日本小5课文:取个名吧【久我Masahi的日语课堂】#60

名前付けてよ(取个名吧)
作者:蜂飼 耳(はちかい みみ)
学校からの帰り道のことだ。牧場の脇を通りかかった時、春花(はるか)は、そこに見慣れない子馬がいることに気が付いた。(这是放学回家路上的事。走过牧场旁的时候,春花注意到了陌生的马驹。)
艶々した毛並みの、茶色の子馬だ。立ち止まってじっと見ると、目が合った。子馬は、ぱちりと瞬きした。春花は、その美しい目に、吸い込まれそうな気がした。(马驹有着茶色的润泽毛发。春花驻足,紧盯着其看,目光与其交汇了。马驹眨了下眼睛。春花觉得自己似乎要被那双美丽的眼睛吸进去了。)
作業をしていた牧場のおばさんが、手を止めて、春花に話しかけた。「この子、生まれたばかりなの。」(正劳动着的牧场阿姨停下了手上的活,对春花说道:“这匹马驹刚出生。”)
「名前、なんて言うんですか。」思わず、春花は聞いた。(春花不禁问道:“它叫什么名字?”)
「名前、まだ考えてないの。そうだ、名前、付けてよ。」(“名字还没考虑。对了,你来给它取个名吧。”)
一年生の時から、毎日、その小さな牧場の脇を通って通学しているので、牧場のおばさんとは、いつの間にか顔見知りになっていた。でも、挨拶をするだけだ。それなのに、子馬に名前を付けさせてくれるというのだ。(春花从一年级的时候开始,每天上学都经过这个小牧场旁,和牧场的阿姨在不知不觉间认识了。但是,也只限于打招呼。尽管如此,阿姨还让自己给马驹取名。)
「じゃあ、考えてきます。明日までに。」(“那么我会考虑的,到明天为止。”)
「頼むね。」(“拜托你了。”)
おばさんと子馬に手を振ると、春花は歩き出した。歩き慣れた通学路だ。けれど、まるで知らない道を歩いているような気がしてくる。(春花向阿姨和马驹挥手道别后向前走去。明明是走惯的上学路,却仿佛走在不认识的道路上一样。)
名前を付けてと任されるなんて、初めてのことだ。これまでに自分で名前を付けたことがある生き物を思い出す。お祭りの時に掬った、大人しい金魚。それだけだ。(第一次被拜托取名。回想起自己迄今为止取过名的生物。也就只有庙会的时候捞到的老实的金鱼。)
どんな名前がいいかな。春花は、頭の中に子馬の眩しい姿を思い描きながら、帰り道を歩いた。(什么名字好呢?春花的脑海中一边浮现着马驹耀眼的姿态,一边走在归途中。)
その時だ。道の角から、ふらりと勇太(ゆうた)が現れた。弟の陸(りく)を連れている。
勇太は、ひと月前に、遠くの町から引っ越してきた。(这时。勇太正带着他的弟弟陆突然出现在了道路的拐角处。勇太是一个月前从遥远的城镇搬过来的。)
「今度、同じ組になるの。仲良くしてやってね。」春花の家へ挨拶に来た時、勇太のお母さんはそう言った。(“这次你们要同班了。好好相处吧。”勇太的母亲来春花家打招呼的时候,如此说道。)
春花は、はい、と答えたけれど、実際には、どうしたらいいか、分からなかった。話しかけても、勇太はあまり喋らない。でも、陸とは楽しそうに遊んでいる。親しくなるきっかけは、なかなか掴めなかった。(春花虽然答应了,但其实不知道该怎么做。就算去搭话,勇太也不怎么说话。但是和陆倒是很愉快地玩耍。怎么也抓不到和勇太变亲近的契机。)
「牧場に子馬がいるんだけど、気が付いた。」春花は聞いてみた。勇太は目を合わせない。ただ、足元を見ている。(春花试着问道:“牧场有马驹,注意到了吗?”勇太不和自己对视,只是看着脚边。)
「あそこの牧場で子馬が生まれたんだよ。あたし、子馬の名前を考えてって、牧場のおばさんから、頼まれちゃった。」(“马驹在那边的牧场出生了。牧场的阿姨拜托我给马驹取名。”)
