这种程度。
正宗:那被我们称作柴先生的男人是……
沙耶:!这个声音!
沙耶:明明已经把佛像放回去了,不祥的感觉却没有平息。哥哥,人偶就放在这里,我们先回屋子吧。Mu,过来
沙耶:在屋子里就没事了吧,有我和Mu在,他做不了什么的
正宗:到底是怎么回事?
沙耶:那个柴先生是人偶制造的幻象,所以才会害怕具有灵力的Mu。
正宗:幻象?
沙耶:生魂……虽然我想这么说,但恐怕真正的柴先生……早已经死了。今天去拜访的茂森先生也是……
正宗:怎么会……柴先生竟然……
沙耶:嗯,警察也在试图寻找他的去向,但是恐怕……利用柴先生骗我们,就好像是拿我们团团转的样子寻开心啊……呜!
正宗:怎么了?
沙耶:刚刚背上有点不对劲
正宗:背上?这是……斑痕?
沙耶:这不妙的感觉,肯定是那具人偶干的。我都没注意到是在哪里被附上的。人偶怕是恢复了相当多的力量。在家中也已经不能松懈了。
沙耶:喂,哥哥,我们也差不多该反击了吧
正宗:沙耶……
沙耶:因为总这么被整我咽不下这口气啊,你不这么想吗?
正宗:嗯,是啊
part5 沙耶末路
(九条正宗的录音:如果正在听录音的你,因诅咒失去了家人朋友,我只能说抱歉)
正宗:呼……
沙耶:哥哥
正宗:沙耶,你什么时候进来的?
沙耶:房间门开着一条缝哦
正宗:……是吗
沙耶:那个录音带是?
正宗:我在重听不久前录的东西。知道人偶的封印方法之后,为了以防万一录的。
沙耶:准备得很周到呀
正宗:嘛,只是个保险罢了。我想把它放在门厅的大钟里
沙耶:原来如此,是个好主意。如果是纸质的文件可能会被找出来处理掉,对手是个旧人偶,或许不会注意到录音带。
正宗:是时候了,把录音带放好后我就去神社
沙耶:我送你到玄关
正宗:这三周我一直在四处调查关于这个人偶的事。只要把经过夏越之祓的佛像放回人偶,肯定就能封印它。
沙耶:是嘛
正宗:录音机放这就行了吧。那我走了
沙耶:Mu,今天也拜托你跟着哥哥哦
正宗:今天我一个人就行了,只是去一下神社就回来
沙耶:这孩子是守护神,你带上它吧
正宗:但我带走Mu了你怎么办……
沙耶:没问题啦,我可是有强大的灵力的。哥哥你就去神社把净化好的佛像拿回来,Mu就出去散步,顺便跟着哥哥。只是这样对吧
正宗:嗯,对啊,确实就像是散个步而已。我马上回来
沙耶:嗯,走好,路上小心哦
沙耶:……被附上这诅咒斑痕,我再有强大的灵力也无可奈何。对不起,哥哥。我也该做准备了,时间已经不多了。既然是死亡诅咒,那我作为灵媒师不是正好吗。(把隔壁片场那个紫衣服包包头叫过来)
沙耶:快天亮了,哥哥他没问题吧?跟那孩子在一起肯定不会有事
沙耶:那孩子?那孩子……到底是谁?……想不起来了
沙耶:终于,来了啊
沙耶:我已经没有力量封印你了。但是,即便无法避免死亡,我也不会再让你放肆了。这把雕刻刀……虽然不太忍心这么用……用它刺进心口……
沙耶:……好痛!!对……刺进心脏……非常好……
沙耶:……不、不行!不对!不是这样!我要含恨而死,就这样心有不甘,为了(我的灵魂能)留在世上……
沙耶:……喂……你在听对吧?给我好好记着,我,绝不会,原谅你!我死了,还有哥哥……哥哥,我会,保护你,之后,就……
以下原文,打???的是听不出来的词
part1
サヤ:グラスが……ここのところ、おかしなことばかり起こる。触れてもいないのにガラスが割れたり、一晩中おかしな物音がしたり、それに、屋敷の中にうっすらと立ち込めるこの嫌な気配、まるで誰かにじっと見られてるみたいだわ。はぁ……とにかく、破片を片付けてしまわないと、ムーが踏んでしまうといけないし。あら?ムー?どこに行ったの?ムー?ムー!こんなところにいたのね。さ、部屋に戻りましょう、おいで。あ、待って、どこに行くの?
サヤ:倉庫の扉が開いている。そこにいるのは誰?
正宗:うぅぅぅ
サヤ:まさか?その声
正宗:サヤ?
サヤ:兄さん!
part2
柴:どうぞ、サヤ様。
サヤ:ありがとう柴さん。ごめんなさいね、給仕みたいなことまでさせてしまって
柴:いえいえ、私が勝手にやっていることですから、どうかお気になさらず。
サヤ:柴さんが来てくれてから、そろそろ一週間になるわね、本当に助かってるわ、ありがとう。
柴:お礼を申し上げたいのは私のほうでございます。この懐かしいお屋敷で再びサヤ様と正宗様のお世話をさせていただけるとは。それにしても、少々不思議な話でございますな、五年前に事故で亡くなったと知らせを受けた正宗様が急にお戻りになられるとは。ご無事でなによりでしたが、ご帰国の経緯について、正宗様はまだ何も……
サヤ:えぇ、思い出せないみたい
柴:いったい、何があったのでしょうな
サヤ:やっぱり、あの人形のせいなのかしら?
柴:人形?でございますか?
サヤ:兄さんは観光目的で海外へ行ったわけじゃない。この家の倉庫にあった、古い人形のことを調べるためだったの
柴:なんと、左様でございましたか。とすると、その人形の?????はあまりよくないもの、ということになりますかな
サヤ:え、そう。でもどうして分かったの?
柴:サヤ様はお小さい頃から大層感覚の鋭いお方、一方の正宗様は手先が器用で、工芸士としての才をお持ちでした。そのお二人がお屋敷の古い人形を調査する、となれば、かなり曰くある品ではあるまいか?と
サヤ:柴さんは名探偵ね。私たち兄弟はあなたに隠しことができそうにないわ。
サヤ:兄さん?入るわね。
正宗:サヤ、柴さん。
サヤ:朝食を作ったんだけど。どう?食べられそう?
正宗:あぁ、今日はかなり気分がいい
柴:では、早速準備致しましょう
サヤ:食欲あるなら一安心ね
正宗:心配をかけてすまない
サヤ:本当よ!責任とって、早く元気になってもらわなくちゃ
柴:ときに、正宗様。正宗様は異国で古い人形について調べておられたとか
サヤ:柴さん、その話はまだ……
柴:これは失礼致しました、要らぬ好奇心で出過ぎたこと
正宗:いや、いい、柴さんさえ、良ければ話し相手になってくれ。話をしているうちに、なにかを思い出すかもしれない。
正宗:サヤが話した通り、俺は倉庫にあった古い人形の??を調べていた。そうして、あちこち訪ね歩くうちに、とある人形工房に行き当たった。
サヤ:でも、その工房は世界大戦の混乱で途絶えてしまっていたのよね
正宗:あぁ、だが俺はどうしても諦めがつかず、その後も、ヨーロッパ中をあちこち調べて歩いた。そしてその途中に事故に遭い、五年もの歳月が過ぎてしまった。
柴:うむ、なるほど。さて、これはどうしたものか
サヤ:柴さん?
柴:いや、やはりお二人にはお話しておくべきでございましょう。他言無用と、先代村雨様に固く口止めをされておりました、九条家に人形に纏わるお話を
サヤ:人形の?一体どんな?
柴:九条家は古くから人形と縁が深く、災いを呼ぶ人形に特別な仏像を埋め、鎮めるワザを伝えてきたとのことでございます。
サヤ:仏像が埋め込まれた人形、私たちが調べていたものと同じだわ
柴:私が思いますに、最近屋敷で起きている奇怪な現象は、お二人がお調べになっている人形が原因ではないでしょうか
正宗:確かにその話が本当なら、あの人形はかつて、うちで封じたものかもしれない。長い年月で仏像の力が弱まったという可能性はあるな
柴:となれば、災いを鎮める方法があるはずです。先代も人形に纏わる特別な仕来りがあるとおっしゃっていました
サヤ:でも、聞いたことがないわ。兄さんは?
