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前进(すずめ)之路(の閉じまり),接上

2023-05-19 16:52 作者:稻田豚  | 我要投稿

    私も慌ててスマホを見る。緊急地震速報の警告画面に『頭を守るなど揺れに備えてください』の文字。周囲を見回す。天井から吊つるされた蛍光灯が、ゆっくりと揺れ始める。教卓からチョークが落ちる。

「わ、ちょっと揺れとる!」「揺れとる揺れとる」「これヤバイやつ?」

 皆が揺れの大きさを見定めようと、動きを止め息を吞のんでいる。蛍光灯の揺れ幅が大きくなり、窓枠がかすかに軋きしむ。足元がすこし動いている。でも、それは徐々に収まっていくように思える。地震警報のブザー音も消え始め、やがてどのスマホも静かになる。

「……止まった?」

「止まった止まった。なんだ、たいしたことなかったな」

「ちょっとびびったわあ」

「最近ちょっと多いね、地震」「もう慣れたわ」「防災意識が低ひきいね」「まこつ通知が大おお袈げ裟さすぎるとよ」

 ほっとしたざわめきと弛ゆるんでいく教室の緊張が、でも私には遠い。私の背中にはびっしりと、さっきから玉の汗が浮き続けている。ねえ、と出してみた声が掠かすれる。

「ん?」

 絢たちが私を見る。きっとまた同じなのだと頭のどこかで理解しながらも、私は二人に言わずにはいられない。「あそこ、見て──」

    

我也连忙检视手机。紧急地震警报的画面上有「请保护头部,提防摇晃」的文字。我环顾四周。挂在天花板上的日光灯缓缓地开始摇晃,讲桌上的粉笔也掉下来。

「哇,有点摇!」「在摇了!」「这是不是有点危险?」

大家都停止动作并屏气,想要判断摇晃的程度。日光灯摇摆的幅度越来越大,窗框微微发出挤压声,地板也有些摇晃。不过这些现象似乎都逐渐平息,地震警报的通知音效也开始停下来,不久之后所有手机都变安静了。

「……停了?」

「停了停了。没什么大不了的嘛!」

「害我吓一跳。」

「最近地震好像有点多。」「我已经习惯了。」「防灾意识太低了。」「手机通知真的太夸张了。」

大家松了一口气,教室里的气氛也和缓下来,但我却距离这样的气氛很遥远。从刚刚开始,我的背上就不断渗出大量汗珠。「喂。」我试着呼唤两人,不过声音很沙哑。

「嗯?」

小绚和麻美看着我。我脑中虽然理解,大概跟刚刚又是一样的情况,不过还是无法不告诉两人:「你们看那里──」

    

 山肌から、巨大な尾のような物が生えている。さっきまで煙に見えていたそれは、今では更に太く高く、半透明な大蛇のようにも、束ねて縒よったボロ切れのようにも、竜巻に巻き上げられた赤い水流のようにも見える。ゆったりと渦を巻きながら、空に昇っていく。あれは絶対に善くないものだと、全身の悪寒が叫んでいる。

「なあ鈴芽、さっきからなんの話?」

 上半身を窓から乗りだして山を見ていたマミが、怪け訝げんそうに言う。絢が心配げな声で訊く。

「あんた、今日大丈夫? ちょっと体調悪いと?」

「……見えないの?」

 確認するように私は呟つぶやく。不安そうな顔で、二人が私の顔を覗のぞき込んでいる。見えないんだ。私にしか。大粒の汗が、不快な感触で頰に筋を引く。

「ちょっと、鈴芽!」

 返事をする余裕もなく教室を飛び出し、私は走った。階段を転がるように降り、校舎を駆け出て自転車に鍵かぎを挿す。ペダルを思いきり踏む。山に向かって海沿いの坂を登る。視線の先の山肌からは、赤黒い尾がやっぱりくっきりと伸びている。空に太い線を引くように伸びていくそれの周囲には、野鳥やカラスが群がってギャアギャアと鳴き声を上げている。でもすれ違う車の運転手たちも、堤防の釣り人たちも、誰も空を見ていない。町も人も、いつも通りのんびりとした夏の午後の中にいる。

「なんで誰も──! なんなのよあれっ!」

 確かめなくては。だってあれは。もしかしてあれは。蹴けり飛ばすように自転車から降りて、私はさっきの山道を再び走る。走りながら空を見る。今ではその尾は、空を流れる大河のようになっている。粘り気のある濁流のような太い体から、何本かの筋が支流のように周囲に伸びていく。溶岩流を思わせる赤い光が、時折ちらちらと内部を流れている。何かが引きずり出されるみたいな低い地鳴りが、足元からずっと響いている。

