【译-天声人语】读书推荐避人耳目
コッソリ読みのすすめ
读书推荐避人耳目
書店のレジで、カバーをかけますか、と尋ねられる。はいと答える。自分が選んだ本の表紙が覆われて、題名が見えなくなる。その瞬間が私は好きだ。ちょっとした秘め事ができたような不思議な気分になる▼
在书店选好书,去结账,店员问我是否需要包书皮。我回答要。一皮障书,不见书名。每每此时,心情愉悦。仿佛一件秘事大功告成,让我感到不可思议。
かつて社会学者の清水幾太郎が、電車のなかで他の人が持つ本の題名が目に入ると「見てはならぬものを見た」ようで恥ずかしくなると書いていた(『日本語の技術』)。反対に、自分の本を他者に知られるのは「心の内側を覗(のぞ)かれたような」気持ちだとも▼
曾经,社会学家清水几太郎乘坐电车时,其他人的书名映入他的眼帘,他感到仿佛看到了什么不该看的东西,心生羞愧,于是写了一本书——《日语的技术》。他也认为,相反,如果自己的书被其他人看到了,自己也会感到仿佛内心被他人窥探。
本の著者と自分の心が「本当に噛(か)み合う」ということは「秘密の事柄のような気がする」。それは「コッソリとやる」のが当然ではないか、と清水は記した。読書とは、時空を超え、他者と離れ、自分だけのひそかな通信を著者と交わす行為なのだろう▼
清水写道:“我觉得书籍的作者和读者的心‘真正心有灵犀’是一件非常私密的事情。所以读书难道不应该‘避人耳目’吗?”读书大概是一种超越时空,与他者无关,仅属于自己的和作者交换秘密信息的行为吧。
今年も読書週間が始まった。毎年の学校読書調査によると、小中学生の読む本の数は30年前に比べ倍増の勢いという。活字離れが言われるなか、少し意外だったが、朝読書の時間を設ける学校が出ているのが影響しているらしい▼
今年的读书周也开始了。根据每年的学校读书调查报告可知,如今中小学生阅读书籍的数量较30年前翻一番势在必行。人们总说现在人读书看报越来越少,这个结果却令人感到意外。据说与某些学校开设早读时间有关。
教室で、みんなで一緒に本を読むのは楽しいだろう。でも、コッソリ読みもおすすめしたい。紙の本でも電子書籍でも。電車でも学校でも。清水が感じた恥ずかしさは、世代を超えて共感できるものと思うから▼
在教室里,大家一起读书想必其乐无穷。但是,我也想推荐大家避人耳目地去读书。无论是纸质书也好,电子书也罢,无论是电车上也好,学校里也罢。因为我认为,清水当时的羞愧之情,也能引起你们这一代人的共鸣。
読み終わった本はカバーをはずし、自宅の本棚にならべる。自分はあとどれだけの本に出会えるのか。「秘密の事柄」をいくつ重ねられるのか。秋晴れの広がる週末に一人思う。
读罢一本书,拆开书皮,摆在自家书架上。畅想自己今后还会邂逅多少书籍,还会经历多少秘事。秋天的一个周末,晴空万里,我一个人开始思绪飞扬。

拙译今日天声人语。