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Up To Date・逢时(中译版/日中双语)莱雪/昴哀「Ⅰ」

2023-08-25 03:26 作者:Kkagome  | 我要投稿


附早期罕见浓密下睫毛AKAIの美颜暴击,以表诚意

长篇预定。大概会有个20万字才会完结

剧情标签:偏日常、纯爱、有暧昧&肌肤接触

白い雪...黒い影...赤い人、赤いフード

不止白雪黑影。还有红色的人与红色的小红帽

若你不信宿命,若你不知何为宿命,看下去、看到最后,你会明白


{莱雪/昴哀都有各自独特的口癖,译成中文之后,个人觉得是少了一大半的趣味,不过至少中文版方便国内的大家享用啦~}

{目前还在写且灵感源源不断...}

PS. 严格按照原作剧情来补全扩写了一些内容。以及按设定描写了2人之间有可能发生的故事

故事完全基于原作背景,无ooc




-Up To Date- 


アップ・トゥ・デイトは、ライ・ウイスキーシェリー酒を主に使用したカクテルでございます。

Up To Date,是主要使用了黑麦威士忌雪莉酒混合制作而成的鸡尾酒。

1916年には既に誕生したこの百年前のカクテルレシピは、ライ・ウイスキーとシェリー酒の「天意による良縁」「神のなせる傑作」とでも言われています。

1916年便已诞生的这款拥有百年历史的鸡尾酒配方,甚至被称为是黑麦威士忌与雪莉酒的天作之合

(此处日语直译:天赐良缘,神之杰作)。

「最新の」、「今めかしい」を意味するこの名前は、長い時を越えてきたこのカクテルに、より一層の余韻を与えてくれた。

有着「最新的」、「与时俱进的」意味的「Up To Date」这个名字,为跨越了漫长时光的这款鸡尾酒,又赋予了一层别样的余韵


日本の方にはご存知ないかもしれませんが、「最新の」よりはずっとロマン的で、少し言い換えされた訳名がございます。

日本的朋友或许并不知晓,其实,「Up To Date」有一个更为罗曼蒂克译名

それは、

那就是,

ちょうどいい時”、“ふさわしい瞬間”の意味を含み

包含了“此时恰好”、“合适的瞬间”之意味的

名づけて:

名为:

今、コノ時

逢          时


哀:あ!ちょ、ちょっと!

哀:啊!等、等等!

(男は迅速に少女のところに向かって、左腕を少女の太ももの下に回り込み、少女を丸ごと抱き上げた。少女の感覚的には、お尻触られたような触感だった

(男人迅速朝少女身边跑去,把自己的左臂绕到了少女的大腿底下,直接将少女整个抱了起来。从少女的感觉来说,就像是臀部被触碰了一样)

昴:この姿勢の方が守ってるまま走れやすいですからね、さあ早く!私のことしっかり捕まって!

昴:这个姿势更方便我一边保护你一边奔跑,来快点!牢牢抓住我!

(急の事態だから、少女は言われたまま、仕方なく服従した)

(事态紧急,少女只好按照男人的建议,服从了)

昴:走りますよ!

昴:我要跑了哦!

(普通なら、両腕で男の首を回したほうが一番落ちにくいはず、しかし少女は男の上着を必死に掴むことを選んだ)

(正常来说,用双手环住男人的脖颈,应该是最不容易掉落的,但少女选择的却是双手拼命拽住男人的外衣)

(まあ、彼女らしい)

(嘛,这像她会做的举动)

(それでも、とても近い。体の匂いまで嗅いだ。ファンデーションと、少しタバコの匂いと、男の特有のにおいが、混じっている、)

(即便如此,也依然贴的很近。甚至嗅到了男人身体的味道。粉底和,淡淡香烟的气味,以及男人身上特有的味道,混合在了一起的,)


(悪くない香り)

(并不讨厌的香味) 


哀:(“どうして、ファンデーションのような匂いが……それに、この人がタバコ吸ってるとこ、見たことない気が……”)

哀:(“为什么,会有类似粉底的味道……而且,似乎从没见过,这个人吸烟的样子……”)

バンー(拳銃発砲音)

砰!(枪声)

昴:!

(少女を抱えたまま走ってる途中、背中が弾をくらしたようだ。痛みで、スピードが落ちている)

(在抱着少女奔跑的途中,男人的背部似乎中弹了。因为疼痛,速度也减慢了些许)

哀:?!

(少女は目を大きく開き、男の顔を確かめようとする)

(少女瞪大了眼睛,想要确认男人的表情)

バンーバンー(拳銃発砲音)

砰!砰!(枪声)

(もう二発、男の背中に的中)

(接连两枪,命中男人的背部)

昴:!!

(眉を強く顰めた男はやっと走るのをやめて、片方の膝が地面にしゃがんでいた。男は斜め後ろに顔を向けて、背後を確認しようとしてるが、少女を丸ごと抱えた左腕は、前以上に強く力を込めていた。まるで誰にも少女に近づけたくないようなオーラを出している)

(男人紧锁着眉,终于停下了脚步,单膝跪在了地上。他把头朝向斜后方,想要确认身后的情况,同时,环住少女的左臂也比之前抱得更紧了。仿佛散发出了不会让任何人接近少女一般的气场)

(防弾ジャケットなどは履いていたかもしれないが、骨一、二本は折れたはず)

(虽然可能穿了防弹衣,但想必至少损伤了几处骨头)

ベルモット:沖矢昴?今はこう呼べばいいのかい?さあ、もう逃さないわよ

贝尔摩德:冲矢昴?现在应该这么叫你是吗?好了,你们逃不掉了哦

(少女は背中三発くらした男の顔を見て、また男の斜め後ろの近くに立ち、拳銃を持っている女の方に視線を向ける。そう、GINほど少女に圧迫感と恐怖を与えた組織のあの女)

(少女看着背部中弹三发的男人的脸,接着又将视线移向了站在男人后方附近的、握着手枪的女人身上。是的,就是能为她带来和GIN一般压迫感与恐惧的组织的那个女人)

(うまくいったといきがる女は薄笑いして、また拳銃の引き金を引くつもりだ)

(一切比想象的顺利,略显得意的女人轻笑着,又准备扣下了扳机)

哀:(“ダメ!!!”)

哀:(“不可以!!!”)

(その瞬間、少女は心の中で叫んだ、と同時に、左手で男の胸を強く推し、右手はずっと上着の内ポケットに隠していた拳銃を出し,そしてすぐその銃にかけられたセフティーを解除した。左手が男の左の方の前腕に置き、手の甲で銃を固定するように右手を支えていて、女の反応がまだ追いついてない速度で、女が持ってる拳銃に発砲した)

(那一瞬间,少女在心中大喊了出来,与此同时,她用左手用力推开了男人的胸口,右手迅速掏出了一直藏在外套夹层里的手枪,并立刻解除了那把枪的保险。她将左手置于男人的手臂之上,再将紧握手枪的右手搁于左手的手背上,在女人的反应还没来得及跟上的情况下,朝着女人所持的手枪开了一枪)

バンッ

砰!

ベルモット:!……くそ!!

贝尔摩德:!……可恶!!

(この瞬間だけ、迷いも、恐れも一切なかった。弾も上手く女の右手親指から貫き、痛みと力の喪失で、女の銃は地面に落ちていった)

(唯有这个瞬间,少女没有任何迷茫,也没有任何恐惧。子弹顺利从女人的右手大拇指贯穿,因为疼痛和力量的丧失,女人的枪掉落在了地上)

哀:!!

バンー(拳銃発砲音)

砰!砰!(枪声)

ベルモット:!

贝尔摩德:!

(もう一発、落ちた銃を左手で拾うとする女の左肩に命中したはずだが、服を破れただけ、中身は防弾ジャケットらしい)

(又一发,虽然命中了想要用左手去捡枪的女人的左肩,但只是打破了女人的衣服,露出了内部的防弹衣)

(“まずい!銃を拾うつもりだ!”と思い、この状況だと、女を撃つより、地面の銃を破壊するほうが効果的だと、彼女はそう判断した)

(“糟糕!她要把枪捡起来了!”少女一边想着,一边做出了判断。与其朝女人射击,或许更应该直接破坏地上的枪)

バンー(拳銃発砲音)

砰!(枪声)

バキューン

啪当!

ベルモット:あ!

贝尔摩德:啊!

(女が落ちた銃のグリップを触れた瞬間、撃ちだした第三発は、銃のチャンバーのところに直接当たり、弾丸は激しい衝撃により崩壊し、金属の破片は女の顔と後ろの階段の手すりまで飛び散った)

(在女人触碰到地面的枪把的瞬间,少女打出的第三发子弹,直接打中了枪膛,弹丸因为剧烈的撞击而碎裂,金属碎片甚至飞溅到了女人的脸上以及女人身后的楼梯扶手上)

(まだ終わっていない)

(还没有结束)

(第四発)

(第四发)

(もう使える銃も破壊されて、隣の階段から逃げようとした女の足首を貫いた)

(贯穿了因持有的枪已被损坏而打算从身旁的楼梯逃走的女人的脚踝)

ベルモット:!!

贝尔摩德:!!

(本当は脛か膝のほうを狙っていたが、連続で四発撃ったからもう力尽きで、呼吸も速い、腕の骨まで痛み出した)

(本来是瞄准了女人的膝盖及小腿部分的,但因为连续开了四次枪,少女已经没了力气,呼吸也越发急速,双手手腕的骨头都开始阵阵作痛)


(男も驚いた)

(男人也很惊讶)

(女を阻止することに専念した彼女の真剣でまっすぐな目つきは初めて見たかもしれない)

(一心想要阻止女人的她那认真而毫无犹豫的眼神,男人或许是第一次见到)


 (心臓の鼓動を止められなかったせいか、両手の平から銃を放し、少女は速くて大きい喘ぐをしていた)

(大概是因为心脏的跳动过于快速,双手松开枪把的少女,只能猛烈的大口喘着气)

(そんな少女の顔を見て、男は眉毛を少し顰めてた後、僅かな微笑みを出した)

(看着少女这幅模样,男人皱了皱眉头之后,又露出了一丝微笑)

(男は両腕で少女を強く抱き、そして少女の耳元で囁いた)

(他用双臂紧紧地抱住了少女,并在她耳边轻声说道)


(“よくやった”と)

(“你做得很好”)


(次の瞬間、男は優しく少女を地面に置き、少女の頭を一回撫でた後、女のところに向かった)

(下一秒,男人温柔的将少女放在地上,在摸了摸她的头之后,男人便起身朝女人的方向走去)

(右手と右足首から血を流していた女は左足で一生懸命手すりのほうに移動した。そのまま体ごとを2階から下まで落とすつもりだ)(右手右脚都流淌着鲜血的女人正用左脚拼命的朝楼梯栏杆处移动。女人似乎是想要直接从目前2楼的位置纵身跳下去)

(緊張、恐れで力を抜けた少女は、男の一連の優しい行動に疑問を生まれたが、なぜかぬくもりのように胸の中に残り、どうしても消えることはなかった)

(因为紧张和恐惧而脱力的少女,虽然对男人这一连的温柔举动产生了疑问,但不知为何,那些举动仿佛化作了温存,留在了胸口,怎么都没有散去)

(お陰で息すら段々と平穏を取り戻していた)

(也多亏了这些温存,少女的呼吸都渐渐恢复了平静)


(怪我を背負ってる女と素手でやり合った男は、すぐに勝ちとなった。気絶した女を付近に置いた縄で階段の手すりにしっかり結び締めた後、男は誰かに電話をした)

(与负伤了的女人空手搏斗的男人,很快便胜利了。用堆在墙角的绳子将失去意识的女人牢牢的绑在了楼梯扶手上之后,男人不知和谁打起了电话)

昴:俺だ、ああ大丈夫さ、今は隣の旧ビルにいる、鉄の階段見えるだろう?ベルモットをやっつけた、ああもう締っといたから、今すぐ人員をこっちに回してこの女を回収してくれ。俺はまだ用があるからここで待っていられるわけにはいかないんでな、ああ、頼んだぞ、キャメル

昴:是我。嗯,没事,现在的位置应该是在旁边的旧大楼里,看到铁楼梯了吧?贝尔摩德被我打晕了,嗯,已经绑起来了,你现在派人过来把这个女人回收了。我还有事,不能一直等在这里。嗯,交给你了,卡梅隆

哀:(“キャメル?FBIの捜査官が、この人の言いなりに?どういうこと……”)

哀:(“卡梅隆?FBI的搜查官,对这个人言听计从吗?到底怎么回事……”)

(電話を切った後、男は少女に向かって、歩いてきた)

(挂断电话后,男人朝着少女的方向,走了过来)

(まだぼんやりしていた少女は、男の顔なんて見てないが、さっき男が電話の向こうに言ってた言葉なら、全部耳に入ってた)

(意识还模糊不清的少女,完全没有抬头去看男人的脸,不过男人刚才对着电话那头所说的话,她却全都听进去了)

(“俺”?しかも、敬語全然使っていない。声は前と同じだが、口調は全く違っていて、まるで別人のようだ)

(自称用的是俺而不是他平时惯用的私?而且,完全没有用敬语,虽然声音还和之前一模一样,但口癖完全不同,简直像是换了一个人)

(少女は何を考えているのが男にはわからない、ただ優しく微笑んだまま、また少女の頭を撫でていた

(此时的少女在心里思考什么,男人并不知道,他只是温柔的微笑着,又抬手抚摸起了少女的头

(大きくて暖かい手、熱が手のひらから少女の頭にしっかりと伝わってきた)

(宽大而温暖的男人的手,热度通过手心,确切的传达给了少女)

(ぼうっとしてる少女の姿はあまりにも可愛かったのかもしれない、男は思わず、意地悪をしたくなった)

(或许是发着呆的少女的模样实在过于可爱了,男人不由得,想要恶作剧一下)


昴:さすが、腕は鈍くなってないな

昴:看来,你的技术没有退步呢

哀:え?

哀:诶?

(“腕”、“鈍くなってない”?)

(“技术”、“没有退步”?)

哀:(“どういう、こと?”)

哀:(“什么,意思?”)

哀:(“何を、言って……”)

哀:(“他在说什么……”)

(少女は顔を上げて、男と対面した。男は相変わらず目を細くして、口元をゆるめていたが、なんだか今の表情に、少し悪ふざけを混じっていた

(少女抬起脸,和男人四目相对。男人还是一如既往的眯着双眼,嘴角微微上翘,但不知为何,他此刻的表情,稍微混杂着些许恶趣味)

(そう、少女は、思い出した)

(是的,她想起来了)

(三年前、体は小さくなっていない、少女がまだ15歳だった時、組織の中での出来こと……)

(三年前,身体还没有变小,少女15岁的时候,在组织里发生的事……)


-回想-


諸星大:お?休憩か?

诸星大:哦?在休息吗?

(馴染んだ声を聞いて、廊下の壁を寄りかかって、ティーカップを片手に持ち、カップ内のコーヒーをただ見つめている彼女は声の方向に顔向けた)

(听到了熟悉的声音,靠着走廊墙壁,单手拿着咖啡杯,只是一味的盯着杯子里的咖啡的她,朝声音的方向看了过去)

宮野志保:ええ、ちょっとね

宫野志保:嗯,算是吧

(目の前には、ニット帽をかぶって、黒くて長い髪をしていた、高身長の男が、彼女の方面に向かってきてる姿。結構いい顔達のこの男は、いつも両手をズボンの前ポケットに入れ、自信満々は相変わらずだが、彼女の前では、何故かいつも微かな笑みを増していた)

(她眼前,是戴着针织帽,留着一头黑色长发的,高个子的男人正在朝着她的方向走过来的模样。面容俊朗的这个男人,常把双手插在裤子口袋里,还是那样的一脸自信满满。但每每出现在她面前时,都不知为何,总是面带笑意)

諸星大:どうだ、最近は

诸星大:最近,怎么样

宮野志保:どうって、相変わらずじゃない?それに、先週会ったばかりでしょう?

宫野志保:问我怎么样,还不是老样子?而且,上周才刚见过吧?

諸星大:ホー、覚えてくれたか

诸星大:吼——,居然还记得呢

(男のこの言葉は、あまりにも変な感じしてたから、彼女も思わず男の目を見つめるようになった)

(男人这句话,实在过于奇怪了,导致她忍不住抬头去打量男人的眼睛)


(これもまた、男の思う壺ってのも知らずに)

(然而她并不知道,这其实正是男人的目的)


(宝石のようなクリアで不純物なんて一切いない、グリーンアイ。このせいか、初めて見た時からそう思っていた、この人はきっと、何をやっても迷いなし、ってね)

(如同宝石一般纯净,没有任何杂质的,Green Eye。也正因如此,她从第一次遇见男人时起就觉得,这个人一定做什么,都不会有任何迷茫)

(しばらく見つめた後、彼女は首を横にふり、つれない口調で男に返した)

(暂时凝视了一会儿之后,她将头撇开,用冷淡的语气回应道)

宮野志保:なんなのよあなた、こんなことを言いに来たのかしら?

宫野志保:你在想什么啊,难道就是为了说这个才到这里来的吗?

(そう、なんなのかはわからないが、男はここまで足を運んできて、目的地は唯一、この研究室だということぐらい、彼女ははっきりとわかっていた)

(是的,虽然不知道男人是什么意思,但他一路走到这里来,目的地只会有一个,那就是她的研究室。这一点,她很清楚)

(なぜなら、もうこの方向の先には、別の部屋なんていないのだから)

(因为,这个方向的前方,已经没有别的房间了)

諸星大:ああ、ちょっと顔を見たくなっただけだ。それより、俺にもコーヒー一杯、入れてくれないか?

诸星大:嗯,只是忽然想来看一下你。比起这个,能不能也给我泡一杯咖啡?

宮野志保:あなたね!

宫野志保:我说你啊!

(男の返事を聞いて、急に腹が立ってきた。彼女は壁を寄りかかるのをやめて、隣の研究室に入った。男の前を通った時、また一層吊り上げた男の口角を目でちらりと捉えた彼女は、そう思った:“お姉ちゃんの恋人のくせに”と)

(听到男人的回答,突然觉得来气,她站直了靠着墙壁的身子,走进了一旁的研究室。从男人面前走过的时候,她的目光捕捉到了男人比先前还要上翘的嘴角,她心想:“明明是姐姐的恋人”)

(彼女の不満にお構いなしに、男もすぐ彼女の足を追って、一緒に研究室に入った)

(面对她的不满,男人有些无所畏惧,紧跟着她的脚步便一起进了研究室)


宮野志保:お姉ちゃんとは上手くやってるよね?

宫野志保:你和姐姐相处得还顺利吧?

諸星大:ああ、まあ、心配するな

诸星大:嗯,嘛,不必担心

(男のさりげない口調を聞き、急に振り替えて、男に近づき、ちょっとだけ驚いた男に迫った)

(听到男人若无其事的语气,她突然转过身去,凑到男人面前,向略显惊讶的男人逼近)

宮野志保:いい?分かるでしょうけど、お姉ちゃんにやなことをしてたら、許さないから!

宫野志保:听好了?我想你应该清楚,要是你对姐姐做了不好的事情,我不会原谅你的!

(彼女は右手の人差し指を男の鼻の下を指し、少しむかついた警告をしたつもりだが、男の目から見ると、とんでもない可愛さを増しているだけ。しかし彼女は全く自覚はなかったし、男の高く吊り上げた唇の端の意味もわからなかった

(她伸出右手的食指,指着男人的鼻子下方,虽然是一副怒气冲冲的警告姿势,但在男人的眼里,这只为她增添了无比的可爱罢了。然而她却完全没有自觉,也不明白男人高高挑起的嘴角的意味)

(ハイヒールを履いたとしても、188cmの男の前では子うさぎのようだ)

(即便穿着高跟鞋,在188cm的男人面前,还是像只小兔子一样)


諸星大:(“説得力マイナスだな”)

诸星大:(“毫无说服力啊”)

(男は高鳴る胸を抑えつづ返事をした)

(男人克制着鼓动的心跳,回答道)

諸星大:ああ、わかってる

诸星大:嗯,我知道

(男の返事を聞いて、文句を言うの諦めて、彼女は男の前から離れ、横の棚の上にコーヒー粉らしき物が入ってるガラス瓶を手に取った)

(听到男人的回答后,她勉强放弃了抱怨。从男人面前走开后,她从身旁的架子上拿起了一个疑似装着咖啡粉的玻璃罐子)

(彼女がコーヒーを淹れる途中、男は研究室を見回った。毎回来る時はたまに二、三人はいたが、今日は誰もいない)

(她在泡咖啡的过程中,男人环视了研究室一周。他每次过来的时候,时不时还会有两三个人在场,但今天除了男人和她,没有任何其他人了)

諸星大:(“2人っきりだ”)

诸星大:(“是单独两个人呢”)


宮野志保:ほら、飲んだらさっさと出てってもらうわよ

宫野志保:给,喝完了就快点给我出去

(男はパソコンデスクに置いてあったティーカップを手に取り、彼女が淹れたばかりのコーヒーを口にした)

(男人拿起被她放在电脑桌上的杯子,喝了一口她刚刚泡好的咖啡)

(“相変わらず冷たくて、手厳しいな”と思ったけど、熱くない、すぐ飲められるちょうどいい温度のこのコーヒーは、男に真実を告げる)

(“还是一如既往的冷淡而严格呢”,虽然这样想着,但手中这并不烫口,立刻就能喝的刚刚好温度的咖啡,告诉了男人真相)

(以前たまに見た、彼女が自分で口にしたコーヒーは、いっぱい砂糖を入れていた。なのに毎回男のために淹れたコーヒーは、いつも何も入っていない、男が好きだったブラックだ。そう思うと、座ってパソコンで何かの資料を見ている彼女は、やけに魅力的に思ってしまう)

(之前偶尔见过,她泡给自己喝的咖啡,是加了很多砂糖的。然而每次为男人泡的咖啡,却是什么都没有添加的,男人最喜欢的黑咖。这样想着,正坐在电脑前查看着什么资料的她在男人眼里,显得比平时还要有魅力)

(砂糖、シロップやミルクなど一切入っていないただのコーヒーが飲みたいなんて、一度も言ったことなかったのに、彼女からも聞かれたこともなかった)

(他明明从未说过,自己想喝的是没有放砂糖、糖浆以及牛奶等等任何东西的单纯的咖啡,而她也一次都没有询问过他)


(よくブラックの缶コーヒーを持って彼女の前で現れるからだろうか)

(或许是因为他经常拿着罐装黑咖出现在她面前吗)

(こんな、口では興味なさそうに相手をしていたとしても、本当はこっそり観察して、ちゃんと覚えてくれたところが、男は好きだった)

(像这样,嘴上一副漠不关心的态度,但其实有在悄悄观察并牢记下来的,这样的她,令他很是喜欢)


(ブラックを淹れてくれるのはもう何回目なのか、数えきれないのに、今の男はまたこのことで嬉しく感じていた)

(也不知道这是第多少次给他泡咖啡了,明明已经数不清了,但此时的男人却又因此而感到开心)

(パソコンデスクに寄りかかって、男はキーボードを打ってる彼女の横顔を見て、興味津々に話題を考えていた)

(男人靠着电脑桌,望向正在打字的她的侧脸,兴致勃勃的思考着话题)

諸星大:そういや、君、銃とか撃てるか?

诸星大:说起来,你会用枪吗?

宮野志保:なんなの、いきなり

宫野志保:怎么了,突然那么问

(パソコンで調べ物をしていたせいか、彼女の声は小さくて、そっけない感じだったのに、男は嬉しかった。少なくとも、彼女は自分の話を乗るように返事をしていたからと)

(大概是因为在用电脑查什么东西,她的声音很小,也有些冷漠。可男人却依旧很是高兴。至少,她的回答是有在回应他的话题)

諸星大:一回、試したくないか?

诸星大:想不想试一次?

宮野志保:試すって、銃を?

宫野志保:试一次,你是指枪吗?

(意外なことに、彼女は手の動きを止めて、顔を男の方に向けた)

(有些意外的是,她停下了手上的动作,将脸朝向了男人)

(男にとっては、言葉には表現できない喜びだが、今はしばし放っておこう)

(这对男人来说,已经是言语无法形容的欣喜了,不过比起这个,还是先着重话题那边吧)

諸星大:ああ、万が一の時にも、学ぶには損害なしだろう?

诸星大:是啊,哪怕只是为了应付危机关头,这方面的知识并无害处吧?

宮野志保:……

(彼女は瞼少し下に垂らして、唇は何を言おうとしていた動作だが、何も言えなかった)

(她垂下眼帘,嘴唇似乎想要说些什么,但却什么都没有说)

諸星大:こんな組織に居ちゃあ、いつ危ないことにあってもおかしくないからさ

诸星大:毕竟待在这样的组织里,什么时候会遇到危险都说不定啊

宮野志保:無理よ、組織が私のような研究員に銃を持たせると思う?使え方を知っても使いところないわ

宫野志保:没可能的,你觉得组织会让我这样的研究员持枪吗?就算知道用法,也没有可以使用的机会

(彼女の少々がっかりした顔を見て、男の心も一瞬キュって痛み出たが、機嫌をすぐ直して、大きい笑顔を出した)

(看见她略微失望的脸,男人的内心也一瞬间感到了刺痛,但他立刻调整了心情,露出了灿烂的笑容)

諸星大:まあ、とりあえず、使え方を知るからだ、な?

诸星大:嘛,总之,先从了解使用方法开始,呐?

(そう言いて、左手を伸ばし、彼女の細い右腕を掴んだ)

(这样说着,男人伸出了左手,抓住了她纤细的右手手腕)


(兆候もないこの突然の行動に、彼女は驚いた)

(面对这毫无征兆的突然行为,她吓了一跳)

(この男に触られたのは初めてではないが、この二年以来はこれで初めてだろう。あの時はまだ子供で、大して異常反応なかったが、今はもう15歳になったから、全く違うような感覚だ)

(虽然这并不是第一次被眼前的男人触碰,但应该是这两年里的第一次吧。那时,她还是个孩子,并没有很大的异常反应,但现在已经15岁了,所以完全是和那时不一样的感觉)

宮野志保:ちょ、ちょっと、何を、放しなさいよ!

宫野志保:喂、喂,你做什么,快放开我!

(男の下心をわからない彼女のように、男もまた彼女の異常な感覚なんて分りゃしない。ただ、彼女の腕を掴んだまま、離さなかった)

(正如她并不知道男人的私心,男人也同样不清楚她会有什么异常感觉。男人只是抓着她的手腕,没有松开)


諸星大:いいから、黙って俺について来い

诸星大:别问,乖乖跟着我走


(腕を掴まれて、男の後ろについていく彼女は、ずっと男の背中を見ていた)

(手腕被抓着的她,紧跟在男人身后,一直注视着男人的后背)

(時々GINのところに報告にいく彼女は、道の途中で、よく遠くにいる男の姿を捉える。いつも仏頂面で、隣の男と真剣に何を話していた。彼女の姉とデートをしてる時すら、全然笑わなかったのに、どうして、自分の前では……)

(她偶尔会去GIN所在的勤务室做汇报,有时在途中,会捕捉到远处男人的身影。他总是面无表情,严肃地和身旁的人说着什么。即便是在和她的姐姐约会的时候,男人也完全没有笑过,可为什么,在她的面前……)

宮野志保:(“そう容易く笑っていられるの?”)

宫野志保:(“会那么轻易的露出笑容呢?”)

(そう思って、男はまた振り替えて、彼女に微笑んだ)

(她这样想着,发现男人又回过头来,朝她微笑)


宮野志保:ここは……

宫野志保:这里是……

諸星大:組織の訓練所だ。と言っても、臨時だがな

诸星大:组织的练习场。话虽如此,只是个临时搭建的呢

宮野志保:臨時……

宫野志保:临时……

諸星大:ああ、お前とこの研究所と同じさ、よく引っ越すだろう?同じ場所で長く滞在しりゃあ足跡掴まれっちまうからな

诸星大:是啊,和研究所一样,你那里也经常搬家对吧?毕竟长时间在同一个地方滞留,容易暴露踪迹呢

宮野志保:そうね……

宫野志保:是呢……

諸星大:だから今、ここは撃てる標的以外何も設置していないさ

诸星大:所以现在这里除了能打的靶子以外,没有设置任何训练用的东西

(そう言いて、男は懐から拳銃を出した)

(说着,男人从怀中掏出了手枪)

諸星大:拳銃には大抵セフティーがあってな、これを解除しないと、撃てないから、ただのガラクタになる

诸星大:手枪大多都有保险,保险不解除的话,就没法开枪,那枪也就只是块废铁了

宮野志保:セフティー……

宫野志保:保险……

諸星大:これのことさ、まあ、外せやすいから、忘れないようにすれば大丈夫さ

诸星大:就是这个,嘛,解除和扣上保险都很简单,只要不要忘记就没事

(好奇心が働いたかもしれない、彼女は思わず男に近づき、男の手の平の拳銃を眺めていた)

(或许是好奇心作祟,她不由得向男人靠近,仔细打量着男人手中的那把枪)

宮野志保:……

諸星大:それと、こっちは、チャンバーと言うんだが、弾が入ってるところだ。セフティーを解除したら、グリップをしっかり握り、もう片方の手でこのチャンバーを強く後ろに引く必要がある

诸星大:还有,这里,叫枪膛,是子弹射出之前所在的位置。保险解除之后,需要紧握枪把,再用另一只手用力把枪膛的盖子往后拉

諸星大:ほら、こんな感じさ

诸星大:看,就像这样

(男は素早くセフティーを解除し、チャンバーを引いた)

(男人迅速解除了保险,拉开了枪膛)

宮野志保:!

(すぐ目の前の距離だったから、金属の摩擦音が思ってるより大きい)

(因为近在眼前,所以金属的摩擦声比想象中要大)

諸星大:ま、これで一応撃てるようにはなったが、女性の腕力は男と比べてそこまで強くないから、撃つ時はできるだけ、クリップを両手でしっかり握るんだな。あと、上半身は少し前屈みのほうが……こうだ

诸星大:嘛,这下姑且就能开枪了,但女性的腕力和男性比通常要弱一些,所以开枪的时候最好尽量双手紧握枪把,还有,上半身稍微往前倾会更好……像这样

(“わかったか?”のような目線を受けて、どう返事すればいいのか、ちょっと迷ってしまった)

(看到男人投来了“知道了吗?”的目光,她不知道该如何回答,有点迷茫)

(それでも男はのりのりだった)

(即便如此,男人依然饶有兴致)

諸星大:じゃあ、まずは一回見たらどうだ?

诸星大:那,先看一次如何?

宮野志保:え、ええ

宫野志保:嗯、嗯


(男は左手で銃を持ち、人差し指を引き金のところに置き、左腕ごと肩と同じ水平面に上げ、まっすぐ前に伸びて遠い真正面の標的を狙っている。右手は左手を支える同時に、右足は半歩ぐらい下がっていた)

(男人左手持枪,将食指放于扳机处,他将左手手臂抬至与肩膀同一水平线,直直的对准位于正前方的枪靶)

(さっきまで気軽そうな男の顔は、彼女が見たことのない真剣さを出している)

(刚才还一脸轻松随性的男人,散发出了她从未见过的认真)

(横から見える、あの宝石のようなグリーンアイは、今以上にキラキラしてて、あれは、指先まで輝いてるようなシチュエーションだった)

(从侧脸看去,那如宝石一般的Green Eye显得越发闪烁,此时的画面,仿佛男人的指尖都在闪闪发光一般)

(銃や武器なんて詳しくなかった、それでも、今この時目に映る男の姿勢は紛れもなく美しいと、彼女はそう思っていた)

(虽然她并不熟悉枪或武器,但即便如此,此刻映入眼帘的男人的身姿毫无疑问的令她深受感染)

(その指先の動きで撃ち出す弾丸も、綺麗に中心を貫いてくれた)

(因他指尖的扳动而飞射出去的弹丸,也完美的贯穿了枪靶的中心)


(心まで踊り出した)

(心跳快得要蹦出来了)


(鼓動が速い)

(小鹿乱撞)


宮野志保:(“なぜ、こんなにも、速いんだ……何か、言わないと、バレてしまう……のに”)

宫野志保:(“为什么,会忽然跳得这么快……不赶快说点什么的话,就要暴露了……”)

諸星大:まあ、こんなもんか。どうだ?試したくなったか?

诸星大:嘛,差不多就是这样,怎么样?想试试了吗?

宮野志保:え?え、ええ……で、でも、私、利き手、左手じゃないし……

宫野志保:诶?啊、嗯……但、但是,我的惯用手,不是左手……

宮野志保:(“おさまれ!速くおさまれって言ってるのよ!!たかが銃一回使ったぐらいで何驚いてるのよ!しかもこの人、お姉ちゃんの恋人よ!”)

宫野志保:(“快慢下来!快给我慢下来啊!!他只是示范了一次开枪而已,我惊讶什么啊!而且这个人,可是姐姐的男朋友啊!”)

宮野志保:ほら、左手を使ってるあなたからだと、教えてにくいじゃない?

宫野志保:那个,惯用左手的你来教我的话,不方便吧?

宮野志保:(“そうそう、利き手が左手の人には利き手が右手の人に銃の使い方を教えるなんてきっと意味ないのよ!上手く誤魔化して研究室にかえるのよ!”)

宫野志保:(“对对,惯用左手的人就算教右撇子怎么开枪肯定也是没什么意义的!我就以这个理由蒙混过去,然后赶快回研究室!”)

諸星大:ん?それなら大丈夫さ

诸星大:嗯?你说这个的话,不碍事哦

宮野志保:えッ

宫野志保:诶

諸星大:利き手は左手だが、右手も使えるから

诸星大:我虽然惯用左手,但右手也一样能用

(こう言って、男は彼女に近づいて来た)

(边说着,男人朝着她靠近了过来)

宮野志保:えッ、ちょ……

宫野志保:诶,等……

(男は問答無用に彼女の右手を掴み、拳銃をその手のひらに乗せて、肌と肌の接触も構いなしに、直接彼女の右腕を上げて、さっき発砲する時の姿勢を彼女の体でもう一度再現するつもりだ)

(男人二话不说便抓住了她的右手,将手枪放在了她的右手手心。全然不在乎肌肤之间的接触,直接抬起了她的右臂,想要帮她再现刚才自己开枪时一模一样的姿势)

諸星大:銃はしっかり持って……指はここ……あと引き金に、こうだ……腕は肩のところに、次は左手を……

诸星大:牢牢握紧枪把……手指放这里……还有扳机上,这样……手臂抬到肩膀的高度,接下来把左手……

宮野志保:ちょ、近寄らないでよ!

宫野志保:等等,不要靠那么近啊!

(握り方を教えるように、右手はほぼ男の大きい手に包まれた状態っていうのに、一連の動きが速すぎて、ただ心臓の鼓動を抑えるのに精一杯で、全く反応し切れない。なのに男はもっと踏み込んで来ようとする

(为了教她怎么握枪,她的右手基本是被男人宽大手掌整个包住的状态。男人一连的动作非常快速,她只是压制着自己狂跳的心脏就已经用了全力了,根本没法一一作出反应,然而男人却想要更近一步)

(“次は左手を”と言いつづ、男の左手は彼女の背中から回り、後ろから彼女の左腕を動かそうとした。それはもはや至近距離で、服と服が摩擦を繰り返し、背中から妙な熱まで感じられる……

(说着“接下来把左手”的时候,男人的左手便绕过她的背后,想要移动她的左臂。这已经是极近距离了,男人的衣服和她的衣服反复摩擦,她甚至能感觉到背部传来的并不寻常的温度……)

諸星大:あと、狙い方も教えないとな、この上に尖った部分と一が処だけ凹んだところがあるだろう?こことこと、銃を持ってる時、この高さから……

诸星大:还有,瞄准方法也得教你呢,这上面有一个凸出的地方,还有一个凹下去的地方对吧?这里和这里,握着枪的时候,要从这个高度……

(ずっと低いと思っていた男の声も、まるで耳元で話してるようで、はっきりと吐息も聞こえる音量に、彼女は思わず肩をすくめて、逃げようとしたが、右手も左腕も掴まれてる状態だった

(一直都觉得比较低沉的男人的声音,在此时简直像是在她耳边说话一样,连男人的吐息都听得一清二楚,她不由得蜷缩起肩膀,想要逃走,但不管是右手还是左臂,都是被男人抓住的状态)

宮野志保:は、放しなさいよ!

宫野志保:快、快放开我!

諸星大:あ、すまん……

诸星大:啊,抱歉……

(拒絶が激しいと感じたかもしれない、男は手を放し、両手を頭の高さまで上げて、まるで無実を証明するようだが、意地悪な笑顔は隠せなかった)

(或许是感觉到她的抗拒有些强烈了,男人松开了双手,并高高地举过头顶,仿佛在证明自己无罪一般,但那恶作剧一般的笑容却没能隐藏)

宮野志保:使え方を教えるって言ってもね……!

宫野志保:就算说是要教我方法……!

諸星大:ん?顔赤いようだが、熱とかあるのかね?

诸星大:嗯?脸很红呢,是发烧了吗?

宮野志保:あなたね……!!

宫野志保:你……!!

諸星大:おいおい、その持ち方は危ないぞ……

诸星大:喂喂,你这举的姿势有点危险啊……

宮野志保:ふん!

宫野志保:哼!


?:おい、そこで何をしている

?:喂,你们在那里做什么

宮野志保:はあ?!

宫野志保:?!

宮野志保:(“GIN!?”)

諸星大:…ジンか

诸星大:…琴酒吗

GIN:シェリー、探したぞ

GIN:雪莉,找你很久了

(いつのまに、この訓練所のドアの前に現れたGINは、彼女のところに向かってゆっくりと歩いてきた。相変わらず、後ろにウォッカがついている)

(不知何时出现在这个练习场门口的琴酒,开始朝着她的方向缓缓走来。还是一如既往,身后跟着伏特加)

(右手に握ってる銃は、さっき男に仕返しするようにふざけて持ち上げたから、隠せようとしても、もうすっかり丸見えだ)

(她右手握着的枪,在刚才为了“报复”男人而开玩笑举了起来,也已经完全被琴酒发现,藏不住了)

(いつものように、ポーカーフェイスをしてるGINはより以上不気味に見えて、近づく一歩一歩が彼女の心拍数を激増している)

(和往常一样摆着一张扑克脸的琴酒在她眼里却比平时要可怕得多,逼近的一步一步都在激增她的心率)

(ようやく、GINは彼女の前で足を止めた)

(终于,琴酒在她面前停下了脚步)

GIN:出せ

GIN:给我

宮野志保:えッ

宫野志保:诶

GIN:銃を出せ

GIN:把枪给我

諸星大:おい、ジン、あれは俺の銃なんだぞ

诸星大:喂,琴酒,那可是我的枪

GIN:……RYE、いたのか

GIN:……RYE,你在啊

諸星大:ああ

诸星大:当然

(男は彼女とGINの間に割り込み、目つきの悪い男2人が対面する)

(男人挤进了她和琴酒之间,眼神凶恶的两个男人面面相觑)

(空気の中漂う火薬の匂い、喋り好きのウォッカまで息をひそめて、口を挟まなかった)

(空气中漂浮的火药味,让爱插嘴的伏特加都屏住了呼吸,没有说话)

宮野志保:私研究室に戻るから……これを

宫野志保:我回研究室了……给你

(彼女は拳銃のセフティーをかけ直して、男の手元に渡し、GINの横から通り過ぎた後、背後から冷酷な声が聞こえて、全身までゾッとした)

(她把手枪的保险重新锁好,递到了男人的手上。当她刚从琴酒旁边走过,就听到背后传来了冷酷的声音,瞬间全身都汗毛直立)

GIN:シェリー、この後、俺の公務室に来い

GIN:雪莉,一会,到我的勤务室来

宮野志保:……わかった

宫野志保:……我知道了

GIN:それと、RYE、女と遊びてえのなら、いくらでも紹介してやるが、あいつはダメだ。覚えとけ

GIN:还有,RYE,要是想找女人玩,多少都能介绍给你,但你记住,那家伙不行

(男への警告は、彼女もはっきりと耳に入った、心の中、僅かガッカリをしたが、次のひとごとに書き換えられた)

(琴酒对男人的警告,也传进了她的耳朵里,她心里一时失落了起来,但这个失落却立刻被男人的下一句话,给彻底改变了)


「そいつは、保証できないな」と

他说,「那我可没法保证呢」


哀:?

哀:(“夢?いや、昔の…記憶?”)

哀:(“是梦?不对,是过去的…记忆?”)

哀:(“咦,这里是……没见过的房间……”)

(目を覚ました彼女は、見覚えのない部屋のベットで、寝かされていた。片手を布団の中から出して確かめたが、やはり小さい体の方だった。)

(睁开双眼的她,正躺在一个毫无印象的房间里的床上。她从被子里伸出一只手,确认了一下,果然是变小的身体)

哀:(“こっちが現実か”)

哀:(“这边才是现实吗”)

(そう思って、どこから波の声が聞こえて、首を右側に傾けたら、一面壁が全部大きなガラスで、外は青い青い海でした)

(这么想着,她感觉听到了海浪的声音,把头往右边看去,一面墙壁全是落地的大玻璃窗,而窗外是湛蓝湛蓝的大海)

(瞳孔まで開き、目の前の景色に唖然をしていた)

(她瞪大了眼睛,惊讶的看着眼前的景色)


?:もう気がついたのか?