「まさか──」

    山的表面彷佛长出巨大的尾巴。先前看起来像烟的东西,此刻变得更粗更高,看起来像半透明的大蛇,也像是绑在一起扭转的破布,或是被龙卷风卷起来的红色水流。那东西缓缓地盘旋并升到空中。那绝对不是好东西──全身竖起的寒毛如此呐喊。

「铃芽,你从刚刚就在说什么?」

麻美把上半身探出窗户眺望那座山,诧异地问我。小绚也以担心的口吻问:

「你今天不要紧吗?是不是身体不太舒服?」

「……你们没看见吗?」

我低声向她们确认。两人以不安的表情注视我的脸。她们看不见,只有我看得见。大颗的汗水滑下我的脸颊,留下不舒服的触感。

「等等,铃芽!」

我没时间回应就冲出教室,几乎是用滚的下楼梯,奔出校舍把钥匙插入脚踏车,全力猛踩踏板。我朝着山的方向骑上沿海的斜坡。在视线前方的山上,仍旧可以清晰看到红黑色的尾巴升起,宛如在空中画了一条粗线。野鸟和乌鸦聚集在那条尾巴的周围嘎嘎叫,然而和我擦身而过的汽车驾驶、或是在堤防钓鱼的人,都没有抬头看天空。小镇和居民都处在跟平常一样悠闲的夏日午后。

「为什么没有人看见……那到底是什么?」

我必须去确认才行。因为那是……那或许是……我跳下脚踏车,再度跑上刚刚的山路。我边跑边仰望天空。那条尾巴此刻变得像是在空中流动的大河,从带有黏性的浊流般的粗壮本体,有好几道像支流的线条往周围延伸。它的内部不时闪烁着类似熔岩流的红光。不知是什么引起的低沉声响与震动,持续出现在我的脚下。

「不会吧──」

    

    私は口に出しながら、廃はい墟きよの温泉街に駆け込む。走り続けて肺が焼けそうなのに、足は無理矢理引っぱられているみたいにもっともっとと速くなる。石橋を渡り、廃ホテルのロビーを抜け、中庭へと続く廊下を駆ける。

「まさか、まさか、まさか──」

 あたりに奇妙な匂いが漂っていることにふと気づく。妙に甘くて、焦げ臭くて、潮の匂いが混じっていて、ずっと昔に嗅かいだことがあるような──。行く手から窓が近づいてくる。視界が開け、中庭が見える。

「ああっ!」

 やっぱり──と、理由の分からないままに私は思う。あのドアだ。私の開けたあの扉から、それが出ている。まるで小さすぎる出口に不満を爆発させているかのように、赤黒い濁流が激しく身をくねらせながら扉から噴き出ている。

 廊下を駆け抜け、私はようやく中庭に辿たどりつく。まっすぐ五十メートルほど先に、濁流を吐き出す白い扉が立っている。

「ええっ!?」

 目を瞠みはった。うねる濁流の陰で、誰かが扉を押している。ドアを閉めようとしている。長い髪。大きな体格。空を切り取るように美しい顔のライン。

「あの人!」

 今朝すれ違ったあの青年が、必死の表情で扉を閉めている。そのたくましい両腕が、徐々に扉を押し戻していく。噴出が細くなっていく。濁流が堰せき止められていく。

「何してる!?」

「え!?」

    我边说边跑进温泉街的废墟。因为一直在奔跑,我感觉肺部彷佛在燃烧,但双脚却好像被外力牵引般跑得越来越快。我渡过石桥,穿过饭店的大厅,跑在通往中庭的走廊上。

「不会吧,不会吧,不会吧……」

    这时我忽然发觉到四周弥漫着奇妙的味道。那是异常甜腻、焦臭、掺杂着海水的气味,感觉好像很久以前在哪里闻过。前方的窗户越来越近。视野变得开阔,眼前就是中庭。

「啊!」

果然没错──虽然不知道理由,我却这么想。是那扇门。「那东西」是从我打开的那扇门跑出来的。红黑色的浊流彷佛因为出口太小而爆发不满,扭动着身体从门内喷出来。

我奔过走廊,总算到达中庭。吐出浊流的白门就矗立在距离约五十公尺的正前方。

「咦?」

我瞪大眼睛。在蜿蜒的浊流旁边,有人正在推门,想要把门关起来。长长的头发、高大的身躯、以及彷佛剪下天空般美丽的脸部轮廓──

「是那个人!」

今天早上遇见的青年正拼命地想要关门。他强壮的双臂逐渐把门推回去。浊流喷出的量逐渐变细,被堵在门口。

「你在做什么?」

「啊?」


私の姿に気づいた彼が、怒鳴った。

「ここから離れろ!」

 その瞬間、濁流が爆発するように勢いを増した。ドアが弾はじけるように開ききり、青年の体を吹き飛ばす。青年はレンガの壁に激突し、砕けた破片と一緒に水の中に倒れ込んでしまう。