正宗:いや、知らない
柴:でしたら、九条家以外で、人形の仕来りを知る方を訪ねてみてはいかがでしょう?
サヤ:うちの他にも、人形と縁のある家があるのね
柴:はい、私、お一人心当たりでございます
サヤ:ぜひ会ってみたいわ。人形を鎮めるヒントが得られるかもしれない
柴:承知いたしました。それではすぐ……うぅ!!
サヤ:あら、ムー
柴:んで……では、私は今から諸々の手配をしてまいります。少々お待ちを
正宗:柴さん?
柴:え?!えぇ……その、お恥ずかしだが、小動物の類いがどうも苦手でして……それでは、一旦下がらせていただきます
正宗:あの柴さんにも、苦手なものはあるのか?意外だな
サヤ:ふふん、本当ね
part3
(五時五分になりました、生徒のみなさんは、忘れ物に気をつけておうちに帰りましょう)
サヤ:茂森さんは我が家に大変縁のある方なんです。どんな些細なことでも構いません、どうかお話を聞かせてください
係員:あぁ
サヤ:茂森さんは半年前、この専任(??)小学校を定年退職なさったと伺いました
係員:そうです、定年を機に引越しをする、身辺が落ち着いたら連絡をすると言っていたのですが、それきり……実はこの件、先日も警察の方から聞かれて、驚いた???でして、まさか茂森さんが行方不明になっていたとは……しかも本人だけじゃなく、一家全員ですからね
サヤ:茂森さんと、ご家庭や生活の様子についてお話したことは?
係員:全く同じことを刑事さんに聞かれんましたが、茂森さんはプライベートなことは話したがらない方でした、ほかの職員も似たり寄ったりのお返事をしていたかと
サヤ:ここで結構です
係員:あまりお役に立てませんね、どうも
サヤ:いえ、いろいろお話をいただいて、ありがとうございました、失礼いたします
係員:あ!そういえば、警察の方が聴いた時、茂森さん以外にも、行方不明のご老人がいるという話を、小耳に挟みました
サヤ:老人?
係員:えぇ……詳しいことが聞いてませんが、なんにせよ皆さん無事でいてくれるとはいいですが
サヤ:人形の真相に近づけると思ったのに、ようやく探し当てた人物は、半年前定年退職、その後転居して、以来行方不明。それに、最後に聞いた話、まさか……ううん、そんなはずない
サヤ:出ない……柴さんと兄さんがいるはずなのに……!何かしら?今の、変な音は
サヤ:……鏡?学校によくある大きな鏡ね。先の強い視線は、ここから、出てくる様子はない、か?古い学校のようだし、見好くないものが住み着いていてもおかしくないけど。それより、嫌な予感がする!直ぐに帰らなくちゃ!
part4
サヤ:異様な気配、一体何があったの?柴さん、いる?この、強い気配が……
正宗:あぁ……美しい……なんて美しい仏像だろう
サヤ:兄さん!ここで何をしている?!
正宗:あ、サヤ、帰ったのか?
サヤ:兄さん、それは!
正宗:あ……これが、例の人形に埋め込まれていた仏像だ!見事だろう、柴さんの言ったとおりだ
正宗:サヤ!何を?
サヤ:仏像を人形に戻すの!
正宗:なぜだ!こんなに美しいのに!
サヤ:この禍々しい気配は分からないの?しっかりして、兄さん!
正宗:……サヤ?俺は一体、今まで、何を?
サヤ:兄さん、正気に戻ったのね。柴さんに何を言われたの?柴さんは今どこ?
正宗:屋敷にいるはずだが
サヤ:ムー……そうよ、どうして気づかなっかたのかしら……ウサギたちは代々、九条を守る霊の憑代。そして柴さんは長い間、九条を支えてくれた世話役。昔、私に付き合ってウサギの面倒を見てくれたこともある。怯えるほど苦手な筈ないわ
正宗:じゃ、俺たちが柴さんと呼んでいた、あの男は
サヤ:!この声!
サヤ:仏像を戻したのに、悪い気配は一向に収まらない。兄さん、人形はここに置いて、ひとまず屋敷へ戻りましょう。ムー、おいで
サヤ:屋敷の中にいれば大丈夫。私とムーがいる限り、大した手出しはできないわ
正宗:一体、どうなっているんだ?