「わあ、すごいね。なんて付けるの。」目を輝かせたのは、陸の方だ。(“哇,好棒。你给它取什么名?”眼睛熠熠生辉的是陆。)
勇太は顔を上げて、ちらっと春花の方を見た。でも、すぐに目を逸らした。(勇太抬起头,瞥了一眼春花。但是,很快又移开了视线。)
「まだ言わないよ。明日の放課後、牧場の所に来て。そうしたら教えるから。」(“现在还不说。明天放学后,到牧场来。然后我再告诉你们。”)
「今、教えてよ。今、知りたい。」陸が早口で言った。陸は、二年生だ。(“现在就告诉我。现在就想知道。”二年级的陆很快地说道。)
「もう行こう。」勇太はぷいっと向きを変えて、歩き出した。陸は二、三度、春花の方を振り返りながら、勇太についていった。(“走吧。”勇太突然转身就走。陆一边回头看了春花两三眼,一边跟着勇太走了。)
「何よ、その態度。」と言いそうになったけれど、春花は言葉をぐっと飲み込んだ。(“那是什么态度啊。”春花差点脱口而出道,不过还是将话咽了回去。)
近所のお婆さんが、家の前の落ち葉を箒で集めて、掃除をしていた。小さい頃から知っているお婆さんだ。(从小就认识的邻家的奶奶正在家门前用扫帚清扫落叶。)
「こんにちは。」春花は、挨拶をした。(春花打招呼道:“你好。”)
「お帰りなさい。あれ、春花ちゃん、五年生になって、何だか急に大人っぽくなってきたみたい。」お婆さんに飼っている猫が、木と木の隙間から現れた。猫は、ぽん助と言う名前だ。(“你回来啦。哎呀,春花,上了五年级后,怎么好像突然有点大人样了。”奶奶养的猫从树与树的缝隙间出现了。猫名叫蓬助。)
「ねえ、お婆ちゃん。ぽん助は、どうして、ぽん助なの。」子馬の名前のヒントにしようと思って、聞いてみる。(“那个,奶奶。蓬助为什么叫蓬助?”春花想要一个给马驹起名的提示,便询问道。)
「さあ、どうしてかしら。お爺さんが決めたから、分からないわ。」そう言って、お婆さんは、微笑んだ。ぽん助は、ふわあ、とあくびをした。それから、尻尾をゆらりと振って、姿を消した。(“为什么呢?是爷爷决定的,我不知道。”奶奶微笑着说道。蓬助打了个哈欠,然后摇着尾巴离开了。)
夜、布団に潜り込んでからも、春花は一生懸命考えた。あの子馬に似合う名前を付けたい。
子馬の特徴を思い浮かべてみる。クッキーのような、美味しそうな色。くりくりとした丸い目。ふっさりとした尻尾。今はまだ子供だけれど、大きくなったら風のように走る馬になってほしい。そんな願いが湧いてくる。(是夜,春花钻进了被窝后,也拼命考虑着符合那匹马驹的名字。试着浮想马驹的特征。像曲奇一样看上去很美味的颜色。溜溜转动着的圆眼睛。浓密的尾巴。虽然现在还小,希望它长大后能成为跑起来风也似的马。这样的愿望渐渐涌起。)
考えているうちに、春花の心に、一つの名前が浮かんできた。心の中で、子馬に付けた名前を読んでみる。春花は、安心して眠りに落ちた。(春花考虑着的时候,一个名字浮现于心头。春花在心中念着要给马驹取的名字。然后安心地沉入了梦乡。)
次の日の放課後、牧場の柵のそばへ行くと、前の日と同じ所に子馬がいた。春花は、子馬を眺めながら待った。もしかして、勇太は来ないかも知れないな。滑らかな鬣。真っ黒な目。時間がいつもよりゆっくりと流れていく。(翌日放学后,春花前往牧场的栅栏旁时,马驹在昨日相同的位置。春花一边眺望着马驹一边等待。或许勇太不会来。光滑的鬃毛。漆黑的眼睛。时间比平常更慢地流逝着。)
「おうい、来たよ。」陸の声がした。急ぐ陸の後ろから来るのは、勇太だ。(“喂,我们来了。”是陆的声音。在急急忙忙赶来的陆的身后而来的是勇太。)
風がさあっと吹き抜けた。子馬はぴくぴくと耳を動かした。勇太は聞いた。「名前、なんて付けるんだ。」(风飒飒吹过。马驹动了动耳朵。勇太问道:“你给它取了什么名字?”)
