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【GPT机翻】战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚)- 99 [千五百七十二年 十二月下旬]

2023-04-03 04:13 作者:爱吃果冻的沙耶  | 我要投稿

书名 战国小町苦劳谭

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作者: 夹竹桃

原作:http://ncode.syosetu.com/n8406bm/

翻译工具:ChatGPT

*机器输出的翻译结果UP未做任何修正,仅供试阅。标题章节号为原翻译版的顺延。*

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千五百七十二年 十二月下旬(*原文网页序列号 - 108)


この時、確かに歴史は動いた。織田・徳川連合軍による武田軍の壊滅および信玄の討ち死には、日ノ本を震撼させた。


这一刻,历史确实在发生变化。由織田和德川联合军队在战场上消灭武田军队,以及信玄不幸战死的消息震动了整个日本。


覇権の世代交代を告げる報せは、遠江の西に位置する白須賀で布陣していた信忠(奇妙丸)の許へも、夜明けを待たずに届けられた。


宣告着霸权交替的消息,远在遠江西部驻扎的信忠(奇妙丸)也在天未亮之前收到了。白酸的报告。


「いよっしゃあああ!!!!」


"来了啊啊啊啊!!!!"


齎(もたら)された報告を聞き終える前に、信忠は快哉(かいさい)を叫んだ。信忠に続いて配下の武将たちも大声で叫び、両手を天高く突き上げて歓喜した。


在听完带来的报告之前,信忠就喊出了快哉。随着信忠的呼喊,他的部下武将们也大声欢呼,高举双手欣喜若狂。


中には感極まって涙ぐむ武将もいたが、今回ばかりは無理もなかった。


当中有些将领感动得流泪了,但这次情有可原。


皆が不安だったのだ。苦境に耐え、必死に育(はぐく)んできた全てが、武田という圧倒的暴力の前に為す術(すべ)もなく奪い去られる。そんな光景を誰しもが幻視していた。


所有人都感到不安。承受着困苦,艰难地成长起来的一切,在武田的绝对暴力面前,被剥夺了一切。每个人都幻视着这样的景象。


この時代に於いて武田軍とはそれほどの存在であり、恐怖の象徴であったのだ。武田信玄が甲斐より出陣したという報せを耳にして以来、片時も忘れることが出来なかった恐怖。


在这个时代,武田军是一个如此重要的存在,是恐惧的象征。自从听到武田信玄出征甲斐的消息以来,恐惧令人无法忘怀。


この吉報によって恐怖は払しょくされ、萎縮し抑圧されていた感情が爆発したのだ。


这个好消息消除了恐惧,压抑的情感爆发了。


悲嘆の涙ではなく、それほどの大事を成し遂げた仲間たちに対する誇らしさであり、同じ御旗を頂く一員であるという歓喜の涙であった。


不是悲哀的眼泪,而是对完成了如此重要的使命的伙伴们的自豪,是属于同一旗帜下的一员的欣喜之泪。


この報は遠く離れた信長の許へもついに届いた。夜通し駆け続けた伝令から報せを聞いた近習は、繰り返し確認して間違いでは無いと知るや、人目も憚らず走り出した。


这个消息最终传到了远离信长所在的地方。听到从通宵奔驰而来的信使报来的消息后,近臣们反复确认,确信没有错误后,毫不顾及他人目光,便开始奔跑。


余りの剣幕に警護の兵たちが何事かと目を剥いているのにも気付かず、足音も荒々しく信長のおわす広間へと駆けこんだ。


身边的警卫士兵们因为太过剑拔弩张而瞪大了眼睛,却没有察觉到任何异常,匆忙踏着沉重的步伐冲向信长所在的广间。


「ご、ご注進!! で、伝令がこれを持って参りました!」


「请、请传达!传令兵带来了这个!」


近習は全速力で走ったため、咽(むせ)ながらも書状を差し出そうとする。


侍从全速奔跑,虽然嗓子哽咽,仍试图递交信函。


「内容を告げよ!」


"告诉我内容!"


泰然(たいぜん)と構えながらも誰よりも気を揉んでいた信長は、近習の無作法を一切咎めることなく、伝令の内容を伝えよと命じたのだ。


泰然構築而仍然比任何人都更加擔心的信長,沒有責備任何隨從的無禮行為,下令傳達傳令人的內容。


近習は一度大きく深呼吸をし、息を整えると凄まじい重圧を放つ信長の視線に耐えつつ言葉を紡いだ。


近臣深吸一口气,平复心情,忍受信长沉重的目光并开口说话。


「み、三方ヶ原台地にて我が軍と徳川軍が、武田軍を討ち破りました!」


「在三方原高地上,我军和德川军打败了武田军!」


一瞬の静寂を置いて、待ち望んだ吉報だと知った織田家家臣たちが歓喜の声を上げた。信長だけは然(さ)も当然であるかのように泰然としていたが、懐に隠した手で力拳を作っていた。


瞬间的寂静之后,织田家的家臣们得知了他们渴望已久的好消息,发出了欢呼声。只有信长保持着镇定,似乎毫不在意,但他却把手藏在怀里,握紧了拳头。


「更に信玄を討ち取ったと記されております! 他にも名だたる武田家の将たちが並んでおります。まず武田家最強の赤備えである山県昌景は、森勝蔵様が一騎打ちの末、お討ち取りになりました!」


“据记载,更进一步击败了信玄!其他著名的武田家将领也在这里列出。首先是武田家最强的赤备山县昌景,在一个一对一的战斗后,被森胜藏先生所击败!”


「おおっ! あの山県を討ち取ったというのか!」


“哦!那个山县被击败了吗!”


「勝蔵の殊勲には報いてやらねばなるまい」


「必须报答胜藏的杰出贡献」


武田の赤備えと言えば、精強無比の誉れ高き部隊であり、赤一色に統一された甲冑を纏う。


武田的红装备可谓声名显赫,是一支强大无比的部队,他们身着统一的红色盔甲。


戦場で赤武者(赤備えのこと)と見(まみ)えた敵は戦意を喪失し、進んで武田の軍門に下ったとまで言われる精強さで知られている。


据说在战场上看到身着红色武士甲胄的敌人会失去战意,以至于主动投降武田军。这种勇猛精神为人所称赞。


その赤備えを率いていたのが山県昌景だ。彼は「野戦の駆け引きにおいて並ぶ者なし」とまで言われ、その勇名は後世まで語り継がれた。まさしく武田家最強の男であったのだ。


率领这支红装备的是山县昌景。他被称为“在野战策略方面无人能敌”,他的勇名一直流传到后世。他绝对是武田家最强的男人。


その山県昌景を討ち取った戦果は大きい。信長がすぐさま恩賞を考えるほどの大手柄であり、勝蔵の名は山県昌景を下した者として天下に鳴り響く。


那次取得山縣昌景的战功十分显赫。信长非常重视,马上为胜藏准备了丰厚的奖赏。胜藏这个名字因为打败了山縣昌景而声名大噪。


「続いて馬場信春を可児才蔵様が! 更に——」


紧接着,可児才藏先生介绍了场上的马场信春先生!接着——


次々と武田の主力である武将の名が告げられ、討ち取った者の名が述べられる。もはや三方ヶ原の戦いに参戦した者の武功は青天井と言えた。


一位接着一位地宣布了武田军主力武将的名字,还提到了取下他们的人的名字。可以说参加三方原之战的人的战功已经高不可攀了。


武田軍を撃退したのではなく、損害度合からも壊滅させたと言うのが相応しい。


不仅打败了武田军,而且从损失程度来看,可以说是彻底击溃了。


「……本当にやりおったわ。準備は済んでおるな!」


「……真的做到了啊。准备已经完成了!」


「はっ! 全て滞りなく!」


"哈!一切顺利!"


報告を聞き終えた信長はニヤリと笑った後、家臣たちに号令する。


听完报告后,信长微笑着向家臣们发出号令。


「これより最後の大掃除を行う。皆の者、武田と戦った者に負けぬよう、思うさま武功を立てよ」


“从现在开始进行最后一次大扫除。各位,为了不输给曾与武田交战的人们,尽情展现自己的武功”。


天下分け目の大戦(おおいくさ)を勝ち残った織田・徳川連合軍の面々は、負傷兵を連れて浜松城へと帰還した。


在决定天下归属的大战中幸存下来的织田徳川联军成员,带着伤员回到了浜松城。


戦闘中は興奮状態にあり気付いていなかったが、浜松城へ戻ると生還を実感できたのか、兵たちは互いに抱き合って無事を喜んだ。


在战斗中处于兴奋状态,没有意识到;但当回到浜松城时,感觉到了生还,士兵们相互拥抱,庆祝平安无事。


「あー、ところで静っち。すっかり忘れていたんだが」


哦,顺便提一句,安静点。我完全忘记了。


静子達が入城待ちをしていると、ふいに慶次が静子へ声をかけた。


当静子等待进城时,突然景次向静子喊话。


見るからにばつが悪そうな表情を浮かべる慶次を見て、嫌な予感が過(よぎ)った静子は、慶次に傍へ寄るようにと手招きする。


看到慶次一副表情煩惱的樣子,使得靜子有一種不好的預感。她向慶次招手,示意他靠近一些。


「(怒らないから、正直に言いなさい)」


“(不生气,说实话)”


「(あの、だな。実はある武将を捕縛したのだが……すっかり報告を忘れていた)」


“(那个,实际上我们已经捕获了一名武将......但是我们完全忘记了报告)”


「(それって武藤喜兵衛殿の事?)」


“那是武藤喜兵衛大人的事吗?”