「ええっ!」

 私は慌てて石段を飛び降りて、浅く水の溜たまった中庭を走って彼に駆け寄る。背中を水に浸した格好で、青年はぐったりと倒れている。

「大丈夫ですか!?」

 かがみ込んで顔を寄せる。うう──と青年が息を漏らし、自力で上半身を起こそうとする。肩に手を回して助けようとしたところで、私は気づく。

「……!」

 水面が光っている──と思った直後、金色に光る糸のようなものが音もなく水面から浮き上がり、まるで見えない指につままれたように、すーっと空に伸びていく。

「これは──」

 青年が呟く。中庭の水面のあちこちから、金色の糸が空に昇っていく。その先を見上げると、扉から噴き出した濁流が枝分かれしてぐるりと空を覆っている。まるで扉から一本の茎が伸び、その先端で巨大な赤銅色の花が一輪咲いたかのようだ。金色の糸は、その花に逆さに降りそそぐシャワーのように見える。そしてゆっくりと、その花が倒れ始める。

「まずい……!」


    他发现到我的身影,对我怒吼。

「快离开这里!」

在这个瞬间,浊流宛若爆发般增加气势。门被完全弹开,把他的身体撞飞。他撞到砖墙上,和撞碎的碎片一起落入水中。

「哇!」

我连忙跳下石梯,越过积了浅水的中庭跑向他。他的背部浸在水中,无力地倒在地上。

「你不要紧吗?」

我蹲下来把脸凑近他。他发出「唔」的呻吟声,想要自己抬起上半身。我把手伸向他的肩膀想要扶起他,这时才发现异状。

「咦……」

水面在发光──我刚这么想,就有类似发光的金色线条的东西无声地从水面浮起,彷佛被看不见的手指捏起来,一直延伸到空中。

「这是──」

青年低声地说。中庭的水面到处都有金色线条升到天空。我抬起头,看到从门内喷出的浊流分成好几道,朝四面八方覆盖天空,就好像从门长出一条植物的茎,在茎的顶端开了一朵巨大的红褐色花朵。金色线条看起来就像逆向浇在花上的水。接着那朵花缓缓地开始倒下。

「糟糕……」


    絶望から絞り出されたような青年の声を聞きながら、私は想像する。想像することが出来てしまう。午後の気け怠だるい教室、その窓の外には、ゆっくりと地上に倒れてくる巨大な花がある。しかしその異形は誰にも見えず、異臭も届かず、世界の裏側から迫る異変には誰も気づかない。漁船の漁師たちにも、釣りをする老人たちにも、町を歩く子供たちにも気づかれぬまま、その花は加速しながら地表に近づいていく。内側に溜めこんだその膨大な重さごと、花はついに地上に衝突し──。

 スカートの中のスマホがけたたましく鳴り出したのと、足元が激しく揺れ出したのはほぼ同時だった。口からは、悲鳴が飛び出ていた。

『地震です。地震です。地震です──』

 地震警報の無機質な合成音声と、激しい揺れと廃墟の軋きしみに、私は叫び、耳を塞ふさぎ、その場にしゃがみ込んでしまう。それは激しい地震だった。とても立ち上がれないほどの、激しく大きな地震だった。

「危ない!」

 青年の体が私を押し倒す。私の顔半分が水に浸かる。直後にガキン! という重い衝撃音がして、眼前の水面に赤色が散った。血!? 押し殺した青年のうめき声が、頭上で一瞬漏れる。青年は即座に身を起こす。一瞬だけ私を見て、「ここから離れろ!」と叫び、扉に向かって駆け出す。見ると、ドームの鉄骨があちこちで崩れ、落下し、水みず飛沫しぶきを上げている。

    

    我听到青年彷佛从绝望挤出来的声音,不禁开始想像。我可以想像到,在午后慵懒气氛的教室窗外,那朵巨大的花缓缓倒向地面,但是没有人看到这幅异常景象,也没有闻到怪味,更没有发现到从世界的反面逼近的变异。渔船上的渔民、钓鱼的老人、或是走在街上的小孩都没有发觉,那朵花正以加速度接近地表。伴随着积存在内侧的庞大重量,花朵终于冲撞到地面──

