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日本小6课文:宫泽贤治童话《山梨》【久我Masahi的日语课堂】#82

2021-01-14 21:38 作者:久我まさひ  | 我要投稿

やまなし(山梨)

作者:宮沢 賢治(みやざわ けんじ)

小さな谷川の底を写した、二枚の青い幻灯です。(这是两张描绘了小溪底部的蓝色幻灯。)

一 五月

二匹の蟹の子供らが、青白い水の底で話していました。(两只小螃蟹在青白色的水底说着话。)

「クラムボンは笑ったよ。」(“库拉姆蚌笑了。”クラムボン是作者自创词汇,具体是指什么不明。)

「クラムボンはかぷかぷ笑ったよ。」(“库拉姆蚌哈哈大笑。”)

「クラムボンは跳ねて笑ったよ。」(“库拉姆蚌跳起来笑了。”)

「クラムボンはかぷかぷ笑ったよ。」(“库拉姆蚌哈哈大笑。”)

上の方や横の方は、青く暗く鋼(はがね)のように見えます。その滑らかな天井を、つぶつぶ暗い泡が流れて行きます。(上方以及旁边,看上去像是青暗的钢铁。一个个暗色的泡泡流向了那光滑的水面。)

「クラムボンは笑っていたよ。」(“库拉姆蚌在笑。”)

「クラムボンはかぷかぷ笑ったよ。」(“库拉姆蚌哈哈大笑。”)

「それなら、なぜクラムボンは笑ったの。」(“那么,为什么库拉姆蚌笑了?”)

「知らない。」(“不知道。”)

つぶつぶ泡が流れて行きます。蟹の子供らも、ぽつぽつぽつと、続けて五、六粒泡を吐きました。それは、揺れながら水銀のように光って、斜めに上の方へ上って行きました。(一个个泡泡飘走了。小螃蟹们也啵啵啵地连续吐出了五六个泡泡,如同水银一般发亮的泡泡摇晃着,飘到了斜上方。)

つうと銀の色の腹を翻して、一匹の魚が頭の上を過ぎて行きました。(一条鱼一下翻着银色的肚皮,从小螃蟹的头上掠过。)

「クラムボンは死んだよ。」(“库拉姆蚌死了。”)

「クラムボンは殺されたよ。」(“库拉姆蚌被杀了。”)

「クラムボンは死んでしまったよ……。」(“库拉姆蚌死了……”)

「殺されたよ。」(“被杀了。”)

「それなら、なぜ殺された。」(“那么,为什么被杀了?”)

兄さんの蟹は、その右側の四本の足の中の二本を、弟の平べったい頭にのせながら言いました。「分からない。」(螃蟹哥哥将右边四只脚的其中两只放在了弟弟扁平的头上说道:“不知道。”)

魚がまたつうと戻って、下(しも)の方へ行きました。(鱼又嗖地回来了,然后朝下游游去。)

「クラムボンは笑ったよ。」(“库拉姆蚌笑了。”)

「笑った。」(“笑了。”)

俄かにぱっと明るくなり、日光の黄金(きん)は、夢のように水の中に降って来ました。(周围突然亮了起来,如梦如幻的金黄色的阳光照射进了水中。)

波から来る光の網が、底の白い岩の上で、美しくゆらゆら伸びたり縮んだりしました。泡や小さなごみからは、まっすぐな影の棒が、斜めに水の中に並んで立ちました。(映衬在水底白色岩石上的光网随着波动,摇摇曳曳伸伸缩缩,非常漂亮。泡沫和细小尘埃所形成的一道道影子,斜射进水中。)

魚が、今度はそこら中の黄金の光をまるっきりくちゃくちゃにして、おまけに自分は鉄色に変に底光りして、また上(かみ)の方へ上りました。(鱼这次把金黄色的阳光搅乱了,并且自己散发着铁青色,然后又朝上游的方向游去了。)

「お魚は、なぜああ行ったり来たりするの。」弟の蟹が、眩しそうに目を動かしながら尋ねました。(“鱼为什么那样游来游去呢?”螃蟹弟弟觉很是晃眼,一边动着眼睛一边询问道。)

「何か悪いことをしてるんだよ。取ってるんだよ。」(“一定在做什么坏事。在抓呢。”)

「取ってるの。」(“在抓吗?”)

「うん。」(“嗯。”)

そのお魚が、また上から戻って来ました。今度はゆっくり落ち着いて、鰭(ひれ)も尾も動かさず、ただ水にだけ流されながら、お口を輪のように円くしてやって来ました。その影は、黒く静かに底の光の網の上を滑りました。(那条鱼又从上游回来了。这次很平静,尾鳍一动不动,只是顺着水流,嘴巴张得圆圆的飘来了。它的黑影静静地滑过了水底的光网。)

「お魚は……。」(“鱼……”)

その時です。俄に天井に白い泡が立って、青光りのまるでぎらぎらする鉄砲弾のようなものが、いきなり飛び込んで来ました。(正当这时。水面上突然泛起了白色的泡沫,闪耀着蓝光的炮弹似的东西一下子飞进了水中。)

兄さんの蟹は、はっきりとその青いものの先が、コンパスのように黒く尖っているのも見ました。と思ううちに、魚の白い腹がぎらっと光って一ぺん翻り、上の方へ上ったようでしたが、それっきりもう青いものも魚の形も見えず、光の黄金の網はゆらゆら揺れ、泡はつぶつぶ流れました。(螃蟹哥哥清楚看到了那蓝色物体的前面有着圆规一样尖锐的黑色东西。刚如此想着,鱼的白腹闪了一下,翻转着身体,好像朝上游浮去了,然而这之后,蓝色的东西和鱼都不见了踪影,只剩下金黄色的光网摇摇曳曳,一个个泡沫流动。)

二匹はまるで声も出ず、居竦まってしまいました。(两只螃蟹吓得一声不吭地蜷缩起来。)

お父さんの蟹が出て来ました。「どうしたい。ぶるぶる震えているじゃないか。」(螃蟹爸爸出来道:“怎么了?怎么在瑟瑟发抖啊?”)

「お父さん、今、おかしなものが来たよ。」(“爸爸,刚才来了奇怪的东西。”)

「どんなもんだ。」(“什么样的东西?”)

「青くてね、光るんだよ。はじが、こんなに黒く尖ってるの。それが来たら、お魚が上へ上って行ったよ。」(“闪着蓝光。尖端像这样黑而尖锐。那家伙来了之后,鱼到上游去了。”)

「そいつの目が赤かったかい。」(“那家伙的眼睛红吗?”)

「分からない。」(“不知道。”)

「ふうん。しかし、そいつは鳥だよ。かわせみと言うんだ。大丈夫だ、安心しろ。俺達は構わないんだから。」(“是吗?不过,那应该是一种叫作翠鸟的鸟。没事的,放心吧。与我们螃蟹是没关系的。”)

「お父さん、お魚はどこへ行ったの。」(“爸爸,鱼到哪里去了?”)

「魚かい。魚は怖い所へ行った。」(“鱼吗?鱼去了可怕的地方。”)

「怖いよ、お父さん。」(“好可怕啊,爸爸。”)

「いい、いい、大丈夫だ。心配するな。そら、樺(かば)の花が流れて来た。ご覧、綺麗だろう。」(“没事,没事的。不用担心。看啊,桦花流过来了。看啊,多漂亮啊。”)

泡と一緒に、白い樺の花弁が、天井を沢山滑って来ました。(很多白桦的花瓣和泡沫一起从水面滑了下来。)

「怖いよ、お父さん。」弟の蟹も言いました。(“好可怕啊,爸爸。”螃蟹弟弟也说道。)

光の網はゆらゆら、伸びたり縮んだり、花弁の影は静かに砂を滑りました。(光网摇摇曳曳,伸伸缩缩,花瓣的影子静静地滑过了沙子。)

二 十二月

蟹の子供らはもうよほど大きくなり、底の景色も夏から秋の間にすっかり変わりました。(小螃蟹们已经长大了不少,水底的景色也彻底从夏天变为了秋天。)

白い柔かな丸石も転がってき、小さな錐(きり)の形の水晶の粒や金雲母(きんうんも)の欠片も、流れて来て止まりました。(柔润的白色圆石滚了过来,锥形的小水晶颗粒和金云母的碎片也飘落在了这里。)

その冷たい水の底まで、ラムネの瓶の月光がいっぱいに透き通り、天井では、波が青白い火を燃やしたり消したりしているよう。辺りはしんとして、ただ、いかにも遠くからというように、その波の音が響いて来るだけです。(如同柠檬水瓶般的月光穿透到了这冰冷的水底,水面的波澜好似一会燃烧一会熄灭的青白色的火。周边一片静寂,只能听到似乎是从很远处传来的波涛声。)

蟹の子供らは、あんまり月が明るく水が綺麗なので、眠らないで外に出て、暫く黙って泡を吐いて天井の方を見ていました。(由于月光皎洁,洒在水中非常漂亮,小螃蟹们不睡觉外出了,默默地吐了一会儿泡泡,并望向水面。)

「やっぱり、僕の泡は大きいね。」(“果然,是我的泡泡大。”)

「兄さん、わざと大きく吐いてるんだい。僕だって、わざとならもっと大きく吐けるよ。」(“哥哥是故意吐大的吧。我也刻意的话能吐出更大的泡泡。”)

「吐いてごらん。おや、たったそれきりだろう。いいかい、兄さんが吐くから見ておいで。そら、ね、大きいだろう。」(“你吐一个看看。哎呀,就这?你看好了,哥哥给你吐一个看看。看啊,很大吧?”)

