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第4话 你知道3000円的重量吗

2022-04-11 20:41 作者:ShadowFived  | 我要投稿

第4話 お前に3000円の重みがわかるのか

第4话  你知道3000円的重量吗


(可左右滑动屏幕看下一话)



(啊啊……那个时候的教室啊……)
  在踏入自己的教室瞬间、庞大的怀念感在心中舒展开来以至于一瞬间停止了动作
  依附于课桌和椅子之上的嘈杂的氛围……对对这就是教室啊


「那么新浜君。放学后继续加油吧」

「诶……? 啊、嗯。我知道了」


紫条院同学在和我于教室入口分别之际这样说道、虽然说是给了回复但是到底是在说什么内容、一时之间我还是想不出来


 放学后……?放学后的事情到底是什么啊

对了、是图书委员的工作啊

 

 

(是这样啊。说起来像我这样的人和紫条院同学唯一的交点就是同为图书委员一起干些零碎的工作而已罢了)


由于是太过久远的事情了所以回忆起来需要点时间


说实话关于自己的座位到底在哪里我也是一头雾水、幸运的是在看到了存在于记忆中的体操服袋子后我分辨了出来


  
「喂……新浜」

 


「诶……你……难道是銀次……吗?」


向我搭话的男生是我高中时代唯一的朋友山平銀次

只有这个家伙是我在毕业后仍一起去喝过几次酒的存在


虽然和我一样都是御宅族、但是因为留着一头清爽的短发乍看之下仿佛是运动部的人。

关于这点他本人是这样解释的『如果打扮的看上去像御宅族的话很快就会被人欺凌。所以这算是我个人的防卫政策吧』


「哈? 怎么回事、难道说。嘛、算了……比起那个你小子到底是怎么回事!?」

「到底是怎么回事是怎么回事啊……?」

「别装傻! 就是紫条院同学啊、紫条院同学! 为什么和你一边聊天一边一起来上学啊!」

 

「也没什么的……就是在上路路上碰到了抱着一大堆从图书馆借来的书的紫条院同学、作为替代我帮她把书先拿着直到来到教室为止而已」


「哈……哈啊啊啊啊啊!? 你不是那个面对可爱的女孩只能发出叽叽咕咕的声音、害羞到不能正经对话的人吗! 什么时候变成了像少女漫画里面帅气角色那样的人了啊!?」

 

呀、嘛其实也不是下意识那么做的、只是单纯是社畜时期的习惯发作了……不过确实根本没人相信高中时代的我会做出这种事把。

 

 

「不如说你小子……全方位的和以前不一样了吧? 声音变得大声干脆了、全身散发出来的提心吊胆的气息也消失了……难道说你转生到了异世界、经过漫长的艰苦旅行最后在昨天返回了地球?」


可惜了、并不是异世界转生而是从过去逆行到了现在。


「啊、恭喜你猜对了銀次。其实直到昨天为止我都呆在不同的世界。被残酷的奴隶劳动组织抓走、在沐浴在否定人格级别的骂声中从早上到深夜被迫工作着、周围同伴的精神也都变得奇奇怪怪的这个环境中忍耐了12年啊」


「哈哈、还真惨呐! 黑暗系異世界吗!」


非常遗憾是黑暗系的现实

 

虽然对于还很单纯的你而言可能是玩笑话、但这绝不是幻想系作品(fantasy)而是在当今时代依旧存在着的恶魔的深渊啊銀次


啊、但是……像这样和这家伙说着废话也好久没见了

「重新回到了这个时代」的实感变得更强了


「虽然紫条院同学因为很温柔也很天然所以对我们这样的家伙也很平易近人、还是别太引人注目的交谈为好。因为不良系的家伙和现充的家伙都盯着那个孩子所以你可能会被教训」


诶、现充这个词在这个时代就以及存在了吗


「小心点校园的阶级制度(原文为スクールカースト即school cast cast是种姓制度就翻译成了这个),因为像我们这样的御宅族在学校里的地位是最底层、所以稍微引人注目的话上层的家伙是不会沉默不语的」


(校园阶级制度……这样的概念居然也有)


现在回想起来至多只是一群小孩子的集团在互相竞争地位罢了、「真是滑稽的不成文的规矩啊」我怀抱着这样的感想

(这句我也翻不好,原文是「今思えばたかだかガキの集団がマウントを取り合うなんてなんとも滑稽な不文律だったなあという感想を抱く」,希望有大佬能指正下)


「」


嘛、不过就是即使变成了大人像是「是哪里的大学毕业的啊」「年收入是多少啊」这样的互相攀比阶级优越感的事情也不会消失就是了


「嘛、我会注意的。谢谢你的忠告銀次」


虽说如此……但注意不被别人盯上并不是我珍重二周目青春的方式


因为有着一直小心地注意周围的视线、一直害怕着不知道会从谁而来的攻击而什么都没做成、结果就连告白都没做到的高中时代、所以形成了即使被当做奴隶也没有勇气辞职的社畜时代


为了这次不留下遗憾

我会按照我的期愿行动


……在下定了这样决心的那天里那家伙出现了


「喂、臭死宅新浜。给我到这边来」

 

时间是中午午休的时候。面对在自动贩卖机前取出钱包的我、那家伙过来搭话了


(这家伙是……火野!)