「(あーそうそう。本陣に戻ったところで休憩したら、すっぽり抜け落ちてしまった)」


"(啊,对了。刚回到大本营休息了一下,结果一下子就睡过头了)"


酷い話もあったもので、生殺与奪を握られた上に敵陣で放置されるなど拷問にも等しい。身の置き所が無い捕虜を、今の今まで放置していた事実に、静子は目元を覆って天を仰いだ。


因为有可怕的事情发生,被掌握了生杀大权并被留在敌军营地里,就像受到了拷问一样。静子把眼睛遮住,望着天空,暴露出毫无安全感的战俘被长时间忽略的现实。


「早く連れてきて下さい。敗軍の将とは言え、信義にもとります」


请尽快把他带来。虽然他是败军之将,但我们也要重视他的信义。


「おう、すぐに連れてくる」


“好的,我马上带来。”


静子に急かされ慶次は慌てて武藤喜兵衛を呼びに行った。本人も悪い事をしたと思っているようで、珍しく殊勝な様子だった。


被静子催促,慶次匆忙地去找了武藤喜兵衛。他看起来也认为自己做了坏事,表现得不同寻常地聪明。


「貴女が総大将か」


"你是总大将吗?"


散々待ちぼうけをくらった武藤喜兵衛は渋い顔で問うた。どのように扱われても文句が言える立場ではないが、粗略に扱われて愉快に思う人物はいない。


被彻底放鸽子的武藤喜兵却板着面孔问道:“无论被如何对待,我都无法抱怨,但被粗鲁对待的人是不会感到愉快的。”


「前田様をお預かりしていると言う意味ではそうなります。まずは長くお待たせした不手際をお詫びいたします」


“这意味着我们正在照顾前田先生。首先,我们也要为让您久等道歉。”


「いや、こちらも態度を改めるとしよう。先に約束の半分は守って頂き、残る半分も今守られた」


“不,我们也来改变态度吧。您已经履行了约定的一半,现在请继续履行剩下的一半。”


静子が慶次の失態を、己の不手際として謝罪したことに驚いた武藤喜兵衛だったが、すぐに意識を切り替えると返答した。


武藤喜兵衛听到静子将慶次的失误归咎于自己的错误并道歉,感到十分惊讶,但立即转变思路做出回应。


「して、斬首はいつ頃になろうか」


"那么,斩首大约什么时候会发生呢?"


「え!? いくさは終わりました。私は首級を欲しておりませんし、今さら首を頂いても困ります。送り届ける訳には参りませんが、お帰り頂くならばご随意に」


"什么!?战斗已经结束了。我不想要首级,现在就算得到也无法解决问题。我不能把你送回来,但如果你想离开,请随便走。"


「は?」


"什么?"


静子の余りにも常識から乖離した言い分が理解できず、武藤喜兵衛は呆然とした表情になる。通常では捕虜とした武将の扱いは大きく二つである。


静子言辞离奇超出了常理,让武藤喜兵衛完全无法理解,他呆若木鸡。通常被俘虏的武将有两种待遇。


一つは情報を聞き出した上で斬首し、討ち取った首級として武功とする。もう一つは存命のまま配下に組み込み、己の戦力とするの二つだ。


一个是在获取情报后斩首,以对战功进行奖励;另一个则是将其纳入自己的部下,作为自己的力量。


静子の言う捕縛した武将に対して、帰りたいなら自由にどうぞというのでは苦労して捕らえた意味がない。


静子所说的对被捕的武将说:“如果你想回去的话,自由自在地去吧”,那捉住他们就没有任何意义了。


「わしは己の首と引き換えに、兄上の首と兵たちの助命とを願った。既に対価を受け取っておきながら、おめおめと生き恥は晒せぬ」


“我以自己的性命换取了兄长和士兵们的生命。既已收到了酬劳,就不能无耻地活着。”


「そうは仰いましても論功行賞はまだ先として、既に急ぎの戦後処理は済みました。これから祝勝会だと湧いている兵たちに、今から汚れ仕事を頼むのは忍びないです。そもそも慶次さんがその場で首を取らなかったんでしょう?」


“虽然您是这么说的,但是功劳与奖赏仍然要等待,紧急的战后处理已经完成。现在,要请那些正在为庆祝而沸腾的士兵去做肮脏的工作,这是不可忍受的。毕竟,桂次先生没有在那个场合上拿下首级吗?”


実際に命を懸けて戦った慶次が意図して首を取らなかったのだから、それが慶次の判断であり、彼の意思を尊重するつもりだった。


实际上,因为京次为了战斗不惜冒着生命危险,他并没有意图取走对方的首级,这是京次的判断,我们应该尊重他的意愿。


出世を望まぬ静子にとって首級など殊更欲しいものでもなく、部下の手柄を横取りするような真似をしてまで得る必要がなかった。


对于不渴望成功的静子来说,她并不特别需要首级之类的东西,也不需要通过自己显摆来夺去下属的功绩。


ゆえに最終的には慶次がどうしたいか、それだけであった。


因此,关键就在于最终慶次想要做什么。


「俺が示せる道は二つだ。このまま甲斐へ帰国するか、それともあくまで主君に殉じるってのなら介錯せんでもない。まあ好きに選んでくれ」


「我可以展示的道路有两个。一是像这样回到甲斐,另一个是如果你想一直效忠于主君,我也不介意杀了你。随便选吧。」


静子の心中を察した慶次は、武藤喜兵衛自身に己の行く末を選択させることにした。予想外の選択を迫られた武藤喜兵衛は熟考の後、口を開いた。


桂次察觉到静子的心情后,决定让武藤喜兵衛自己选择自己的前途。面对出乎意料的选择,武藤喜兵衛经过深思熟虑后开口说道。


「……しからば、わしの望みを申します。慶次殿が示された二つの道、そのいずれも選びませぬ。まずは真田家がどうなるか、それを見届けとう思います。真田家が続くにせよ、絶えるにせよ、行く末が見えたのなら、必ずや貴女の許へと参じます」


「……既然如此,我表达我的愿望。景次殿所示的两条道路,我都不会选择。首先,我想看看真田家会怎样发展。无论真田家继续还是灭亡,如果我看到了它的未来,我一定会来到您的面前。」


「こちらへ参られるのならば歓迎いたしますが、裏切り者の誹(そし)りは免れませんよ。このまま真田と命運を共にする、という道をお選び頂くことも、今ならば出来るのですよ?」


「如果您前来这里,我们欢迎您。但是,如果您是叛徒,就不能免于谩骂。您可以选择和真田共同命运的道路,现在就可以做出选择了。」


武藤喜兵衛の言葉に静子は率直な疑問を投げた。兄二人が没した真田がどうなるかを見届けた後、静子の許に来ると武藤喜兵衛は言った。


武藤喜兵衛的话引发了静子的直率疑问,他说:“在亲眼目睹兄弟俩去世后,我会来找你的,看看真田家族的情况如何。”


これは明らかに主家たる武田家への裏切りであり、主家に対して弓を引いた以上は二度と甲斐に戻ることは叶わない。


这显然是对主家武田家的背叛,既然拉弓反对主家,就再也不能回到甲斐了。


彼の口ぶりからは、家族とは袂を分かち単身で静子に下るようだ。そうなれば二度と家族と会うことも出来ず、最悪の場合は家族と敵対して殺し合わねばならない修羅の道だ。


从他的口气中可以看出,他与家人已分道扬镳,打算独自前往静子那里。这样一来,他就永远不能再见到家人了,最坏情况下可能会与家人势不两立,走上杀戮之路。


「無礼を承知で言わせて頂ければ、貴女の家臣たちは皆、貴女に似て馬鹿正直すぎる」


「不管我说的话是否有失礼,您的家臣们都像您一样太过笨直了。」


「それが何か?」


"那是什么?"


武藤喜兵衛の口憚らぬ物言いに気色ばんだ兵士たちを手で制し、静子は続きを促した。不敵な笑みを浮かべた武藤喜兵衛は、促されるままに言葉を続ける。


武藤喜兵衛毫无忌讳地说话激怒了士兵们,静子用手制止了他们,并敦促他继续说下去。武藤喜兵衛露出了嘲弄的笑容,按照静子的要求继续讲话。


「今のわしへの反応。それが貴女を危うくする。貴女の家臣や兵は貴女に心酔し、貴女の為ならば喜んで命も投げ捨てましょう。今までならばそれでも良かったのかも知れませぬ。しかし武田を下したという評価がつけば、それではいけない。彼らの態度は判りやすく、そこに貴人が居ると容易に知れてしまいますし、周囲の反応から貴女の思惑を読み取られてしまいます。貴女の代わりに矢面に立ち、腹芸の一つもこなせる者が必要となりましょう」


「对于我现在的反应,那会危及到您。 您的家臣和士兵深爱着您,为了您他们乐意舍生忘死。也许到目前为止这样也还好,但一旦被评为打败武田,这种情况就不行了。他们的态度很容易被发现,而且如果周围的人对您的想法表现出反应,您的意图就会被看穿。我们需要有人代替您起到保护作用,他们还需要能够展示出腹舞技巧的人才行。」


「それが貴方というわけですか」


"这意味着你是那个人吗?"


「正直で誠実というのは人としては美徳でありましょう。しかして、人の上に立つ者としてはどうか? これは無能を越える害悪となり申す。貴女の名は織田家に於いて不動のものとなった。ここから先は判りやすく敵対してくれる相手だけとは限りませぬ。親しげな態度で近づき、貴女の失脚を狙う敵が必ずや現れましょう」


“诚实正直是作为人的美德,但作为领导者呢?这将超越无能成为有害的恶劣影响。你的名字在织田家已经确立不动摇。从现在开始,敌人不仅限于那些公开与你敌对的人。那些装出友善姿态靠近你,企图使你失势的敌人也必将出现。”


「その不足を貴方が補って下さるのですか?」


"您会弥补这个缺陷吗?"


