【日本小4道德】21#花开山
花さき山(花开山)
作者:斎藤 隆介(さいとう りゅうすけ)
驚くんでない。おらはこの山に一人で住んでいる婆だ。山姥と言う者も居る。山姥は、悪さをすると言う者も居るが、それは嘘だ。おらはなんにもしない。臆病なやつが、山ん中で白髪のおらを見て勝手に慌てる。そしては弁当を忘れたり、慌てて谷さ落ちたり、それが皆おらのせいになる。
(别惊讶。我是独自住在这山中的老太婆。也有人叫我山中女妖。虽然有人说山中女妖会作恶,但那是骗人的。我什么都不会做的。是胆小鬼看到在山中的白发的我,自己慌了起来。然后他们忘记了便当,或是慌张地掉进了山谷,然后将此都当成是我的错。)
あや。お前はたった十のおなごわらしだども、しっかりもんだから、おらなんどおっかなくはねえべ。
(彩。你虽然只是十岁的女孩,但很可靠,你不怕我吧?)
ああ、おらは、何でも知ってる。お前の名前も、お前がなしてこんな奥まで登ってきたかも。もうじき祭りで、祭りのごっつぉうのにしめの山菜を採りに来たんだべ。あいつをあぶらげと一緒に煮るとうめえからなあ。
(是啊,我什么都知道。我知道你的名字,也知道你为什么爬到深山中。马上就是祭典了,你是来采祭典菜肴中要红烧的野菜的吧?将其和油炸豆腐一起煮的话很美味吧。)
ところがお前、奥へ奥へと来すぎて、道に迷ってこの山さ入ってしまった。したらば、ここにこんなに一面の花。今まで見たこともねえ花が咲いてるので、どでんしてるんだべ。な、当たったべ。
(不过你走得太过深入了,结果迷了路,进到了这山中。然后,此处有像这样的一大片的花。因为看到了迄今为止所没有见过的花开着,你很惊讶吧?对吧,我猜对了吧?)
この花が、なしてこんなに綺麗だか、なしてこうして咲くのだか、そのわけを、あや、おめえは知らねえべ。それはこうしたわけだしゃ—。
(这花为什么如此美呢?为什么像这样绽放呢?彩,你不知道这缘由吧?这有着这样的缘故。)
この花は、麓の村の人間が、優しいことを一つすると一つ咲く。あや、お前の足元に咲いている赤い花、それはお前がきんの咲かせた花だ。
(这花是山脚的村中的人们只要做了一件温柔的事,就会盛开一朵。彩,你脚边盛开着的红花,是你昨天使之绽放的花。)
きんの、妹のそよが、「おらさも皆のように祭りの赤いべべ買ってけれ。」って、足をドデバダして泣いておっかあを困らせた時、お前は言ったべ、「おっかあ、おらはいらねえから、そよさ買ってやれ。」
(昨天,妹妹苍叶哭着蹬脚,说:“给我买和大家一样的红色祭典和服。”让老妈困扰的时候,你说了:“老妈,我不要了,你给苍叶买吧。”)
そう言った時、その花が咲いた。お前は家が貧乏で、二人に祭り着を買ってもらえねえことを知ってたから、自分は辛抱した。おっかあは、どんなに助かったか!そよは、どんなに喜んだか!
(你如此说道的时候,这花盛开了。你因为知道家里贫穷,买不起两个人穿的祭典和服,因此自己忍耐住了。老妈感到你帮了多么大的忙啊!苍叶有多么高兴啊!)
お前は切なかったべ。だども、この赤い花が咲いた。この赤い花は、どんな祭り着の花模様よりも綺麗だべ。ここの花はみんなこうして咲く。
(你很难过吧?但是这朵红花盛开了。这朵红花比任何祭典和服上的花纹都要漂亮吧。此处的花都是这样盛开的。)
それそこに、露をのせて咲きかけてきた小さい青い花があるべ。それはちっぽけな、双子の赤ん坊の上の子の方が、今咲かせているものだ。
(还有那里有一朵带着露水的快要盛开的小蓝花吧?这是很小的双胞胎的哥哥正使之绽开的。)
兄弟と言っても、おんなし時の僅かな後先で生まれた者が、自分はあんちゃんだと思ってじっと辛抱している。
(虽说是兄弟,在同一时间前后稍微先出生的人认为自己是哥哥,一直在忍耐着。)
弟は、おっかあの方っぽうのおっぱいをウクンウクンと飲みながら、もう片方のおっぱいも、方っぽうの手で弄っていて放さない。上の子はそれをじっと見てあんちゃんだから辛抱している。目にいっぱい涙を溜めて—。その涙がその露だ。
(弟弟一边咕咚咕咚地喝着老妈一侧的母乳,并用一只手弄着另一侧的乳房不放。哥哥静静地看着,因为自认为是哥哥所以在忍耐着。他眼里噙满泪水。这泪水就是这露水。)
この花さき山一面の花は、皆こうして咲いたんだ。辛いのを辛抱して、自分のことより人のことを思って、涙をいっぱい溜めて辛抱すると、その優しさと、健気さが、こうして花になって、咲き出すのだ。
(这座花开山上一片的花都是这样盛开的。忍耐痛苦的事,比起自己,考虑他人,噙满泪水忍耐的话,这温柔和坚强会像这样开出花来。)
優しいことをすれば花が咲く。嘘ではない、本当のことだ……。
(做了温柔的事就会开花。这不是骗人的,是真的……)
あやは、山から帰って、おとうやおっかあや、皆に山姥から聞いたこの話をした。しかし、だあれも笑って本当にはしなかった。
(彩从山中回去,然后对老爸老妈和大家讲了从山中女妖那里听来的话。然而,大家都笑了,没人当真。)
「山さ行って、夢でも見て来たんだべ。」
(“你去了山里,做了梦吧?”)
「狐に化かされたんではねえか。そんな山や花は見たこともねえ。」
(“你被狐狸骗了吧?我没见过那样的山和花。”)
そう言った。
(他们如此说道。)
そこであやは、また一人で山へ行ってみた。しかし、今度は山姥には会わなかったし、あの花も見なかったし、花さき山も見つからなかった。
(于是彩又一个人去了山里。然而,这一次她没有遇到山中女妖,没有看到那个花,也没找到花开山。)
けれどもあやは、その後時々、(あっ!今花さき山で、おらの花が咲いてるな。)って思うことがあった。
(然而彩在这之后时常会想道:啊!现在我的花在花开山盛开了。)