 

故意乱穿制服、耳朵上带着耳钉的这个男人我印象深刻

(原文为制服を着崩して,由于词汇有限就先这样翻了)


和从外貌或言行来判断的一样、这家伙就是不良少年……在高中时代作为我的恐怖的象征的那个男人


这家伙会从软弱的男生身上做些敲诈金钱或为了娱乐而进行殴打之类的事情、而我作为那家伙的目标在上学期间被狠狠地敲诈抢钱了


在校内和那家伙相遇时那种被吓得面如土灰的感觉我现在还记得

在今天也要被打了吗这样的恐惧里每天都害怕得身体发抖


而和这样的男人再会的时候我的内心是――


(一点也不恐怖呐…………)


那个时候怀抱的恐怖到达了我不愿诉说的程度、但是不知道为什么面对面前的这个不良感觉不到任何恐怖


岂止是这样、对于高中生就打耳洞的这种叛逆心也感觉很有孩子气不禁有点想欣慰的笑出来


「找我有什么事吗?」

 


「啊、因为你小子最近有点蹬鼻子上脸所以来给你点教训」


「哈? 那是什么?」


在我的记忆范围里这家伙的行动应该只有『给我稍微过来下(用来派遣情性的殴打)』和
『稍微给我点零花钱(恐吓)』这2种模式

不过这些事我都没有体验过的记忆就是了


「你这小子今天早上和紫条院一起来上学了对吧。像这样的自以为是的蠢蛋光是看着就觉得让人恼火。不知道自己身份的人就让我来教教你吧」


(哈?  这样牵强的理由算什么……っ原来是这样啊!)


「啊、原来是这样! 你喜欢紫条院同学吧!」


「呐……!」


「你今天早上看到我和紫条院同学一起上学的时候无论如何都觉得恼火的理由就是这个! 原来如此、原来你是这样的啊ー」


「闭、闭嘴你个小子……! 俺对紫条院怎么样都没关系! 只是看到你误会像你这样的混渣和长得漂亮的女孩关系变得亲密起来我就觉得恼火!」


着急的火野滔滔不绝的说着话


啊——因为工作上的失误而被怀疑的上司啦也是这样的啊、人在想掩饰事实的时候就会多嘴多舌并且语速加快。


「总之你给我过来!」


「哈? 我怎么可能跟着一看就想把我带到没人的地方痛揍我人一起去啊。想痛扁我的话就在有一堆人在现场的这里」


「烦死了っ! 你再不行不行地说的话我就宰了你!」


「不是说了不去了吗。给我好好交流啊」


「呐……你小子……!」


火野以不良拿手的高音量威胁着、但我已经不是会因为这种程度的恐吓话语而吓得脸色发白的我了


在曾经的社畜生活中、上司们曾向我投以过各种各样的威胁
 

『这个工作就由你来做了。不然的话你的绩效考核就……懂了吗?』

『你在给我顶嘴看看。小心明天开始你的工作就变成在地下仓库做着即使过了几十年也做不完的备件整理』

『可以说根本就没有职权骚扰的事实! 如果有必要的话我可以向其他人来索要证言来证明你才是职权骚扰的主犯!』



光是能想起的丑恶事例就有许多、但是统治公司这个小世界的权力者的力量过于强大、我只能屡屡落泪罢了


(和那个比起来这家伙只是不能对我予以任何惩罚的小鬼罢了、无论以多大的声音叫唤都完全不可怕)


「ほら、怎么了。只是因为有很多人在就不敢打我吗? 不良该不会怕什么停学和退学吧?」


「你、你这个混蛋死宅……! 别小看我了!」


火野向我伸出了手


就这样接受挑衅把我打一顿的话对我来说真是方便不过了、那家伙盯上的是在我打算买果汁的时候拿在手上的钱包


那个装了母亲给我的3000円的钱包被夺走了

「哈! 作为给你那可恶又嚣张的嘴巴的惩罚、今天你的钱连同钱包我就拿走了! 那么、里面有多少呢……切! 就只有3000円啊! 发霉的死宅就连钱包的里面也是发霉的!」