「大きかないや、おんなじだい。」(“不大呀,跟我一样啊。”)

「近くだから、自分のが大きく見えるんだよ。そんなら一緒に吐いてみよう。いいかい、そら。」(“因为离得近,所以觉得自己吐的看上去大。那么我们一起吐。好了吧,开始吐。”)

「やっぱり僕の方、大きいよ。」(“果然是我的更大。”)

「本当かい。じゃ、も一つ吐くよ。」(“真的吗?那么再吐一个吧。”)

「だめだい、そんなに伸び上がっては。」(“不可以那样踮脚。”)

また、お父さんの蟹が出て来ました。「もう寝ろ寝ろ。遅いぞ、明日イサドへ連れて行かんぞ。」(螃蟹爸爸又出来道:“该睡了,睡了。现在已经很晚了,否则我明天不带你们去isado了。”イサド是作者虚构的街名。)

「お父さん、僕達の泡、どっち大きいの。」(“爸爸,我们的泡泡,谁的更大?”)

「それは兄さんの方だろう。」(“当然是哥哥的更大。”)

「そうじゃないよ。僕の方、大きいんだよ。」弟の蟹は泣きそうになりました。(“才不是呢。明明是我的更大。”螃蟹弟弟快要哭出来了。)

その時、トブン。(这时,噗通。)

黒い丸い大きなものが、天井から落ちてずうっと沈んで、また上へ上って行きました。きらきらっと黄金のぶちが光りました。(又黑又圆的巨物从水面掉落,沉下来后又朝上浮去。金黄色的光斑闪耀。)

「かわせみだ。」子供らの蟹は、首を竦めて言いました。(“是翠鸟。”小螃蟹们惊恐道。)

お父さんの蟹は、遠眼鏡のような両方の目をあらん限り伸ばして、よくよく見てから言いました。「そうじゃない。あれはやまなしだ。流れて行くぞ。ついて行ってみよう。ああ、いい匂いだな。」(螃蟹爸爸尽可能地伸长望远镜般的双眼,仔细看清后说道:“不是翠鸟。那是山梨。飘走了。我们跟上去看看。啊,真香啊。”)

なるほど、そこらの月明かりの水の中は、やまなしのいい匂いでいっぱいでした。(怪不得,山梨的香味弥漫在月光皎洁的水中。)

三匹は、ぼかぼか流れて行くやまなしの後を追いました。(三只螃蟹追在被冲走的山梨后。)

その横歩きと、底の黒い三つの影法師が、合せて六つ、踊るようにして、やまなしの円い影を追いました。(横走的三只螃蟹与水底的三个黑影合起来,共六个身影舞动般地追着山梨圆圆的影子。)

間もなく、水はサラサラ鳴り、天井の波はいよいよ青い炎を上げ、やまなしは横になって木の枝に引っかかって止まり、その上には、月光の虹がもかもか集まりました。(不一会儿,水哗哗响起,水面的波澜燃起了蓝色的火焰,山梨横卡在了一根树枝上,月光的虹彩聚洒在其上。)

「どうだ、やっぱりやまなしだよ。よく熟している。いい匂いだろう。」(“怎么样?果然是山梨吧。熟透了。很香吧?”)

「おいしそうだね、お父さん。」(“好像很好吃啊,爸爸。”)

「待て待て。もう二日ばかり待つとね、こいつは下へ沈んで来る、それから、ひとりでに美味しいお酒ができるから。さあ、もう帰って寝よう。おいで。」(“等等。再等个两天的话,它会沉到水底,然后会自然地酿成美酒。好了,该回去睡觉了。过来吧。”)

親子の蟹は三匹、自分らの穴に帰って行きます。(三只螃蟹父子朝自己的洞穴回去。)

波は、いよいよ青白い炎をゆらゆらと上げました。それはまた、金剛石(こんごうせき)の粉を吐いているようでした。(青白色火焰般的波澜摇曳起来,如同喷出了金刚石粉。)


私の幻灯は、これでおしまいであります。(我的幻灯到此结束。)

词汇

青白い(あおじろい):青白色;(脸色等)苍白

翻す(ひるがえす):翻过来;飘扬;改变态度

底光り(そこびかり):暗中发光;内秀

居竦まる(いすくまる):(吓得)蜷缩不动

ひとりでに:自动地、自然而然地

作业

1.读课文

2.看图写话:

3.阅读生活中的语言相关内容:


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