【日本小3道德】14#一册礼物
一冊の贈り物(一册礼物)
作者:森山 京(もりやま みやこ)
ある日、狐の子は、海辺で、貝殻を五つ拾いました。仲良しのリスの子に、貝殻を見せて、「どれが好き?」と、尋ねました。どれか一つをあげようと思ったからです。
(某日,小狐狸在海边捡到了五个贝壳。他把贝壳给要好的小松鼠看,并问道:“你喜欢哪一个?”他想把其中的某一个送给小松鼠。)
リスの子が一番好きだと言ったのは、白地に黒いしまのある貝殻でした。
(小松鼠说他最喜欢的是白底的有黑条纹的贝壳。)
「ああ、僕の一番と同じだ。」
(“啊,和我最喜欢的一样。”)
狐の子は、ちょっと嬉しく、ちょっとがっかり。
(小狐狸有些高兴,又有些失望。)
その晩、狐の子は、よくよく考えて、自分が一番好きな貝殻をリスの子にあげようと決めました。
(当晚,小狐狸考虑了很久,他决定将自己最喜欢的贝壳送给小松鼠。)
次の日、狐の子はリスの子に、白地に黒いしまのある貝殻をあげました。
(翌日,小狐狸将白底黑条纹的贝壳送给了小松鼠。)
「これは、一番好きなものでしょう?」
(“这是你最喜欢的贝壳吧?”)
びっくりするリスの子に、「そうだけど、でも、あげたいんだ。」狐の子は、きっぱり答えました。
(小狐狸斩钉截铁地对惊讶的小松鼠说道:“是啊,不过,送给你了。”)
「ありがとう。本当にありがとう。」
(“谢谢。真的是太感谢你了。”)
リスの子は、貝殻を耳に押し当て、嬉しそうに言いました。「波の音が聞こえてきそう。」
(小松鼠将贝壳抵在耳朵上,高兴道:“好像能听到浪涛声。”)

この絵本は、クマタのお気に入りの「貝殻の贈り物」です。
(这本绘本是熊太很喜欢的《贝壳礼物》。)
クマタは、絵本の狐の子に、そっと話しかけました。
(熊太轻声对绘本里的小狐狸说道。)
「狐ちゃん。君は偉いね。僕だったら、いくら仲良しでも、一番好きなものを、あげたりは出来ないよ。」
(“小狐狸。你真伟大。如果是我的话,哪怕再要好,也不会把最喜欢的东西拱手相让。”)
それから幾日かして、思いがけないことがおきました。三日三晩もの間、大雨が降り続いたのです。
(这之后过了几天,意想不到的事情发生了。大雨持续下了三天三夜。)
クマタの住んでいる「日向町」では、大した騒ぎもなかったのですが、山の向こうの「深緑村」では、川の水が溢れ出し、家や道路も水に浸かり、学校で寝泊りしている子供もいました。
(熊太所居住的“日向町”没什么大问题,然而山对面的“深绿村”河水泛滥,房子和道路都泡在了水中,还有睡在学校的孩子。)
間もなくして、沢山の大人達が、深緑村へ出掛けることになりました。水が引いた後の片付けを手伝うのです。クマタ達も、何かしてあげたくて、ノートや鉛筆や本などを届けてもらうことにしました。
(很快,众多的大人们出发前往了深绿村。他们要帮忙退水后收拾。熊太他们也想做点什么,于是他们将笔记本、铅笔和书等送过去。)
クマタは、自分の絵本の中から一冊を選ぶことにしました。でも、「貝殻の贈り物」だけは、選ぶつもりはありません。ところが、よく見ると、ほかの絵本には小さな瑕や、汚れがあるのに気が付きました。それがないのは「貝殻の贈り物」だけなのです。
(熊太决定在自己的绘本中选出一册。但是,只有《贝壳礼物》不在其选择范围里。然而,仔细看看,他注意到了其它的绘本上有小瑕疵和污垢。只有《贝壳礼物》干净又无暇。)
クマタは、一晩考えて、「貝殻の贈り物」を贈ることに決めました。そして、大好きな絵本の中の狐の子に、会えなくなりました。
(熊太考虑了一晚,决定将《贝壳礼物》送出去了。然后,他见不到最喜欢的绘本里的小狐狸了。)
それから十日あまり経ったある日、クマタへ一通の手紙が届きました。
(这之后经过了十多日的某日,熊太收到了一封信。)
こんにちは。私は、深緑村小学校三年生の兎·ササエです。
(你好。我是深绿村小学三年级的兔笹江。)
昨日は、私の誕生日でした。この間の大雨で、家が水浸しになってしまったので、今年は花束も、プレゼントも諦めていました。
(昨天是我生日。因为前段时间的大雨,家被淹了,所以今年对花束和礼物都不抱期望了。)
そうしたら、学校で、お見舞いの本をもらいました。絵本の「貝殻の贈り物」でした。
(结果,我在学校收到了慰问的书。是绘本《贝壳礼物》。)
私は、一度読んだだけで、お話も絵も大好きになりました。こんな素敵な絵本、もしかして、クマタさんも大好きだったのではありませんか。きっと、クマタさんは、お話の中の狐の子のように、優しいのだろうなと思いました。
(我只读了一遍,就非常喜欢上了这个故事和画。如此棒的绘本莫非也是熊太最喜欢的绘本?熊太一定和故事中的小狐狸一样亲切吧。)
おかげで、素晴らしい誕生日になりました。本当にありがとうございます。どうか元気でいてください。
(多亏了你,我度过了一个很棒的生日。真的是很感谢你。请多保重。)
「僕のこと、優しいって。狐の子のようだって。ああ、嬉しい……。」
(“她说我很亲切。说我像小狐狸一样。啊,好高兴……”)
クマタは、ササエの手紙を何遍も読み返しました。そして、自分からも、ササエに手紙を書くことにしました。
(熊太反复读了好几遍笹江的信。然后自己也要给笹江写信。)
絵本を読んでくれてありがとう。僕も狐の子大好きです。僕は元気です。
(谢谢你读了绘本。我也最喜欢小狐狸了。我很好。)
一年生のクマタの文はこれだけでした。そのかわり、文のように、クレヨンで絵を描きました。色とりどりの花の絵です。誕生祝いの花束のつもりです。
(一年级的熊太只写了这些。但是,他用蜡笔画了画。他画了五颜六色的花。是庆祝生日的花束。)
クマタは、ポストへ急ぎました。遠くに見える山の向こうには、ササエが絵本と一緒にいるのです。走りながら声を上げ、手紙を高く振って見せました。
(熊太急忙跑去邮筒。远远可见的山的那边,笹江和绘本在一起。他边跑边高举信挥动,大声道。)
「お返事、書いたよう。」
(“我写了回信。”)