 

只有3000円。

哈哈哈、只有3000円是吗

 

竟然敢在我的面前说着这种把自己的孩子气全部暴露出来的台词 


「但是别以为这样就可以结束!这次可要好好的修理你一顿……っ!?」


火野的话语在中途停止了


因为我伸出双腕在那家伙的胸部附近把他抓了起来
 

「你小子、在干什么……っ」


「给我闭嘴臭小子」


夹杂着愤怒和蔑视的声音变成了自己都没听过的冷徹回响


「这、这样的举动可别认为我会简单放过你……」


「是想抢我的钱吗?」


自己听了也会震惊的冷淡声音从嘴里滑出


「明明自己说了只有可怜的3000円、却在此基础上还把3000円夺走」


「哈! 所以说怎么了――」


「想被我宰了吗臭小鬼啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊!!」


大声喊叫的我让火野和周围的学生们目瞪口呆仿佛凝固了般


「什么叫只有3000円啊 蠢蛋……! 光光为了赚取3000円到底要付出多少艰辛你知道吗、啊!?」


 

我完全被惹怒了

毫无疑问火野绝对不是自己赚的钱

对赚钱的艰辛和感恩完全没有了解

 

对于那样真正的臭小鬼打算把母亲通过辛苦工作赚来的钱夺走这一事、我的体内迸发出来难以相信的愤怒


「敲键盘敲到手腕腱鞘炎的程度、有时候要一边沐浴在脑子有问题的客人的骂声里一边点头哈腰地低头道歉、哪怕只犯了一个错误那么就会被蠢蛋、去死吧这样的话语苛责。所谓的金钱就是从这些像屎一样的回忆中好不容易赚到手的东西啊!!」

 

不知道那份艰辛的小孩装成不良来玩轻易的夺取他人的金钱、早就已经是需要处刑的罪过了、即使是现在上断头台肃清也无法被原谅


「不管你装的有多么像不良、都只是吃的也好被窝也好全部都由父母操办的安于现状的大少爷而已! 这次再来敲诈我父母赚来的钱试试! 真的会杀了你的……! 懂了吗、喂!」


「啊……呜……」


「我问你听懂了吗!!」


「啊、啊……」

 

  不知到是否是我向轻视金钱的八嘎倾泻的怒火起了作用、火野有点混乱的进行了回答。

  把手从“嘭”的一声摔了个屁股蹲儿的傻子胸口附近放开后、我去回收我的钱包了


以下为原文

第4話 お前に3000円の重みがわかるのか

(おお……あの頃の教室だ……)

 自分のクラスに足を踏み入れると、あまりの懐かしさに一瞬動きが止まってしまった。

 机と椅子にこのざわざわした雰囲気……そうそうこれが教室だよな。

「じゃあ新浜君。放課後はまた頑張りましょう」

「え……? あ、うん。わかったよ」

 紫条院さんが教室の入り口での別れ際にそう言い、とりあえず返事はしたもののなんのことかすぐにも思い出せなかった。

 放課後……? 放課後のことって一体……あ!
 そうか、図書委員の仕事だ!
 
(そうだった。そもそも俺なんかと紫条院さんに接点があるのは図書委員で一緒にあれこれと仕事をしたからだったな)

 もうかなり昔のことなので流石に思い出すのに時間がかかることが多い。

 正直自分の席もどこなのかサッパリだったが、幸いにも見覚えのある体操服袋が下がっていたため見分けができた。
  
「おい……新浜」

「え……お前は……ひょっとして銀次……か?」

 俺に話しかけてきた男子生徒は俺の高校時代の唯一の友人山平銀次やまひらぎんじだった。
 こいつとだけは卒業後も何度か酒を飲んだこともある。

 俺と同様にオタクだが短髪でさっぱりした容姿であるため一見運動部のようにも見える。これは本人曰く、『オタクっぽいカッコしてたらすぐイジメられるだろ。これは俺なりの防衛策なんだよ』とのことだ。

「は? 何だよひょっとしてって。まあいい……そんなことよりお前どういうことなんだ!?」

「どういうことって……?」

「とぼけるな! 紫条院さんだよ紫条院さん! なんでお前と一緒に話しながら登校してるんだ!」

「何でも何も……朝通学路で会って紫条院さんが図書室から借りた本をいっぱい抱えてたから代わりに持って教室まで来たんだよ」

「は……はあああああ!? ボソボソ声で可愛い女子には照れてまともに話せないのがお前じゃないか! いつからそんな少女漫画のイケメンみたいなことができるようになった!?」

 いやまあ別に意識してやったわけじゃなくて社畜時代の習性だったんだが……確かに高校時代の俺からすれば信じられない行動だろう。

「というか何かお前……全体的にいつもと違わないか? 声はえらいハキハキだし全身のオドオドオーラが消えてるし……ひょっとして異世界転生して長く苦しい旅の果てに昨日地球に帰ってきたとか?」

 惜しい、異世界転生じゃなくて過去逆行だ。

「ああ、大当たりだ銀次。実は昨日まで違う世界にいてな。酷い奴隷労働組織に捕まって人格否定級の罵声を浴びながら早朝から深夜まで働かされて周囲の仲間の精神がおかしくなっていく環境で12年耐えてきたんだ」

「はは、そりゃひでーな! ダーク系異世界かよ!」

 残念ながらブラック系の現実だ。

 まだピュアなお前には笑い話だろうが、これは決してファンタジーじゃなくて今この時代にも存在する悪魔の深淵なんだ銀次。

 ああけど……こうやってこいつと馬鹿話するのは久しぶりだ。
 俺は今あの頃に戻っているという実感が強くなる。

「まあ紫条院さんは優しくて天然だから俺らみたいな奴にも気さくだけど、あんまり目立つように話すなよ。ヤンキー系の奴もリア充系の奴もあの子を狙ってんだからお前シメられちまうぞ」

 へぇ、リア充って言葉この時代にもう存在したのか。

「スクールカーストに気をつけろよ。俺らみたいなオタク系は学校内の地位が最低だからな。ちょっと目立つと“上”の奴らが黙ってない」

(スクールカースト……あったなあそんな概念も)

 今思えばたかだかガキの集団がマウントを取り合うなんてなんとも滑稽な不文律だったなあという感想を抱く。

 いやまあ、大人になってもどこの大学を出ただの年収いくらだのでマウントの取り合いが消えるわけじゃないんだが。

「ま、気をつけるよ。忠告ありがとな銀次」

 とは言え……誰に目をつけられようが俺は二度目の青春を自重する気はない。

 周囲の目を気にし続けて、誰かからの攻撃に怯え続けて何もしなかった結果が告白もできなかった高校時代であり、奴隷であることを辞められなかった社畜時代なのだ。

 俺は俺の願うままに動く。
 今度こそ後悔しないために。



 ……そう決心したその日の内に奴は現れた。

「おい、クソオタクの新浜。こっち向けよ」

 時は昼休み。自販機の前で財布を取り出していた俺にそいつは声をかけてきた。

(こいつは……火野か!)

 制服を着崩して耳にピアスをつけたこの男のことはよく覚えている。

 見た目や言動からわかるとおりヤンキー系であり……高校時代における俺の恐怖の象徴だった男だ。

 こいつは気の弱い男子から金を巻き上げたり遊びで殴ったりしており、俺はそのターゲットにされて在学中さんざんいたぶられて金を奪われた。

 校内でこいつに出会ってしまった時の、あの血の気が引く感覚を覚えている。
 今日も殴られるのかという恐怖に毎日怯えて身を震わせた。

 そんな男と再び出会ってしまった俺の心中は――

(ぜっっんぜん怖くねえ…………)

 あの頃抱いていた恐怖はなんだったんだと言いたくなるほど、何故か目の前のヤンキーに対して何の恐怖も感じない。

 それどころか高校生でピアス穴を開けようというその反骨心に子どもっぽさを感じて微笑ましくすらある。

「俺に何か用か?」

「ああ、てめえがチョーシ乗ってるみてえだったからヤキ入れに来たんだよ」

「は? なんだそれ?」

 確か覚えている限りこいつの行動は『ちょっと付き合ってくれや(憂さ晴らしの殴り)』と『ちょっと小遣い恵んでくれや(カツアゲ)』の二パターンしかなかったはずだ。
 こんな用件は体験した記憶がない。

「てめえは今朝紫条院と一緒に登校してただろ。そういうのぼせ上がった馬鹿は見ててムカつくんでな。身の程って奴を教えてやるよ」

(はあ? なんだその強引な理屈……ってそっか!)