サヤ:あの柴さんは、人形の作り出した幻だったのよ、だから、霊力を持つむーをあんなに怖がったのも
正宗:幻?
サヤ:生霊……と言いたいところだけど、恐らく、本物の柴さんはもう……とっくに死んでる。今日訪ねた茂森さんも……
正宗:なんてことだ……あの柴さんが
サヤ:ええ、警察も行方を探しているみたいだけど、恐らくはもう……柴さんを使って、私たちを騙して、まるで、私たちが右往左往をするのを楽しんでいるみたい。……うぐ!
正宗:どうした?
サヤ:いま、背中に何か、違和感が
正宗:背中?これは……痣?
サヤ:この、嫌な感じ、きっと、あの人形の仕業だわ。どこで仕込まれたかしら、気づかなかった。恐らく、人形はかなり力を取り戻しつつある。もう、家の中だからってのんびりはしていられないみたい
サヤ:ね、兄さん、こちらもそろそろ、反撃を出ましょう
正宗:サヤ……
サヤ:だって、このままやられっぱなしじゃしゃくに障るわ。そう思わない?
正宗:あぁ、そうだな
part5
(もしも……これを聞いている君の友人や家族が呪いの犠牲となったのなら、すまなかった)
正宗:ふ……
サヤ:兄さん
正宗:サヤ、お前いつから?
サヤ:扉、薄く開いていたわよ
正宗:……そうか
サヤ:その録音テープは?
正宗:少し前に録ったものを聞き直していたんだ。人形の封印方法を分かった時、念のため、録音しておいた。
サヤ:用意周到ね
正宗:まぁ、ちょっとした保険のようなものだ。これを玄関ホールの大時計に仕掛けておこうと思う
サヤ:なるほど、いい案ね。紙の書類は見つかったら処分されかねないけど、相手は古い人形だし、テープレコーダーなら気づかれないかも
正宗:そろそろ時間だ、こいつを仕込んでから、神社へ向かう
サヤ:玄関まで送るわ
正宗:人形についてはこの三週間、あれこれ調べた。夏越しの祓えを施した仏像を人形に戻せば、必ず封印できる。
サヤ:そうね
正宗:レコーダーはこれでいいだろう。では、行ってくる
サヤ:ムー、今日も兄さんのことをお願いね
正宗:今日は一人でいい。神社へ行って、帰ってくるだけだ
サヤ:この子はお守りよ、連れていって
正宗:しかし、俺がムーを連れていたら、お前が……
サヤ:大丈夫よ、私には自慢な霊力があるもの。兄さんは神社へ行って、お祓いの済んだ仏像を持って帰ってくる。ムーは散歩がてら、兄さんに付いていく、それだけでしょう
正宗:あぁ、そうだな。たしかに、ちょっとした散歩みたいのものだ。すぐに戻る
サヤ:えぇ、行ってらっしゃい、気をつけて
サヤ:……こんな呪いの痣までつけられて、自慢の霊力も何もあったもんじゃないわ。ごめんね、兄さん。さ、私もそろそろ準備をしなくちゃ、時間はもうわずかしか残されてない。死の呪いだなんて、霊媒師冥利に尽きるってものよ
サヤ:もうすぐ夜明け、兄さんは大丈夫かしら?あの子と一緒だし、きっと無事に
サヤ:あの子?あの子って……一体、誰のこと?……思い出せない……
サヤ:とうとう、来たわね。
(メリイ:み~つけた~)
サヤ:私にはもう、あなたを封印する力はない。けど、例え死から逃れられないとしても、これ以上、あなたの好きにはさせない。この彫刻刀、こんなことに使うのは忍びないけれど、これを胸に……
サヤ:……痛い!いいわ……心臓に刺さって……いい……とても……
サヤ:……だ、だめ!違うわ!こうじゃない!私は、恨みを抱いて死ぬの。このように未練を残して、留まるために……
サヤ:……ね……聞こえているんでしょう?よく覚えておきなさい、私は、あなたを決して、許さない!私が死んでも、兄さんがいる……兄さん、あなたのことを、私が必ず……だから、後は……