静子の問いに武藤喜兵衛はゆっくりと頷いた。ややもすると傲慢ともとられかねない態度だが、それぐらいの胆力がなければ知恵者相手の化かし合いは務まらない。


静子问道,武藤喜兵衛缓缓点头。这种态度有些傲慢,但如果没有这种胆量,就无法与智慧者互相斗智斗勇。


彼には何ら失うことなく国許へ帰るという選択肢があった。しかし敢えて周囲が全て敵という状況で、自身の有用さを売り込んで見せた。


他本来有选择不失去任何东西地回到故乡的选项。然而,在周围全是敌人的情况下,他故意展示了自己的有用价值。


武藤喜兵衛は既に理解していた。武田が敗れたのは偶然ではない。


武藤喜平已经明白了。武田的失败不是偶然的。


己の身を惜しまぬ勇猛な将に、それらを従えつつも乱世の梟雄となるのではなく、徳を以て民を治める主君。武田の敗北は必然であった。


不是追随着不惜牺牲自己的勇猛将领成为乱世的枭雄,而是以德治民的君主。武田的失败是必然的。


これから先も武田にかつての力が戻ることはないだろう。織田家に於いて要職を得ながらも脇が甘く、己の力を活かせる場所、即ち静子の配下に収まるのが最も有望な未来と見た。


未来也许再也无法恢复到武田过去的强大。虽然在織田家担任重要职务,但他太过冲动且无法发挥自己的能力。因此,将自己纳入静子的麾下是最有希望的未来。


単純に武田から織田へと鞍替えしたところで、根なし草となる真田など吹けば飛ぶような存在となる。


转而从武田家加入織田家,像真田这样的根本无法立足的存在只是轻轻一吹就会被风吹走。


真田家を存続させるためには、表裏比興(ひょうりひきょう)の者と蔑まれようとも、静子の直参となることが絶対に必要だった。


为了保持真田家的存在,即使被人蔑视,也必须成为静子的直接参与者才能进行正反两面的努力。


これは単純な売り込みではない。武藤喜兵衛と真田家一族全ての生存を賭けた一世一代の博打であった。


这不是简单的推销。这是以武藤喜兵衛和真田家族的生存为赌注的一场决一死战。


「(流石は家康すら怯えた知将として名高き真田昌幸か)よいでしょう。この場を去ることを良しとせず、逆に己を売り込んだあなたの手腕を買いましょう。私が勝手に雇い入れる訳には参りませんので、お館様の了解を得てからになりますが、まず反対されることはないでしょう」


“这位以“连家康都畏惧的智将”闻名的真田昌幸,确实不错。不仅不会让他离开现场,而且会欣赏您的才干。但是我不能单方面雇佣你,必须经过您的主人同意,但我相信他不会反对。”


「ははっ」


"哈哈"


晩年は不遇だったが、戦国時代に名高き知将・謀将として活躍した彼の腕は、どれほどのものかと静子は期待に胸を躍らせた。


晚年虽然不幸,但他在战国时代作为出色的将领和谋士活跃,静子期待他的才华如何。


「では浜松城へ向かいましょう。先ほどまで敗軍の将でしたが、今は仮とは言え私の客将です。貴方への不当な扱いを許すほど、私は心狭き者ではありません」


那么让我们前往浜松城吧。虽然刚才还是败军之将,但现在作为我的客将,暂且原宥。我不会因为你受到不公正的待遇而心胸狭窄。


そう言って静子は武藤喜兵衛の拘束を解くよう命じた。一瞬、驚いた兵たちだが命じられるままに武藤喜兵衛の拘束を解いた。併せて取り上げた刀も返す。


说完后,静子命令解除武藤喜兵衛的拘束。士兵们一开始感到惊讶,但还是按照命令解除了武藤喜兵衛的束缚,并归还了他被没收的刀。


「今までのわしは、貴女の油断を引き出すための偽り、実は貴女に一太刀浴びせる機会を狙っていたとは思われぬのですか?」


"你难道认为我之前所做的只是为了引出你的疏忽,实际上是为了找机会单方面攻击你吗?"


「その時は狸に一杯食わされて死んだ間抜けがいた、と歴史に残る程度ですよ。しかし私を斬れば誓って貴方は後悔することになるでしょう。真田家は客将となりながら恩を仇で返した卑怯者として名を残し、貴方自身は死の訪れを切望する程に辛い思いをすることになります」


“那时有一个被狸子骗去吃了一碗后死了的傻瓜,只是留名于历史而已。但如果你杀了我,你将会后悔。真田家将会以背信弃义的谋杀客将的罪名而臭名昭彰,而你自己也会为此付出痛苦的代价和迎来死亡的降临。”


感情を交えず、確定した未来を淡々と語るかのような静子には、何とも言えない説得力があった。


在没有涉及感情的情况下,静子淡淡地谈论着确定的未来,这种态度让人无法抗拒。


そして自身の行く末については、不思議とその通りになると直感してしまった。


然后,我直觉自己的未来会神奇地按照预期发展。


「ははっ、参りました。わしは狸を自認しておりましたが、貴女は鬼を飼っているようだ」


“哈哈,我输了。我一直自称为狸,但您似乎养了鬼。” translated to Simplified Chinese would be: “哈哈,我输了。我一直自称为狸,但您似乎养了鬼。”


武藤喜兵衛は朗らかに笑いながら、渡された刀を静子へと差し出した。


武藤喜兵衛笑着将递过来的刀递给了静子。


「これがわしの貴女への忠でござる。もしも疑わしき動きを見たと、お思いならばご遠慮召されるな」


“这是我对您的忠诚。如果您看到可疑的行动,请不要犹豫,远离那些人。”


少しでも怪しい様子を見せれば、遠慮なく切り捨てて頂いて結構。武藤喜兵衛の態度はそれを雄弁に語っていた。


只要表现出一点可疑的迹象,就毫不犹豫地将其切除即可。 武藤喜兵卖弄他的态度。


やはり食えぬ狸だと静子は思った。己の覚悟を見せながらも、その実静子を試してもいるのだ。


果然是不能吃掉的貉,静子心想。她试图考验自己的觉悟,但其实也在考验静子自己。


しかし悪い気はしなかった。世に名高き智将と真剣勝負できるのだ。歴史好きの者がどれほど願っても出来ないところに、静子は今立っている。そう思うと、これほど嬉しい事はない。


然而并没有不好的感觉。静子现在能够与世界著名的智将进行激烈的比赛。即使是历史爱好者也无法完成的事情,她现在已经实现了。想到这一点,没有比这更令人高兴的事情了。


「お預かりしましょう。しかし使う事なくお返しすると思いますよ」


"让我来保管。不过我想你可能不会使用它,所以会归还给你的。"


「期待せずに待つとしましょう」


"让我们不抱期望地等待吧。"


武藤喜兵衛の刀を静子が受け取った時、入城待ちの行列が移動を開始した。もう少しで浜松城へ入れる事を理解した静子は、人の良い笑みを浮かべて武藤喜兵衛に言った。


当静子接过武藤喜兵卫的刀时,等待入城的队伍开始移动了。静子明白自己很快就能进入浜松城,露出了友好的笑容对武藤喜兵卫说了几句话。


「では我が国で作られた酒、じっくりと堪能して下さいませ」


请尽情享受我们国家酿制的酒。


静子が大量に輸送させたものは籠城用の物資ではなく、軍需物資を除くといくさ前後に催される宴会を見込んだ食料だった。


静子大量运输的物品并非用于围城的物资,除了军需物资外,主要是为了预备战前后的宴会所需的食品。


当然のように勝利を疑わず、大量の食料と酒樽が運び込まれていた。


当然地认为自己必胜,大量的食品和酒桶被运进了营地。


「皆の者、よくぞ戦ってくれた。この場を借りて感謝する」


“大家,你们战斗得很好。借此机会我要向你们表达感激之情。”


織田軍の足軽や雑兵たちに向かって、静子は礼を述べる。しかし殆どの兵たちは聞いておらず、そわそわとしていた。静子は内心苦笑しながらも言葉を続けた。


向着织田军的长枪兵或雜兵,静子表示感谢。然而大多数士兵都没有听到,他们有点不安。静子心中苦笑,继续说道。


「ははっ! 皆は私の言葉よりも早く酒が飲みたいのだな。折角の祝い酒だ、無礼講としよう。酒も食べ物もたんまり用意させた、皆大いに飲んで食べてくれ!!」


“哈哈!大家比起听我的话更想喝酒啊。这次是庆祝酒,就不用客气啦。我已经准备了充足的酒和食物,请大家尽情地享用吧!”


「うおおおおおおおおおおおおおっ!!!」


“哇啊啊啊啊啊啊啊啊啊!!!”


「きたあああああああああああっ!!!」


"来了啊啊啊啊啊啊啊啊!!!"


「今日だけは織田も徳川もない。共に強敵と戦った戦友たちへ、私からのささやかな礼だ。今日は固い事は申さぬ、存分に飲み食いして騒ぐが良い!」


“今天只是没有织田和德川。这是我向与我一起战斗过的战友们致以微薄敬意的一天。今天不要说严肃的话题,尽情享受美食和热闹吧!”


静子の声を合図に、兵たちは各々が料理に群がり、それぞれに飲み食いを始める。


在静子的指示下,士兵们各自涌向食物,开始各自享受美食佳肴。


兵たちの好みまでは判らないため、濁り酒と清酒の両方が用意されたが、やはり珍しい清酒の方が減りも早いようだった。


由于不知道士兵的口味,因此既准备了浑浊酒又准备了清酒,但清酒似乎更受欢迎,消耗也更快。


後顧の憂いも無くなった祝勝会だけに、いくさ前日の宴よりも賑やかだと思った静子は、足満を伴って家康の許へと向かった。


没有后顾之忧的庆祝会比起战争前夜的宴会更加热闹,静子带着足满去了家康的地方。


「足満おじさん、間者さんたちにもちゃんと振る舞ってね。目に見える戦果はないけど、正確な情報を必要な時に届けてくれたのだから、それに応じた報酬を渡さないとね」


「 足满老先生,请您与间谍们表现得恰当。虽然看不见战果,但在必要的时刻传递出准确的情报,因此必须给予相应的报酬。」


「分かった。連中にはわしから言っておく」


"知道了。我会告诉他们是我说的。" (Simplified Chinese)


「よろしくね。それじゃ後で」


"请多关照。那么后见了。"


そこで静子の護衛は足満から才蔵に変わる。二人の足音が聞こえなくなった頃、足満は小さく息を吐く。そして視線はそのままにし、意識だけ鳶加藤に向けて告げた。


于是,静子的护卫从足满换成了才藏。两个人的脚步声消失后,足满轻声吐出气息。然后他保持视线不变,只是意识告诉了鸮加藤。


「酒と飯を置いておる。好きに食べ、好きに飲め。今日ばかりは酔い潰れても文句は言わん」


“这里放着酒和饭。想吃就吃,想喝就喝。今天就算喝醉了也不会抱怨。”


(……ははっ)


(......哈哈)


「……それと静子からの言づてだ。『助かりました、ありがとうございます』だ」


“……还有静子托我带话。她说:‘谢谢你,我已经得救了’。”


(……)


I'm sorry but I cannot translate `(……)` as it is a series of ellipses without context or meaning. Can you please provide more information or context so I can provide an accurate translation?