ちょうどその時、牧場のおばさんが建物から出てきた。「あらあら、皆、来てたのね。」(正在这时,牧场的阿姨从房屋内出来道:“哎呀哎呀,大家来了啊。”)
「子馬の名前—。」春花が言いかけると、おばさんは慌てた。(春花刚说道:“马驹的名字……”阿姨便慌张了。)
「ごめんね、そのことなんだけど。あのね、その子馬、よそに貰われることになったの。急に決まったのよ。だから、名前も、行った先で付けられることになったの。頼んだのに、ごめんなさいね。」(“抱歉啊,关于取名。其实呢,别人家要这匹马驹。是突然决定的。所以,名字也要到那里后取。明明是我拜托你的,抱歉啊。”)
春花は、黙ったまま、柵から突き出た子馬の鼻に触ってみた。子馬の鼻は、ほんのりと温かく、湿っている。(春花沉默不语地摸了摸马驹从栅栏处伸出的鼻子。马驹的鼻子微微有些温暖湿润。)
「がっかりさせちゃったね。折角考えてくれた名前、教えてくれる。」(“让你失望了。你特意考虑的名字可以告诉我吗?”)
「いいんです—。それなら、仕方ないですね。」春花は、子馬の鼻に触れたまま、明るい声でそう答えた。勇太と陸は、何も言わない。二人共、困ったような顔をして、春花の方をじっと見ていた。(“算了。既然如此也没办法。”春花仍触摸着马驹的鼻子,用明朗的声音回答道。勇太和陆则什么都没说。两人脸色为难地一直盯着春花。)
次の日。昼休みに、春花は廊下で勇太とすれ違った。その時だった。春花はそっと何かを渡された。渡すと、勇太は急いで行ってしまった。(翌日。午休时,春花在走廊与勇太擦肩而过。正当这时,勇太悄悄把什么东西递给了春花,然后赶紧走了。)
受け取ったものを見て、春花は、はっとした。(春花看了眼接到的东西后,吃了一惊。)
紙で折った小さな馬。不格好だけれど、確かに馬だ。(是用纸折出来的小马。虽然不怎么好看,但确实是马。)
ひっくり返してみると、ペンで何か書いてある。(翻过来看了一眼,上面用笔写着什么。)
名前付けてよ。(取个名吧。)
乱暴なぐらいに元気のいい字が、躍っている。(粗糙又有活力的字跃然于纸上。)
勇太って、こんな所があるんだ。(勇太还有这一面啊。)
窓からは、昼休みの校庭が見える。明るい校庭には、サッカーをしている子達がいる。その中に、春花は、ボールを追いかけている勇太の姿を見つけた。ありがとう。春花は、心の中で呟いた。(透过窗户可以看到午休的操场。在明亮的操场上,孩子们在踢足球。在那些人之中,春花发现了追逐着球的勇太的身影。谢谢。春花在心中嘟哝道。)

词汇
顔見知り(かおみしり):熟识;熟人
ふっさり:头发、线、果实、花等又厚又密
躍る(おどる):字写得弯弯扭扭不整齐;跳跃;摇荡、摇动、颠簸;(吃惊、紧张、欣喜等而)心跳得厉害

作业
1.读课文
2.思考课文相关问题:

3.看图写话:
