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第12话 黑心企业、不行、绝对不行

2022-06-07 17:26 作者:ShadowFived  | 我要投稿

第12話 ブラック企業、ダメ、ゼッタイ
第12话  黑心企业、不行、绝对不行



「这个证明要先在这里得出这个值……」


「啊、原来如此! 然后和x的值用等式联立!」


  学习会已经开始了一个小时了、进展十分的顺利

原本紫条院同学就是个认真的人、所以干劲满满


「话说回来新浜君的教导方法真的是十分浅显易懂啊……是有过什么经验吗?」


「嘛、稍微有点呐……」


  我没有过教谁学习之类的经验。


  我现在参考的是指导公司新进社员的指导法。


  我曾经打工的黑心企业中面向新人的指导几乎可以说没有、只有「去工作中边看边学」这样乱来的指导方针。


但是这样教出来的新人连战力都算不上、反而会拖后腿导致我的睡眠时间死了、于是我一个人制作了面向新人的教学手册。


而为了运用那个需要注意以下4点


・工作的意图・用完成形表示出来(比如为了A的说明会而去制作B的文案)
・展示为了到达完成形的需要经历的步骤来让其明白如今自己到底处于哪一步
・让新人放松下来为其创造容易提问的环境
・总之多多夸奖
 

「最后把列个这里和这里相等的式子就可以了。所以考虑到这里x的值无论取什么都符合的话……对对! 你这不是很懂吗紫条院同学!」


「呼呼、这都是你教的好。啊、还有就是这里――」


每当我在关键的节点进行表扬时、紫条院院同学就会害羞起来。


(对对、像这样的氛围是必须的。能够轻松提问的氛围)


在学习会刚开始后、紫条院同学可能是由于出于内心对于学习的苦手意识、紧张地比平时的话语更加稀少了起来。


  但是现在她却不断的提出问题、不懂的地方也不会退却而是勇于提问。

我希望的就是这种状态。


(最糟糕的就是变成那种难以提问的僵硬的空气。由于无法提问所以不懂的地方仍然维持不懂的样子、相关的信赖关系也仿佛无法加深。)


由于我新人时期的上司的「不管有什么不懂的都来问我哦」→「这种事就别一一来问我啊!」→「你犯错了!? 为什么不来找我商量商量呢!」的不讲理的三连组合导致提问变成一件很恐怖的事情、无法知道工作上正确做法的时期也是有的。


所以想去教别人一些东西的时候、还是尽可能的去夸奖一下对方吧。


夸奖不仅仅是作为清楚见证对方努力的证明、而且还是能驱动人心的汽油


「呼~……稍微休息一下吧。已经一个半小时了」


「好的。那个就是……不好意思占用了你这么长的时间。请允许我日后再来报答这份恩情……」


「不不不、别太放在心上。对我来说也是学习」


不如说教导紫条院同学学习的这类甜美的回忆、是即使收费也没关系的我想品尝的味道。


「新浜君最近感觉对学习十分上心……是已经决定好了毕业后的去向了吗?」


「啊、虽然已经决定了要去上大学、但是还在烦恼「到底要去哪种等级的大学呢」这样的」


我的第二人生的未来到底要选哪个呢

 

这是我自从回到过去后就一直烦恼的事情、但是唯一可以确定的就是坚决拒绝黑心企业。


那么就应该剑指过去记忆中被称为良心企业的那些公司了、但是由于全部都是些大企业所以招聘相当困难、所以还是去所合适的大学吧。


「嘛、就是尽量去好一点的大学然后去正经点的公司打工这类常见的回答吧。紫条院同学你呢?」


「诶多……虽然父亲大人说已经帮我安排好了读完大学后的就职地方、但是像这样的稍微有点狡猾了所以我有点提不起劲。」


  真是认真啊。
  作为大公司社长的父亲安排的去向一定是很好的地方吧。


「但是由于不知道到底哪个工作适合自己……在茫然地看着招聘海报时就被『欢迎任何人』、『如家般舒适的职场』、『被评价为热情的职场!』之类的文字吸引了……」


「诶、是这样――诶?」


  不、等一下。刚才说了什么?