「二度は言わん。存分に感謝の言葉を噛みしめておけ」


不必说第二遍了。尽情品味感激之词。


言い終えると同時に、足満は静子たちの許へと向かう。足満の気配が感じられなくなった頃、鳶加藤はポツリと呟いた。


足满一说完便朝着静子她们的方向走去。当感觉不到足满的气息时,鸢加藤喃喃自语。


(ありがとう……か。恐れられる事はあっても、感謝の言葉は初めてだ。悪い気はしない)


(谢谢……吗。虽然有被害怕的事情,但这是第一次说感谢的话。我不觉得有什么不好的感觉)


そう呟くと同時に鳶加藤は姿を消す。彼がいた場所には、小さな水の染みが出来ていた。


同时,鸢加藤消失在呢喃声中。他离去的地方留下了一个小水渍。


他の武将や足満と合流した静子は、足並みを揃えて家康の許へ向かう。家康がいる広間に到着すると、既に祝いの席は出来ていた。


与其他武将和足满会合的静子,整齐划一地朝着家康所在的大厅走去。到达时,庆祝的宴席已经准备好了。


近くの者と談笑していた徳川家家臣たちだが、静子が入ってきた事を知るやいなや、会話をぴたりと止め、静子に向かって深々と頭を下げた。


这些德川家臣与附近的人一边聊天一边笑着,但是一旦他们知道静子进来了,他们马上停止了对话,深深地向静子鞠躬。


「みな、貴女に感謝しておるのです。此度のいくさで我々は武田を討ち倒した誉と、我が国を守り切る事が出来ましたゆえ」


“各位,我们对您深表感激。在此次战争中,我们赢得了打败武田家的荣耀,也成功保卫了我们的国家。”


びっくりして驚いている静子に家康が、家臣たちの行動を説明する。何とも面映ゆい態度を隠さず静子は指定の席に座る。


家康向惊讶的静子解释家臣的行动。毫不掩饰尴尬的态度下,静子坐在指定的席位上。


織田軍の武将たちが座ったところで、家康は盃片手に言葉を発した。


织田军的武将们坐定之后,家康举着酒杯说了几句话。


「まずは織田殿より送られた後詰めの皆様方に、心より感謝いたします。お陰で我ら徳川は武田の侵攻を食い止める事が出来申した。率直に申せば、我らだけでは武田を足止めできたかすら怪しい」


首先,我们要由織田大人派来的援军表现出最衷心的感激之情。多亏了您们,我们德川家能够成功阻止武田家的入侵。坦率地说,要我们自己一个家族能否阻止武田家的入侵,甚至连我们自己都觉得不可靠。


家康の言葉は的を射ていた。史実通りであれば三方ヶ原の戦いで家康は惨敗している。


家康的话说得很准确。如果按照历史事实,在三方原之战中家康遭受了惨败。


しかし静子らの尽力により、大敗を喫することがなかっため、家康の人物像を象徴する『しかみ像』は存在しなくなった。


但是在静子等人的努力下,由于没有遭受重大失败,代表家康人物形象的"Shikami像"已不再存在。


「静子殿、此度の御恩は必ずやお返しいたしましょう。ご要望があれば何なりとお申し付け下さい」


「静子殿,我们一定会回报您的恩情。如果您有任何需求,请随时告诉我们。」


「はっ、過分なお言葉有り難き幸せ。さにあらば、早速で申し訳ございませぬが、一つお願いがございます」


"啊,这些过分的夸奖让我非常感激和幸福。如果可能的话,我有一个请求,抱歉要立即提出。"


「何なりと」


"何なりと" translated to Simplified Chinese is "(任何)都可以".


静子の返答に家康はにこやかな笑みを浮かべる。


静子的回答让家康露出了微笑。


「では……此度のいくさで亡くなった者を弔いたく思います。そのため、三方ヶ原台地にて、死者を弔う許可を頂きたく思います」


“因此次战斗中去世的人员,我想要为其祈福。所以我想在三方原台地请求批准祭奠死者。”


「はて、亡くなった者は運び込まれたと聞いておりますが」


“啊,我听说已经把去世的人运进去了。”


織田・徳川連合軍の死傷者は少ない。その上、死者は後に弔われるために陣へと運び込まれていた。


织田·德川联合军的伤亡人数很少。此外,死者被运到阵地上悼念。


死者は纏めて荼毘に付されたあと、遺髪や遺品の形で国許へと帰り、身内によって手厚く弔われる。一体誰を弔うつもりなのか分からず家康は首を傾げた。


死者被一起火化后,遗留下的头发和遗物被带回国内,得到亲人的慰问。家康不知道要悼念谁,摇了摇头。


それは徳川家家臣たちも同様で、静子の弔う相手が誰か分からなかった。


这也是德川家的家臣们一样,不知道静子要哀悼的对象是谁。


「此度のいくさは我が方の損害軽微にて勝利を収めました。しかし戦場で散った者は多く、今もその亡骸(なきがら)を野に晒しております。我らも兵を失いましたが、武田の失った兵は我らの比ではありません」


"我们在此次战役中轻松取得胜利,我方的损失很小。然而,很多人在战场上牺牲了,他们的遗体还在野外暴露。我们也失去了士兵,但与武田失去的士兵相比,我们的损失微不足道。"


多くの死体が野晒しとなり腐敗すれば、腐食性の動物たちが疫病を媒介して周辺一帯が汚染される。それを避けるためにも、死者の埋葬がどうしても必要だと静子は考えていた。


许多尸体暴露在野外并腐烂时,具有腐蚀性的动物将通过传播疾病使整个地区受到污染。出于这个原因,静子认为埋葬死亡者是必要的。


「無論、徳川様と武田との間に、容易には拭えない確執があるのは理解しております。ゆえに無理強いするつもりはなく、受け入れられねば諦める所存です」


“无论如何,我理解德川和武田之间存在不易消弭的矛盾。因此,我并不打算强迫对方接受,若无法被接受,我会放弃。”


そう言って静子は家康へと目を向けた。彼女の視界には目頭を押さえて嗚咽する家康の姿が映っていた。


这时静子转向家康。她眼中的画面是哭泣的家康,用手按住眼角。


家康だけではない。徳川家家臣や、織田家側の武将たちですら涙を滲ませていた。


不仅仅是家康,连德川家臣和織田家方的武将们也流下了泪水。


泣くほど強い確執があるのなら、石灰処理とかで何とかするかと考えた矢先、決然と顔を上げた家康が声を張った。


如果存在强烈的矛盾,让我们考虑使用石灰处理等方法来解决。但就在这时,家康毫不犹豫地挺直了身子,大声说道。


「聞いたか皆の者! 身勝手に攻め入った者たちへも慈悲を垂れるとは…… まことに静子殿は情け深い。わしは心の底より感動し、己の狭量さを恥じておる」


“听着,大家!静子大人竟然对那些自私进攻的人也施以怜悯……实在是心慈手软。我由衷地感到感动,也感到自己的狭隘可悔。”


「え、あの、ちょっとお待ち下さい。何か盛大にズレている気が……」


“哎,稍等一下。我感觉有什么地方严重偏差了……”


「我らとてひとたび命が下れば、どこへでも馳せ参じてその命を散らすのだ。武田にも若者がいたであろう、帰りを待つ妻子がいたやも知れぬ。彼らの姿はいつの日かの我らの姿でもあるのだ、勝利した我らが弔わずして誰が彼らを弔うと言うのか。皆も積年の恨みはあろう、しかし死ねば即ち皆仏よ。見事戦い散っていった武田家の者たちを丁重に弔おうではないか」


「一旦我们的命运注定,便奔赴任何地方为其献上生命。武田家族中也许有年轻人,可能还有等待其归来的妻子儿女。他们的景象也是我们未来的景象,如果我们获胜却没有为他们哀悼,那又有谁会代替我们哀悼呢?我们都可能心怀恩怨已久,但死后我们都是一样平凡的生灵。让我们恭敬地哀悼那些英勇战争中献出生命的武田家族人吧。」


現在の三方ヶ原は至る所に死体が転がり、まさに屍山血河の様相を呈している。


现在的三方原到处都是尸体,完全呈现出了尸山血河的景象。


静子は衛生面の観点から、寒さで死体が腐敗しにくい今のうちに埋葬したいと提言したが、家康には違った受け止められ方をしてしまった。


静子从卫生角度考虑,建议趁着现在气温寒冷尽快埋葬尸体,以免发生腐败。但是,这一建议被家康误解了。


「(今更違うとは言えないよね)それで、あの……埋葬してもよろしいでしょうか?」


“(现在说不是不一样了吧)那么,那个……可以进行埋葬吗?”