裙子口袋里的手机大声响起,而几乎在同一时间,脚下产生剧烈的摇晃。我发出尖叫。

『发生地震,发生地震,发生地震──』

在地震警报无生命的合成人声、剧烈的摇晃、以及废墟受到挤压的声音当中,我一边大叫一边捂住耳朵蹲在原地。这场地震非常大,甚至令人无法保持直立。

「危险!」

青年扑过来把我推倒。我的脸有一半浸在水里。接着我立刻听到沉重的撞击声,眼前的水面染成红色。这是血?从我上方传来青年压抑的呻吟声。他随即起身,瞥了我一眼,大喊「快离开这里」,然后跑向那扇门。我看到圆顶的钢筋处处塌落,掉在水里溅起水花。

    うおおぉ──と聞こえる雄お叫たけびとともに、青年は体ごと扉にぶつかった。ドアを押し、濁流を押し戻そうとする。私は呆ぼう然ぜんとその背中を見つめる。と、青年のシャツの左腕が赤く染まっていくことに私は気づく。痛みに耐えかねるように、青年は右手で傷口を押さえる。右肩だけでドアを押す格好になる。しかし濁流の勢いに、青年は扉ごと押し返されていく。

 怪我をしたんだ、私を鉄骨からかばって──。

 ようやく私は気づく。『地震です』と警報は叫び続けている。地面は激しく揺れ続けている。さっきから私の右手は制服のリボンをぎゅっと握っていて、もう指先に感覚がない。青年の左腕はもはやだらりと体の横に垂れ、それでも彼は背中で必死に扉を押している。この人は──ふいに泣きそうな気持ちになって、私は思う。訳もわからずにそう思う。この人は、誰にも知られず、誰にも見られぬままに、誰かがやらなければならない大切なことを──。私の頭の中で、何かが動き始めている。彼の姿が、私の中の何かを変えていく。地震は続いている。こわばった右手を、私は開こうとする。握りしめているものを、私は離そうとする。

 水を蹴って、走り出した。

 彼の背中が近づく。私は走りながら両手を前に突き出し、そのまま全力で扉にぶつかった。

「君は──!」青年が驚いた目で私を見る。「なぜ!?」

「閉じなきゃいけないんでしょ、ここ!」

 そう叫んで、私は彼と並んで扉を押す。たまらなく不吉な感触が、薄い板越しに伝わってくる。その不快さを押し潰つぶすように、力を振り絞る。青年の力も増していくのを、私は手のひらで感じる。扉はギシギシと音を立てながら、徐々に閉まっていく。

    

「唔哦哦──」青年发出吼声,用整个身体撞向门。他推着门,想要把浊流推回去。我呆呆地看着他的背影。这时我发现青年的衬衫左袖染成红色。他似乎难以承受疼痛,用右手按着伤口,变成只用右肩压着门的姿势。然而浊流的气势把他连门一起推回去。

他受伤了。他是为了保护我不被钢筋砸到──

我总算发觉到这一点。警报依旧喊着「发生地震」,地面持续剧烈摇晃。我的右手从刚刚就紧握着制服的缎带,指尖已经失去感觉。青年的左臂无力地垂在身旁,但他仍旧拼命地用背部推着门。我忽然感到想哭。我毫无理由地想到,这个人在没人知道、没人看到的情况下,正在做必须要有人去完成的重要工作。我脑中有东西开始活动。他的模样改变了我内心的某个部分。地震仍旧持续着。我试着张开僵硬的右手,准备放掉手中握住的东西。

我踩着水跑过去。

他的背影离我越来越近。我边跑边把双手往前伸,以这个姿势全力撞向门。

「你──」青年用惊讶的眼神看着我。「为什么?」

「这扇门必须关起来吧?」

我大声喊,在他旁边一起推门。不祥到极点的触感隔着薄薄的门板传来。我卯足力气,想要推走那不舒服的感觉。我从手掌感觉到青年也加强力道。门发出「嘎嘎」的声音逐渐关上。

    

    ──歌? 私はふと気づく。青年が扉を押しながら、小さく何かを呟つぶやいている。思わず青年を見上げる。神社で聞く祝詞のりとのようにも、古い節回しの歌のようにも聞こえる不思議な言葉を、青年は目をつむって一心に唱えている。やがてその声に、なにか別のものが混じり始める。

