【日本小3道德】27#六兵卫爷与千代
六兵衛爺と千代(六兵卫爷与千代)
千代の住んでいる村は、山奥の小さな村です。
(千代所居住的村子是深山里的小村庄。)
千代の家は、村の一番奥だったのですが、半年ほど前から、もう一つ奥に、六兵衛爺の家が出来ました。
(千代的家原本在村子的最深处,然而从大约半年前开始,再往里的是六兵卫爷的家。)
六兵衛爺は、壊れかけた空き家を直し、焼き物窯を作って、ひとり暮らしを始めたのです。
(六兵卫爷将破损的空房重修,制造了陶器窑,开始了独居生活。)
六兵衛爺は、あまり外へ出ません。時々村の道を通るのですが、村の人が声をかけても、暗い顔を下に向けたままで、ろくに返事もしません。子供達も、怖い顔でじろりと睨む、六兵衛爺には近寄りません。そのうちに、六兵衛爺に声をかける人は、いなくなってしまいました。でも、千代は、ひとりぼっちの六兵衛爺のことが、気になって仕方が無かったのです。
(六兵卫爷不怎么外出。他有时经过村子的道路,然而村民向他搭话,他也阴沉着脸,不怎么回答。他也用恐怖的表情瞪着孩子们,孩子们不接近他。渐渐的,没人向六兵卫爷搭话了。但是,千代非常在意孤身一人的六兵卫爷。)
(どうして、人と口をきかないのかしら。どうして、いつも暗い顔をしているのだろう。)
(为什么他不和人们说话?为什么他总是阴沉着脸呢?)
ある夜、千代は、おとうとおっかあが話をしているのを聞きました。
(某夜,千代听到了老爸和老妈的谈话。)
「六兵衛爺は、何であんなに人を嫌うんかな。」
(“六兵卫爷为什么那么讨厌人呢?”)
「あのね。村長の太助さんに聞いたんだけど、六兵衛さんは、江戸で大きなお店の旦那だったんですって。悪い番頭に騙されて、お店を取られてしまったそうよ。」
(“那个啊。听村长太助说六兵卫曾是江户的一家很大的店的老板。他被坏掌柜骗了,店被夺走了。”)
「そうか。それで、人嫌いで暗い顔をしているんか。」
(“是吗?因此才讨厌人,还总是阴沉着脸啊?”)
「何でも、焼き物が好きで、この山奥にいい土があるのを人から聞いて、この村へ来たんだって。」
(“据说他喜欢陶器,从别人那里听说这个深山里有好土,便来到了这个村子。”)
「慣れない土地で、ひとり暮らしも大変なこった。」
(“在不熟悉的地方独自生活也很不容易啊。”)
次の日、千代は、思いきって六兵衛爺の家へ行ってみました。垣根の破れ目から覗いてみると、六兵衛爺は土間で土を捏ねています。丸くなった背中が寂しそうです。狭い庭には、お皿やお茶碗の形をした土が、いっぱい並んでいました。
(翌日,千代下定决心前去了六兵卫爷的家。从围墙的裂缝中窥视到六兵卫爷在泥地屋中捏土。蜷起的后背看上去很寂寞。狭小的庭院内排放着许多碗碟形状的土。)
その次の日も行ってみました。六兵衛爺は、焼き物窯の火をじっと見つめています。千代は、用意してきた自分のおやつの蒸かし芋を、ホオノキの葉に載せて、入り口の大きな石の上に置いて、家へ帰りました。
(翌日,千代又去了。六兵卫爷正静静地盯着陶器窑的火。千代将带来的自己的点心蒸番薯放在厚朴树叶上,然后将其放在了入口处的大石头上后便回家了。)
それから、千代は、毎日六兵衛爺の家へ通いました。蒸かし芋や、時々はおっかあに言われて、山菜の煮物の皿を、ホオノキの葉に載せて、あの石の上にそっと置いてくるだけです。
(此后,千代每天都去六兵卫爷家。只是轻轻地将蒸番薯、以及有时按老妈所说,将煮野菜的盘子等放在厚朴树叶上,然后放在那块石头上。)
一度も口をきいたことはないのですが、ホオノキの葉の上に置いたものは、いつもなくなっていましたし、何度か六兵衛爺が、こっちを見ている様子が分かりました。
(虽然一次都没有说过话,但是放在厚朴树叶上的东西总是被拿掉了,而且六兵卫爷好几次都在看向这里。)
千代が通い続けて、半月ほど経ったある日のことです。いつものように千代が六兵衛爺の家へ行くと、あの石の上に、ナンテンの実の絵がついた、綺麗なお皿が置いてありました。その下に敷いてあるホオノキの葉に、「いつもありがとう」と書いてあります。
(千代持续去六兵卫爷家,经过了半个月左右的某日。千代一如既往地去六兵卫爷家的时候,看到那块石头上放着画有南天竹果实的漂亮盘子。盘子下铺着的厚朴树叶上写着“一直以来谢谢你了”。)
(あの土のお皿、こんな綺麗なお皿になるんだ。)
(那个泥土盘子竟然变成了那么漂亮的盘子。)
千代はびっくりしました。そして顔を上げると、向こうに立っている六兵衛爺と目が合いました。六兵衛爺は、にこにこと笑っています。素敵な顔でした。
(千代很惊讶。然后抬起头,与站在对面的六兵卫爷目光交汇了。六兵卫爷在微笑。很不错的表情。)
(あれえ、六兵衛爺が笑ってる。)
(诶,六兵卫爷在笑。)
千代は、もっとびっくりしました。
(千代愈加惊讶了。)
「気に入ってくれたかな。あんたのために、焼いたんじゃよ。」
(“你喜欢吗?这是特地为你烧制的。”)
「ありがと。六兵衛爺、ありがと。」
(“谢谢。六兵卫爷谢谢。”)
お皿を抱いて喜んでいる千代を見て、六兵衛爺も嬉しそうでした。
(六兵卫爷看着高兴得抱着盘子的千代,他也很高兴。)
このことがあってから、六兵衛爺は、少しずつ村の人達とお付き合いをするようになりました。そして、また半年ほど経つうちに、村中のどの家にも、六兵衛爺の焼いたお皿やお茶碗が、置いてあるようになったのです。
(此后,六兵卫爷渐渐与村民们开始了往来。然后,又经过了约半年之久,村中每一户的家中,都摆放着六兵卫爷烧制的碗碟。)
「楽しい毎日ですよ。これも千代ちゃんのおかげです。」
(“每天都很开心。这也多亏了千代。”)
六兵衛爺は、今日もにこにこと、千代のおとうやおっかあと立ち話をしています。
(六兵卫爷今天也笑嘻嘻地与千代的老爸老妈站着闲谈。)