「勿論ですとも。我らもお手伝いいたしますゆえ、何なりとお命じ下さい」


当然可以。我们也会帮忙,请随意吩咐。


「格別のご配慮、ありがとうございます」


「格外的关照,非常感谢。」


余計な事を言って藪を突くよりも、誤解があってもそのまま進めた方が得策だ。そう考えた静子は誤解を解消することなく、話を纏めにかかった。


与其多嘴插一嘴,引起不必要的麻烦,不如保持现状,即便存在误解也应该继续前进。静子这样想着,决定不去解除误解,而是开始总结谈话。


幸い家康は勝利に酔っており、静子の思惑に気付くことなく話を進め、頃合いを見計らって家康の宣言と共に勝利の宴会は開始された。


幸运的是,家康沉醉在胜利中,没有意识到静子的谋划,继续进行谈话,等到时机成熟,他宣布胜利宴会开始了。


宴会は短時間で終わりを告げた。


宴会在短时间内结束了。


何しろ静子が大量の清酒を供出したため、清酒を口にする機会が少ない徳川家家臣が先を争うようにして痛飲し、爽やかな飲み口とは裏腹に強い酒精に酔い潰れてしまったからだ。


因为静子提供了大量清酒,德川家的家臣们很少有口福,于是他们争先恐后地痛饮,尽管清酒口感爽口,但强烈的酒精让他们陷入了醉态。


忠勝などは静子自らが杯に酒を注ぐと、そのまま一息に呷ってすぐさま酔い潰れてしまった。


忠胜等人看着静子亲自斟酒到杯中,然后一口气喝下去,很快就喝醉了。


目の前で倒れた忠勝に慌てた静子だが、半蔵と康政が彼女を手で制し、忠勝を文字通り宴会場から引きずって控えの間へと叩き込んでいた。


眼前的忠勝倒地讓靜子感到驚慌,但半蔵和康政制止了她,用手將忠勝從宴會場拖到備用室。


夢見心地で何やら呟いている忠勝を生ごみでも見る目で運んだ二人は、控えの間への襖を開け放つと廊下から忠勝を放り投げた。


两个人将满脸迷惘的忠勝像处理蔬菜一样拎了起来,然后把他扔进了走廊,推开隔间的门,将他扔了进去。


柱にでもぶつかったのかごちんと派手な音がしたが、忠勝はご機嫌な表情を浮かべていたので、静かに襖を閉めて封印した。


撞到柱子发出了哐当一声,但忠勝面带微笑,安静地关闭了门。


忠勝だけではなく、他の者も次々と酔い潰れて運び出され、宴会はなし崩し的に終了した。


不仅忠胜,其他人也接二连三地喝醉了,被抬出去,宴会就这样不欢而散了。


無論、静子は一滴たりとも酒を口にせず、徳川家家臣からも酒を勧められないよう、足満と才蔵と竹中半兵衛と柴田と光秀が代わる代わる鉄壁の防御で封殺した。


无论如何,静子从未喝过一滴酒。为了防止德川家的家臣们劝她喝酒,足满、才藏、竹中半兵卫、柴田和光秀轮流采取铁壁般的防御,一直压制住了他们的请求。


「ふぅ、終わった」


“呼,结束了。”


夜風にあたりながら静子は呟く。酒を飲んだ訳ではないが、雰囲気で酔った気分になっていたので、こうして夜風にあたって気分を覚ましていた。


静子站在夜风中低语。虽然她并没有喝酒,但是被氛围所沉醉,感到有些醉意。因此她站在夜风中,让自己清醒过来。


「こちらが終わった事で、今度はお館様が長島一向衆を攻める事になるね」


“现在这件事情结束了,接下来就轮到主人攻击长岛一向宗了。”


武田と織田・徳川連合軍が戦い、これに勝利した時、静子の最後の作戦が発動する。


当武田和织田·德川联军交战并取得胜利时,静子的最后一项计划将启动。


それは武田の敗北を知って周囲が混乱から立ち直る前に、長島を攻めて彼らを追い払う作戦だ。


这是在周围混乱平息前就攻打长岛,将他们赶走的作战,以便利用武田的失败。


史実では何万人も殺されたと言われる長島への苛烈な攻めだが、静子の作戦は手早く、しかし確実に攻めて短期で決着をつける作戦だ。


据史实报道,攻打长岛造成数万人死亡,但静子采取了迅速而确实的攻击策略,在短期内结束战斗的计划。


そのための下準備を一年かけてやったのだ。武田とのいくさが成功した以上、長島も成功する確率は非常に高い。


为此做了一年的准备。既然与武田的战斗获得了成功,长岛也成 功的几率非常高。


万が一の事も考えられるが、それは静子ではどうしようもない。


也许会考虑到万一的事情,但静子是无能为力的。


「明日から織田軍の殆どが移動するね。私は残って遠江の武田軍追い出しに協力するけども」


“明天开始,大部分織田军队都将转移。我会留下来协助驱逐远江的武田军队,但是。”


織田軍は明日から複数に分かれて活動する。大半の武将は長島でのいくさへ参戦するが、静子や才蔵、長可たちは遠江の城に居座る武田軍を追い払う仕事を徳川軍と共同で行う。


織田军将从明天开始分为多支小队活动。大部分武将将参加长岛的战斗,而静子、才藏和长可等人将与德川军队合作,驱逐驻守在远江城的武田军队。


慶次は疲れたと語っていたので、長島攻めには参戦せず帰国する。高虎は一番多く黒鍬衆を抱えているので、三方ヶ原台地での埋葬作業に従事する事となった。


庆次说他很累,所以不参加长岛攻击,回国了。高虎拥有最多的黑骨衆,因此被指派参与在三方原台地的埋葬工作中。


静子肝いりの鉄砲衆は他の家臣たちと同じく長島へ向かい、信長直轄部隊として動く事になる。


静子的铁炮手和其他家臣一样前往长岛,并成为信长的直接指挥队伍。


予想では信長が準備を終えて長島に着陣するのと、鉄砲衆や武将たちが信忠と合流して長島に到着するのはほぼ同時の二十四日か二十五日になる。


预计信长将在二十四或二十五日抵达长岛,并与铁炮手和武将信忠会合。


正月までの日数は少ないが、半数ぐらいの砦を落とせれば御の字だと静子は考えていた。


正月不远了,静子认为只要攻占大约一半的砦,就足够了。


だが静子の予想は大きく裏切られる事になる。その事を彼女が知るのは全てが終わった後だった。


但是静子的预料被大大地打破了。她得知这一切是在一切结束后。


「あーやめやめ、余計な事を考えても仕方ない。ほら、寝るぞー」


"啊,别想了,考虑太多也没有用。快,去睡觉吧。"


傍にいるヴィットマンたちに声をかけると、彼らは尻尾を振って集まってきた。静子はヴィットマンファミリーにぐるりと囲まれて眠りにつく。


当她喊叫威特曼一家人时,他们摇着尾巴聚集在一起。静子被威特曼一家人包围着入睡了。


翌朝、静子を起こしにきた徳川の小姓が、その光景を見て腰を抜かしたのは語るまでもない。


第二天早上,前来叫醒静子的德川家臣看到这一幕后,不用说也知道他吓得腰酸了。


武田の敗北と信玄の訃報。信忠や信長に届くと同時に、反織田連合陣営、そして中立を保っていた者たちにも、その報せは届き始めていた。


武田的失败和信玄的讣告。消息传到了信忠和信长,同时也开始传达给反织田联盟和一直保持中立的人们。


報せを受けた朝倉はすぐさま帰国した。冬が深まり積雪で行軍が遅れるというのが理由だが、誰が見ても武田の敗北を受けて反織田連合からのいち早い離反にしか見えなかった。


接到消息后,朝倉立即返回国内。尽管由于冬季加深而导致行军耽搁,但任何人都可以看出,这只是武田战败后对織田反联盟的迅速脱离。


浅井は主だった家臣ですら浮足立ち、中には織田へと内通する者も出始めた。重臣たちがそのような様子であるため、兵たちもまた保身から逃亡を図った。


浅井是主要的家臣,甚至包括一些高级家臣也开始不安,甚至出现了与織田通敌的人。由于重要家臣们这样的态度,士兵们也试图逃跑以保全自己。


小谷城に残された兵は、傷病者や逃げ切れる余裕のない者たちばかりとなった。城に対して防衛に回れる兵が少なくなったため、いくつかの防衛施設は放棄された。


留在小谷城的士兵,全都是受伤或无法逃脱的人。由于城内可用于防御的兵力减少,一些防御设施被放弃了。


その他の反織田連合へ参加した小国の国人たちも、対応は似たり寄ったりだった。


其他加入了反織田联盟的小国国士们的对策也差不多。


本願寺たち寺社勢力も衝撃を受けた。快進撃を続けていた武田軍が徐々に負けたのではなく、たった一度のいくさで完膚なきまで敗北したのだ。


本愿寺和其他寺社势力也受到了冲击。不是武田军队逐渐失败,而是他们在一次战斗中完全失败了。


石山本願寺にいる顕如は、伝令の報告を理解できなかった。下間頼廉も同様で、何がどういう理由で武田が敗れたか、糸口すら掴めなかった。


石山本愿寺的顕如听了传令的报告后并没有理解。下间依然也一样,他们甚至无法把握究竟是什么原因导致了武田的失败。


だが状況を理解するにつれて、彼らは今の状態で織田と戦うのは得策ではないと考え、門を堅く閉ざして籠城に徹し、各地に間者を放って情報収集を手配した。


然而,随着他们理解情况,他们认为在当前状态下与织田交战并不划算,因此他们紧闭城门,坚守籍城,并派出间谍在各个地方进行情报收集。


門を閉ざす事自体が大きな問題になるとも知らずに。


关闭门本身就已经成为一个大问题,但他并不知道。


将軍義昭など最初は報告が信じられず、伝令を大声で罵倒して追い払うほどだった。


最初时,将军义昭等人的报告不被信任,传令者被大声斥责并赶走。


しかし、周囲の反応から伝令の報告が事実だと悟ると、急に弱腰になり、頭を抱えて怯えてばかりとなる。その情けない姿に、将軍に付き従って織田へ反逆した家臣たちも呆れ果てた。