?:就醒了吗?

哀:え?

哀:诶?

(彼女の左側から、馴染む男の声が聞こえる。首を向けたら、すぐ隣に、男が座っていた)

(从她的左侧传来了熟悉的男人的声音。她立刻转头看了过去,发现那个男人就坐在自己的身旁)

(男と2人でベットの上にいることなんて十分衝撃だったのに、加えて、男が着てるシャツはボタン一切締めていない、腹筋まで見え見えだ)

(和男人两个人在同一张床上已经令她十分震惊了,再加上,男人穿着的衬衫一个扣子都没有系,连腹肌都看得一清二楚)

哀:キャアー!!

哀:呀啊!!

(驚きのあまりに、両手で布団を引っ張って、頭を被した)

(过于惊吓,她赶紧双手扯着被子,把头遮住了)

哀:(“何を見せ晒してるのよ!”)

哀:(“他在炫耀什么啊!”)

(暗い布団の中、彼女は自分の顔が熱くて蒸気まで出ていたような感覚だった)

(在一片漆黑的被子里,她感觉自己的脸滚烫得要冒出蒸汽了)

昴:ハハ、すまん、こいつは訳あってさー……痛たッ……

昴:哈哈,抱歉,我这样是有原因的……嘶……

(布団越しだが、男の話を聞いた途端、彼女はやっと思いついた)

(虽然隔着被子,但当她听到男人的回答的下一秒,总算是想起来了)

(男は自分を守るため、銃に撃たれたはず……!!次の瞬間、彼女は布団から出て、すぐ男のほうに近づいた)

(男人为了保护她,被打中了好几枪……!!下个瞬间,她掀开被子,立刻凑到了男人身边)

哀:見せて!

哀:让我看一下!

昴:え?

昴:诶?

哀:銃傷!病院には行ったよね?弾は取れた?!

哀:枪伤!去过医院了吧?子弹取出来了吗?!

(男は一瞬の驚きを見せたが、それはすぐ平穏な笑みと変わりました)

(男人惊讶了一瞬间,但立刻又化作了平和的微笑)

昴:病院には行ってないさ、行ったらあいつらに待ち伏せされるかもしれないから、あの後、車で直接こっちに向かった。実はさっきついたばかりでな。君をベットに運んだ後、ちょうど傷を確認したかったところだよ

昴:没有去医院哦。那时候去医院,很可能会被那些家伙埋伏。所以那之后我直接开车到这里来了。其实是刚到不久。把你放在床上后,我正打算确认伤势哦

哀:あの傷で車を?!今すぐ脱いて!傷を見せて!

哀:受了那样的伤还开车?!现在立刻把衣服脱了!让我看看伤的情况!

(男が撃たれた時は多分朝1時ぐらい、空の色から見ると、今は少なくとももう朝5時にはすぎていたはず)

(男人中枪的时候大概是半夜一点左右,现在看外面的天色,已经至少过了早上五点了)

昴:……ああ、わかった

昴:……嗯,我知道了

哀:手伝う!

哀:我来帮你!

(ベットの上に立っていた彼女は、男の手の動きより、男の後ろから先に男のシャツを脱がした。男の裸とか恥ずかしいとかもうそういうところじゃなくなった)

(站在床上的她,抢在男人之前,从男人的背后脱下了他的衬衫。现在看见男人的裸体也根本顾不上害羞了)

哀:確か三発くらしたはず……でも防弾ジャケット履いてたよね、こことここ、あとここか……幸い、まずいところはほぼ外れてるわね。弾が入ったのはここだけか……どうやらあれ、普通の拳銃じゃなさそうね……ここ以外の二箇所は多分骨を痛めたらしいね、療養すれば……

哀:我记得是中了三枪……不过穿了防弹衣对吧,这里和这里,还有这里吗……幸好,都没有打到不妙的位置呢。只有这里中了子弹吗……看来,那不是普通的手枪呢……除了这里,其他两处大概伤到骨头了呢,不过好好疗养的话……

(男はただ黙って、彼女の呟きを聞いているだけ。現に焦っている彼女は、もうこの呟きが実は声に出しているのも気づいていないようだ

(男人只是沉默地听着她的自言自语。现在略显焦急的她似乎根本没有意识到她自认为的小声喃喃,实际上声音大的以至于男人都能听得很清楚)

哀:とにかく、そこのソファーで座ってくれる?背中が手当しやすいように外側向きで!ここのベット高いから、このままだと手当しにくいなの!

哀:总之,你能坐到那边的沙发上去吗?背朝着外面,这样方便处理伤口!这里的床太高了,在床上处理伤口的话,会不方便!

昴:わかった

昴:我知道了

哀:それと、ここ医療箱とかある?

哀:还有,这里有没有医疗箱?

昴:ああ、確かそこのチャストの中にあったはずだ

昴:嗯,我记得应该在那边的抽屉里

哀:わかった!

哀:我知道了!

(彼女は早速チェストのところにかけつけ、引き出しを一つずつ開けて確認した)

(她立刻跑到了男人指的抽屉面前,一个一个拉出来查看)

哀:(“すごい……医療箱ところか、このチェスト、四つの引き出しの中、全部薬や医療用品ばかり、手術道具まで揃ってる、一体なんのために……”)

哀:(“好厉害……这已不经是医疗箱了,这四个抽屉里,全都是药和医疗用品,甚至还有手术用的工具,为什么会备的这么齐全……”)


哀:準備はいい?この姿で何を言っても信じがたいかもしれないけど、唯一言えるのは、私、このぐらいは余裕で済ませるわ

哀:准备好了吗?虽然我这幅样子说什么你可能都会难以相信,但我唯一可以保证的,这就是点程度的手术对我来说轻而易举

昴:ああ、信じるさ

昴:嗯,我相信你

哀:そう、あなたも大したものね

哀:是吗,你也真是胆大呢

昴:それと、先生

昴:还有,医生

哀:なーに?

哀:什么事?

昴:麻酔薬は使わんで欲しい

昴:不要用麻醉药

哀:え?でも……

哀:诶?但是……

昴:万が一のためだ、動きに支障が出たらまずいからな

昴:以防万一。要是对行动造成影响就糟糕了

哀:……わかったわ

哀:……我知道了


-20分後-

-20分钟后-


哀:大丈夫そう?

哀:还好吧?

昴:ああ、さっきよりずっとマシだ

昴:嗯,比刚才好多了

哀:じゃあ両手をあげて

哀:那把双手抬起来

昴:ああ

昴:嗯

(無事弾丸を抜き取り、傷口を縫った後、止血薬にガーゼ、そして今は最後の手順、彼女は包帯を持って、やや力を込めて男の腰ごと巻いている)

(顺利把子弹取了出来,缝好伤口后,上了止血药,贴好纱布,接着到了最后一步,她拿着绷带,略微用力在男人的腰部一圈一圈的缠)

(確実に包帯をしっかり巻かなければならないから、彼女の顔は何度も男の首や胸に当たっていて、表は平静を装っているが、それは中身で極力で混乱を抑えていたおかけだ

(因为绷带需要牢牢缠好才行,所以她的脸不知多少次碰到了男人的脖子和胸,虽然表面还装作很平静的样子,但那都要归功于她一直在努力抑制着心中的混乱)

(麻酔薬使わずに弾丸抜きに傷の縫合、おまけに止血用の粉末も消毒成分が入ってて、傷口に刺激が強いから、今まで呻き声一切出していないが、痛みを我慢しているだけ、お掛けて包帯を巻いてる彼女の顔は、時々男の重い吐息にぶっかけられて、胸まで騒ついた

(完全没有使用麻醉药便完成了取子弹和伤口缝合,再加上止血用的药粉含有消毒成分,对伤口的刺激很强,虽然男人至今为止都没有发出一句呻吟,但其实只是在极力忍耐疼痛而已,这也导致在为男人缠绷带的她脸上时不时会被喷到男人沉重的气息,她躁动的心又怎么可能停得下来呢?)


哀:これでよし!ふー

哀:好了!呼……

哀:(“やっと離れられる……”)

哀:(“总算能离远点了……”)

昴:本当助かったよ、ありがとうな

昴:真的帮大忙了,谢谢你

(男の大きな手が予兆なく彼女の頭に置き、優しく彼女の髪を擦っていた)

(男人宽大的手掌毫无预兆的放在了她的头上,温柔的揉搓着她的头发)

哀:あ!ちょっと!調子に乗らないでくれる?あなたが倒れたら、こっちにも……色々迷惑なんだから……!

哀:啊!我说!能不能不要得寸进尺?你要是有什么事,我也……会很麻烦的……!

(声がだんだん小さくなっていく……“あなたが倒れたら”という言葉が口に出した途端、頬まで赤くなってた

(声音越来越小……在说到“你要是有什么事”的瞬间,她的脸都泛起了红晕)

昴:ハハ、そうだな

昴:哈哈,是呢

哀:……


-8時間後、午後2時-

-8小时后、午后2点-


哀:キャアーーーーーーーーー!!!!!

哀:呀啊————————!!!!!

昴:どうした?!痛たッ!!

昴:怎么了?!嘶!!

哀:なんなのよ!!なんで私の布団の中にいるのよ!自分の布団は?!

哀:怎么回事啊!!为什么你会在我的被子里!你自己的被子呢?!

(全集中で男の手術をしたせいか、ほぼ力尽き状態で寝たから、途中も目覚めたことがなく、午後2時まで熟睡した)

(或许是因为集中精力为男人做了手术,以她所几乎是在没了力气的状态下睡着的,中途也没有醒来过,一直熟睡到下午两点)

(ゆっくり8時間ぐらい寝て、目を開いて、初めての感覚は、自分の腰に何か温かいものが巻いている?いや、腰より、背中全体が熱い、しかも、後頭部に当たっている何か硬いものはなんなの??

(足足睡了八个小时,她睁开眼睛的第一感觉,就是自己的腰部被什么暖呼呼的东西绕着?不对,比起腰部,她整个背后都很热,而且,后脑勺碰着的硬硬的东西,是什么??)

(数秒後、意識がだんだん正常に戻り、試しに手で自分の腰にしがみついているものを触れることにした。あれは、温もりがあって、手にしては大きすぎて、でもやはり手というもの……)

(数秒后,意识逐渐清晰,她便试着用手去碰了碰缠在自己腰上的东西。那是很温暖的东西,摸去上比她的手要大很多,但果然是类似手的东西……)

哀:(“まさか?!”)

哀:(“难道?!”)

(一瞬、目が覚ました。首を後ろに向けたら、男の顎と首筋が見える。視線を下へと移ると、上半身に何も履いていない、腰だけ包帯が巻いてる男がすぐ後ろ近くで彼女のほうに向けて寝ていて、男の胸の起伏すらちゃんと目に映る

(她瞬间清醒了。往后转过头去,就看见了男人的下巴和脖颈。视线缓缓往下移,映入眼帘的是上半身什么都没有穿、只有腰上缠着绷带的男人,就在她身后,朝着她的方向躺着,甚至连男人胸部的起伏都看得一清二楚)

哀:キャアーーーーーーーーー!!!!!

哀:呀啊————————!!!!!

(彼女は男の両腕から逃そうとして、この行動で傷がつられて痛み出したから、男も目覚めた、強制的に)

(她试图从男人的双臂中逃脱,因为这个动作,导致背后伤口受到了拉扯,男人也醒了过来,强制性的那种)

昴:どうした?!痛たッ!!

昴:怎么了?!嘶!!

哀:なんなのよ!!なんで私の布団の中にいるのよ!自分の布団は?!

哀:怎么回事啊!!为什么你会在我的被子里!你自己的被子呢?!

昴:いや……これには深い訳が……

昴:不是……这是有原因的……

哀:訳なんてないわ!このエロオヤジ!

哀:才没有什么原因!你这个色老头!

(顔を真っ赤にして、声まで高くズレてるように聞こえた。こんな彼女を見て、男はまるでニコニコを我慢してるような表情で、弁解し続けた

(她涨红着脸,连声音都高得快破音了。看着这样的她,男人的表情仿佛是在忍着笑意,他开始辩解了)

昴:……ひーどいなぁ~あの後寝たら寒かったから、ほら、子供の体温は大人より高いじゃないか?だから……

昴:……好过分啊~因为当时睡了之后觉得好冷,你看,小孩的体温不是都比大人的要高吗?所以……

哀:あ・の・ね……

哀:我・说・啊……

(彼女は手元の枕を両手で掴み、男の顔に投げつけた)

(她双手抓起了手边的枕头,朝男人的脸上扔了过去)


哀:こういう時だけ子供扱いしないで!

哀:不要只在这种时候就把我当小孩子!

昴:ッた!わ、わかったから……

昴:嘶!我、我知道了……

哀:ふん!

哀:哼!


哀:はぁ……

哀:唉……

(椅子の上に立ち、キッチン台で食材を整理していた彼女は長くため息をする)

(站在椅子上,整理放在厨房台面上的食材的她发出了长长的叹气)

昴:本当に手伝わなくていいのかね?

昴:真的不用我帮你嘛?

(男の声を聞いて、彼女は頭を上げ、向かいのベットの方に目を向けた)

(听到男人的声音,她抬起头,看着正对面的床的方向)

哀:いいわよ、あなたはまだおとなしく寝ていなさい、わかった?

哀:没事,你还是好好地继续睡吧,知道了吗?

昴:ああ、悪いな

昴:嗯,抱歉啊

哀:いいのよ、こういうの慣れてるから

哀:没什么啊,这种事我已经习惯了

哀:(“そう、私って本当いつも年上の男の世話をするのね……”)

哀:(“是的,我还真是总在照顾年长的男人呢……”)

(そう思うと、彼女は冷凍庫のドアを開けて、中から何種類の野菜と肉を取り出した)

(这样想着,她打开了冰箱冷冻室的门,从里面取出了一些蔬菜和肉类)

哀:(“冷蔵庫にはほぼ何も入っていない、幸い、冷凍庫にはたくさん肉と冷凍野菜や冷凍フルーツが詰めていたから、新鮮のとは比べられないが、仕方ないか……キッチンのキャビネットとかに置いてあったのも非常用食品のような賞味期限長いものばかり……期限過ぎてるものもあったらしくて、もう当分人が住んでいないようね……本当ここ、どこなの”)

哀:(“冷藏室里几乎什么都没有,幸好,冷冻室里存了很多肉和冷冻蔬菜还有冷冻水果,虽然和新鲜的没得比,但也没办法……厨房的橱柜里放着的也全都是应急一类的保质期长的食物……貌似还有一些食物都过期了,看来这里是挺长一段时间没人住过了呢……这里到底是哪啊”)

(料理をしながら、ベットで寝ていた男を見て、彼女は手術の後のことを思い返した)

(一边料理,一边看了看睡在床上的男人,她回想起了手术之后的事情)


-8時間前、手術をした後-

-8小时前,手术之后-


哀:ふあー……じゃあ、私はもう寝るけど

哀:呼啊……那,我要睡了

昴:ああ

昴:好

哀:それと、あなたの傷の場所を考えると、このままソファーで寝ることをおすすめするわ。傷は背中のほうにあるから、仰向けで寝れないでしょうし……ソファーの背もたれなら、背中を支えられるから、ちょうどいいんじゃない?

哀:考虑到你的伤口的位置,我介意你就这样留在沙发上睡。因为伤口在背部,应该没法仰天睡吧……沙发的靠背能够支撑,方便侧着睡,不是正好吗?

昴:いや……

昴:不……

哀:ん?

哀:嗯?

昴:……ベットで寝たい

昴:……我想睡床

哀:あっそう、あなたがそうしたいのなら止めないわ

哀:啊是吗,你想那样的话我不会阻止你哦

昴:ああ、悪いな……

昴:嗯,抱歉啊……

哀:じゃあ、布団を……

哀:那,得把被子……

(彼女はクロゼットの中からもう一枚布団を取り出して、ベットに置き、そして元々ベットに置いてあった布団を持ち上げて、男が座っていたソファーへ向かって来た。これを見て、男は思わず疑問を出した)

(她从衣柜里取出了新的一床被子,放在了床上,然后把床上原本放着的被子抱了起来,便朝男人坐着的沙发走过来。看到她这样的举动,男人不由得产生了疑惑)

昴:何をしているんだね?

昴:你在做什么呢?

哀:あなたがベットで寝たいのなら、ソファーで寝るのは私になるでしょう?ほら、どいて

哀:你想在床上睡的话,那在沙发上睡的不就是我了吗?好了,快让开

(しかし、男はソファーからどけなかった。男は何も返事をしないまま、眉を少し顰めて、しばらく彼女の顔を見つめていた)

(然而,男人并没有从沙发上让开。他一言不发,皱着眉头,只是沉默地注视着她的脸)

哀:ん?ちょっと、聞いてる?

哀:嗯?我说,你在听吗?

(そして、男は手を伸ばし、布団を抱えていた彼女の片腕を掴みました)

(接着,男人伸出了手,抓住了还抱着被子的她的手腕)

哀:えッ

哀:诶

昴:いや……その、ここのベットと、このソファーは結構距離離れているじゃないか?万が一の時を考えたら、やはり……あまり距離を離れていないところで……寝た方が……

昴:不是……那个,这里的床,和这个沙发,距离离得挺远的不是吗?考虑到万一的情况,果然还是……不要离得太远睡……比较好……

(その、視線を逸らして、言葉を濁すような喋り方……今思うと……)

(当时他的目光看向一边,说话方式也是含糊其辞的……现在想来……)


哀:(“何が万が一の時よ!やっぱりエロオヤジじゃない!”)

哀:(“什么万一的情况啊!果然就是个色老头吧!”)

哀:(“それにその後、ベットで寝るのはいいが、布団は別々って言ったら、なんか表情ガッカリしてたし……”)

哀:(“而且那之后,我说要我在床上睡可以,但被子要分开的时候,总感觉他表情有些失落……”)


哀:はあー

哀:唉……

ディディ(機械音)

嘀嘀(机械音)

(ガスコンロの火を消し、最後の料理も完成した)

(关了煤气灶的火,最后一道料理也完成了)

昴:これは……

昴:这是……

哀:見ればわかるでしょう?鶏肉の照り焼きと、えびとアスパラの炒め、スープは魚を煮込んだスープだから……

哀:你看不就知道了?照烧鸡肉,和芦笋清炒虾仁,汤是炖的鱼汤……

(男のやや唖然していた顔を見て、彼女も心の中では少し自慢になったが、表は変わらずそっけないふりをしていた)

(看着男人略显惊讶的脸,她心里也有些骄傲,但表情还是一如既往的佯装冷淡)

哀:とにかく、食べられるだけ食べときなさい。療養には栄養が必要なんだから。味は不味くないと思うし

哀:总之,能吃多少就尽量吃吧。疗养是需要营养的,而且味道应该不难吃

昴:君は食べないのか?

昴:你不吃吗?

哀:ん?食べるよ、あそこのテーブルで

哀:嗯?吃哦,在那边的餐桌上

昴:じゃあ俺も……

昴:那我也……

哀:だーめ!あなたは怪我人だから、おとなしくベットで食べなさい

哀:不——行!你是伤患,就老老实实的在床上吃吧

(彼女の忠告を聞いても、男は手を動かないまま、チーッと彼女の目を見ていた

(即便听到她的忠告,男人的手也依然没有动作,他只是直勾勾的盯着她的眼睛)

昴:……

哀:はあー……わかったわよ、そこのテーブルで一緒に食べましょ

哀:唉……我知道啦,就一起在那个餐桌上吃吧

昴:ああ!

昴:好!


(2人は向かい合って、ダイニングチェアに座って、彼女の手料理を食べている。男が食事をする姿を見て、彼女はまた手術のことを思い出す)

(两人面对着面,坐在餐桌前,吃着她做的料理。她看着男人用餐的模样,又想起了手术时的事情)

哀:そういえば、案外すごいわね、あなた

哀:说起来,你意外的厉害呢

昴:うん?すごいというのは?

昴:嗯?厉害是指?

哀:手術のことよ、麻酔薬使っていないのに、声一つ出していないのだから

哀:我是指手术的事哦,明明没有用麻醉药,你当时却一点声音都没有发出来

昴:……

哀:流石に驚いたわ、本当、大したものね

哀:实在有些惊讶,你真的很能挺呢

昴:まあ……ああいう時だが、やはりカッコつけたかったのかもしれんなあ……

昴:嘛……虽然是那种时候,但或许果然还是想要耍帅的吧……

(今この時の男の表情は、彼女にとって、初めて見た表情ではなかった)

(此时男人的这幅表情,对她来说,并不是第一次见)


(そう、前に、2人で車の外で江戸川コナンを待っていた時にも……)

(对,之前,两个人在车外等待江户川柯南的时候,也……)

(“そんな無粋な真似はできませんよ”を言ってる時の表情と、そっくりだったから)

(“那么不解风情的事我可做不出来哦”,当时他说这句话时的表情和现在的简直如出一辙) 


哀:子供相手にもカッコつけるのね

哀:原来面对小孩子也要耍帅呢

昴:もう子供じゃないだろう?

昴:已经不是小孩子了对吧?

哀:……

昴:ご馳走様。美味しかったよ

昴:我吃饱了,很好吃哦

哀:あら、そりゃあどうも

哀:哎呀,那真是多谢夸奖

(テーブルを一瞥して、うん、完食

(瞥了一眼餐桌,嗯,都吃完了)


-夜23時-

-夜晚23点-


(“おやすみ”を告げた後、右に横向きして、彼女は寝たように見えるが、実際は時を待っていた。数十分ぐらい過ぎて、“もういいのかも”と思って、彼女はこっそりと布団から出て、携帯を持ち、ウッドデッキの方に出た

(说了“晚安”之后,她朝右边侧着身子,似乎是睡着了,但其实是在静候时机。大约过了数十分钟,想着“应该差不多了”,她悄悄地离开了被窝,拿着手机,来到了玻璃落地门外的木制平台)

(昨日と今日はバタバタしてて、携帯を見る余裕なんて全くいなかったから、開くと、通話履歴と未読メッセージがいっぱい)

(昨天和今天发生了太多事,完全没有看手机的空闲,一打开屏幕,全是未接来电和未读短信)


着信:18件

未接来电:18通

メッセージ:14件

未读短信:14条


博士:哀くん、ご飯はちゃんと食べるんじゃぞ!

博士:哀君,要记得好好吃饭哦!


江戸川コナン:しばらく昴さんと一緒に行動してくれ、こっちのことなら心配すんな、順序にやっているさ

江户川柯南:你暂时就和昴先生一起行动吧,这边的事不用担心,很顺利


吉原歩美:哀ちゃん、もう三日学校休んでたよ?大丈夫?

吉原歩美:哀酱,已经三天没来学校了哦?没事吧?

……

……


哀:博士……

(彼女はウッドデッキの隅っこでまん丸になって、急に鼻がツンと痛み出して、顔を両腕の中に埋め込んだ)

(她蹲在门外平台的一个角落,缩成了一个球,突然鼻子泛酸,她将脸埋进了双臂里)

ガチンー

咔——

(突然、隣のガラスドアの激しい摩擦音が、彼女を憂鬱の中から引っ張り出した。びっくりして、顔を上げたが、ガラスドアを一気に開け、なんだかとてつもなく焦っているような男の姿が視線に入った

(突然,身旁的玻璃门剧烈的摩擦声,把她从忧郁中拉了出来。她吓了一跳,抬起头,出现在视线里的是猛地把玻璃门拉开,看上去似乎非常焦急的男人的身影)

(そう、いつものように、両目を細くしてる時と違って、男の目は大きく開き、まるで彼女の記憶の中に隠していた、あのグリーンアイそのものだった)

(是的。和平时微眯着双眼的时候不同,男人瞪大了眼睛,简直就像是隐藏在她记忆之中的,那双Green Eye)

哀:(“どうして……そんな、何かに恐れた顔をするの……?”)

哀:(“为什么……会露出,仿佛在害怕什么的表情呢……?”)


(男は彼女を見つけた途端、一瞬だけだが、ほっとしたような表情だった。そして彼女の前で足を止め、片方の膝が地面にしゃがんだ)

(男人发现她之后,一瞬间露出了松了一口气似的表情。接着他来到她面前,单膝跪地)

昴:やはり、変わってないな

昴:果然,还是没有变呢

哀:え……?

哀:诶……?

(指で彼女の頬に垂らした涙を優しく拭き取り、そのグリーンアイで、彼女の目を見つめて、こう言いた)

(他用手指划去了垂落在她脸颊上的眼珠,用那双Green Eye,注视着她的双眸,这样说道)

昴:もう、急にいなくならないでくれ

昴:不要再,突然消失不见了

哀:?

(彼女は感じた。この言葉は、彼女に言っているが、彼女の体の中のもう1人の彼女にも言っているような気がしてた。男の目線は、とてもとても、悲しかった、寂しかった……)

(她感受到了。这句话,虽然是在对她说,但似乎也在对她身体里的另一个她说。男人的目光,非常非常的,悲伤、寂寞……)

(次の瞬間、彼女は男の懐に入った。大きい手は彼女の小さい肩を掴み、両腕で彼女の頭まで抱き込めた

(下一个瞬间,她被拉到了男人的胸前。宽大的手掌抓住她窄小的肩膀,男人用双臂将她连头一起抱入了怀中)

昴:それと、もう泣かないでくれ

昴:还有,不要再哭了

(手で男の服を引っ張って、肩が少し揺れ始めてた。どうしてたか、男の胸の中でそっと、泣き出した)

(她紧紧抓住男人的衣服,肩膀开始颤抖起来。不知为何,她在男人胸口悄悄地哭了起来)

昴:(“言ったそばから……”)

昴:(“才刚说不要哭……”)

(男の苦笑いは寵愛満載だった)

(男人的苦笑尽是宠爱)

昴:よしよし

昴:乖乖

(男はゆっくりと彼女の背中を軽くトントンして、低い声で耳元でこう言いた)

(男人温柔的拍着她的背,在她耳边轻声说道)

昴:言っただろう?命にかえても、守ってやるって

昴:我说过吧?即便拼上性命,也会保护你




“言っただろう?命にかえても、守ってやるって”

“我说过吧?即便拼上性命,也会保护你”




GIN:シェリー、この後、俺の公務室に来い

GIN:雪莉,一会,到我的勤务室来

宮野志保:……わかった

宫野志保:……我知道了

GIN:それと、RYE、女と遊びてえのなら、いくらでも紹介してやるが、あいつはダメだ。覚えとけ

GIN:还有,RYE,要是想找女人玩,多少都能介绍给你,但你记住,那家伙不行

諸星大:そいつは、保証できないな

诸星大:那我可没法保证呢

GIN:なんだと?

GIN:你说什么?

諸星大:いや、こっちの話さ

诸星大:没什么,你不用管

GIN:ふん、いい気になるのがせいぜい今時だ

GIN:哼,你也只有现在能得意一会了

ウオッカ:兄貴……

伏特加:大哥……

(男は銃を持っていた手を高振りして、GINとウォッカの前を堂々と通り、ふりかえもせず訓練所を後にした)

(男人拿着枪的那只手高高举起,挥了挥,从琴酒和伏特加面前大摇大摆的路过,头也不回的离开了练习场)


(廊下に出て、まだ廊下に残っていた彼女の少し怯えた視線とぶつかり合えた)

(他刚到走廊,就撞上了还留在走廊没走的她那些许畏惧的视线)

(男は一瞬驚いて、眉間に皺まで作り出したが、すぐ手を伸ばし、彼女の頭を優しく撫でていた)

(男人惊讶了一瞬间,连眉间都紧缩了起来。但他立刻伸出手去,温柔的抚摸起了她的头)


(いつも拒絶がちの彼女は、今回だけ、ただ大人しく、髪が揉められるままにした)

(平时总是拒绝这种接触的她,唯有这次,只是乖巧的任由男人揉搓她的头发)

諸星大:ホー?大人しいなあー

诸星大:吼——?很乖嘛——

(とても新鮮だったかもしれない、男は大きな笑顔まで出してくれた。しばらくすると、男は撫でるのをやめて、彼女に聞いた)

(或许这样的她过于新鲜了,男人甚至露出了灿烂的笑容。就这么摸了一会儿,男人才停下手,对她问道)

諸星大:研究室に送ってやろうか?

诸星大:要我送你回研究室吗?

(これを聞いて、彼女の目はすぐ光っていたようだが、また曇りになって、頭を横振りをした)

(听到男人的话,她的目光立刻闪烁了一下,但很快又布满了乌云一般。她摇了摇头)

諸星大:そうか、わかった

诸星大:这样吗,我知道了

(彼女の意見を尊敬し、男は両手をズボンの前ポケットに入れて、この場から去るつもりだ)

(尊重她的意见,男人将双手插回裤子口袋,打算离开这里)

(男が背中を向ける姿を見て、心のどこかが欠けているような感じだった。彼女は思わず瞼を垂らし、唇を少し噛みついた)

(看见男人转过身去的背影,有一种内心某处缺了一块的感觉。她不由得垂下眼帘,咬住了嘴唇)


(すると、一歩しか踏み出していない男は、また彼女に声をかけた)

(接着,还只踏出了一步的男人,又对她说道)

諸星大:そんな顔するな

诸星大:不要露出那样的表情

宮野志保:え……?

宫野志保:诶……?

(振り返えてくれた男のグリーンアイを見つめて、男が答えを出してくれた)

(凝视着回过头来的男人的Green Eye,她得到了男人的答案)


諸星大:命にかえても守ってやる

诸星大:即便拼上性命我也会保护你


哀:?

哀:(“また……昔を……”)

哀:(“又……梦到了从前……”)

哀:(“そういえば、その後、GINの公務室に行ったら、あの人が公務室の外で待っててくれたっけ……あれ以来、研究室に来る回数も前よりずっと増えたような……”)

哀:(“说起来,那之后,我去GIN的勤务室时,看见那个人就等在勤务室门口来着呢……那次之后,他到研究室来的次数似乎也增多了……”)

哀:(“待てよ……昨夜の記憶が……外に出たのはまだ覚えてるけど……それであの人が出て来て……その後のことは……だめだ、あやふやすぎる……)

哀:(“等等……昨晚的记忆……我还记得我打开玻璃门到了外面……然后那个人出现了……之后的事……不行,太模糊了……”)


“昴:言っただろう?命にかえても、守ってやるって”

“昴:我说过吧?即便拼上性命,也会保护你”


哀:!

哀:(“やっぱり、彼は……あれ?私、どうやってベットまで?”)

