【翻译练习】早坂吝随笔1
(电子邮件杂志《未来事始NEWS》2020年04月02日配信号刊载)

情報サイト「未来コトハジメ」は、新たなビジネスの機会を模索し、未来に向け準備を進めるための“アイデアバンク”です。
情报网站“未来事始”,致力于探索新商机,面向未来的“创意银行”。
今週のメールマガジンの「ミラコト・サロン」は、「犯人IAのインテリジェンス・アンプリファー―探偵AI2―」「探偵AIのリアル・ディープラーニング」などの著作で知られる、ミステリ作家の早坂吝さんのコラムをお届けします。
本周的邮件杂志的“未来沙龙”,为大家送上因《犯人IA的智能增强—侦探AI2—》《侦探AI的真实深度学习》与而知名的推理小说作家早坂吝先生的专栏。

◇コラム「ミラコト・サロン」◇
◇专栏“未来式·沙龙”◇

将棋で西山朋佳三段が初の女性プロ棋士まで惜しくもあと一歩のところまで迫ったことがニュースになりました。「初の女性プロ棋士」という記述に「おや?」と首を傾げた方もいるかもしれません。「確か将棋には女流棋士がいたはずではないか」と。その女流棋士というものは、将棋普及のために別ルートで認定される職業であり西山三段が目指している棋士とは別枠なのです。後者の棋士は男女平等に門戸が開かれていますが、未だかつて棋士になることができた女性は一人もいません。一体なぜでしょうか。
将棋选手西山朋佳三段十分可惜的距成为第一位女性职业棋士一步之遥,这件事成为了新闻。对于“第一位女性职业棋士”的记述,说不定有人会“咦?”的表示怀疑,发出“将棋里不是有女流棋士吗?”这样的疑问。但所谓的女流棋士,是为了普及将棋而通过其他途径被认定的职业称谓,与西山三段的所争取的棋士是不同的。后者的棋士是对男女性平等开放的门户。但是,至今没有一个女性能成为棋士,究竟是为什么?
長時間盤の前に座って知恵を絞り出し続ける体力が男性より少ないのではないか。そもそも女性の将棋人口が少ないので相対的に強い女性が現れにくいのではないか。様々な理由が考えられていますが、それよりもっと多く取り沙汰されるデリケートな議論として「知能に性差があるのか」という問題があります。念のため断っておくと女性の知能が劣っているという意味ではなく、将棋のようなパズルに向いていないのではないかという仮説です。
长时间坐在棋盘前绞尽脑汁的体力不如男性吧?原本女性中从事将棋的人数就很少,相对来说很难出现强势的女性吧?虽然有各种各样的理由,但是比起这些,被更多议论的是“智能有性别差异吗?”这样的敏感话题。以防万一先说一下,并不是说女性智力差,而是“是否不适合将棋那样的智力游戏”这样的设想假说。
一応人工知能の小説を書いている私にとって、知能の性差は関心事の一つです。もし性差があるなら、人間の知能を模した人工知能に性別を設定しないわけにはいかないと思いませんか。男性の声で話すナビとか、女性の外見をしたアンドロイドとか、そういう表面的な話ではなく、人工知能の一つ一つに対して、思考回路が男性型か女性型かを定義する必要があるのではないかという話です。SFによくある人工知能同士の結婚についても、表面的な属性としての性別ではなく、知能そのものに性別が必要なのでは。そう考えると、まず知能に性差はあるのかという脳科学的問題が解決されない限り、人工知能は完成を見ないような気がします。
对于写人工智能小说的我来说,智能的性别差异,是我关心的话题之一。如果有性别差异的话,模仿人类智能的人工智能就不得不设定性别,不是吗?并不是指用男性声音说话的导航仪、外表为女性的智能机器人那种表面性的概念,而是对于每个人工智能,其思考的回路是男性型还是女性型,是否有进行定义的必要。也不是科幻作品中常见的与人工智能同伴结婚,并作为表面属性的性别,而是智能本身需要性别。所以,这样想的话,除非研究智力是否有性别差的脑科学问题解决了,不然我觉得是看不到人工智能完成的。
将来、初のAIプロ棋士が誕生し、それが女性型だったため初の女性棋士の誕生ともなった――とならないように、西山三段および、もう一人の有力候補である里見香奈女流六段(ご本人は消極的なようですが)には期待しています。やはり最初に道を歩くのは最初に道を拓いた人であってほしい。
在未来,第一个AI职业棋手诞生了,因为那是女性型,所以第一个女棋手诞生了――的这种事不会发生,我对西山三段以及另一位有力候补里见香奈女流六段(本人好像很消极)抱有期待。说到底我还是希望由人最早踏上征途开拓出最初的道路。
(早坂吝=小説家)
(早坂吝=小说家)