志方あきこ VAGRANCY 20周年 & 花帰葬 20周年 薄氷の花

ご存知の方もいらっしゃるかと思うのですが、実は2023年はゲーム「花帰葬」の20周年なんですよね!おめでとうございます~!
当初、ベストアルバムの発売日を、2022年の秋頃にしようと考えていました。しかし、夏から初秋にかけてコロナウィルス感染&その後も風邪症状が長く治らず、と私の体調不安が続いたため、余裕を持って2023年1月7日とさせていただく
ことになりました。
ですので、この曲の構想を練り始めた当初は「花帰葬の20周年の前祝いになるのね~」と思っていたのです。
それが、紆余曲折を経て、前祝いどころか本祝いに。「花帰葬」のメモリアルイヤーというベストなタイミングで「20周年おめでとうございます!」の曲をお届けできるという、素敵な状況になりました…!これが怪我の功名というものなのかもしれません。
そして、さらに素敵な事にこのベストアルバムのために、HaccaWorks*様が「花帰葬」のイラストを描き下ろしてくだ
さいました!
ウスライ
この「薄氷の花」のイメージイラストということになるのですが、順番としては先にイラストをいただいて、そのイラストのイメージで曲を制作したので。正確には「薄氷の花」がイラストのイメージ曲、というべきなのかも、です。
イラストの大まかな方向性について、事前にHaccaWorks*様と軽く打ち合わせさせていただいて、それ以降はお任せさせていただきました。
途中、イラストのラフ案をいくつか頂戴し、その中からひとつ選ばせていただいたのですが。どの案も素敵だったので、どれかひとつに決めないといけない事が、本当に大変でした
…。他の案も完成形が見てみたかったです~。
完成した儚くも美しいイラストを拝見して、すぐに音楽が私の脳裏で響き始めました。
左と右に別々の道へと進んでいく登場人物達、そして、別たれた二つの季節。
「冬」と「春」、「過去」と「未来」の世界。楽曲のテーマは「冬を想う」、それが相応しいのではないかと、強く感じました。
春が来た。苦しみの季節は終わり、悲しい物語は大団円を迎えた。ここからは新たな始まりであり、希望に満ちた未来が待っている……。
そういう風に、皆前を向いて進もうとしているからこそ、表に出すことが出来ない小さな痛み、そして、仄暗い思いをただ、独り密やかに想う。
これでよかったのだ、と納得はしている。だからこそ、ふとしだ瞬間にほんの少しの痛みと共に、心に過る「他に方法はなかったのだろうか…?」という想い。犠牲失くして迎えることが出来なかった『春」だからこそ、未来のために切り捨てた「冬」そして、今は亡き存在の事を静かに悼む……そういう密やかな心の動きを、美しい春の情景に絡めて繊細に儚く描きたいと思いました。
決して、ドラマティックな大きな悲しみではないんです、納得しているからこその、小さな哀しみ。二度と訪れないあの『冬」の光景と、大切な存在との想い出を、曲中で丁寧に拾い上げたいと思いました。
テーマや描きたい情景があまりにも明確で、制作はかなり急ピッチで進んだように思います。音に導かれたように、ピースがはまるように、作編曲が進みました。そうやって作業を進めていると、より曲の世界観と個性を際立たせていけるような、色んなアイディアがどんどん浮かんでいきました。そのアイディアの一部を挙げると。「花帰葬」の制作時を思い返し、かつ、ゲームのシーンが脳裏に自然に浮かんでくるような、そんな演出を曲の中でできたらいいな、と考えました。具体的な演出案としては、ゲームのBGMのフレーズを要所にてモチーフとして使用しています。しかも、ただ用いるのではなく、曲の情景や歌詞と連動した、意味がある形でアレンジに組み込んでいきたいと思いました。「花帰葬」の音世界のメインモチーフである曲のメロディーや、ゲームのシーンを彩った重要な曲のフレーズ。そういった懐かしい曲達の欠片が、そこかしこに潜んでいますので、思い出を辿るように探して下さると本当にうれしく思います。また、それだけではなく、ゲーム上で実際に使用したSE達(効果音のことです)を、いくつも曲の要所で積極的に使用しています。それによって、よりゲーム上の1シーンを想起しやすいのではないかと思っています。本当に曲中のいろんなところで使用しているので、『発見、懐かしいあの音がこんな所に!!……なんていう風に、かくれんぼしているSE達をどうを探してみてくださいね。
20年たっても色褪せる事のない素晴らしい作品に、今またこうして関わることが出来て幸せです。
そして何よりも、今もなお「花帰葬」とそれにまつわる音楽たちを愛して下さっている方々に、心よりの感謝をこめてこの曲を捧げたいと思っています。
以下机翻
也许有人知道,其实2023年是游戏《花归葬》的20周年!恭喜~ !
