日本小3课文:田能久【久我Masahi的日语课堂】#35

田能久
作者:武田 明 (たけだ あきら)
とんとん昔。ある所に、旅の役者がありました。名前は、田能久(たのきゅう)と言いました。(很久很久以前。某处,有一个一边旅行一边演出的伶人,其名为田能久。)
田能久は、母親一人だけを国へ残して、村から村へと回って歩くのでした。そこでいつも、母親のことが気にかかって、しょうがありません。(田能久只留母亲一人在家乡,然后在各村之间来回走,他总是非常担心母亲。)
ある日の事、ある山の中の村祭りに呼ばれて、芝居をかけました。祭りの二日目に、母親が病気で悪いと言う知らせがありました。(某天,田能久被叫到某山村的祭典上表演。祭典的第二天,传来了母亲生病的噩耗。)
親思いの田能久は、急いで戻ろうとしましたが、我が村までは遠いので、どうしても夜道を歩かねばなりません。おまけに、大きい峠(とうげ)を越えなければなりませんでした。(思母心切的田能久着急着准备回去,然而,要回到自己的村路途遥远,不得不走夜路,并且,不得不翻过很高的山。)
夜になって峠を越えるのは大変ですから、田能久は急いで歩きましたが、とうとう、峠の麓(ふもと)まで来た時に、日が暮れてしまいました。(由于到了夜晚翻山越岭会非常困难,所以田能久急冲冲地赶路,当他终于来到山脚之时,太阳已经落山了。)
麓の茶店で一休みして、峠を越えようとしますと、茶店のおばあが、「日が暮れて薄暗うなっとるのに、峠を越えたらあむないぞ。」と言いました。田能久は、「そりゃまたどうしてぞ。」と言いますと、「この峠には、日が暮れたら、大きな蟒蛇(うわばみ)が出てくるけに、あむないこっちゃ。」と言います。しかし、田能久は親孝行者ですから、そんなことを言われても、母親のことを思うと気が気ではありません。(田能久在山脚的茶馆休息了片刻之后,准备翻山时,茶馆的老奶奶说道:“日落天黑时翻山很危险。”田能久问道:“为什么呢?”老奶奶则回答道:“因为日落后,这座山顶会有大蟒蛇出没,甚是危险。”但是,田能久是孝子,就算说了很危险,一想到母亲,便坐立不安。)
「出たら出た時のことじゃ。」と、独り言を言いながら、峠を越えていきました。(田能久一边自言自语道:“船到桥头自然直。”一边翻山。)
峠の上まで来たので一休みしようとしますと、白髪のおじいが、何処からともなく出てきました。(田能久来到了山顶,准备休息片刻之时,一个白发的老爷爷不知从哪出来了。)
おじいは、「お前は、何と言うもんなら。」と言いますので、「わしは、田能久じゃ。」と言いました。おじいは、「何、狸(たぬき)かい。狸なら、わしの前で化けてみい。狸は、七変化というて、七通りにも化けられるというがのう。」と言います。そこで田能久は、「お前さんの名前は、何と言うもんなら。」と言いました。(老爷爷问道:“你叫什么?”于是田能久回答道:“我是田能久。”老爷爷说道:“什么?狸猫?既然是狸猫的话,在老朽的面前变化看看。都说狸猫七变化,是会七种变化吗?”田能久问道:“你叫什么名字?”注:田能久和狸发音相似,所以听错了。)
「わしは、この山に住んどる蟒蛇じゃ。わしも化けることが出来るぞ。」と言いました。(老爷爷回答道:“老朽是住在这山中的蟒蛇。老朽也可以变化。”)
田能久はそれを聞いてから、恐ろしくてたまらんので、体ががたがたと震えてきました。(闻言,田能久十分害怕地瑟瑟发抖起来。)
しかし、逃げたら、尚の事危ないと思いましたので、「そんなら、わしが一つ、化けてみせるけに。」と言うて、衣装箱の中から女の鬘(かつら)を取って、頭に被りました。そうして女形の役をしてみせましたので、蟒蛇は感心してしまいました。(但是,逃跑的话会更加危险,所以,田能久说道:“那么,我变一个给你看看吧。”然后从戏装箱里取出了女人的假发,戴在了头上。之后田能久扮演了一个女角色给蟒蛇看,蟒蛇心感佩服。)
「こりゃうまいぞ。もう一つやってみい。」と言うので、今度は侍の鬘を被って、刀を刺して見せました。蟒蛇は、それを見ると怖くなったのか、「もうええ、もうええ。もうせんでもええぞ。」と言いましたので、田能久は元の姿になって、「さあ、もう帰るぞ。」と言いました。蟒蛇は、「もうちっと、話をしていけや。」と言って、田能久を放そうとしません。そこで、蟒蛇と田能久は、色々な話をしました。しまいに、蟒蛇が、「お前の嫌いなもんは何ぞ。」と言いましたので、田能久は、「わしは、小判が一番嫌いじゃ。時に、お前は、何が一番嫌いじゃぞ。」と言いました。蟒蛇は、「わしは、煙草(たばこ)の脂(やに)と、柿渋(かきしぶ)が好かんのじゃ。あれを体に付けられたら、動けんようになるわい。」と言いました。そうして、ふっと姿を消してしまいました。田能久は、「やれやれ、よう助かったわい。」と思いながら、山を下りていくと、麓の方で鶏の鳴き声がしました。(“变得真好。再变一个看看。”蟒蛇说道。于是田能久这次又戴上了武士的假发,给蟒蛇表演刺剑。蟒蛇看到后大概是感到害怕了,说道:“够了,够了。不用再变了。”于是,田能久恢复到了原来的模样,说道:“好了,我回去了。”蟒蛇说道:“再稍微说会儿话吧。”并不放田能久走。于是,蟒蛇和田能久聊了很多话题。最后,蟒蛇问道:“你最讨厌的东西是什么?”田能久回答道:“我最讨厌金币了。话说,你呢?最讨厌什么?”蟒蛇说道:“老朽讨厌烟草油和柿油,涂到身上的话就动弹不得。”语毕,蟒蛇一下子消失无踪了。田能久想着“哎呀,终于得救了。”并朝山下走去,这时,山脚处传来了鸡鸣声。)
「ようよう夜が明けたか。」と、独り言しながら行きますと、村里へ出ました。(“终于天亮了吗?”田能久边自言自语边走,来到了村庄。)
村の者がいましたので、田能久は、峠で蟒蛇に会ったことや、蟒蛇の嫌いな物は、煙草の脂と柿の渋じゃと言うことを話してあげました。(田能久把自己在山顶遇到蟒蛇的事和蟒蛇讨厌的东西是烟草油和柿油的事告诉了村民。)
村の人は大層喜んで、煙草の脂と柿の渋を皆で集めてきました。そうして夜になると、峠へ蟒蛇退治に行きました。(村民们非常高兴,大家一起收集来了烟草油和柿油。然后一到夜晚,前往了山顶去消灭蟒蛇。)
峠へ行くと、白髪のおじいが出てきたので、煙草の脂と柿の渋を棒の先に付けて、おじいの体に擦り付けました。おじいは、蟒蛇の形になり、見ているうちに動かなくなってしまいました。村の人は、蟒蛇は死んだと思って、また村へ帰って行きました。(来到山顶后,白发的老爷爷出来了,村民在棒子尖端沾上了烟草油和柿油,然后擦到了老爷爷的身上。老爷爷变为了蟒蛇的形态,渐渐地动弹不得了。村民以为蟒蛇已经死了,便回村了。)
ところが、蟒蛇は、本当は死ななかったのです。(然而,蟒蛇其实并没有死。)
「田能久のおかげで、えらい目におうたわい。あいつは、狸かと思うたら人間じゃ。よし、仇を討ってやるぞ。」と言って、田能久の家へ行きました。そうして、屋根裏へ上って、小判をいっぱい部屋中に撒き散らしました。(“因为田能久,倒了大霉。还以为那家伙是狸猫,原来是人类。好,老朽要报仇。”蟒蛇如此说着,前往了田能久的家。然后,爬上了房屋顶,朝房间内撒了很多金币。)
田能久は、そこで、大金持ちになったそうです。(这之后,田能久成为了大富翁。)

词汇
気にかかる:挂心、放心不下
気が気でない:因担心而无法平静的样子、焦急、忧虑、坐立不安
親思い:关心父母、惦记父母、孝顺父母(的人)
親孝行(おやこうこう):孝敬父母、孝顺(的人)
おまけに:而且、况且、再加上
ともなく:无意中~;不知不觉地~
(本课没什么新的可讲的语法点,请复习前面内容。)

作业
1.读课文
2.阅读两首诗歌:

