空言舌語・是白黑还是黑白
原文:
池波正太郎の人気シリーズ「剣客商売」に、「黒白」という上下二巻がある。これを、迷わず「コクビャク」と読める人は意外と少ないかもしれない。 よく、ことの是非をはっきりさせることを「シロクロをつける」とか「クロシロつける」というが、本当は「黒白(こくびゃく)をつける」が本家本元。 辞書を見てみると、確かに「白黒」でも是非や正邪の判断という意味がでている。しかし、これは白黒派が増えたため、辞書の編者も認めざるを得なくなった結果だといえる。 明治の国語辞典「言海」の後継である「大言海」には「コクビャク」のほかに「シロクロ」も出ているが、「目を白黒させる」が先で、正邪の判断に使うのは二番目になっている。そして「クロシロ」は出てない。つまり、正邪の意味で使う言葉としての白と黒は、「コクビャク」以外は比較的新しい言葉だと考えてよさそうだ。というより、黒と白……正反対の色であるにもかかわらず、口をついて出る瞬間に音・訓や位相がゴチャゴチャになってしまったのだろう。 確かに、どちらを先に言うかを覚えたつもりでも、いざ使うときには「さて、どっちだったっけ?」と悩みそうだ。 なぜこんなことが気になったかというと、高校時代に買った写真雑誌のフィルムの解説ページ。そこでは「黒白フィルム」と説明されていた。今はほとんどの人が「白黒フィルム」と呼んでいるが、昔は「黒白フィルム」と言っていたらしい。この黒と白の大逆転は何故起ったのだろう。 以下は私の推理だが…… もともと「黒白」だったフィルムも、「モノクローム」の「モノクロ」という言いかたがなじむにしたがって、「黒白」=「モノクロ」=「白黒」とメタモルフォーゼしたと考えると腑に落ちる。そして、ついでに「コクビャク」も「クロシロ」をへて「シロクロ」へと、人の口を塗り替えてしまったと言えなくもない。 念のためにフィルムメーカのホームページを見てみると、フジもコニカも「黒白フィルム」と表記しています。今でもフィルムの正式名は「黒白」であるらしい。 黒と白の物語は、これで黒白が明らか。白より先に黒を言うと覚えておいて下さい。
訳文
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池波正太郎饱受好评的系列小说《剑客生涯》分为“黑白”上下两卷。但我想能够准确用日语读出“黒白”的人应该不多。 在表达明辨是非的日语短语“黒白をつける”时,经常有人把“黒白”读成“shirokuro”或是“kuroshiro”,但正宗的发音应该是“こくびゃく”(kokubyaku)。 查字典时发现“白黒”也有表示判断是非善恶的意思,但是这大抵是因为这个词使用的人太多了,编者不得已将其收录进了字典。 继明治时期的国语字典《言海》后,《大言海》里除了“黒白”(kokubyaku),还收录了“白黒”(shirokuro)这个词,但最开始是用来表示“震惊”这个意思,其作为判断善恶使用已经是后来的事了。这也意味着,当白与黑用作辨别善恶的意思使用时,除了“kokubyaku”以外的读法都是后来才出现的。虽说如此,黑与白原本是对比分明的两种颜色,但在日语里说出来的那瞬间,其发音与前后位置却十分容易让人产生错乱。 事实上,即便有意识地记住了两个词的前后位置,但当使用的时候却会反应不过来到底哪个说法才对。 至于我为什么会留意到这个,其实跟我高中时期买的一本摄影杂志里面介绍的胶卷有关。在详情解说的那一页里,赫然写着“黑白胶卷”。而现在大多数日本人都读成了“白黑胶卷”,这跟以前是不一样的。到底是什么使得发生了这样黑与白的颠倒呢? 下面是我的猜测。
黑白胶卷在日语还有另一种说法,即monochrome
,略称为
monokuro
,日语中“黑白”的读音“kuroshiro”与恰好与“monokuro”贴近,所以读音就发生了“kuroshiro”→“monokuro”→“shirokuro”的演变,这样子想就好理解了。此外,“kokubyaku”(黒白)的读音经过“kuroshiro”的变化,又变成了“shirokuro”(白黒),不得不说这是人们学舌后读错的结果。 谨慎起见,我浏览了一些胶卷厂家的官网,无论是富士还是柯尼卡,都用的是“黑白胶卷”这一写法。如今胶卷的官方名字依旧是“黒白”。 至此,黑与白之说已明晰。请大家记得这个词是黑先白后。