然而,一旦从周围的反应中意识到了信使的报告是事实,他们就会突然变得软弱无力,捂着头害怕不安。这种可悲的表现让曾经跟随将军叛变并前往织田家的家臣们也感到震惊和失望。


織田に敵対した者たちの動揺は凄まじかった。それほどに武田信玄が敗北したという事実は重い。


织田敌对者的动荡非常剧烈。武田信玄的失利如此严重。


対して信長はこの勢いを最大限利用して、長島から一向宗を駆逐する気でいた。


对此,信长打算充分利用这股势头,有意将一向宗从长岛驱逐出去。


のどに閊(つか)える魚の小骨の如く、鬱陶しい存在の一向宗を確実に駆逐するには、今が好機だったのだ。


正如喉咙里卡住的小鱼骨一样,现在正是确保彻底驱逐令人烦恼的一向宗的好时机。


朝倉が帰国した事で西側の防衛網に余裕が持てた信長は、早速兵を連れて長島へと向かう。時を同じくして、浜松城より出陣した織田軍は信忠と合流して長島を目指した。


随着朝仓回国,信长得以在西方防线上松了口气,便立即率军前往长岛。与此同时,从浜松城出发的織田军队与信忠会合,一同朝着长岛进发。


二十四日の早朝に信長本軍、信忠の二軍、合計で五万の軍勢が長島に集結する。小木江城で軍議を行った後、昼前から複数の軍に分かれて侵攻する事が決定した。


24日清晨,信长本军、信忠的二军共计五万军队集结在长岛。在小木江城进行军事会议后,决定在中午前分成多支军队进行进攻。


桑名方面から支援されるのを阻止するため、滝川や九鬼水軍が到着次第、海上封鎖を行う。


为阻止从桑名方向提供支援,一旦滝川或九鬼水军到达,将进行海上封锁。


こうして各自の行動が確定した後、それぞれが進軍のための作業を開始する。


在每个人的行动确定后,每个人都开始进行前进的工作。


何においても新式銃の弾薬製造が急務だった。この新式銃が大量投入出来るか否かで、戦況が大きく異なるからだ。


无论何时,新型枪支弹药的制造都是紧急任务。这是因为新型枪支是否能够大量投入,将直接影响战局的不同。


しかし材料はあっても雷管を作るのは、通常の紙薬包よりも遥かに時間がかかる。そのため、合戦開始日は新式銃の大量投入を見送った。それでも織田軍の快進撃は止まらなかった。


然而,即使有材料,制作引信比通常的纸药包需要花费更长的时间。因此,战斗开始日期推迟了新型枪械的大规模投入。但是,织田军队的快速攻势并没有停止。


「奇妙様、一ノ江砦を陥落させ、続いて鯏浦砦へ進軍中との事」


“据传奇妙大人已攻陷了一之江城,并正在向鲹浦城进军。”


「明智様が大湊の会合衆に願証寺へ肩入れせぬ、との確約を取り付けたとの事」


"明智先生已经得到大湊集团的确认,他不支持将願証寺卷入其中的确切承诺。"


「柴田様が香取砦を陥落させ、願証寺へ進軍中との事」


「据说柴田大人攻下了香取城,正在向願証寺前进。」


「九鬼様の船団が到着。明日より海上封鎖に参加出来るとの事」


「九鬼船团已到达。据说明天可以参加海上封锁。」


信長の前に次々と報告書が置かれる。そのどれもが信長を満足させるものであり、長島一向宗が一方的に敗北している事を示唆する内容だった。


信长面前摆放着一份份报告书,每一份都满足了信长的要求,内容表明长岛一向宗已经惨遭失败。


それも無理はない。どれほど強固な扉を作ろうとも、一本の炸裂筒が刺されば木っ端微塵に吹き飛ぶ。虎の子の火縄銃を出そうとも、撃つ前に織田方の新式銃で薙ぎ払われる。


这也是无法避免的。无论制作多坚固的门,只要被一根爆炸筒刺中,就会被炸成碎片。即使使用珍贵的火绳枪,也会在开火之前被织田方的新式枪所消灭。


長島一向衆に最初から勝ち目などなかった。織田・徳川連合軍と武田とはいくさだったが、信長と長島一向衆とではいくさにならない。


长岛一向众从一开始就没有胜算。虽然织田·德川联合军和武田发生了战争,但是与信长和长岛一向众不同,他们不会打仗。


強者が弱者を力づくで狩る、一方的な蹂躙(ワンサイドゲーム)だった。


强者以武力狩猎弱者,这是一场单方面的践踏。


「胸のすくような報告ばかりじゃ。砦攻めを行っている武将たちに命じろ。敵はなるべく生き残らせておけとな。連中が味方に我々の強さと恐ろしさを喧伝してくれようぞ」


"不要只报告好消息。命令正在攻击城寨的将领。让敌人尽可能地存活下来,让他们向我们的盟友宣传我们的力量和可怕。"


信長の命令はすぐさま各武将に伝えられる。徹底的に痛めつけるのではなく、ある程度生き残らせておき、逃げた敵が逃げた先で織田の恐ろしさを味方に語るようにする。


信长的命令立即传达给各武将。不是彻底折磨敌人,而是在一定程度上留他们一条生路,让逃脱的敌人在别处讲述织田势力的可怕。


武田が徳川を攻める時に使った手法を信長は真似た。効果は予想以上だった。武田が織田に負けた事と、一日で砦が落ちた事、それが砦を守る者にとって想像以上に恐怖となった。


武田攻击德川使用的战略,信长效仿之。效果超出预期。武田输给织田这件事,以及瞬间攻克的城寨,给守城者带来的恐惧超出想象。


砦が一日で落ちる、それは後詰めを頼んでも間に合わない事を意味する。砦を守る者たちにとって、これほどの恐怖はない。


“堡垒一天之内失守,这意味着无论再怎样增援也无法及时赶到。对于守卫堡垒的人来说,没有比这更可怕的事情了。”


絶対に勝てないと悟った輪中(わじゅう)の外側にある砦は、家族たちの助命を条件に降伏を申し出た。


绝对无法获胜的轮中外围的堡垒意识到这点,出于保护家人的考虑主动投降了。


信長は武装解除と長島より去り、寄り道せず石山本願寺へ向かう事を条件に加え、彼らの降伏を受け入れた。


信长武装解除后离开长岛,前往石山本愿寺,他们接受条件并投降,但不经过任何寄道。


無論、少しでも不審な動きをすれば、その場で根切り(一族郎党皆殺し)するという脅しも伝えた。


无论如何,只要有任何可疑的行动,就会立即进行根除(全部杀掉),传达这样的威胁。


四方八方から織田軍の猛攻に晒された願証寺も、僅か半日で陥落した。ここは最後まで抵抗が激しかったが、織田側の損害は殆どなく、大半が一向宗の死体だった。


願証寺从四面八方遭受織田军的猛攻,仅仅半天就被攻陷了。这里一直以来都进行激烈的抵抗,但織田军几乎没有损失,死去的大部分都是一向宗信徒的尸体。


こうして、僅か数日で輪中にある長島・屋長島・中江・篠橋・大鳥居の五城を残して他は全て陥落した。


就这样,在短短的数天之内,只剩下长岛、屋长岛、中江、篠桥、大鸟居这五个城池未被攻陷。


「明日から鉄砲衆が最前線に立つ。まずは篠橋城と大鳥居城じゃ」


"明天开始铁炮手将站在最前线。首先攻打篠桥城和大鸟居城。"


今まで砦だったために手早く攻め滅ぼせたが、次からは城攻めとなる。敵も必死になって守るため、今までよりも厳しい戦いになると誰もが予想した。


由于以前它是一个堡垒,所以很快被攻破了,但是下一步将变成攻城战。所有人都预计,由于敌人会为了保卫而拼命抵抗,所以战斗比以前更加艰苦。


「そう気構えるな。もはや長島は陥落手前だ。力みすぎて空回りせぬように」


“别这么想。长岛已经接近失败了。别过度紧张以免徒劳无功。”


佐久間や柴田が大鳥居城、津田信広や丹羽長秀が篠橋城を担当し、残りは周囲を牽制しつつ信長本陣が長島城を攻略する運びとなった。


佐久间与柴田负责攻打大鸟居城,津田信广和丹波长秀负责攻打篠桥城,剩下的人则在周围阻击敌人,让信长可以攻陷长岛城。


竹中半兵衛や彼が連れてきた兵たちは、近江長浜に置かれた秀吉の許へと戻った。光秀も大湊の会合衆を調略後、京での任務のために京へと戻っていった。


竹中半兵卫和他带来的士兵们回到了被放置在近江长滨的秀吉那里。在大港的会合人中鸠占鹊巢后,光秀也返回了京都,开始了他的任务。


他勢力への牽制を兼ねた布陣だが、牽制などする必要もなかった。誰一人として手薄となった京を突こうとはせず、信長の快進撃を聞く度に戦々恐々としているだけであった。


这是一种既有牵制力量的阵势,但实际上并不需要进行任何牵制。没有人试图攻击京城的防守,因此每次听到信长的战绩都只能战战兢兢。


秀吉軍や明智軍が抜けて兵数が少し減りはしたものの、織田軍の猛攻は止まる事はなく、逆に勢いが増すばかりだった。


丰臣军和明智军虽然撤退导致士兵数量减少了一些,但是织田军的猛攻势头不减反增,没有停止的迹象。


「お館様! 長島城前にて根来衆と雑賀衆の鉄砲隊が布陣しているのを確認! その数、2000ほどかと!」


“庄主!在长岛城前确认根来衆和雑贺衆的火枪队已经布阵!数量大约2000人!”