  欢迎能干的新人?如家般舒适的职场?被评价为热情的职场?


「我想先在那些职务中挑个『谁都可以进的』『看上去能够进去的』先去就职试试、然后就靠『无论多么艰辛和恶劣都要忍耐』的努力吧――」


「不行————————!」


「hiya!?」

(拟声词,那种吓到了声音)


你在说些什么恐怖的事情啊!?
  那个计划简直就是通往地狱的直通车啊


「那个……就是、新浜君你突然怎么了……?」


「紫条院同学请你好好听我说、可以嘛」


惊讶的紫条院同学把目光投向了我认真的脸上。


「像这样盲目听信招聘广告是不行的!」


「诶っ!?」


「『不管什么人都十分欢迎』是由于工作十分严苛导致辞职的人很多的意思、『如家般舒适的职场』则是社長一族独裁的情况居多!『被评价为热情的职场』简单来说就是额定工时或加班很多!(※個人感想)」


  因为我前世的工作单位简直就是这种海报公司的感觉。


「当然并不是全部的公司都是这样、正经的公司也有很多! 但是即使是认准了这些引人注目的广告标语、如果采用『谁都可以进』『看上去能够进』这类的选择方法的话、可是会被牙白企业抓住压榨的哦!」


「诶多、牙白的企业是怎样的……」


「最常见的就是脱离常轨的严重劳动。我……我亲戚就每天从8点一直工作到晚上12点以后」


「诶……? 这不就听上去感觉除了睡觉以外的时间全部拿去工作了吗……」


「就是这样。而且超出正常工作时间的加班会被当成『完全没有这种事』、所以不会付加班费」


「???」


 嗯、这个反应是正确的哦紫条院同学。
  虽然我对于我的说明也只能于以意义不明的评价。


「虽然现在说的是很残酷的部分、但是像这样的牙白的企业是确实存在的。所以采用『哪个都可以』这样的选择方法是会吃苦头的」


「是、是这样的吗……!」


我把过去铭刻在我身上已经到达讨厌程度的情报传递给紫条院同学时、紫条院同学仿佛受到冲击般发抖了起来


「我由于不知道这种事所以会感到吃惊……但是新浜君为什么会知道的这么详细呢?」


「不、诶多就是……就是从刚才我提到的亲戚那里听了很多。他由于在黑心企业就职所以在30岁之前就已经看过地狱了」


「原来如此、原来是这样啊! 虽然我以前就听过几次黑心企业但是从刚才的对话来看还真是残酷啊……」


「啊、不是人呆的地方啊」


那些被塞满了世间一切邪恶的混蛋般的奴隶日子、身心被摧残殆尽的各种记忆再次涌上心头。


「罵声仿佛理所当然般。里面夹杂着“对父母的问候”、人格的否定、该有的应有尽有。加班费自然是没有、上司把自己的工作推诿给部下、如果有错误就是部下的锅、功劳则是自己的。一个月有几天休假算好的了、而在这样贵重的休息日时不时也会有职场上打来的电话把人叫回去上班。」


  越说就有越多的令人作呕的记忆涌现出来
  滞留在内心的抱怨停不下来了


「繁忙的时期甚至会陷入在公司睡几周睡袋、除了工作以外的行为全被否定的窘境。当然会有倒下的家伙、但是上层的人根本就不会进行怜悯慰问甚至还会骂没有骨气的人。而且就算是这么忙也要写把对社长写的书的观后感用50页以上的稿纸写出来」


