【日本小3道德】29#我的奶奶
僕のお婆ちゃん(我的奶奶)
作者:下地 芳子(しもじ よしこ)
「お婆ちゃん、本当に、僕の習字教室に来るの。」
(“奶奶真的要来我的习字教室吗?”)
「ええ、本気ですとも。この間、美術館で見たお習字、素晴らしかったわ。私も書いてみたくなりましたからね。」
(“是啊,我是认真的。之前,我在美术馆看到的习字非常漂亮。我也想写写看。”)
「もう、お母さん、何とか言ってよ。お婆ちゃんと一緒にお稽古なんて、かっこ悪くて嫌だからね。やめちゃうからね。」
(“真是的,妈妈,你也说点什么啊。和奶奶一起练习什么的,太丢脸了,我才不要。我不去了哦。”)
そんな治に、お母さんは、「何言ってるの。お習字に挑戦するお婆ちゃんは素敵よ。お婆ちゃんに比べたら、治のお習字何て、いい加減なものよ。」と言います。お父さんも、そばで頷いています。治は、何だか暗い気持ちになってきました。
(母亲对这样的治说道:“你说什么啊?挑战习字的奶奶很棒啊。比起奶奶,你的习字都是随随便便的吧。”父亲也在一旁点了点头。治感觉有些阴郁了起来。)
さて、次の日から大変なことになりました。お稽古に行って一生懸命なのはもちろん、お婆ちゃんは、朝五時に起きて朝ご飯までの二時間、十時からお昼ご飯の支度が出来るまでの時間、時間さえあればずっと書き続けているのです。しかも、半紙では勿体無いと、家でためておいた古新聞を半紙がわりに練習しているのです。
(于是,从翌日起很不得了。奶奶非常拼命地去练习不用说,她早上五点起来直到早饭的两个小时,以及十点起到准备好午饭的时间,只要一有空,就一直持续写字。而且,她说白纸太浪费了,用家里积攒着的旧报纸当成白纸练习。)
習字教室に通い始めて三か月経つと、お婆ちゃんはぐんぐん級が上がって、四級になりました。お婆ちゃんが、自慢しながら作品を壁に貼り出すと、「さすが、お婆ちゃん。文字がのびのびしていて、素敵。」と、家族全員が褒めます。でも、治は浮かない顔です。実は、あまり練習しないで初段に挑戦したものですから、治は不合格だったのです。
(从开始去习字教室,经过了三个月,奶奶的水平突飞猛进,考出了四级。奶奶自豪地将作品贴在墙上,于是全家都表扬道:“不愧是奶奶。文字跃然纸上,好棒。”然而,治愁眉苦脸的。其实他不怎么练习就挑战了初段后没合格。)
ところが、ある日、お婆ちゃんの目が真っ赤になってしまいました。治もお婆ちゃんと一緒に病院に行くと、お医者さんからは、習字の練習はもちろん、新聞も読んではいけないと言われてしまいました。いつもは元気なお婆ちゃんが、すっかりしょげてしまい、次の日も、その次の日もじっとしたままです。
(话说某日,奶奶的眼睛突然红了。治和奶奶一起去了医院,医生说习字当然不行,报纸也不能读。总是很活力的奶奶垂头丧气了起来,接下来的几天也都静静地待着。)
治は、積み上げられた古新聞の山を見ていたら、段々、お婆ちゃんのかわりに書いてあげたいような気持ちになってきました。初めのうちは、新聞紙がなくなるまでと思っていたのですが、毎日書いているうちに、お婆ちゃんが、あんなに熱心に書いていた気持ちが分かってきたのです。
(治看着堆积起的旧报纸山,渐渐产生了想代替奶奶写字的想法。最初,他只想写到报纸没有,每天都写的时候,他渐渐明白了奶奶那样热衷于写字的心情。)
練習の甲斐あって、次の月、治は見事初段に合格しました。
(练习是有用的,翌月,治出色地考过了初段。)
「ううん、これは素晴らしい。お婆ちゃんにはとても書けないわ。」
(“嗯,这很棒。我很难写出这样的字。”)
お婆ちゃんにそう言われ、治は何だか嬉しくなってしまいました。
(被奶奶如此说道,治很高兴。)
数日して、お医者さんから、練習をしても良いというお許しが出たお婆ちゃん。練習の再開です。
(数日后,医生允许奶奶练习。于是奶奶重新开始了练习。)
「さあ、治ちゃん、見てらっしゃい。治ちゃんを追い越しますからね。」
(“好,治,看着吧。我要超过你。”)
「ああ、いいよ。僕だって、そう簡単に追い越されないよ。」
(“啊,好啊。我才不会那么轻易被你超过。”)
にっこり微笑み合う二人の後ろ姿を見ながら、お母さんは、いつか二人の作品が、展覧会に並ぶことがあればいいなあと、心から思うのでした。
(母亲看着微笑着的两人的背影,从心底想着将来两人的作品若是并排放在展览会上就好了。)

