徒然草 第146段 明雲座主、相者にあひ給ひて、・吉田兼好 日文念书

明雲座主:<めいうんざす>。55代および57代の天台座主。高僧の評価が残る。
相者にあひ給ひて:<そうじゃ>。人相見に会って。
己れ、もし兵杖の難やある:<おのれ、ひょうじょうのなんやある>と読む。私には、武器による遭難の相がありますか?
傷害の恐れおはしますまじき御身にて、仮にも、かく思し寄りて、尋ね給ふ、これ、既に、その危みの兆なり:もとより、高僧のあなたが傷害に遭うはずも無いのに、そういうことを尋ねられるということが、危険のある兆候ということに他なりません。