NHK新闻听写 202303112005
8時のNHKニュースです。
東日本大震災の発生から12年となった今日、宮城県気仙沼市の杉ノ下地区では、遺族会が主催してきた慰霊祭を、参加者の減少などを理由に、今年で取り止めることになり、最後の開催となりました。気仙沼市の杉ノ下地区は、住民の3分の1近い、93人が犠牲になりました。震災当時、多くの住民が避難した高台の指定避難場所が、津波に襲われ、慰霊碑には、犠牲者の名前と共に、「大地が揺れたらすぐ逃げろ。より遠くへ、より高台へ」と刻まれていて、震災の教訓を今に伝えています。遺族会が主催して、毎年3月11日に行われてきた慰霊祭ですが、運営資金が不足していることや、参加する遺族が減っていることなどを理由に、今年で取り止めることになりました。最後の慰霊祭となった今日は、慰霊碑の近くにある寺で、13回忌の法要が行われ、遺族会の会長を務める佐藤信行さん72歳が、「行方不明となっている皆さんが一日も早く家族の元に帰ってくることを願っています」と、挨拶しました。その後、参加者は、慰霊碑に花を手向け、地震発生時刻の午後2時46分に合わせ、黙祷を捧げました。遺族の三浦祝子さん77歳は、「良い所だったのに、たった一時の波で何も無くなってしまった」と、当時を振り返り、慰霊祭が取り止めになることについては、「寂しいけれど仕方ない。形は違えど心は変わらないから、私は毎年来たいと思います」と、話していました。
次は、新型コロナウィルスの感染状況です。厚生労働省によりますと、国内の新たな感染者は、空港の検疫などを含め、9100人でした。この内、東京都の新たな感染確認は、805人で、1週間前の土曜日より10人増えました。また、国内で亡くなった人は、併せて118人で、累計の死者は7万3156人です。重症者は109人で、昨日より7人減りました。
将棋の8大タイトルの1つ王将戦の第6局が佐賀県で始まり、タイトル防衛に王手をかける藤井聡太5冠20歳と、挑戦者の羽生善治9段52歳が、初日の対局を終えました。王将戦第6局は、佐賀県上峰町に対局場が設けられ、午前9時、羽生9段の先手で始まりました。対局は序盤に大駒の角を交換した後、羽生9段が攻めの姿勢を見せ、早くから駒がぶつかりあう展開となりました。藤井5冠も相手の攻めを受けながら、反撃のチャンスを伺うなど、互いにおよそ1時間の長考を挟みながら、陣形を整え、午後6時過ぎ、羽生9段が、次の一手を紙に書いて、立会人に渡す封じ手を行って、初日の対局が終わりました。藤井5冠は、今年度すでに睿王、棋聖、王位、竜王の防衛に成功し、王将戦は今年度5回目のタイトル防衛戦です。一方、羽生9段は、これまでに獲得したタイトルが、歴代最多の通算99期を誇り、今回の王将戦を制すと、100期の大台に乗ります。2人は、タイトル戦としては、今回の王将戦が初顔合わせで、藤井5冠が、羽生9段を相手に、ここまで3勝2敗として、防衛まであと1勝に迫っています。第5局まではいずれも、先手が白星を挙げていて、タイトル獲得に向けてあとがない羽生9段は、先手番の今回の対局に勝利し、最終局に持ち込みたい所です。第6局は明日午前9時に、封じ手を開封して再開され、勝敗は明日午後に決まる見通しです。
ここまで、この時間のニュース、小野卓司でした。8時5分になります。