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【GPT机翻】战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚)- 147 [千五百七十六年 九月上旬]

2023-05-14 23:49 作者:爱吃果冻的沙耶  | 我要投稿

书名 战国小町苦劳谭

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作者: 夹竹桃

原作:http://ncode.syosetu.com/n8406bm/

翻译工具:ChatGPT

*机器输出的翻译结果UP未做任何修正,仅供试阅。标题章节号为原翻译版的顺延。*

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千五百七十六年 九月上旬(*原文网页序列号 - 164)

「先ずは状況を整理しようか。このガラスペンを売った商人は最初からこれを並べていたのかな?」


"首先,我们整理一下情况吧。这个卖了玻璃笔的商人一开始就把它排列好了吗?"


「いいえ。今浜土産として小ぶりなガラス製品を売っておりました。私が実家の者への土産を見繕っている際に、金払いが良いと見たのか、特別にこんなものがあると見せられました……」


“不,我们现在销售的是小型玻璃制品作为当地特产礼品。当我在为家人挑选礼品时,这个商家特别向我展示了这种产品,可能是看到我付款大方吧。”


「大っぴらに売っていた訳じゃなさそうだね。その商人はガラスペンを複数持っていた?」


“好像不是公开出售的呢。那个商人有多支玻璃笔?”


「いえ、一点物なので他にはないと……」


“不,这是独一无二的物品,没有其他的......"


「うーん。商人の言(げん)を信じるならば、持ち出せた試作品は一つのみ。でも他の人にも同じことを言っていないとは限らない。ここは一つ秀長殿に骨を折って貰うとするかな? それぐらいの貸しはあったよね」


「嗯。如果相信商人的话,只有一个可以拿出来的试作品。但是他也不一定没有跟别人说同样的话。不妨让秀长殿费心一下吧?他应该能够借到那么多的资产吧。」


そう言って静子は筆を取ると文を認(したた)める。内容は今浜の新しい名産品として開発しているガラスペンの試作品が領外に持ち出されている。


静子说了这话后,拿起笔开始书写。内容是现浜正在研发的新特产——玻璃笔的试做品已经被带到境外。


それを静子が見つけて取り戻してあるが、外にも漏洩(ろうえい)している可能性があるため、工房及び関係者を秘密裏に洗って欲しいというものだ。


静子找到并取回了它,但由于可能会泄漏到外面,因此希望将工作室和有关人员进行秘密清洗。


静子が手に入れたガラスペンには製造番号が刻まれておらず、恐らく何かしら問題があって失敗作と判断された試作品であろうという事も書き添えておく。


静子手上的玻璃笔上没有刻制造编号,可能是一个存在问题的试制品,被认为是失败的作品。


「あ、そうだ。貴女はその商人の人相を覚えているかな?」


"哎呀,对了,你还记得那个商人的相貌吗?"


「そういえば、鼻筋に大きな黒子(ほくろ)があったのと、手の甲に火傷(やけど)の跡がありました」


“说起来,我鼻子上的鼻梁有一个大黑子,手背上也有烧伤的痕迹。”


「お、結構特徴的だね。じゃあ、覚えている限りで人相を描いて貰えるかな? それも添えて秀長殿にお任せしよう」


"哦,相当有特点呢。那么,你能记得的话,能画出那个人的相貌吗?我们把这也交给秀长殿吧。"


静子は紙とガラスペン、墨壺を年嵩(としかさ)の方の少女に返し、人相書きを作らせる。


静子将纸张、玻璃笔和墨水瓶交给了一个年长的女孩,让她制作人相。


それを待つ間に更に思案を重ねる。現時点では幾つ穴が開いているか判らない鍋に対して、一ヶ所の穴を塞ごうとしているに過ぎない。


在等待那个时候,我更深入地思考了。目前,对于一个我不知道有多少孔的锅,我只是试图堵塞一个孔。


秀長に依頼することで穴の総数を割り出し、外には漏れていないという事を確認する必要がある。更に万が一に他にも持ち出されてしまっていた場合の策も必要となるだろう。


需要请求秀长计算孔洞总数并确认没有泄漏出去。此外,还需要制定应对其他可能被带走的情况的计划,以防万一。


つまり高級な芸術品としての路線は捨て、実用一点張りの方向性で利益を生む道筋を見せてやらねばなるまい。


换句话说,必须抛弃高端艺术品的路线,展示出以实用为主的方向性,才能创造利润的途径。


「お、もう出来たの? 早いね」


"哦,已经做完了吗?好快啊。"


「ほう! 見事なものだな。何処か陰のある小悪党といった感じか」


"哦!真是个了不起的东西啊。有点像那些暗处潜伏的小坏蛋的感觉"


静子の隣で人相書きを覗(のぞ)き込んでいた足満が少女を褒めた。現代に於いても犯人捜しに際して似顔絵が作られるように、案外写実的な写真よりも特徴を強調した似顔絵の方が対象を見つけ易い場合がある。


在静子身旁窥视着画人像的足满夸奖了那女孩。在现代,即便是搜索罪犯时也制作出了面相画,有时突出特点的面相画比逼真的照片更容易找到对象。


静子は足満の反応と、少女の作画の早さ及び応用力の高さを目にして、一計を思いついた。静子は少女から取り上げた本の頁(ページ)を捲(めく)りながら少女に訊ねる。


静子看到足满的反应以及少女画画的快速和高超应用能力,想到了一个办法。静子 while flipping through the pages of the book taken from the girl, asked her a question.


「この本は左開きで文字は横書きという普通にはない様式で書いてあるけれど、これは一般の書物が右開きで縦書きなのに対して真逆にすることで秘密が露見しにくくしたってことなのかな?」


“这本书以左开方式编写,文字横排,这种方式并不常见。这是因为一般书籍是以右开纵排为主,这么做会减少秘密被暴露的机会吗?”