哀:(“果然,他是……咦?我是怎么到床上来的?”)

(そう思うと、彼女は自然と首を左に向くと、鼻が誰かの鼻に当たったらしい)

(这样想着,她很自然的把头转向了左侧,结果鼻子貌似碰到了谁的鼻子)

(両目を大きく開き、危うく叫ぶところだったが、脳内は昨夜のことを思い出し、やはり起こすには忍べなかったのかもしれない、とりあえず肩のところに置いてあった男の腕を退かなければと思い、両手まで全力を使ってみたが、その腕はびくともしなかった……

(她瞪大了双眼,差点就要叫出来了,但脑海里瞬间想起了昨晚的事,果然还是有些不忍把男人吵醒,所以她想着还是先把搭在她双肩位置上的男人的手臂移开,于是,她尝试双手使出全力,然而那只手臂却纹丝不动……)

哀:(“おのれ……子供の体本当使えないのね!!”)

哀:(“可恶……小孩的身体真是没用处啊!!”)

(もう力尽きで、次の案を考えているところ)

(已经没有力气了,她开始想下一个方案)

?:ぷふっ

?:噗

哀:!

(笑い声を聞き、左に向くと、男の顔は至近距離で、鼻先と鼻先はまたぶつかり合えた

(听到笑声,她再次向左边看去,男人的脸就在极近距离,鼻尖和鼻尖又撞在一起了)

昴:おはよう

昴:早安

哀:!!

(息までできなくなっていた!彼女は仕方なく指で自分の肩に置かれた男の腕を猛指しして、“どいてくれない?!”と言わんばかりに)

(甚至都没法呼吸了!她无奈的用手指猛地指着压在自己双肩上的男人的手臂,仿佛在说“能不能快点拿开?!”)

(なのに男はなんの動きもせず、ニコニコしていて、ただ目の前のこの熱くて赤いりんごを見つめていた)

(然而男人却没有任何动作,只是笑眯眯地打量着眼前这个烧红透了的苹果)

哀:(“まだ笑ってる?!この人なんのつもりよ?!!”)

哀:(“居然还在笑?!这个人想干什么啊?!!”)

(押さえられたのは肩だから、体を右向きできなくて、とにかく顔を仰向けにして、男の顔をできる限り離れることにした)

(因为被压住的是肩膀,所以她根本没法将身体往相反方向转动,她只好把脸朝天,选择尽可能的远离男人的脸)

(しかし仰向けになるということは、男の表情がわからなくなったということだ。ただ一方的に見られていて、なんだか余計恥ずかしいというか、むずむずする

(然而,面朝着上方就意味着她将看不见男人的表情。只是单方面的被男人盯着,总感觉反而更羞耻了,心里痒痒的)


(ちょっぴりチラッとすると……)

(于是她稍微偷瞄了一眼……)

昴:ハハハハ!!

昴:哈哈哈哈!!


(男は耳元で大笑いしてた)

(男人在她耳边大笑起来)

哀:(“むかつく……!!”)

哀:(“好生气……!!”)

昴:こうすれば、勝手な行動はできなくなるだろう?またどっかに行ってしまったら困るんだね

昴:这样的话,你就没法擅自行动了对吧?要是又忽然消失不见,我会很困扰的呢

哀:……

昴:約束できるか?突然いなくならないように、な?

昴:可以和我约定吗?不要突然消失,呐?

(男の言葉を聞いて、彼女はため息をした後、大人しそうに頷いた)

(听到男人的话语,她叹了口气,乖乖地点头了)

昴:お~いい子だね!

昴:喔~真是乖孩子!

(やっと解放される!と思いきや、一瞬のうちに、彼女は頭ごと抱かれて、男の右手は彼女の首の下から忍び込み、両腕はしっかりと彼女の体を包み込んだ。自分とは異なる体温が伝わってきて、顔がベッタリと男の胸に……)

(终于能解脱了!正当她这么想着,瞬时间,她就被连头一起整个抱住了。男人的右手迅速从她的脖子底下伸了过去,双臂牢牢地包住了她的身体。和自己不一样的体温传了过来,她的脸紧紧地贴在了男人的胸膛……)


………

………!!

哀:いーやーーーーーーーーーーーー!!!!

哀:不——要——————————!!!!


哀:はあー

哀:唉……

(彼女はキッチンで豚肉を切りながら、またため息を出していた。もう人生を疑っていたような目つきで、切られた肉をひたすら見ている)

(她在厨房一边切着猪肉,一边又叹起了气。她用一副怀疑人生的眼神注视着被切开的肉)

昴:手伝おうか?

昴:我来帮你吧?

(男の声を聞いて、全身までゾッとしたように鳥肌まで立って、震えた肩が手を揺らし、握っていた包丁も危うく落とすところだった……)

(听到男人的声音,她全身都像触电了一样,鸡皮疙瘩都起来了。肩膀连带着手一起抖动了一下,握着的菜刀都差点脱手……)

哀:大丈夫

哀:没事

(平静を装っていた)

(佯装平静)

昴:本当か?

昴:真的吗?

哀:怪我人は怪我人らしく寝ていなさい

哀:伤患就像伤患那样老实躺着

昴:背中の傷なら派手な動きがなければ平気さ、だから……

昴:背后的伤的话,不是剧烈运动,没事的,所以……

(男はこう言いながら、彼女に近づいて来た)

(男人边这么说,边向着她凑近)

哀:!こ、こないで!!

哀:!不、不要过来!!

昴:?!

(包丁を持っていた彼女の拒絶を見て、男は一瞬緊張を感じたが、彼女の頬を見た途端、緊張もすぐ解けていた)

(看见握着菜刀的她如此拒绝,男人一时也有些紧张,但在看到她的脸颊的时候,紧张立刻就解除了)

(口はツンツンしていたが、顔はすでに真っ赤っかになっていたから)

(因为她虽然嘴上凶巴巴的,但脸上已经通红不已了)


昴:うん?大丈夫かね?頬が赤いようだが……

昴:嗯?没事吧?感觉你的脸很红……

哀:!!

(男の言葉を聞いて、さらに赤くなり、蒸気まで出していた)

(听到男人的话,她的脸更红了,连蒸汽都冒出来了)

哀:あたなね!!

哀:你!!

昴:おいおい、その持ち方は危ないぞ……

昴:喂喂,你这举的姿势有点危险啊……

哀:ふん!

哀:哼!

(“ん?なんだか見覚えのある会話?”と、この瞬間、2人は同じことを思いついたようだ)

(“嗯?总感觉是很熟悉的对话?”这个瞬间,两人似乎有同样的想法)


(ブーブーしながら、肉を鍋の中に投げ込み、とても不機嫌な彼女の顔を見て、男は引くことをした)

(她一边气呼呼的,一边把肉扔进了锅里。看到她这么不高兴的样子,男人选择先不乘胜追击了)

昴:じゃあ……今日のメニューを聞いていいか?

昴:那……我能问今天的料理是什么嘛?

(男は少し前屈みになって、肘をキッチン台の外側に置き、体ごとキッチン台に寄りそっていて、気軽そうな表情で片手で顎を支えていた)

(男人的身体稍稍向前倾斜,手肘搁在了厨房平台上,整个身体都靠着台子,略显愉悦的用一只手撑着下巴)

哀:見ればわかるでしょう?豚肉の煮込みよ

哀:你看不就知道了?是炖肉

(距離的にはそれほど近いわけではないから、彼女は無視することにした)

(因为男人的距离离她不是非常近,所以她选择无视男人靠在台子上的举动)

昴:ホー、楽しみだな

昴:吼——,好期待呢

哀:……

(できるだけ男に影響されないようにしていたが、それでもすぐ男の一言一行に乱される)

(她已经尽可能让自己不去受到男人的影响了,但即便如此,还是会立刻因为男人的一言一行而搅乱心神)

(それでも、それでも!負けたくなかった!)

(即便如此,即便如此!她也不想输!)

哀:にんじんはお嫌いじゃないでしょうね

哀:你不讨厌胡萝卜吧

昴:ええ、全然。食えるよ

昴:嗯,完全不会,我能吃哦

哀:あら、えらいね

哀:哎呀,好厉害呢

(ちょっと皮肉意味で言っているつもりなのに、褒められたような嬉しさを出し、男はいつまでも目の前で料理をしている彼女を観察気味でただ見ているだけ。もしこの場に、第三者がいるのなら、男の姿はいかにも積極的で、曖昧で、呆れるほどばかばかしいに見えるのかもしれない

(她说这句话明明是想要让男人感受到冷嘲热讽的意思,但男人却露出了被夸奖了的喜悦,他就这么一直一副观察意味的态度,只是直勾勾的盯着在他面前做菜的她。如果这时,有第三者在场的话,一定会觉得男人现在的模样看上去特别的主动、暧昧,且愚蠢到令人哑口无言吧)


哀:……

昴:……

昴:(“やはり、今朝ベットで抱いたことが不意打ちすぎただろうか?”と、彼女の料理を食べながら、彼女のずっと下に向いていた冷たい視線を注意しつづ、男の脳内ではこういう発想をしていたが、もしこの場に、第三者が彼の発想を聞いていたとしたら、絶対そうつっこむだろう:“いや、気づく点おかしいだろう?明らかに不意打ちすぎたとかそういう問題じゃないのに……まるで彼女を抱っこしたことが彼女を怒らせた原因ではないと自信満々に勘違いしていたような……”と)

昴:(“果然,是因为今天早上抱她抱得太出其不意了吗?”男人一边吃着她做的料理,一边在意着她一直看着下方的冷淡的视线。他虽然在脑子里这么想,但如果这时,有第三者听到了他心里的疑问的话,绝对会这么吐槽他吧:“不是,你注意的点很奇怪啊?明显不是太出其不意之类的问题啊……你这说的仿佛是你自信满满的误认为你抱住了她的事并不是惹怒她的原因一样……”)

{注释:日语中的抱いた(抱了)和抱っこ(拥抱)意思并不一样,抱いた有性的意味,如果日语说抱了她,那意思基本是睡了她}

(今この時、男はただのバカでした)

(此时此刻,男人只是个单纯的笨蛋)


昴:(“それにしても、この肉……”)

昴:(“话说回来,这个肉……”)



全火力更新中

后续剧情在第二篇,请见专栏:Up To Date・逢时(中译版/日中双语)莱雪/昴哀「Ⅱ」

{第二篇正在编辑中}




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