「え……なに!?」

 聞こえてきたのは人の声──はしゃいだような子供の笑い声と、何人もの大人たちのざわめきだ。パパ早く、こっちこっち! 久しぶりだなあ、温泉なんて──楽しそうな家族の会話が、まるで直接頭に差し込まれるように、私の内側に響く。

『俺、お祖父じいちゃん呼んでくる!』

『お母さん、もう一回お風ふ呂ろ行こうよー』

『あらあら、お父さんったらまだ飲むの?』

『来年もまた来ようね、家族旅行』

 その遠い声は、色いろ褪あせた映像のようなものを私に連れてくる。活気のある往来。大勢の賑にぎやかな若者たち。明るい未来をまっすぐに信じていた頃の、私が産まれる前のこの場所の姿──。

 バタン! 大きな音を立て、遂ついに扉が閉まった。

「閉じた!」

 思わず私は叫ぶ。青年は間髪を容いれずに振りかぶり、鍵かぎのようなものを扉に突き立てた。何もないはずの板の表面に一瞬だけ鍵穴が浮かび上がったように、私には見えた。

「お返し申す──っ!」

 そう叫びながら青年が鍵を回す。と、巨大な泡が割れるような音を立て、濁流が弾け散った。一瞬で夜が明けたような感覚に目眩めまいを覚える。虹にじ色に輝く雨が降りそそぎ、それは水面をざーっと叩たたき、あっという間に風に流されて消えていく。

 気づけば、遠い声たちは消えていた。

 空は抜けるような青に戻り、地震は止まっていた。

 扉はさっきまでの出来事が噓のように、無言のままに立っていた。

 これが、私の初めての戸締まりだった。

    * * *


    ──歌?我忽然发觉到,青年边推门边低声不知在念什么。我不禁抬头看他。他闭着眼睛,专注地念着类似在神社听到的颂词、也像是古老歌调般的奇妙语言。不久之后,在这个声音之外,我开始听见其他声音。

「咦……什么声音?」

我听到的是人的声音──小孩子兴奋的笑声,以及好几名大人说话的

声音。『爸爸,快点过来这里!』『好久没来温泉了。』听起来很愉快的家人对话彷佛直接钻入我脑中,在我的内侧响起。

『我去叫阿公!』

『妈妈,再去泡一次澡啦~』

『唉呀,爸爸还要喝吗?』

『明年也要全家一起来旅行!』

遥远的声音带给我褪色影像般的东西。热闹的街道,众多充满活力的年轻人,率直地相信美好未来的那个时代,在我出生前这个地方的景象──

砰!门发出很大的声音,总算关上了。

「关起来了!」

我不禁大喊。青年立即把看似钥匙的东西插到门上。我看到在原本一无所有的门板上,好像有一瞬间浮现出钥匙孔。

「奉还──!」

青年边喊边转动钥匙。这时浊流发出巨大的泡沫破裂声散开,彷佛突然天亮的感觉令我晕眩。闪耀着彩虹光芒的雨点剧烈地打在水面上,然后转眼间就被风吹得无影无踪。

遥远的声音不知何时已经消失了。

天空恢复穿透般的蔚蓝,地震已经停了。

门默默地矗立在原地,彷佛先前什么事都没发生。

这就是我第一次的「关门」。

* * *

    私はあまりにも強く扉を押していたから、そこから手を離すのに引き剝はがすような力が必要だった。両足にうまく力が入らない。浅い水面はもうすっかり凪ないでいる。周囲には山鳥の鳴き声が満ちている。青年は私から二歩ほど離れた場所で、閉じた扉をじっと見つめている。

「あ、あの……今のって」

「──要かなめ石いしが封じていたはずだったのに」

「え?」

 青年はようやく扉から視線を外し、私をまっすぐに見た。

「……君はなぜこの場所に来た? なぜミミズが見えた? 要石はどこにいった?」

「え、ええと……」

 強い口調だった。しどろもどろに、私は口を動かす。

「ミミズ? ええと、カナメイシって、石? え、ええ?」

    因为太用力推门,我要松开手时必须用到有如撕扯下来般的力道,双脚也失去力量。浅水的水面已经变得平静,周围处处是鸟啼声。青年在距离我约两步的地方,注视着关上的门。

「那、那个……刚刚是怎么回事?」

「明明被要石封起来了……」

「咦?」

青年总算把视线从门上移开,直视着我。

「……你为什么会到这里?为什么看得见蚯蚓?要石跑到哪去了?」

「呃,那个……」

他的口气很强烈。我支支吾吾地问:

「蚯蚓?还有,你说的要石是……石头?咦?」

    未完待续。。。

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