当初,我想把精选辑的发售日定在2022年秋天。但是,从夏天到初秋,冠状病毒感染&之后感冒症状长时间不愈,我的身体状况持续不安,所以请允许我把时间定在2023年1月7日。
变成了。
所以,刚开始构思这首歌的时候,我想“这是花归葬20周年的前奏”。
但是,经历了种种曲折之后,别说是祝福了,就是祝福正式了。在“花归葬”的纪念年这个最好的时机“20周年快乐!”的曲子能传达给大家,变成了很棒的状况…!这或许就是所谓的受伤的功劳。
而且,更棒的是为了这个精选集,HaccaWorks*先生画了“花归葬”的插图。
看到了!
淡
这个“薄冰之花”的印象插画,不过,作为顺序先得到了插画,以那个插画的印象制作了曲子。准确地说,《薄冰之花》是插图的印象曲。
关于插图的大致方向性,事先请让我和HaccaWorks*先生稍微商量了一下,那以后就交给我了。
中途,收到了几个插图的草图,我从中选择了一个。每个方案都很棒,所以必须决定一个,真的很辛苦
……。其他的方案也想看一下完成形式~。
看了完成了的虚幻美丽的插图,马上音乐在我的脑海里开始回响。
分别走向不同道路的登场人物,以及不同的两个季节。
“冬”与“春”、“过去”与“未来”的世界。乐曲的主题是“思念冬天”,我强烈地感觉到这是不是很合适呢。
春天来了。苦难的季节结束了,悲伤的故事迎来了大团圆。从这里开始是新的开始,充满希望的未来在等着我们……。
正因为大家都像这样努力向前,所以才会有无法表露出来的小痛苦,以及阴暗的想法。一个人在心里暗自思忖。
这样就好了,他接受了。正因为如此,在突然的瞬间,伴随着一点点的疼痛,在心中掠过的“没有别的办法了吗……?”这样的想法。正因为失去了牺牲而无法迎接的“春天”,为了未来而舍弃的“冬天”,然后,静静地哀悼现在已经逝去的存在……我想把这种隐秘的心灵活动,结合美丽的春天情景细腻虚幻地描绘出来。
绝对不是戏剧性的大悲伤,而是因为接受了才有的小悲伤。我想在曲子中仔细拾起不会再来的那个“冬天”的光景,和重要的存在的回忆。
主题和想要描绘的情景太过明确,制作进度相当快。就像被声音引导了一样,编曲进行得很顺利。这样进行着工作,能够更加突出曲子的世界观和个性的各种各样的想法不断地浮现出来。列举其中的一部分。回想起制作《花归葬》时的情景,我想,如果能在曲子中表现出游戏的场景就好了。作为具体的演出方案,在重要的地方使用了游戏的背景音乐的句子作为主题。而且,我想不是单纯地使用,而是与曲子的情景和歌词联动,以有意义的形式融入编曲。作为“花归葬”的声音世界的主要主题的曲子的旋律,点缀了游戏场景的重要的曲子的乐句。像这样令人怀念的曲子的碎片,到处都隐藏着,如果能像追寻回忆一样去寻找的话,真的感到很高兴。而且,不仅如此,在游戏上实际使用过的SE们(效果音的事),在几个曲子的关键处积极地使用着。这样一来,就更容易想起游戏中的一个场景了。因为真的在曲中的各种地方使用,“发现,怀念的那个声音在这样的地方!!……以怎样的风,请试着寻找捉迷藏的SE们。
20年也没有褪色的优秀作品,现在又能这样与之相关感到很幸福。
最重要的是,我想把这首歌献给至今依然热爱《花归葬》和与之相关的音乐的人们。