「ああ、なるほど! お前って紫条院さんが好きだったんだな!」

「なっ……!」

「それで今朝俺と紫条院さんが一緒に登校しているのを見てどうしようもなくムカついたって訳か! なるほど、お前がそうだったとはなー」

「だ、黙れてめえ……! 俺は紫条院なんざどうだっていい! てめえみたいなカスが顔のいい女と仲良くなれたと勘違いしてんのがイラつくだけだ!」

 焦った様子の火野がまくしたてる。

 あー、仕事でのミスを疑われた上司とかそうだったけど、人間って本当のことを誤魔化したい時って多弁で早口になるよな。

「とにかくてめえツラ貸せ!」

「は? 人気のないところで俺を殴る気満々な奴について行くわけないだろ。俺をボコりたいなら人がいっぱいのここでやれよ」

「うるせえっ! グダグダ言ってるとぶっ殺すぞ!」

「嫌だって言ってんだろ。ちゃんとコミュニケーション取れよ」

「な……てめぇ……!」

 ヤンキーお得意のデカい声で火野が脅してくるが、そんな脅し文句が通用するほど俺はもう青くはない。

 かつての社畜生活において、上司どもは俺に様々な脅しをかけてきた。

『この仕事は君がやってよ。じゃなきゃ君の勤務評価は……わかるよね?』
『俺にたてついてみろ。明日からお前の仕事は地下倉庫で何十年たっても終わらない備品整理になるぜぇ』
『パワハラの事実なんてなかったと言え! なんならお前こそパワハラの主犯だったと他の奴らに証言させることもできるんだぞ!』

 思い出すだけで醜悪な事例の数々だが、会社という小さな世界を牛耳る権力者どもの力は絶大で、俺はたびたび涙を飲んだ。

(アレに比べればこいつは俺に何のペナルティを課す力もないただのガキだ。どんなにでかい声でわめこうが全然怖くない)

「ほら、どうした。人がいっぱいいるだけで殴れないのか? ヤンキーがまさか停学や退学にビビってるのか?」

「こ、このクソオタクが……! なめてんじゃねえぞ!」

 火野が俺へ手を伸ばす。

 挑発のままに殴ってくれたら俺にとって都合がよかったのだが、奴の狙いは俺がジュースを買う直前だったため手に持っていた財布だった。

 母さんから渡された3000円が入った俺の財布を、奪ったのだ。

「はっ! クソ生意気な口をきいた罰に今日は財布ごと貰ってやる! さて、中身は……ちっ! たかが3000円ぽっちかよ! シケたオタクは財布の中身までシケてやがんな!」

 3000円ぽっち。
 ははは、3000円ぽっちか。

 よくも俺の前でそんなガキ丸出しの台詞を吐けたもんだな……! 

「だがこれで済んだと思うじゃねーぞ! 今度きっちりボコって……っ!?」

 火野の言葉が途中で止まる。

 俺が両腕を伸ばして奴の胸ぐらを掴み上げたからだ。
 
「てめえ、何しやが……っ」

「黙れクソガキ」

 怒りと侮蔑を込めた声は、自分でも聞いたことのないほどに冷徹な響きとなっていた。

「こ、こんな真似してタダで済むと……」

「金を奪おうとしたな?」

 自分でも驚くほどの冷たい声が滑り出た。

「3000円ぽっちなんて言った上に、それを奪おうとしただろって聞いてるんだ」

「はっ! だったらなんだって――」

「ぶっ殺されたいのかクソガキがああああああああああああああああ!!」

 大音量で叫ぶと、火野も周囲の生徒たちも呆気にとられて固まる。

「何が3000円ぽっちだボケが……! それだけ稼ぐのにどれだけの苦労が必要かわかってんのか、あ゙あ゙っ!?」

 俺は完全にキレていた。
 間違いなく火野は自分で稼いだことなんてない。
 金の重みもありがたみも全くわかっていない。

 そんな正真正銘のクソガキが母さんが仕事で稼いだ金を奪おうとしたことに対し、俺の内で信じられないほどの怒りが迸っていた。

「腕が腱鞘炎になるほどキーボードを叩いて! 時には頭のおかしい客に罵声を浴びせられながらペコペコ頭を下げて! 一つでもミスしようもんならバカ、ボケ、死ねと責められて! 金ってのはそんなクソみたいな思いをしてやっと手に入るものなんだよっっ!!」

 その辛さも知らないガキが不良ごっこで軽々しく他人の金を奪うのは、もはや処刑ものの罪だ。今すぐギロチンで粛清しても許される。

「お前なんかどれだけヤンキーごっこしてても、メシも寝床も全部親に養って貰ってるぬるま湯の坊ちゃんなんだよ! 今度俺の親が稼いだ金を盗ろうとしてみろ! マジで殺すぞ……っ! わかったかオイ!」

「あ……う……」

「わかったかって聞いてんだっ!!」

「あ、ああ……」

 金を軽くみているバカへの俺の怒りが効いたのか、火野は混乱気味に返事をした。
 

 ぺたんと尻餅をついてしまったアホの胸ぐらから手を離して財布を回収


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