「は、はい。仰る通りです。文字の大きさを揃え、極力四角く纏(まと)まるように書くことで縦書きに読むと意味が通らないようにと考えました」


是的,就像您所说的那样。我考虑到为了保证纵排阅读也能通顺,需要保持文字的大小一致,尽可能让其呈现出方形的排列。


「貴女のご実家は何をしてらっしゃるのかな?」


「您的故乡家庭在做什么呢?」


「は……はい。こちらで呉服の商家を営んでおります。ですが、何卒(なにとぞ)家族への連座はご容赦下さいませ……」


「嗯……是的。我在这里经营着和服商店。但请务必原谅不要把罪过归咎于我的家人……」


「え!? あ、違う違う。そうじゃなくて、貴女の才能を埋もれさせるにはあまりにも惜しい、これを仕事にしてみないかな? と思って」


“啊!?啊,不是那个意思。我是觉得让你的才能埋没实在太可惜了,不如试试把这当成工作?”


「は……はあ……」


「は……はあ……」的简体中文翻译为:“呃……呃……”


「勿論このままの様式じゃ斬新過ぎて読み手がつかないから、文字は縦書きにして貰った上で絵巻物のような形にして貰いたいんだけど、できるかな?」


“当然,如果保持现有的格式,就会太过新颖,难以吸引读者注意。所以,我希望能够把文字排成竖行,并且呈现成类似卷轴的形式。不知道能否做到呢?”


絵巻物とは日本の絵画型式の一つであり、奈良時代に最初の絵巻物とされる『絵因果経(えいんがきょう)』が作られている。


绘卷是日本绘画形式之一,奈良时代最初的绘卷是被认为是《绘因果经》。


横長の紙に情景や物語を連続して描写し、絵及びその説明となる詞書(ことばがき)が交互に現れるものもある。


有一些将情景和故事连续描写在横向的纸上,同时图片和文字说明交替出现的作品。


絵巻物型式であれば少女の小説の形式に比較的近く、公家たちにとっては親しみやすい。


如果是以图画连续呈现的形式,与少女小说的形式相对接近,对于公家们来说也比较易于理解。


そう、静子は義父である近衛前久(さきひさ)が発行している『京便り』の紙面の一部に4コマ漫画のように載せようと画策したのだ。


嗯,静子计划在继父近卫前久发布的《京便》纸质上刊登四格漫画的一部分。


勿論今思いついたことであり、事前に根回しをする必要はあるが、最低限の教養を備えた公家の読み物として新しい娯楽の提供は彼も望むところだろう。


当然,这是突然想到的想法,需要事先进行策划,但公家拥有最起码的教养,作为一种读物,提供新的娱乐方式也是他所希望的。


「このまま書き続けても良いのですか?」


「我可以继续写下去吗?」


「筆記具はガラスペンでは無く筆になるし、内容についても穏当なものにして貰うけれど、紀行文という形式はそのままで良いよ。勿論お仕事だから、相応のお給金を払うし、貴女のご実家にそのことを了承して貰えるようお願いに行くつもり」


“笔记用品将不是玻璃笔而是毛笔,内容请保持温和,但旅行记录文体格式不变即可。当然这是工作,会支付相应的报酬,并会前往你的家请得到同意。”


「そ、そんな! 畏れ多いことでございます。ご領主様に望まれて否やはございませんし、私もやりとうございます」


"这、这样!太过荣幸了。既然是主人大人的愿望,我也会全力配合的。"


「貴女には京の公家向けに作られている書に対して、原稿を提供して貰います。その際に本名だと都合が悪いので、筆名を考えておいてもらえるかな?」


"您能否为京都公家准备的书稿提供原稿?由于使用本名不方便,是否可以考虑使用笔名?"


「は、はい!?」


"是、是的!?"


唐突に就職先を斡旋(あっせん)され、あれよあれよという間に話を詰められていく。少女たちは身を寄せ合って、激流のように押し寄せてくる情報を噛み砕くのに精一杯だった。


突然被介绍给工作机会,少女们便抱团讨论,竭尽全力消化犹如急流一般涌来的信息。


「このガラスペン、羽柴様は上様に献上すれば箔がついて売れると踏んでいるようだけれど、多分その思惑は外れることになると思うの」


“这支玻璃笔,羽柴先生想要献给上级并且添加金箔以便更好地卖出去,但我认为他的想法可能会落空。”


戦国時代に於いて貴人が自ら字を書くと言う事は稀である。私的な物はともかく、公的な文書ともなれば右筆(ゆうひつ)と呼ばれる代筆専門の人間が筆を取っている。


在战国时代,贵族自己亲笔写字是相当罕见的。就算是公文书,也会由被称为“右笔”的代笔专业人员代笔。


更に道具としては画期的ではあるが、美術品として見た場合筆の形をとることが足枷となってどうしても地味な印象が拭えない。


虽然从工具的角度来看很有创新性,但从艺术品的角度来看,笔的形状成为了束缚,无法摆脱沉闷的印象。


同じくガラス製品の切子(きりこ)と呼ばれるガラス容器に比べれば華やかさで劣ってしまうのだ。


与叫做切子的玻璃容器相比,它缺乏华丽感。


一方で実用品としてガラスペンは有望だ。一本でそれなりの厚みの書籍を一冊書き上げられるだけの耐久性に加え、筆文字よりもずっと細い文字を高い密度で書き込むことができる。


一方面,作为实用品,玻璃笔具有很大的潜力。除了具有耐久性,可以写作一定厚度的书籍,还能以更高的密度书写比毛笔字更细的字体。


実用品であれば、持ち手部分を木製などにして、先端のみを付け替え方式にすることで継続的な需要を見込むことも可能だ。


如果是实用物品的话,可以采用将手柄部分制作成木制等材料,并采用更换头部方式,从而预计持续需求的方法。


更には『京便り』のガリ切りには、鉄筆(てっぴつ)と呼ばれる金属製のペンが用いられている。ガリ切り前の原稿をガラスペンにすることで、ガリ切りの労力を少なくすることも出来るだろう。


此外,《京便り》的雕版印刷中使用了一种称为“铁笔”的金属笔。可以使用玻璃笔将草稿转换为雕版之前的手稿,以减少雕版的工作量。


開明的であり先見性のある前久ならば、ガラスペンの有用性を見過ごすことなどあり得ない。何と言っても前久肝煎(きもい)りの事業だけに、彼を取りこめれば大口顧客となることは間違いない。


如果前久是一个开明且有先见之明的人,那么他不可能忽视玻璃笔的有用性。尤其是他是前久家族企业的领袖,只要赢得了他的支持,肯定会成为大客户。


「まあ、世に絶対はないから、高級品としてのガラスペンが売れることもあるかもしれない。杞憂(きゆう)で済めば良いけれど、上手くいかなかった時の備えはあるに越した事はないよね?」


“嗯,世间没有绝对,所以作为高级用品的玻璃笔也有可能会卖得很好。希望只是杞人忧天而已,但是有备无患总是更好的,对吧?”