「诶多、那个……我们不是在说战时拷问的话题吧?」


「非常遗憾从头到尾都是在说现代日本的工作的话题」


  这样罗列下来看的话那还真是不是人呆的环境啊

在一天天过量的疲劳摧残下大脑变的一片空白、无法认识到自己的惨状的这点也十分让人作呕。


「如果抱着哪都可以的态度的话、就会有可能一不小心迈入这样的类似监狱般的地方……」


「啊、还有如果在这种地方认真地抱着『不管面对什么艰辛和使坏都要忍耐下来』的努力的话内心绝对会崩坏的」


对、在未来紫条院同学确实会这样
  把这样可爱美好的内心——丢失了


  唯独这点……唯独这点是我死也要阻止的


「在亲戚对我延绵不断地述说着这样的话题时我也感动害怕起来、开始认真地去思考起了自己的将来。比以前更加努力学习也是出于这个理由。」


「诶、我也有点在不学习就完蛋了的感觉……!」


  听到了基于实际体验的黑心企业的真实状态、紫条院同学开始害怕了起来
  好耶、这样就进一步远离了紫条院同学会在就职地迎来破灭的flag


「但是光是听着这样的话题就马上开始改变自己的新浜君还真是伟大啊……。像我这样的人虽然脑袋里理解了但是还是无法做到突然开始改变自己。」


「不、伟大什么的没有哦……真的」


 我只是在人生的第二周目明白了未来并不是甜美的这个事实而已。


  在1周末的高校时代我也隐约地怀抱着对将来的不安

但是我却无视了这个


  沉浸在即使什么都不做未来也总会有办法的孩子般的乐观中
  而那个代价就是那份10年以上的社畜生活。


(对于紫条院同学也是同样的道理。只是期待着某天突然发生恋爱喜剧般的事件发生、然后关系亲近变成恋人这样的……)


  这样的事件只是等着是不会发生的


  但是如果是去自己引发的话100%会发生


(所以、这次绝对不会放松准备。这次绝对不会迷茫。这次一定要――)


  向她告白
  想让回到过去后再次迷恋上的这个少女幸福


  学习也是为了提高自己而去努力的一环


「好了、休息也完成了! 接下来一起学化学吧」


「好、请多多关照咯老师!」


  眺望着紫条院同学耀眼的笑颜我们再次开启了学习


把和紫条院同学并排坐在一个课桌上的喜悦之情巧妙的隐藏起来、始终摆出一副绅士的表情。



祝各高考的同学高考顺利,能选择自己心仪的未来

以下为日文原文

第12話 ブラック企業、ダメ、ゼッタイ



「この証明は先にこっちに値を出して……」



「あ、なるほど! それでXの値とイコールになるんですね!」



 勉強を始めて一時間ほど経つが、進行はなかなかスムーズだ。

 元々紫条院さんは真面目だしやる気が溢れているのが大きい。



「それにしても新浜君の教え方は本当にわかりやすいです……何か経験があるんですか?」



「まあちょっとね……」



 誰かに勉強を教えた経験なんてない。



 俺が今参考にしているのは新人社員への指導法だ。



 俺がいたブラック企業は新人に対する研修をまるでやらず、仕事は見て覚えろという滅茶苦茶な方針を取っていた。



 しかしそれでは新人が戦力どころか足手まといになり俺の睡眠時間が死んでしまうので、俺は独自に新人用マニュアルを作ったのだ。



 そしてそれを運用するために以下の4点を気をつけた。



・仕事の意味・完成形を示す(Aの説明会のためにBの書類を作るなど)

・完成形に至るための順序を示して今自分がどこをやっているか理解させる

・新人をリラックスさせて質問しやすい雰囲気を作る

・とにかく褒める

 

「最終的にこことここがイコールになる式を作ればいいんだ。だからここのXの値がいくつなら都合がいいか考えていくと……そうそう! なんだすぐわかるじゃないか紫条院さん!」



「ふふ、教え方がいいからです。あ、それとここのことなんですけど――」



 俺が要所要所で褒めると、紫条院さんは恥ずかしそうにはにかんだ。



(そうそう、こういう雰囲気が必要なんだよ。気軽に質問できるゆるい空気が)



 勉強開始直後の紫条院さんは勉強への苦手意識からか、普段より言葉少なめで緊張していた。



 だけど今はどんどん質問を出すし、わからないことに萎縮しない。

俺が狙ったとおりの状態だ。



(一番マズいのは質問しにくい固い空気になることなんだよな。質問できないからわからないところがわからないままだし、信頼関係もまるで深まらない)



 俺が新人の時は上司の「わからないことはなんでも聞けよ」→「そんなこといちいち聞くな!」→「ミスした!? なんで俺に相談しなかったんだ!」の理不尽三連コンボで質問が怖くなってしまい、仕事の正解がわからなくなった時があった。



 だから何かを教える時、相手を可能なかぎり褒めることにしている。

 褒めるということは相手の頑張りを見ている証拠であり、褒められることは人間の心を動かすガソリンなのだから。



「ふぅ……ちょっと休憩するか。もう一時間半もやってるし」



「はい。あのその……とても時間を使わせてしまってごめんなさい。この埋め合わせは後日させて頂きますから……」



「いやいや気にしなくていいって。自分の勉強にもなるし」



 むしろ紫条院さんに勉強を教えるなんてオイシイ思いは、金を払ってでも味わいたいのだ。



「新浜君は何だか最近とても勉強していますけど……もう進路を決められたんですか?」



「ああ、大学に行こうとは思ってるけど、どのくらいのランクにするかで悩んでいる感じかな」



 第二の人生の進路をどうするか?

 これは過去に戻ってからずっと悩んでいるが、一つだけ確定しているのはブラック企業は絶対お断りということだ。



 ならば目指すはかつての記憶でホワイトと言われていた企業だが、そこはいずれも大企業でことごとく入社が難しいので、やはりそれなりの大学を狙う必要がある。



「まあ、なるべく良い大学に行ってちゃんとした企業に勤めたいっていうありきたりな話だよ。紫条院さんはどうするんだ?」



「ええと……大学を出た後はお父様が就職先を用意すると言うんですけど、そういうのはちょっとズルいので気が進まないんです」



 真面目だなぁ。

 大会社の社長である父親が用意するからにはかなり良いところだろうに。



「でもどういう仕事が自分に合っているかわからなくて……漠然と求人のポスターとか見てると『どんな人でも大歓迎』とか『アットホームな職場』とか『熱意が評価される職場です!』みたいな言葉には惹かれますけど……」



「へぇ、そうなん――え?」



 いやちょっと待て。今なんて言った?

 若手歓迎? アットホームな職場? 熱意が評価される職場?



「それらの職種の中からとにかく『どれでも』『入れそうなところ』に就職してみて、後は『どんなに辛くても意地でも我慢して』頑張ってみようかなって――」



「だめだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」



「ひゃあ!?」



 なんて恐ろしいことを言うんだ!?

 そのプランはほぼ地獄への直行便でしかないよっ!



「あの……その、どうしたんですか新浜君……?」



「いいか、よく聞くんだ紫条院さん」



 目を白黒させる紫条院さんに俺はガチな顔で向き合う。



「そんなキャッチフレーズを無警戒で鵜呑みにしちゃだめだ!」



「ええっ!?」



「『どんな人でも大歓迎』はキツすぎて辞める人が多すぎるって意味で、『アットホームな職場』は社長の一族が独裁してるケースが多い! 『熱意が評価される職場』は要するにノルマや残業が酷いってことだ!(※個人的感想)」



 なにせ俺の前世の勤務先がまさにそんな感じのポスターだったからな!



「もちろん全部がそうじゃないし、ちゃんとしたところもいっぱいある! けどそういうキャッチコピーを見定めたとしても『どれでも』『入れそうなところ』なんて選び方じゃヤバい会社に捕まってしまう!」



「ええと、ヤバい会社というのはどういう……」



「まず一番あるのが常軌を逸した重労働とかだな。俺……いや俺の親戚なんて毎日朝8時から夜12時以降まで働いていたそうだ」



「え……? それって寝る時以外全部働いているみたいに聞こえるんですけど……」



「そのとおりだ。そして勤務時間以上働いた分は『なかったこと』になって、残業代は支払われない」



「???」



 うん、その反応は正しいよ紫条院さん。

 俺も自分で言ってて意味不明としか言いようがない。



「今言ったのは特にひどいとこだけど、そんなヤバい企業は確実に存在するんだ。だから『どこでもいい』なんて選び方だとひどい目に遭う」



「そ、そういうものなんですか……!」



 俺がかつて嫌というほど身に染みた情報を伝えると、紫条院さんは衝撃を受けた様子で震え上がる。

 