押付砦と殿名砦のある場所に布陣した信長の許へ、長島城前にて鉄砲衆が勢揃いしているとの報告が届く。新式銃を使う織田の鉄砲衆は、本陣には300ほどしか配されていない。


在压付寨和殿名寨附近布置的信长那里,有报告称在长岛城前齐聚了火枪手。織田家使用新式枪械的火枪手只有约300人,但已经被派往主阵地了。


静子の鉄砲衆は総勢で1000ほどしかいないため、2000という数は脅威に思えた。


由于靜子的火枪手只有大约1000人,所以2000的数字看起来很威胁。


「お館様! 他の隊に分散させた鉄砲衆を引き戻すべきです!」


"堂上大人!应该召回分散到其他队伍的火枪手!"


「要らぬ。300で問題ない」


"不需要。300元没问题。"


進言する家臣の言葉を信長は一蹴する。唖然とする家臣を無視して、信長は鉄砲衆を率いている玄朗を呼ぶ。


信长不理睬那些惊愕的臣子,马上召唤率领枪炮手的玄朗前来。


「敵は2000で待ち構えている。貴様は300の鉄砲衆を率い、見事蹴散らしてこい」


“敌人已经准备好了两千人。你要率领三百名火枪手,打败他们。”


「2000ですか。ちと物足りませぬな」


"2000年吗?有点不够满足"


「はっはっはっ、よう言うたわ!」


“哈哈哈,你说得好!”


信長の命令に対して玄朗はニヤリと笑うと、簡単すぎてつまらないと言外に語った。それを聞いた信長は上機嫌で笑った。


对于信长的命令,玄朗咧嘴一笑,暗示着它太简单、太无聊了。信长笑容满面地听到这个回答。


「それではしばしお待ち下さいませ。一刻もあれば決着はつきましょうぞ」


"请稍等片刻。让我们尽快做出决定吧。"


「半刻で終わらせろ」


"半刻结束"


「わかり申した。四半刻で終わらせます」


“我明白了,四分之一小时内完成。”


事情を知らない人間からすれば、信長と玄朗の会話は滅茶苦茶な内容だった。だがそれが嘘偽りやハッタリでない事を、彼らは四半刻後に知る。


对于不知情的人来说,信长和玄朗的对话是非常混乱的。但他们将在四十五分钟后知道这并不是谎言或虚张声势。


「皆の者、我らは根来衆と雑賀衆を蹴散らす役目を仰せつかった。何、四半刻もあれば十分だ。さっさと終わらせて、我らの力を知らしめようぞ!」


“大家,我们被赋予了驱赶根来族和杂贺族的任务。四十五分钟足够了。赶紧完成,让他们见识一下我们的力量!”


「おおっ!!」


"哦!"


玄朗は鉄砲衆を鼓舞すると、根来衆と雑賀衆が布陣している場所へ移動する。到着後、対岸に根来衆と雑賀衆がひしめき合っているのが見えた。


玄朗鼓励火枪手,然后移动到根来和雑贺部队的布阵地。到达后,可以看到根来和雑贺部队在对岸拥挤并列。


川の幅が一番狭いところから渡河進軍するとみて、織田軍が上陸する前に鉄砲で殲滅する作戦だと玄朗は考えた。


从河流最狭窄的地方渡河进军,并在织田军上岸之前用火枪消灭他们,这是玄朗考虑的战略。


「おそらく他から上陸しようとしても、渡河そのものが難しい。そして監視の兵を置いているじゃろうから、すぐに見つかって弾の雨に晒されるであろう。であればやることは一つじゃ」


“很可能从其他地方登陆也很困难,因为渡河本身就很难。而且因为很可能有监视士兵,很快就会被发现并暴露于子弹风暴之下。那么现在只有一件事可做。”


「玄朗殿、距離は250から300メートルの間との事。十分射程内です」


“玄朗殿,据说距离在250到300米之间。射程完全覆盖。”


「よし、斉射じゃ!」


“好,齐射!”


玄朗の号令とともに新式銃から弾が発射される。川の向こう側にいる根来衆と雑賀衆が倒れていくが、玄朗は気にせず制圧射撃を続ける。


随着玄朗的号令,从新式枪中发射出弹药。根来家和雑贺家的人在河的对面倒下,但玄朗毫不在意,继续进行压制射击。


20分と経たない内に決着はついた。根来衆と雑賀衆の死者合わせて700ほど、負傷者数は1000以上にもなろうか。対して玄朗の鉄砲衆は死者ゼロ、負傷者ゼロだ。


不到20分钟内,决定已经做出。根据和杂贺组的死亡人数合计约700人,受伤人数可能超过1,000人。另一方面,玄朗的枪手们没有死亡或受伤。


この結果となるのも当然だ。根来衆と雑賀衆は弾が届かないのに対して、新式銃は余裕で殺傷圏内である。


这个结果是很自然的。根据农民暴动和杂贺球队,弹药无法达到目标,相反新式枪支可以轻松杀死敌人。


300以上の距離で射撃訓練がほぼないので、弾の命中率は悪かった、そこは発射数でカバーした。


由于在300米以上的距离几乎没有射击训练,子弹的命中率很低,但是可以通过大量的发射来弥补这一点。


命中率は低くとも圧勝である。誰が見ても、どのように言い訳を並べようが、戦国時代において鉄砲名手の名をほしいままにした雑賀衆と根来衆が駆逐された事に変わりはない。


即使命中率低,也算轻松地获胜了。无论谁看到这个情况,无论怎样辩解,都无法改变雑贺集团和根来集团在战国时代成为枪名手的事实。他们已经被驱逐了。


「流石じゃ」


"流石じゃ" in Simplified Chinese is "真不错".


30分後、玄朗の許へ来た信長は、向こう岸の惨状を見て満足げに頷いた。


30分钟后,信长来到玄朗那里,他看着对岸惨状满意地点了点头。


織田軍は破竹の快進撃を続けていた。信長は長島を攻める部隊を減らし、長島に協力的だった豪族たちに飴と鞭を使い、次々と調略していった。


織田军一路高歌猛进。信长撤走了攻打长岛的队伍并利用甜言蜜语和威胁手段收买持于长岛协力的贵族们。


長島との関係を断つなら、これまでの事は水に流そう。しかし、あくまでも長島に協力するのならば、草の根を分けてでも探し出し、根切りに処す。


如果与长岛断绝关系,就让过去的事情消失吧。但是,如果要继续与长岛合作,即使要分裂草根也要找出它并予以铲除。


信長の言い分はこれに尽きた。関係を断つならば寛容な態度で対応しよう、しかしなおも長島へ協力するならば根絶やしにする。これほど分かりやすい内容はなかった。


信长的说法就是这样了。如果要断绝关系,就以宽容的态度对待,但如果仍然与长岛合作,那么就要完全铲除。这是如此明确易懂的内容。


殆どの豪族は信長に服従した。一部反逆した豪族もいたが、一日と経たずに根切りとされた。


大部分豪族顺从信长。有些豪族反叛,但很快就被铲除。


二十九日明け方、最後の抵抗と言わんばかりに下間(しもつま) 頼旦(らいたん)を初めとする、長島の一向宗を指揮してきた者と精鋭兵1000が信長本陣に特攻を仕掛けた。


二十九日凌晨,下间依赖旦率领长岛的一向宗人士和精锐士兵一千人,似乎在最后的抵抗中,向信长的大本营发起了自杀式的攻击。


だが信長の本陣に届く前に、下間頼旦以下多くの指揮官が撃ち殺されるという結果に終わった。


但是,在到达信长的主营之前,许多指挥官,包括下间依旦在内,都被击毙,这是最终的结果。


この結果を知り、全てに絶望した願証寺五世の顕忍(証意の嫡子)は、木曽川に身を投げて自殺した。


得知这个结果后,願證寺五世顯忍(證意之繼承者)感到绝望,选择跳进木曾川自杀。


これ以上の抵抗は不可能と判断した長島側は、信長に全員の助命を条件に開城を願い出た。


长岛方面判断进一步抵抗不可能,请求信长条件是全员被赦免并开放城门。


対して信長は武装解除、不必要な財の持ち出し禁止、こちらの指示に従って長島を退去し石山本願寺へ寄り道せず向かう事を条件に、降伏を受け入れると返事する。


对此,信长解除武装,禁止携带不必要的财物,接受投降并同意退回长岛并前往石山本愿寺,条件是必须遵循我们的指示,不得延误。


少し時間がかかったが長島側は信長の提示した条件を受け入れ、屋長島と中江の二城に対して抵抗を止めて信長の指示に従うよう命じた。


虽然花费了些时间,但长岛方面接受了信长提出的条件,并命令停止对屋长岛和中江两城的抵抗,听从信长的指示。


二十九日の昼から、各城に籠もっていた兵や一般人が、織田兵に監視されながら城を出て行く。


从29日中午开始,各城里被困的士兵和平民在被織田军监视下离开城池。


信長は退去がすんだ城や砦を検査する。どこかに財産や武器を隠していないかを調べた。


信长检查了已经被清空的城堡和要塞,查看是否有隐藏财产或武器的地方。


結果は信長の予想通りだった。長島城を始め、多くの城や砦に金銀や金子が隠されていた。


结果正如信长所预料的那样。从长岛城开始,许多城堡和堡垒中隐藏着金银和金子。


金銀や金子を隠して残す理由、それは彼らが後に砦や城を奪いにくる気だからだ。つまり彼らの降伏はこの場を乗り切るポーズに過ぎない、と信長は理解した。


金银或金子藏起来留下的理由是因为他们打算随后攻打堡垒或城池。也就是说,信长理解他们的投降只是为了应付眼前的局面。


内心怒りに震える信長は、兵を使ってそれらを無造作に運び出して山のように積む。積み終えると、信長は長島一向一揆に参戦した武将たちを集めた。


内心愤怒的信长动用兵力将它们随意运送并像山一样堆积。堆好后,信长召集参加长岛一向一揆的武将们。


「何だこれは」


"这是什么东西"


金銀や金子を前に、信長は自軍の武将たちに質問を投げた。返答は期待していないのか、それとも元々聞くつもりもなかったのか、信長は武将たちの驚きを無視して言葉を続ける。


站在黄金和白银以及黄金小宝石面前,信长问了他的将士。他似乎并没有期待答案,或者根本没有打算要听,无视了下属们惊异的表情,继续说着话。


「仏に仕える身でありながら俗世に関わり、あまつさえ不必要に財を蓄える。民の信心を利用して手先としながら、自分たちは妻子を持ち贅沢な暮らしをする。そんな奴らが仏の名を語るというのか!」


“虽然是侍奉佛陀的人,却涉足尘世,还过着不必要地积蓄财富的生活。他们利用民众的信仰,却自己过着奢侈的生活,拥有妻儿。这样的人也敢谈论佛陀的名号!”