秀吉にとって虎の子となるガラスペンだが、重要なのは利益が出る事なのだ。


对秀吉来说,玻璃笔是一项重要的投资,但更重要的是要有利润。


既にガラスペンが世に出回ってしまい、上様に献上できなくなったとしても、十分な利益が見込めるとなれば多少の瑕疵(かし)(欠点のこと)には目を瞑(つむ)るだろう。


尽管玻璃笔已经流通了出去,无法献给上様,但如果能预见到足够的利润,就算有些缺陷也会被忽略。


「貴女の筆名が売れれば、文具を筆からガラスペンに切り替えて、紙面と作品を通じてガラスペンを売り込む事も出来るしね。多くの人の目に止まれば、それだけ欲しがる人の数も多くなる。『京便り』に広告を出稿している商人たちにとっても、気になる存在になるんじゃないかな?」


如果你的笔名出名了,就可以从毛笔转换到玻璃笔,并通过纸面和作品来推广玻璃笔。如果被更多人注意到,那么想要购买玻璃笔的人也会增多。对于在京都传递信息的商人来说,你可能会成为一个让他们在意的对象吧?


静子の策はマーケティング分野ではブランディングと呼ばれる手法である。


静子的策略在市场领域中被称为品牌塑造。


著名な作家が愛用している品だとマスメディアで宣伝すれば、顧客はあの作家が使っている物ならばハズレはないはずと認知する。


如果在主流媒体上宣传这是著名作家常用的商品,消费者会意识到使用该商品不会出差错,因为那位作家使用它。


そして実際に筆記用具としてのガラスペンは優秀だ。その信用がさらに彼女達の知名度を向上させ、更に信用が生まれるという好循環が始まる。


而实际上,作为书写工具的玻璃笔非常出色。这种信誉进一步提高了它们的知名度,并且开始了一个良性循环,更多的信誉会随之产生。


彼女達の知名度が高まれば、『京便り』の連載以外にも彼女達の作品を買い求める人が現れるだろう。そうなれば彼女が本来得意とする作品も受け入れられ易くなる。


如果她们的知名度提高,除了在《京谈》上连载外,也会出现购买她们作品的人。如果这样的话,她们本来擅长的作品也更容易被接受。


いつの世も人の興味は他人の色恋沙汰や醜聞に集中するものなのだから。


时代在变,人们的兴趣总是聚焦于他人的恋情和丑闻。


「彩ちゃん、彼女に部屋と当面の活動費を渡して貰える?」


"彩酱,能让她把房间和暂时的活动费给你吗?"


「はっ、承知しました」


“好的,我知道了。”


「話は以上よ。もう一人の貴女は、私が良いと言うまで口を噤(つぐ)んで貰えるかな?」


"说话就到此为止。另一个你能不能保持沉默,直到我说可以了呢?"


完全に巻き込まれた形となった少女は、静子の言葉にがくがくと首を縦に振るしかなかった。


完全被卷入其中的少女,只能颤颤巍巍地点头同意静子的话。


静子は小姓を呼びつけると、認めた密書を渡して秀長へと早馬で届けるよう申し付けた。


静子叫来侍从,交给他认可过的密信,命令他骑快马将信送到秀长那里。


秀長の調査結果や対処を待たずに、静子は二の矢を番(つが)えて状況を進めていくことを選択した。


静子选择在等待秀长的调查结果和应对措施之前,继续推进情况,不让事情耽搁。


ガラスペンを流出させた犯人はほんの出来心からだったのかも知れないが、その結果として秀吉の政策だけに留まらず、一人の少女の運命を歪めてしまうに至った。


泄漏玻璃笔的罪犯可能只是出于一时冲动,但其结果不仅影响了秀吉的政策,也扭曲了一个女孩的命运。


願わくは彼女の行く末が明るいものであって欲しいと願う静子であった。


希望她的未来光明无限,这是静子的愿望。


「……そう言えば足満おじさんが手掛けている商品、物凄い売れ行きだって報告が上がっているんだけど?」


“顺便说一下,据报道,足满叔叔手下的商品销售得非常火爆?”


「ああ、焼き鳥だな。折角ビールを作ったんだ、焼き鳥ぐらいあっても罰は当たるまい?」


“啊,烤鸡肉串啊。好不容易泡了啤酒,烤点鸡肉串不会有什么问题吧?”


静子から話を振られた足満が鷹揚(おうよう)に頷(うなず)いた。かねてより足満とみつおはビール製造を手掛けているが、事業規模が大きくなるにつれて更なる拡販を目指すべくテコ入れを行った。


静子问起话题,足满淡定地点了点头。足满和光男一直从事啤酒制造业,随着业务规模的扩大,他们为了进一步扩大销售采取了新的措施。


夏の暑い時期に川の水で冷やされたビールと枝豆は庶民を夢中にさせた。しかし、秋口に差し掛かり涼しくなってくるとガツンとパンチの効いたツマミが欲しくなる。


夏天炎热的季节里,用河水冷却的啤酒和枝豆让百姓着迷。但是,随着秋天的到来,天气变得凉爽,人们开始渴望具有强烈味道的小吃。


そこで足満とみつおの飲兵衛(のんべえ)二人が考案したキラーコンテンツが焼き鳥であった。ここ尾張では養鶏が盛んになっており、採卵を終えた老鶏の肉は非常に安価で手に入る。


于是足满和光夫这两名饮酒爱好者想出了一个杀手锏,那就是烤鸟肉串。在这个尾張地区,养鸡业非常发达,老鸡在结束产蛋后,肉价非常便宜,因此可以轻松得到。


その肉を砂糖と醤油、味醂と酒という尾張の名産品を使ったタレを塗って焼き上げた焼き鳥は、主に労働者たちの福音となった。


用尾張地区著名特产糖、酱油、味醂和酒制作的酱汁刷在肉上,再烤而成的烤鸟,主要成为劳动者们的福音。


一日の仕事を終えた労働者に対し、醤油の焦げる香ばしい匂いと脂の滴(したた)る焼き鳥は効果覿面(てきめん)であった。


对于完成一天工作的劳动者来说,酱油烧焦的香味和肉汁滴落的烤鸡是非常有效的。


「道路整備や用水整備の人足をメインターゲットとして絞り込んだんだね。確かに彼らは日払いだから現金を持っているし、肉体労働に従事しているからお腹も空いているもんね」


“我们把道路和用水维护的劳动力定位为主要目标。毕竟,他们是日结工资,手头有现金,从事体力劳动也会感到饥饿。”


「汗を流した後に飲むビールは格別だ。そこに安くて旨いツマミがあるならば、飲まない訳にはいくまい?」


「流了汗之后喝的啤酒格外美味。如果有便宜又好吃的小吃一起的话,怎么舍得不喝呢?」


経済活性化に欠かせないものがインフラである。史実に於いて第二次世界大戦後の日本が『列島改造論』という一大土木工事プロジェクトによって再生したように、道路に代表されるインフラは人・物・金が集まり需要と供給の好循環を生み出す。


经济活性化所必需的是基础设施。就像历史事实所证明的那样,日本在第二次世界大战后通过大型土木工程计划“列岛改造论”实现了再生,基础设施以道路为代表,为人、物、金聚集,并产生了供需良性循环。


土木用重機が実用化され始めてはいるものの、未だに土木工事の主役は人間や家畜であり、その規模に応じて多くの人員が必要となる。


虽然土木工程用重型机械已经开始实用化,但土木工程的主角仍然是人类和家畜,而且根据工程规模的不同,需要大量人员参与。


機械と異なり彼らは燃料を消費しない代わりに飯を食う。道具も消耗するし、衣類も住居も必要となる。


与机器不同的是,他们不消耗燃料,而是需要食物作为代替。他们需要工具、衣服和住所,这些都是需要消耗的。


つまり労働者たちは静子にとって被雇用者であると同時に、顧客にもなり得る。彼らに多少多くの給金を支払ったところで、その分尾張で飲み食いして貰えれば金は回り続ける。


换句话说,劳动者不仅是静子的雇员,也可能成为顾客。如果给他们更高的工资,尾張地区的餐饮业也会随之繁荣,从而促进循环积累。


足満とみつおは自身が飲兵衛であるため、顧客の欲するところを的確に掴んで焼き鳥のラインナップを充実させた。


足满和光男因为自己是酒鬼,所以能够准确地把握客户所需,丰富了烤鸟的菜单。


軟骨と肉を叩いてミンチ状にし、串に巻き付けて焼いた『つくね』。鶏の尻尾付近にある非常に脂の乗った部位『ぼんじり』、その場で捌くからこそ提供できる鶏の心臓こと『ハツ』に砂嚢(さのう)である『砂肝』。


用肉的软骨捣成肉泥后绕在串上烤制而成的“肉团”。由鸡的臀部非常肥腻的部位“尾端肉”制成的鸡心“心肝”,以及鸡的“沙门氏体”——“沙肝”。


他にも肝臓である『レバー串』や、何と言っても外せないのがモモ肉とネギを交互に刺した『ネギマ』だろう。


其他必点菜肴包括烤肝串和必点的菜品则是交替穿上大葱和鸡腿肉的“葱鸡串”。


労働者たちはその充実した商品のバリエーションと、何だか通(つう)っぽい品書きに魅せられ、連日通い詰めることになる。


工人们被丰富的商品种类和看起来有点时髦的商品目录所吸引,于是每天都会不停地光顾这家店。


初めは一軒だけの焼き鳥屋台だったのだが、今では幾つもの屋台が軒を連ねて、焼き鳥通りが出来上がる程になっていた。


起初只有一家烧鸟摊,但现在有许多摊位,形成了烤鸟街。


「濁酒(どぶろく)はともかく清酒は高いからな。奴らの懐具合に収まるようビールを安くし、薄利多売を狙ったのだが焼き鳥が想像以上に当たったな」


“虽然浊酒不算贵,但清酒价格很高啊。我们为了迎合他们的经济状况,把啤酒卖得便宜,打算多做点利润。没想到烤鸡串卖得比想象中火爆。”


今では仕事上がりの労働者がビールと焼き鳥を口にする光景が、秋の風物詩として認識されるようにすらなっている。


现在,下班后工人喝啤酒吃烤鸡串的景象,甚至被认为是秋季的风物诗。


ビールは陶製の容器で提供しており、焼き鳥は木皿の上に竹串に刺さった状態で出されるため、ゴミが少ないというのも利点だ。


啤酒以陶瓷容器供应,烤鸟则刺在竹签上放在木碟上,因此垃圾很少,这也是其优点之一。


「お陰で用水整備が捗っているよ。まだまだ支流水路を広げないといけないから、人々が気持ちよく働ける環境を整えてあげるのは重要だね」


“多亏了您,水利整治工作进展顺利。由于需要扩大支流水路,因此为确保人们在舒适的环境下工作,整理和提供适宜的环境是至关重要的。”


理想的な相乗効果だと静子は思った。道路や水路を整備することで雇用が生まれる。雇用が生まれれば、彼らが飲み食いする為の食料需要が増え、現地の農作物や畜産物が売れて民も潤う。


静子认为这是理想的协同作用。通过修建道路和水路,可以创造就业机会。就业机会增加后,他们的饮食需求增加,当地的农作物和畜产品也能销售,使当地居民受益。


為政者側は回収した資金で更なる工事を計画し、尾張全土へとインフラが張り巡らされる流れが生み出されつつあった。


执政者计划利用回收的资金进行更多工程,正在创造一个在尾张全境铺设基础设施的发展趋势。


道路が整備されれば人・物が動き、水路が整備されれば彼らの腹を満たすために田畑が開墾される。織田領内の他領から出稼ぎ労働者も集まってきており、経済成長は右肩上がりに伸びていた。


若道路得到整备,人和物就能往来,若水路得到整修,田地也能开垦,以便能让他们的饥饿得到满足。不仅如此,从织田领地以外来此打工的劳动者也纷纷聚集,因此经济在持续快速增长。


しかし、多くの金が集まると言う事は負の側面も持つ。開墾された田畑は逐次検地が為され、記録されることになっているが、これを誤魔化そうとする代官が現れる。


然而,集聚大量金钱也意味着存在负面方面。开垦的田地会被逐步检查并进行记录,但会出现试图欺骗记录的代官。


本人からしてみればちょっとした小遣い稼ぎのつもりかも知れないが、これを見逃せば真面目に税を納めている民たちに示しがつかない。


如果从本人的角度来看,可能这只是想赚点零用钱,但如果错过了这个机会,那就无法给那些认真缴税的人们一个交代。


「そう言えば勝蔵。税収を誤魔化していると言う噂のあった代官を調べに行ったんじゃなかったか?」


“说起来,胜藏啊,你不是去调查据传说在隐瞒税收的代官了吗?”


話し込む静子と足満を前に、手持無沙汰にしていた長可に慶次が話しかけた。


在听着说话的静子和足満面前,手持无聊的长可被慶次打断了。


「ああ、内偵していた奴が裏を取ったからな。ちょっと説得(・・)をしてきた」


“啊,因为秘密调查的人已经找到了背后的事情,所以我去劝说一下。”


長可と慶次の会話を耳にした静子が問い掛けてくる。


静子听到长可和慶次的对话后,发问。


「あ、そうだ勝蔵君! 君の部隊が提出してきた報告書に気になるところがあるんだけれど、どんな説得をしたのかな? 新式銃は判るんだけれど、野砲の持ち出しとその砲弾は何に使ったの?」


“啊,对了,胜藏君!你的部队提交的报告书有点让我在意,你是怎么说服他们的呢?我可以理解新式枪,但你们带出去的野炮和炮弹是用来做什么的?”


静子から追及された長可は、露骨に視線を外して沈黙する。それだけでどんな説得をしたのかが察せられた。


长可被静子追问时,脸色明显变化,避开了视线并保持沉默。这样一来,我们就能感受到他已受到了什么样的劝说了。


「一応上様がお認めになっているから煩(うるさ)く言わないけれど、力押ししか出来ないと思われるから程々にね」


「虽然上级已经认可了,不过只能用武力推进,所以请适可而止。」


「お、おう。上様から一罰百戒になるから派手にやってこいとお達しがあってな」


"哦,是啊。上方传达了要惩罚一人以儆效尤的命令,所以要做得热闹一些。"


最初は代官本人だけを懲(こ)らしめるつもりだったのだが、税を誤魔化して私腹を肥やすという事は信長に噛みつくに等しいのだと天下万民に知らしめる必要が出てきた。


最初本来只想惩罚代官本人,但他隐瞒税收、私吞公款,这已经相当于挑战信长权威,有必要让全国知道。


そこで長可は武装した部下を率いて代官の屋敷に出向き、代官及びその家族と使用人を拘束した上で屋外に連れ出すと、彼らの見ている前で空き家となった屋敷を砲で木(こ)っ端(ぱ)微塵(みじん)に吹き飛ばしたのだ。


长可率领武装部下前往代官府,将代官及其家人和佣人拘留后,将空置的府邸用炮轰成碎片,在他们的面前炸毁了整个府邸。


文字通り命以外の全てを失った代官に対する仕打ちは、信長の目論見(もくろみ)通り綱紀を引き締める結果となった。


文字上,针对失去除了生命之外的一切的代官的处罚,如同信长的计划一般,结果是加强了纪律。


「参考までに聞くんだが、静子ならば説得に応じない輩にはどう対処する?」


「只是想了解一下,如果是静子遇到不肯接受说服的人,该如何处理?」


「私? 説得に応じないなら時間を掛けるだけ無駄だよね? それならその人に渡るお金を差し押さえちゃうね。不正に得た利益を返せば良いってもんじゃないからね、しっかりと罪は償って貰うよ」


"我?如果说服不了你,就浪费时间了吧?那就直接扣留那个人的钱。因为只是返还不正当收益是不够的,需要彻底赔罪。"


「兵糧攻めかよ……」


"兵粮攻占吗啊……"


長可の爆砕と比べれば穏当に見えるかもしれないが、静子の手段は経済活動の輪から代官だけを締め出し、社会から完全に孤立させるという凄惨なものとなる。


与长可的爆破相比,静子的手段看起来可能更为温和,但其实是一种惨无人道的手段,她通过从经济活动中排除代官并将其完全孤立于社会之外。


領主から睨まれている凶状持ちと取引をしたがる商人など居るはずもない為、自分とその家族が生きる為に必要となる糧(かて)の全てを自分の手で作るしかないのだ。


没有那种想要与持有不吉之兆的人进行交易,甚至遭到领主的目光注视的商人,为了维持自己和家人的生计,只能亲手制作必要的食物。


『働かざる者食うべからず』を体現する静子の答えに長可は乾いた笑いを浮かべるしかなかった。


长可只能干笑,静子体现了「不劳动者不得食」的答案。


ヴィットマンとバルティの墓所となった神体山(しんたいさん)は大神山(おおかみやま)と命名され、山頂に建立する予定の社(やしろ)が麓(ふもと)で造られ始めた。


维特曼和巴尔蒂的墓地被命名为神体山,该山已更名为大神山,计划在山顶建立神社,初步的建设工作已经在山脚下开始。


山全体が禁足地となっているため、プレハブ建築のように部品単位で造った後で仮組し、最終的に分解して山頂まで運び石積みをした上で据え付けるという手筈となっている。


整个山区都是禁止进入的区域,因此建筑物被制作成组件并进行了临时组装,最后在山顶进行拆卸和石块拼接后安装。


名立たる宮大工が鑿(のみ)や鉋(かんな)を振るい、華美ではないが厳かな社が日々組み上がっていく。かんかんという槌の音を聞きながらも静子は書類仕事に追われていた。


著名的宮大工挥舞着锉刀和刨子,一座朴素庄严的社会每天在建造中。尽管听到敲锤的声音,静子依然在忙着处理文书工作。


当初の計画より大幅に規模が縮小されたとは言え、愛知用水という国家事業の第一段階の成果を信長に直接報告する必要があるためだ。


虽然规模比最初的计划大幅缩小,但必须向信长直接报告爱知用水这项国家事业第一阶段的成果。


幹線水路に水が供給されたのを皮切りに新しい田畑の申請が相次いで提出され、どの程度の生産量を見込めるのかが概算でしか求められないと言う状況になっていた。


随着主干水路的供水,递交新田畑申请的数量不断增加,然而目前只能估计产量。


そこで先月末までの申請を元に予想石高(こくだか)を算出されたものが報告書として静子の許へと上がってきているのだ。


因此,根据截至上个月底的申请,预测的出价已经被计算出来作为报告提交给静子了。


静子は事務方と協議しながら報告書を纏めると、書類を携えて安土へと向かうこととなる。


静子与行政人员讨论后整理报告书,然后带着文件前往安土。


安土入りを果たした静子は別邸に体を落ち着け、二日後に控えた信長との謁見を前に休息を取っていた。


安土入り的静子在别墅里放松身体,并在距离两天后与信长见面的前夕休息。


静子が慌ただしく各所に挨拶回りをしている間にも二日が経ち、ついに信長との謁見の日となった。


在静子匆忙地四处问候时,两天已经过去,终于到了与信长见面的日子。


安土城へ登城すると、信長の側近である堀(ほり)に案内されて謁見の間では無く、直接茶室へと通された。


当登上安土城后,由信长的近臣堀带领直接通往茶室,而不是接待厅。


「上様におかれましてはご機嫌麗しく――」


“上方的大人,您好——” (Note: The translation is in Simplified Chinese characters, not Traditional Chinese)


「前口上は要らぬ。久しいと言う程でもないか? 少しは落ち着いたようじゃな。早速じゃが美濃と尾張とを結ぶ用水の成果を聞かせよ」


"前言不必多说。时间也不算太久吧?看起来稍微冷静下来了。现在先告诉我美濃和尾張连接的水道的成果如何了。"


静子の発言を遮った信長は身を乗り出し、静子との距離を詰める。静子も畳の上に資料を広げ、膝を突き合わせる距離で報告を始めた。


信长打断了静子的发言,身体向前倾,靠近了静子,两人距离很近。静子也在榻榻米上展开资料,开始报告,两人面对面,膝盖相碰。


「先月末までの申請を取りまとめた結果が以上となります。現状の生産力は穀倉地帯のそれと比べると大きく劣りますが、支線水路が拡充されるにつれて伸びる余地はあり、開発特区として税率を低く設定しているため移住者も増えることが見込まれます」


“我们汇总了上个月底之前的申请,结果如上。目前的生产能力与粮仓地区相比存在巨大差距,但随着支线水路的扩建,我们还有提升的空间。由于作为开发特区,税率被设定得较低,因此预计会吸引更多移民。”


静子は信長へ一時間に亘って報告を行った。現状では人口の少ない知多半島だが、開発が進めば多くの人口を養う事の出来る土地へと生まれ変わる事が期待される。


静子向信长报告了一个小时。虽然知多半岛人口较少,但是随着开发的深入,这片土地有望成为可以养活更多人口的宝地。


極端な表現だが不毛の土地と見做されていた知多半島が穀倉地帯へと変われば、尾張は今以上に大きく発展する事だろう。


如果被认为是不毛之地的知多半岛变成了粮仓区,那么尾張地区将更大程度地发展壮大。


そして信長は知多半島を単なる穀倉地帯で終わらせるつもりはなかった。


然后信长并没有打算让知多半岛仅仅成为一个谷仓地带。


十分な人口を養えるだけの食料生産力を確保出来次第、知多半島を工業地帯及び重商政策の拠点とする構想を持っていた。


一旦确保足够的粮食生产力以养活足够的人口,就计划将知多半岛打造成工业区和重商政策的基地。


静子と足満が齎した工業化の波は、信長の力を飛躍的に伸ばす事に成功している。


静子和足满带来的工业化浪潮成功地将信长的力量大大扩展了。


製鉄に紡績、機械工作に土木建築とその応用範囲は広く、しかも人力では到底成し得ない成果を上げていた。


制铁到纺织、机械制造到土木建筑以及其应用范围广泛,而且取得了人力无法实现的成果。


知多半島の工業化構想は伊勢湾に面しているため外洋へ出やすいという天然の港湾を擁する立地と、用水によって工業にも不可欠となる大量の水を供給可能となったことで躍進する。


知多半岛的工业化构想因其面向伊势湾、拥有通向外洋的天然港口和可供应大量工业用水的位置而蓬勃发展。


「数年後が楽しみじゃ」


「数年后会很有趣的。」


そう呟いた信長の脳裏には工場が立ち並び、造船所や大型ドックを備えた港湾とそこに浮かぶ外洋船の姿が見えているようだった。


心中 murmured 的信长脑海中浮现出许多工厂、配备了造船厂和大型船坞的港口以及外洋船只漂浮的景象。


かなり話が過熱したため信長は手ずから茶を立てると静子へ差し出し、それぞれに一服した後に改めて話を切り出す。


由于谈话相当激烈,信长亲自沏了茶并递给静子,他们各自抽了一口后,再次开始谈话。


「さて、貴様は来たる東国征伐で北条をどう攻める?」


“那么,你在即将到来的东国征伐中如何攻打北条?”


開口一番、信長は余人が耳にすれば正気を疑うような発言を投下した。


开口一番,信长说出了让其他人怀疑他是否正常的话。


それまで東国征伐と言えば、まずは武田を片付けない事には話にならず、北条攻めなどはまだまだ先の話と考えられていた。


直到那个时候,提到东国征伐,首先得把武田解决掉,否则就没法谈论进攻北条等更遥远的事情。


しかし、信長は北条を攻める事を確定事項であるように話し、また静子もそれを当然のことと受け止めている。


然而,信长说攻击北条已成为确定性的事情,而静子也自然地接受了这一点。


更には信長が己の意見を述べる前に他者の意見を求めるという事が珍しい。もしもこの場に堀や明智光秀が同席していたのならば、信長の影武者を疑う程の事態だった。


此外,信长在表达自己意见之前征求他人意见是罕见的。如果堀或明智光秀在场,情况可能会引起怀疑,认为信长是在使用影武者。


「小田原城は堅牢な要塞です。一息に攻め落とすには難しいため、支城を一つずつ攻略した上で丸裸にするのが定石かと」


「小田原城是一座坚固的要塞。因其难以一口气攻下,所以攻克一个支城,然后逐个剥夺其防御才是常规策略。」


「ほう。回りくどいが堅実じゃ。しかし、いくら支城を落としたところで小田原城だけでも相当の籠城に耐えおるぞ?」


“嗯,虽然说话绕了点,但是很稳健啊。可是就算攻下了其他的支城,单凭小田原城也能够经受相当长时间的守城。”


「それは織り込み済みです。我が軍の砲を以てすれば、既に籠城と言う戦術は意味を為しません。どれ程堅固な石垣を築こうとも数発も撃ちこめば瓦礫になるのですから。しかし、最初から砲を前面に押し立てて攻めれば、北条は城を捨てて海へと逃亡する可能性があります。故に遠回りになろうとも支城を潰し、逃亡出来ない状態へ追い込んだ後に一気に攻めるが上策かと」


"这已经被考虑进去了。如果使用我们的火炮,城墙防御的战术将毫无意义。无论建造多坚固的城墙,只要被火炮攻击几次就会化为废墟。然而,如果从一开始就将火炮推至前线进攻,北条可能会放弃城池逃往大海。因此,即使需要绕路,先攻占支城,迫使敌人无法逃脱,然后一举攻城,是上策。"


「確かにな。今までは武田や上杉を以てしても、小田原城へ籠った北条を攻めきれたためしはない」


“确实。到目前为止,即使是以武田或上杉为首的军队,也没有攻下曾一度被北条家守卫的小田原城的先例。”


「勿論、武田や上杉が攻めた折には前当主の北条氏康(うじやす)が指揮を取っており、現当主である氏政(うじまさ)とは采配に差異があるかもしれません。しかし、かの武田すらをも退けた実績のある戦法を踏襲しない可能性は低いと考えます」


当武田和上杉攻打时,前任主人北条氏康曾担任指挥,并且现任主人氏政的指挥可能会有所不同。但我认为不会低估遵循了甚至击败了武田的实际战术的可能性。


小田原城は広大な敷地面積を誇り、内部に城下町をはじめ内部で暮らす人々の食糧を供給する耕作地までをも囲い込み、その周囲を空堀と土塁で隔てる総構(そうがま)えと呼ばれる構造を取っている。


小田原城拥有广阔的园地面积,囊括城下町和为城内居民提供食糧的耕地。城周围用空堀和土堡隔开,构成被称为“総構”的结构。


西洋や大陸などでは良く見かけるタイプの所謂(いわゆる)城郭(じょうかく)都市だが、日本では周囲を海という天然の防壁で守られており異民族の襲撃を数える程しか受けなかったこともあり、城郭都市のような莫大なコストを掛ける重武装都市は発展しなかった。


在西洋和大陆等地常见的,所谓的城郭都市类型,在日本由于周围被海洋作为天然屏障保护,因此只遭受了少量异民族袭击,未能发展成为像城堡一样需要付出巨大代价来武装的城市。


つまり異民族による襲撃は領民・領地を含めた地域全体の制圧・支配が目的であるため領民を守るためには城壁が不可欠であるのに対し、同一民族同士の争いは主に政争による内戦となる。このため標的は必然的に政敵のみに絞られ、領民は征服者の統治下に組み込まれはするものの命までは奪われないことが多かった。


换言之,异民族袭击的目的是控制和支配包括领民和领地在内的整个地区,因此城墙对保护领民至关重要。而同族内部的冲突主要是因政治争议引起的内战。因此,攻击的目标必然仅限于政敌,领民虽然被纳入征服者的统治下,但通常不会被剥夺生命。


しかし、鎌倉や石山本願寺、小田原城などは群雄割拠する戦乱の時代を反映してか、周囲に防壁を張り巡らせた城郭都市を形成している。その結果として長期間の籠城に耐え得る設計となっており、遠征という時間制限のある中では武田も上杉も攻めきれなかった。


然而,鎌倉、石山本願寺、小田原城等都反映了群雄争霸的战乱时代,构筑了城郭城市并环绕其周围以形成城墙。作为结果,它们被设计成可以经受长时间的围攻,并且在时间限制下的远征中,武田和上杉都无法攻破它们。


既に織田方の大砲の威力は身を以て知っているであろう北条軍だが、平野部で対人に向けて使用したため防壁が用を為さない程の威力があるとは思っていない可能性が高い。


北条军已经亲身知道織田军的大炮威力,但在平原上将其对准人员使用,他们可能认为防御墙的威力不足以阻挡大炮的攻击。


「籠城と言う戦法は援軍が来る宛てがあり内外から挟み撃ちにする、もしくは攻め手側の継戦能力限界を待つことによって勝利を得ます。我が軍も例にもれず東国征伐では遠征となるため、最初から野戦を捨てて籠城する可能性すらあります。対する我が軍は進軍経路上に存在する支城を奪い物資運搬の中継拠点とし、また並行して海路でも補給線を確立します」


“围城战术通过等待援军的到来,从内外夹击敌方或等待攻方疲惫无力后获胜。 我军在东国征伐中也可能放弃野战,采取围城战术。我们的军队将攻占沿途的支城,作为物资运输的中转站,同时还会在海上建立补给线。”


「中々に面白いな。正確な砲撃を支援するためにも例の物が活躍しそうじゃ。しかし、この程度ならばわしも既に立案しておる」


「相当有意思啊。这样一来,那个东西也能为支援精准炮击活跃起来。不过,如果是这种程度,我已经想好计划了。」


そう言いながら信長は懐から戦略の素案を出して見せる。細かい数値などには落とし込まれていないが、北条を籠城させて攻め落とすという大筋は一致していた。


说着这话,信长从怀里取出了战略草案。虽然没有涉及细节数值,但攻占北条城的大体计划是一致的。


「それではより確実に籠城を選ばせるべく、支城を落とした際に敗残兵をわざと小田原城方面へと逃がしましょう。敵軍に追われている領民を見捨てるという戦法を北条は取れないでしょうから」


“为了更可靠地选择困守,当夺下支城时,故意让溃败的残军逃往小田原城方向。 北条氏无法采取抛弃正被敌军追赶的领民这一战术。”


「領民を守るための総構えゆえ、追い立てられる領民が居れば受け入れざるを得ないか。即席としては良く出来ておる、まずは合格といったところか」


"为了保护领民而做好的总准备,如果有被追逐的领民,我们就不得不接受他们。就临时举措而言,做得不错,可以算是合格了。"


一体何に合格したのか皆目見当がつかない静子だったが、信長が機嫌よく笑っている処を見る限り彼の期待には応えられたのだと判断した。


看到信长面带笑容,静子虽然不确定自己到底通过了什么考试,但她判断自己已经达到了他的期望。


しかし、何の気まぐれでこのような試験を課したのかが判らない。そんな疑問が表情に出ていたのか、信長は苦笑しつつも内心を明かして見せる。


然而,这个考试是出于什么心血来潮而设立的,我不清楚。看起来像是有这样的疑问在我的脸上,信长仍然微笑着,却展现了他内心的想法。


「この処、我らは局所的な敗北はあれど、大局的には常に勝利しておる。それ故か過去の栄光にしがみついて守りに入る家臣が多くてな、譜代・新参に拘わらずそれぞれに与えた任に対する試験を課しておるのよ」


“在这里,虽然我们可能会遭受局部的失败,但在整体上我们始终在取得胜利。因此,许多家臣都执着于过去的荣耀并躲在防御之中,但是我们对所有人都施加了针对其所分配任务的考验。”


「上様のご様子を見る限り、合格を頂けた臣はそれほど多くはないのでしょうね」


「从上様的情况来看,能够通过考试的臣子们并不多吧。」(Simplified Chinese)


「ふっ。貴様を含めてすら片手に満たぬわ。わしらは常に『今』を生き、より良い『明日』を勝ち取るための道を模索し続けねばならぬ。人は過去では生きてゆけぬのだからな」


“哼。就算把你包括在内,也只够一个手指头头而已。我们必须不断探索通往更美好明天的道路,永远活在‘现在’,因为人不能活在过去。”


「確かに私はこのところ目立った武功を挙げておりませぬゆえ、ご家中から資質を疑われるのも無理はありませんね」


「毫无疑问,最近我的武艺没有什么起色,家中怀疑我的资质也不足为奇。」


「貴様は武功こそ挙げてはおらぬが、誰よりも領地を富ませておる。それがひいては我が領の全てを豊かにしているという事が見えぬ輩が多いのよ。世継ぎを得た途端に楽隠居を決め込んでいると陰口を叩いておる者すらいるようじゃ」


「虽然你没有取得战功,但你比任何人都让领地富裕起来。很多人却没有看到这件事,这导致了我们领地的整体繁荣。有些人甚至说你在继承家业后就隐居了,背地里说你的坏话。」


「楽隠居が許されるのならば、それこそ本望なのですけれど」


如果能够被允许隐居乐园,那对我来说就是最大的愿望了。


「ならぬ。以前にも申し付けたはずじゃ。貴様がわしの許を離れるのはその命が潰える時のみじゃと」


"不行。我应该之前已经告诉过你了。你离开我的地方只能在你的生命慢慢消磨殆尽的时候。”


信長とて静子が本気で隠居を考えているなどと思っていない。


信长并不认为静子真的在认真考虑隐居的事情。


ヴィットマンとバルティという苦楽を共にした家族との別れで弱みは見せたものの、その時ですら業務を引き継いだ上で休暇を願いでていた。


与共同经历了苦难和欢乐的家人维特曼和巴尔蒂分别时,尽管我表现出了脆弱,但我当时仍在接手工作并请求休假。


何よりも静子は現在の立場を捨てることが出来ない。彼女の本質とも言うべき業(ごう)なのだろう。一度(ひとたび)身内として取り込めば、それらを容易には見捨てられないのだ。


无论如何静子无法放弃她目前的地位,这也许可以说是与她个人特质相关。一旦身处其中,她就无法轻易地抛弃自己的本职工作。


「それに貴様がおらぬと、この世がつまらぬ」


“没有你在这世界上,它变得无聊无味。”


「そのように仰っていただけるのは光栄ですが、上様もゆめゆめ身辺にご留意なさってください。天下人の座は目前ですが、物事はことが成る直前にこそ身近(・・)に落とし穴があるものです」


「能听到您这样称赞我感到十分荣幸,但请尊敬的上方务必留意身边。天下人的位置已经在眼前,但事物往往在即将成事之时出现近在眼前的陷阱。」


「ふむ。まさか貴様がわしを裏切るというのか?」


“哼。难道你就是背叛我的人吗?”


「御冗談を。私に王の才はございません。そもそも天下に対して覇を唱えるには、大切なものを抱えすぎておりますゆえ」


“开什么玩笑。我没有王者的才能。而且,要对天下高声唱和,我太珍视手中的东西了。”


「くくくっ、判っておる。裏切りを目論む者は、疑われるような素振りを見せぬものよ。だがわしは見てみたいのだ。貴様が天下人となれば、どのような世の中を作るのかをな。無論、わしとて貴様以上に愉快な世を作り上げて見せるがな」


“呵呵呵,我明白了。企图背叛者不会表现出会引起怀疑的态度。但是我想看看,如果你成为天下人,会创造出怎样的世界。当然,我也会创造一个比你更愉快的世界。”


「冗談でもそのような事を仰らないでください。天下人となるに相応しい人物は上様をおいておられませぬ」


“请不要开玩笑说这样的话。能够成为天下人的人物,没有人比大人更合适。”


「しかし、この世に絶対はありえぬ。もしも、わしが道半ばにして倒れれば貴様はなんとする?」


然而,在这个世界上绝对不存在。如果我在半路倒下了,你会怎么做?


何処か遠くを見るようにして訊ねる信長に対し、静子は間髪を置かずに答えた。


对着仿佛注视着遥远之地的信长询问,静子毫不犹豫地回答了。


「まずはそのような事が起こらぬよう全力を尽くします。それでも尚、力及ばなかった折には必ずや裏切り者の首を墓前に供えてご覧に入れましょう」


我们将全力以赴,避免发生这样的事情。但如果我们的力量不够的话,我们一定会将叛徒的脑袋献上您的坟前以示警戒。


【GPT机翻】战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚)- 147 [千五百七十六年 九月上旬]的评论 (共 条)

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