「そんな事情は知らなかったから驚きました……けど新浜君はどうしてそんなことに詳しいんですか?」



「いや、ええとそれは……さっき言った俺の親戚から色々聞いたんだよ。ブラック企業に入ってしまって30歳になるまで地獄を見たそうだ」



「なるほど、そうだったんですね! それにしてもブラック企業って何度か聞いたことがありますけどさっきの話からするに本当にひどいんですね……」



「ああ、人間がいるところじゃない」



 この世すべての邪悪を詰め込んだクソのような奴隷の日々が、心身を抉り潰された数々の記憶がフラッシュバックする。



「罵声は当たり前で親の悪口も人格否定も何でもありだ。残業代は当然のようにゼロで、上司は自分の仕事を部下に丸投げしてミスがあれば部下のせいで手柄は自分のものにする。一ヶ月に数日休めればいいほうで、そんな貴重な休みもたびたび職場から携帯で呼び出される」



 言えば言うほど忌まわしい記憶があふれ出てくる。

 胸の内に溜まっていた愚痴が止まらない。



「繁忙期は寝袋を持って会社に何週間も泊まるハメになって仕事以外の行動ができない。当然倒れる奴も出てくるけど上層部は労るどころか根性なしのクズだと罵る。そしてそれだけ忙しくても社長の書いた本の感想文は原稿用紙50枚以上で提出しないとならない」



「ええと、その……戦時中の拷問の話じゃないんですよね?」



「残念ながら最初から最後まで現代日本の仕事の話なんだ」



 こうして羅列すると改めて人間のいる環境じゃなかったなアレは。

 日々の超絶的な疲労のせいで頭がパーになって、自分の惨状を認識できなくなるのもいやらしいところだ。



「どこでもいいなんて言ってたら、そんな刑務所みたいなところにうっかり入ってしまう可能性があるってことなんですね……」



「ああ、そしてそんなところで真面目に『どんなに辛くても意地でも我慢して』頑張ると絶対に心が壊れる」



 そう、紫条院さんは未来においてまさにそうなった。

 こんなにも愛らしくて素敵なその心を――失ってしまったんだ。



 それだけは……それだけは死んでも阻止しないとならない。



「親戚がそういう話を延々と語ってくれたから俺もビビって将来は真面目に考えるようにしたんだ。以前より勉強するようになったのもそういう理由だよ」



「ええ、私ももっと勉強しなきゃって気になってきました……!」



 実体験に基づくブラックの実態を聞かされて紫条院さんは震え上がる。

 よし、これで紫条院さんが就職先で破滅するフラグはまた一歩遠ざかったな。



「でもそういうお話を聞いただけですぐに自分を色々と変えてしまうなんて新浜君は偉いですね……。私なんか頭ではわかっていてもいきなりそんなに自分を変えることなんてできません」



「いや、偉くなんてないよ……本当に」



 俺はただ2周目で未来が甘くないことを知っているだけだ。



 1周目の高校時代でも漠然とした将来の不安くらいは抱いていた。

 けどそれを俺は無視した。



 何もしなくても未来は何とかなるっていうガキの楽観に甘えたのだ。

 その代償があの10年以上もの社畜生活だ。



(紫条院さんに対しても同じ理論だったんだよな。いつかラブコメみたいなイベントが発生して親密になって恋人に……なんてラノベみたいなことを期待してた)



 そんなイベントは待ってても絶対に起きない。



 けれど……自分で起こせば100%起きる!



(だから、今度は準備は怠らない。今度は迷わない。今度こそ――)



 彼女に告白する。

 過去に戻ってからも惚れ直し続けるこの少女を幸せにしたい。



 勉強はそのための自分を高める一環だからこそ頑張れるのだ。



「さて、それじゃ休憩終わり! 次は化学行くか!」



「はい、よろしくお願いします先生!」



 彼女の眩しい笑顔を眺めつつ俺たちは勉強を再開した。



 紫条院さんと一緒に机を並べて天にも昇る心地になっていることは巧妙に隠し、あくまで紳士的な顔でだ。

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