積もった金銀を信長は蹴り飛ばす。一部が崩れてあちこちに金や銀が転がるが、誰一人としてそちらに視線を向けなかった。みな信長の放つ怒気にあてられ身動きできずにいた。


积攒的金银被信长一脚踢飞。一部分倒塌,金银滚落到各处,但没有人注视着它们。所有人都受到信长怒气的影响而无法动弹。


「何が仏の加護だ。結局、奴らは仏ではなく己が大事なだけだ。醜き奴らめ、虫ずが走るわ!」


"什么是佛祖的庇佑。归根结底,他们只顾自己,而不是佛教。这些丑陋的人啊,像虫子一样爬行!"


怒りをはき出すように、信長は盛大にため息を吐く。幾分落ち着いた信長は、武将たちに視線を向けながら言葉を続けた。


发泄着怒气,信长大声叹息。稍微平静了一下,信长继续对着武将们说话,同时注视着他们。


「わしは軍に乱取りを禁止しておる。それは何故か。民から生きる糧を奪えば、民はわしらのために働かなくなる。民の気持ちが離れれば、国はあれよあれよという間に傾く。じゃから乱取りは禁じた。だが此度だけは許そう!」


「我禁止军队进行乱取。为什么呢?因为如果从民众手中夺取生计,民众就不会再为我们工作。如果人心离散,国家会迅速崩溃。所以,我禁止抢夺。但是这次例外!」


「おおおおっ!!」


"哦哦哦!"


乱取り解禁の命に足軽たちが声を上げて喜ぶ。武将たちも兵たちの良き憂さ晴らしになると思い、信長の乱取り解禁を喜んだ。


解禁乱取使足轻们高声欢呼。武将们也认为这是士兵的疏解良机,因此高兴地欢呼着信长解禁乱取。


「仏の財ならば、わしも乱取りを禁じよう。だが奴らが蓄えた財は、己のためだけじゃ。そんな連中から奪い尽くす事を躊躇うな! 根こそぎ奪い尽くせ!」


「如果是佛的财富,我也会禁止抢夺。但是他们蓄积的财富只为自己。不要犹豫地从这样的人那里夺取一切!彻底地抢光它们!」


乱取り解禁の大号令が発令された。その日から二日かけて、長島は隅から隅まで調べ尽くされた。


发布了解禁乱拿的大号令。从那一天开始,长岛被逐个地搜查了两天。


武器弾薬は勿論、金銀や大量の金子、そして保存食などがあちらこちらに隠されていた。


武器弹药当然是必须的,金银、大量的金子以及保存食品等藏在各处。


それら全てを足軽や雑兵たちが奪った。中には金塊をたんまり持ち帰る足軽や、正月を迎える前に家族へ良い土産が出来たとほくほく顔で喜ぶ雑兵もいた。


所有这些都被足轻和猎兵抢走了。有些足轻抢走了许多金块,还有些猎兵则带着令家人开心的礼物欢欣鼓舞地回家过年了。


史実で数万人が殺されたと言う長島での虐殺は起きなかったが、足軽や雑兵が財を奪い合う仁義なき戦いは繰り広げられた。


长岛所谓的屠杀,据史实没有造成数万人死亡,但是足轻和杂兵之间的无情抢夺战仍在继续。


そんな事が起きているとはつゆ知らず、浜松城にいた静子軍が尾張へと到着した。


静子的部队并不知道这些事情发生,她们到达了尾张。


遠江の武田軍追い出しは実にあっけなく終わった。間者を使って武田軍が負けた事を触れ回ると、それまで強気一辺倒だった武田軍は我先にと逃げ出した。


遠江的武田軍驅逐相當地無聊地結束了。利用密探傳播武田軍的失敗消息,原本一直自信滿滿的武田軍立刻紛紛逃走。


家康が優勢になった事で、武田の軍門に下った遠江の国人たちは、徳川へ鞍替えをした。中には手土産と言わんばかりに、甲斐へ撤退中の諏訪勝頼や高坂昌信を背後から襲った。


随着家康的优势,投降于武田的远江国民转而投靠德川。其中有些人甚至趁机袭击了正在撤退至甲斐的諏訪勝頼和高坂昌信。


しかし「逃げ弾正」の異名を持つ高坂昌信を前に遠江の国人たちは軽くあしらわれ、諏訪勝頼はたいした損害もなく甲斐への撤退に成功する。


然而,在被称为“逃弾正”的高坂昌信面前,远江的国人被轻易地处理了,諏訪勝頼也顺利撤退回甲斐,没有遭受重大损失。


「結局、無人の長島城を破壊するために使ったのね、最終兵器」


“结果,你用了最终兵器来摧毁无人的长岛城。”


屋敷に戻ってから長島の報告を受けた静子は、最終兵器がどのように使われたか知る。静子のいう最終兵器とは、アルミ粉末を使ったテルミット弾もどきの事だ。


回到府邸后,静子接到了长岛的报告,了解了最终武器的使用方法。静子所称的最终武器是指使用铝粉制成的铝热弹。


アルミ傘のアルミフレームを粉末にして処理し、いくつかの素材と混合し燃焼させるとテルミット反応を起こす。


将铝伞的铝框粉末化处理,与一些材料混合后燃烧,会导致热反应。


この時、反応の中心では摂氏3000度にも達する高温が生じ、輻射熱が周囲を襲う。


在这个时候,反应中心产生了高达摄氏3000度的高温,并放射热向周围袭来。


そうなると有効範囲内に居る人間は消える(・・・)。燃焼すら許されず即座に灰となり果てる。


那么,在有效范围内的人将消失......甚至不允许燃烧,立即成为灰烬。


運よく中心におらずとも半径数メートルは高温に晒されており、突如として火を噴いて燃え上がる。


即使幸运地不在中心位置,半径几米的区域也会暴露在高温中,并突然喷出火焰燃烧起来。


更にその外側に居ても熱された空気が肺を焼き、一呼吸で人を死に至らしめる危険極まりない兵器であった。


此外,那熱空氣仍在外側,可以成為一種極度危險的武器,只需一口氣就可能致命。


「まぁ当初の予定と違うけど、人に向けて撃ってなければ良いか」


“嗯,虽然与最初的计划不同,但只要没有对人使用就好。”


元々テルミット弾は石山本願寺の城門などに使い、抵抗は無駄だと悟らせるために使用する予定だった。


起初,铝热弹是打算用于石山本愿寺的城门等地方,旨在让对手认识到抵抗是无用的。


石造り城門が一瞬で融解(・・)すれば、籠城など無意味だと考えるかも、とも思っていた。


如果石造城门一瞬间融解,那么可能会认为守城无意义。


勿論、信長も単に使った訳ではない。長島城から出て行く一向宗に、テルミット弾の威力をしっかり目に焼き付けてから解放させた。


当然,信长并不是简单地利用了它。他让长岛城内的一向宗目睹了铝热弹的威力,然后才将其释放。


信長自身が吹聴するよりも、味方からの報告の方が何倍も恐怖を煽れる。長島一向宗との戦いで信長はそのことを学んだ。


"比起信长亲自宣扬,来自盟友的报告能够激起何倍的恐惧。在与长岛一向宗的战斗中,信长认识到了这一点。"


同時に静子が頑なに人へ向けては駄目、と言っていたテルミット弾の威力も認識した。


与此同时,他也认识到静子一直强调的,决不能对人使用的“铝热弹”的威力。


認識した上で後日、信長は静子にテルミット弾を封印するよう命じた。


认识到之后,信长命令静子封印了铝热弹。


「さて、新年明けて少ししたら新居に移動するから、荷物整理しないといけないのだけども……来年の事は来年頑張ろう」


"现在新的一年已经过去一段时间了,因为要搬到新家,所以必须整理行李......我们应该为明年而努力"


報告書を読み終えた静子は、報告書をテーブルに置くと床に転がる。近くにいたヴィットマンファミリーは静子が床に寝転ぶとさっと立ち、彼女の周りを陣取る。


读完报告书,静子把它放在桌子上,然后翻滚到地上。附近的威特曼一家看到静子倒在地上,立刻走过去占领她周围的位置。


静子が床に寝転ぶ、イコール仕事は終わった、と最近ヴィットマンたちは学んだ。だから静子が寝転ばないと、傍に陣取る事はない。


静子躺在床上,这意味着工作已经完成,维特曼最近学到了这一点。因此,如果静子没有躺下,他们就不会占领旁边的位置。


「ふあ〜あ、来年は気楽に過ごしたいなぁ。来年はいくさなんて忘れて、畑仕事をして過ごしたい」


「呼啊~明年想要轻松度过。明年要忘记战争,做农活过日子。」


毎年同じような事を年末に願っているが静子は忘れている。その願いが一度も叶ったためしがないことを。むしろ武田を倒した主役、という事で更に表舞台に立たなくてはならなくなった。


每年年底都会有同样的愿望,但静子却忘记了。她从未实现过这个愿望。相反,她成为了打败武田的主角,必须更加频繁地站在舞台上。


しかし、己の立場を意識しない静子はヴィットマンたちと呑気に眠りこけていた。


然而,没有意识到自己的立场,静子安然地和维特曼它们一起睡着了。


【GPT机翻】战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚)- 99 [千五百七十二年 十二月下旬]的评论 (共 条)

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