【日本小3道德】31#快乐王子
幸せの王子(快乐王子)
作者:オスカー·ワイルド(奥斯卡·王尔德)
ある町の真ん中に、美しい銅像が、遠くの方まで見下ろすように立っていました。その体は金箔で覆われ、目や刀には、宝石がはめ込まれていて、きらきら光っていました。町の人々は、この銅像を、「幸せの王子」と呼んでいました。
(某个镇中央,矗立着一座好似在俯视着远方的美丽的铜像。他的身体覆着金箔,眼睛和刀上镶嵌着闪闪发光的宝石。镇上的人们称其为“快乐王子”。)
ある日の夕方のことです。南の国へ向かう一羽の燕が、王子の足元にとまりました。すると、大粒の雫が、背中に落ちてきました。
(某日傍晚。朝南国飞去的一只燕子停留在了王子的脚边。于是,大颗水滴掉落在了它背上。)
「おや、なんだろう。星が出ているのに。」
(“哎呀,怎么回事?明明星星出来了。”)
不思議に思って、上を見ると、王子の目から、涙が金色の頬を伝わって、落ちてくるのでした。月の光が、その顔を優しく照らしていました。
(它觉得不可思议地往上看去,只见眼泪从王子的眼中溢出,滑过脸颊,掉落了下来。月光柔和地照耀着他的脸。)
「王子様、どうなさいましたか。」
(“王子,您怎么了?”)
「ずっと向こうの貧しい家で、子供が熱を出して泣いているのが見える。母親には、川から汲んできた水の他に何もないんだ。私の刀についているルビーの玉を、持って行っておくれ。私は、行きたくても動けないのだ。」
(“我看到远处贫困的家中,孩子正发烧哭泣。除了母亲从河里打上来的水,什么都没有。将我刀上的红宝石拿去给他们。我想去也动不了。”)
「でも、私は、南の国へ急いで行かなければならないのです。」
(“但是我急着要去南国。”)
燕はこう言いましたが、王子が悲しそうな顔をするので、赤いルビーを咥えて、親子のところへ届けました。
(燕子虽然如此说道,但由于王子面露悲伤,它便衔着红宝石送到了那对母子的身边。)
次の日、燕が飛び立とうとすると、王子がまた言いました。
(翌日,燕子准备起飞的时候,王子又说道。)
「ずっと向こうの町の家に、一人の若者がいる。貧しくて食べ物がなく、ストーブに火を焚くこともできないでいる。私の片方の目からサファイアを一つ取って、持って行っておくれ。」
(“在远处的镇上的家中,有一个年轻人。他穷得没有食物,炉上都生不了火。从我的一只眼中取出一块蓝宝石,给他拿去。”)
燕は、青いサファイアを、若者に届けました。
(燕子将蓝宝石送到了年轻人身边。)
次の日、燕は、いよいよ南の国へ飛び立とうと思いました。すると、王子がまた言うのでした。
(翌日,燕子终于打算飞去南国。于是,王子又说道。)
「この下の広場で、マッチ売りの娘が、マッチを溝に落として泣いている。お金を持って帰らないと、父親からどんなにぶたれることだろう。私のもう一つの目のサファイアも抜き取って、あの子にやってくれないか。」
(“在这下面的广场,有个卖火柴的小女孩,火柴掉到沟里去了,她在哭泣。如果不带着钱回去的话,不知道她父亲会怎样打她。把我另一只眼中的蓝宝石也取出来,给那个女孩送去吧。”)
「でも、あなたは、目が見えなくなってしまいますよ。」
(“但是您就看不见了。”)
けれども、王子は、一生懸命、燕に頼みました。
(然而,王子拼命地拜托燕子。)
燕は、仕方なしに、残りのサファイアを咥えて、飛んで行きました。
(燕子不得已衔着剩下的蓝宝石飞走了。)
王子の所に帰ってきた燕は、言いました。「王子様は、もう何も見えませんね。私がいつまでもおそばにおりますよ。」
(燕子回到了王子的所在之处后说道:“王子已经什么都看不见了。我会一直陪在您身边的。”)
それから、燕は、町の上を飛び回りました。そして、食べ物のない人や、寝るところのない子供のことを王子に話して聞かせました。
(此后,燕子在镇上飞来飞去。然后,将没有食物的人,以及没地方睡觉的孩子的事告诉王子。)
すると、王子が言いました。「私の体に貼ってある金箔を剥がして、その子供たちにやって来ておくれ。」
(于是,王子说道:“将我身上贴着的金箔剥下来,给那些孩子们送去。”)
燕は、王子の体から、美しい金箔を一枚一枚剥がしました。
(燕子从王子的身体上将美丽的金箔一枚一枚地剥了下来。)
王子の体は、とうとう、ねずみ色になってしまいました。けれども、子供達の顔色は、艶の良い、バラ色になってきました。
(王子的身体终于变成了灰色。然而,孩子们的脸色则成了富有光泽的玫瑰色。)
やがて、冬が来て、裸になった王子の体に、雪が降りかかりました。燕は、寒さで死にそうです。
(不久,冬天来临,雪降落在了王子赤裸的身体上。燕子快要被冻死了。)
「王子様、もうお別れです。さようなら。」
(“王子,该道别了。永别了。”)
燕は、王子の胸で、つぶやくように言って倒れました。同時に、王子の体も、大きな音を立て、ひび割れて崩れ落ちました。
(燕子在王子的胸上嘟哝着倒下了。同时,王子的身体也发出巨响,然后开裂倒塌了。)
その晩、天使が空から降りてきました。そして、「幸せの王子」の優しい心と燕を、胸に抱き上げると、天へ昇っていきました。
(当晚,天使从空中降临。然后,将快乐王子的善良的心与燕子抱在胸前,然后升上了天。)

