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【GPT机翻】战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚)- 152 [千五百七十七年 一月下旬]

2023-05-15 22:50 作者:爱吃果冻的沙耶  | 我要投稿

书名 战国小町苦劳谭

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作者: 夹竹桃

原作:http://ncode.syosetu.com/n8406bm/

翻译工具:ChatGPT

*机器输出的翻译结果UP未做任何修正,仅供试阅。标题章节号为原翻译版的顺延。*

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千五百七十七年 一月下旬(*原文网页序列号 - 176)

年が明けた。暦の上では天正四年(1576年)となり、史実に於いて信長が安土城の築城を開始した年となる。


新年伊始。历法上已是天正四年(1576年),也是信长开始筑造安土城的年份。


史実と比して一年早く完成した安土城にて信長は新年を迎えた。尾張は勿論のこと日ノ本全体の情勢も、従来の歴史と比べると大きく変わりつつある。


在比历史记录提前一年完成的安土城,信长迎来了新年。不仅是尾張,整个日本的形势都在与传统历史相比发生着巨大变化。


特に民の目線から見た織田家は隆盛を極め、逆に戦国最強の名をほしいままにしていた武田の凋落が著しい。


特别是从人民的眼光来看,织田家族达到了隆盛的状态,而武田家族则相反地,其凋落之势显著,失去了战国最强的名号。


誰が口にしたわけではないが、新年こそは日ノ本の勢力図が大きく書き換わる激動の年となるだろうと考える者も多かった。


虽然没有人说过这样的话,但许多人认为新年将会是日本势力格局发生巨大变化的动荡之年。


対する西国の雄たる毛利や、東国の要(かなめ)である北条にとっては忸怩(じくじ)たる思いを新年早々に噛みしめることになる。


对于西方的雄主毛利和东方的支柱北条来说,在新的一年初就会感到无法安心的感觉。


民たちの下馬評に依れば、自分達は順当に倒されて然るべきだと認識されており、またそれを覆せるだけの存在感を示せていないのも事実であった。


根据民众的评价,他们认为自己应该顺理成章地被打败,因为他们还没有展示出足够的存在感来翻盘。


「いくさを始める前に勝敗は既についているって常々言ってるんだけれど、心情的にも蓋を開けるまでは判らないと思いたがるのが人情なのかな?」


"我常常说在战争开始前就已经决定了胜负,但人们可能希望在开盖子之前也能知道情况,这是人性吧?"


そう呟きつつ静子は目の前に鎮座する漆塗りの重箱へと箸を伸ばした。彼女が口にしているのは四段重ねの重箱に詰められていた御節(おせち)料理である。


这时候,静子低声喃喃自语着,伸出筷子夹起了眼前静静躺着的漆塗重箱里装满的四层菜肴,那就是她今天经口掌握的日本传统新年盛宴“御節料理”了。


展開された各々の重箱には昨年の暮れより仕込まれた料理がぎっしりと詰め込まれ、色とりどりの料理と重厚な漆器が織りなす対比が目を楽しませてくれる。


每个展开的重箱里都填满了去年底开始准备的各种美食,丰富多彩的菜肴和华丽的漆器形成了鲜明对比,为我们的眼睛带来了愉悦。


そもそも『おせち』とは、中国より伝わった節供(せっく)(節(せつ)と呼ばれる季節の変わり目ごとに、豊作を祈念または感謝してお供え物をした)の行事に端を発し、我が国では奈良時代に朝廷で執り行われた節会(せちえ)に起因する。


“首先,“御節料理”出自中国的节供(“節”指每个季节的更替,为了祈求丰收或感恩而献上)仪式,我国则源自于奈良时代朝廷举行的“节会”。”


とは言え奈良時代の『おせち』は現代のそれと異なり華やかさとは程遠く、飯と高盛(たかもり)に載せられた膾(なます)や煮物、汁物、焼物といった質素なものであった。


然而,奈良时代的“Osechi”与现代有很大不同,它并不华丽,而是简朴的菜肴,例如腌菜,煮菜,汤和烤菜,都是放在饭和高森里的简单的东西。


静子達が口にしているような重箱詰めのおせち料理が一般的になったのは、史実上では大正時代の頃だと言われている。


据说像静子这样提到的盒装新年料理普及开来是在实际历史上的大正时代左右。


元々『おせち』という言葉は、五節句(せっく)の一つである正月七日に当たる人日(じんじつ)に出された祝儀料理全てを指していた。


最初,“おせち”这个词指的是在五个节气之一的元旦七日,所提供的所有祝贺菜肴。


因みに他の節句は、三月三日の上巳(じょうし)、五月五日の端午(たんご)、七月七日の七夕(しちせき)、九月九日の重陽(ちょうよう)とがある。


顺便提一下,还有其他节日,包括3月3日的上巳节、5月5日的端午节、7月7日的七夕节、9月9日的重阳节。


現代に於いても雛祭りに象徴される三月三日の『桃の節句』、子供の日として認識されている五月五日の『端午の節句』、織姫と彦星の物語や、願い事を書いた短冊を笹に吊るす『笹の節句』こと七夕(たなばた)として我々の生活に根付いている。


即使在现代,三月三日的“桃花节”和五月五日被认为是儿童节的“端午节”仍然象征着日本文化。此外,“雏祭り”、“端午の節句”和“七夕”等节日在我们的生活中也根深蒂固。


「北条はこの期(ご)に及んで尚、内輪で揉めておると聞いた。組織を構成する人々が変わらぬ限り『小田原(おだわら)評定(ひょうじょう)』(長引くだけで結論を出せない会議などの意)も変わらぬようだ」


“据听说,到了这个时候,北条家内部还在争吵不休。除非组成这个体系的人们得到改变,否则像「小田原评定」(指无法得出结论而拖延的会议等等)这种情况也将一成不变。”


重箱とは別に用意されている蛤(はまぐり)のお吸い物を片手に、足満が静子の問いに答える。彼は自分の取り皿に栗きんとんを山盛りにし、先ほどから手酌でお酒を飲んでいた。


他手拿装着蛤蜊汤的小碗,另一只手拿山形状的栗蓉点心,在回答静子的问题。他一边将栗蓉点心堆在自己的小碟子里,一边手持酒杯自斟自饮。


意外に思われるかもしれないが、甘い栗きんとんと辛口の清酒の組み合わせは相性が良く、また栗きんとんと対を成す蛤のお吸い物を口にすることで延々と食べ続けられてしまう。


也许会让人们感到意外,但是甜栗饼与辛口清酒的搭配相得益彰。尝试用蛤壳汤与栗饼一起食用,将会让您不断地享受美食。


現代にも伝わるような重箱詰めのおせち料理には、厳密な決まりが存在しない。その為、二段や三段のものから五段を超える豪華なものも存在する。


现代也传承着重箱装盛的新年料理,没有严格的规定。因此,存在着从两层或三层到超过五层的奢华品种。


しかし、それでも強(し)いて言うなれば四段のお重こそが正式なものとされる。これは数字の三が完成や安定を示すため、その上に一つ段を積み上げるという発展性を願っての験(げん)担ぎであったり、四という数字が四季を表し、一年を内包するとされたりするためだ。


然而,即使如此,坚持要说四阶的重才是正式的。这是为了展示数字三的完成和稳定,希望在其上叠加一段以展现发展的象征,或者象征四个季节和一年内涵的数字四而进行的祈福。


ただし、四(し)は死を連想させることから縁起が悪く、四(よん)を与(よ)と言い換えて与の段と呼んだとされる。


然而,数字“四”(shi)因与“死”谐音而给人带来不祥之感,故用数字“四”(yon)的同音词“与”(yo)替代,称之为“与の段”。


これも後年に出来た作法ではあるが、重箱にも様式が定められており、外が黒で内が朱のものが正式な色合いとされている。


这种做法虽然是后来才出现的,但重箱也有规定的样式,正式的颜色是外黑内朱。


詰める料理にも定番が存在し、静子は一の重にかまぼこや黒豆の他に祝い肴を、二の重には鯛や鰤、海老といった縁起が良いとされる海の幸の焼物を、三の重には紅白膾や酢れんこんなどの酢の物を、与の重には里芋など山の幸を使った煮物を詰めている。


填满食物中也有经典选择,静子在一层加入了烤鱼板和黑豆以及庆祝小菜;在二层加入了吉祥海鲜烧烤,如鲷鱼,鲈鱼和虾等;在三层中添加了红白腌制鱼和酢竹笋等腌菜;在四层中添加了山菜炖菜,如地瓜等山珍美味。


「お世辞にも農業に適しているとは言えない関東の地で王道楽土を作り上げ、関八州国家の盟主であり関東の王と呼ばれた手前、矛を交えずして降伏は出来ないってところかな? 武田侵攻が三月にも始まるから、それまでに我々の想定を超える起死回生の一手を打てないなら詰んだ状態は覆らないね」


“可以说,在不太适合农业的关东之地,他创造了王道的乐土,成为了关八州国家的盟主,被称为关东之王。这也就意味着,如果不拿起武器进行战斗而选择投降,那么就意味着失败。由于武田的入侵将在三月开始,如果在那之前无法采取超出我们预想的惊天动地的反击策略,那么我们将无法改变绝境的局面。”


「恐らくは史実通りに結論が出せずに滅ぶのだろうな。しかし優勢とは言え油断は禁物だ。窮鼠(きゅうそ)猫を噛むの故事もある」


“恐怕无法得出确凿结论而灭亡,但优势并不意味着可以掉以轻心。也有‘困兽犹斗’这个成语。”


「勝って兜の緒を締めよって言うしね。一寸先は闇だよ、剣呑(けんのん)、剣呑」


"赢了战斗要紧绷兜帽绳子,说的就是你呀。眼前的胜利也许只是一步之遥,小心呀,剑吞,剑吞。"


慢心した挙句に詰めをしくじり、最後の最後で逆転されたら目も当てられない。世間的には東国征伐に一度失敗しており、捲土(けんど)重来(ちょうらい)を期しての攻勢だ。


疏忽大意,失误不断,在最后关头被反击,真是难以置信。在社会上,曾经经历了一次东国征伐的失败,现在再次发起攻势希望能够东山再起。


今回東国を攻めきれずに引き分けたり、ましてや敗北を喫したりした場合、織田軍全ての強さを疑われることになり得る。


此次无法攻克东国,甚至失败的话,可能会让人们对織田军的整体实力产生怀疑。


ことは静子一人の失敗に収まらず、織田軍のひいては信長が天下人として相応しいかどうかを問われることになりかねない。


这件事不仅仅是静子个人的失败,还可能涉及到織田军,甚至牵扯到信长是否适合成为天下人的问题。


疑問を挟む余地すらない完全なる勝利を収める必要があった。


需要取得完全的胜利,没有任何疑问的余地。


「東国が片付けば、程なくして毛利は落ちる。となれば残すは九州勢のみとなろう。そう言えば東北の伊達家はどうなった?」


“东国一旦处理完毕,毛利家很快就会垮台。那么剩下的,只有九州势力了。说起来,东北的伊达家怎么样了?”


「奇妙様が対北条戦の一環として色々と揺さぶっておられるけれど、中々良い返事がないみたい。ただし、これも時間の問題だと思う」


“奇妙大人作为对北条战的一个部分,似乎在做出各种尝试,但好像还没有得到令人满意的回应。不过,我认为这只是时间问题。”


「北条に対する経済戦争の推移を見ても考えを変えぬのならば、次代を担う資格はない。残された猶予は少ないが、さて先進的な輝宗(てるむね)殿はどう動くか?」


如果不改变想法,不考虑针对北条的经济战争的发展,那么就没有担任下一代的资格。时间已经不多了,那么先进的輝宗殿会采取什么行动呢?


「私達にも物流の限界があるから、早い段階で下ってくれれば奥州一帯の統治を任される可能性があるんだけれど……そこに気付けるかどうかだよね」


“因为我们的物流也有限度,如果你能尽早下来,可能会被委以奥州一带的统治职责......但这取决于你是否意识到这点。”


北条氏は関東一円だけに飽き足らず、東北へも手を伸ばし伊達や蘆名(あしな)、佐竹にも協力を取り付け巨大な反織田連合を結成している。


北条氏不仅仅局限于关东地区,还向东北拓展势力,并与伊达、莨名、佐竹等勢力合作,建立庞大的反织田联盟。


名目上は結束しているものの、その実態は一枚岩とは到底言えない。伊達と蘆名は互いに勢力争いを繰り返しているし、佐竹はあくまでも協力関係にあるだけであり北条に従属している訳ではない。


表面上看起来是团结一致的,但实际情况却并非一片和声。伊达与荻原不断争夺势力,而佐竹只是与北条合作,没有附属于北条的意思。


地理的にも近畿から中部・東海地方を主軸としている織田連合に対する影響力は微々たるものだ。反織田連合というよりも相互不可侵及び、窮地に陥った際に相互支援するという枠組みというのが精々だ。


地理上来看,对以近畿为中心的织田联合影响微乎其微。与其说是反织田联合,不如说是相互不侵犯和在陷入困境时相互支持的框架。


そうした状況を鑑(かんが)みた上で、かつて本願寺が盟主となって作り上げた反織田包囲網よりも結束力が脆いと判断し、信忠は成長の余地があるものの、苦境を脱しきれていない伊達家に白羽の矢を立てて調略を試みていた。


在考虑到这种情况之后,信忠判断出比以前本愿寺作为盟主建立起的反织田围困网还要脆弱,他试图向伊达家投降,尽管信忠仍有成长的余地,但伊达家仍未完全走出困境。


勿論、二重三重に保険を掛ける意味でも、蘆名や佐竹に対しても揺さぶりを行っている。


当然,这也是为了给自己的保险加上一层或两层,对荻名和佐竹也施加压力。


史実に於いては伊達家が奥州を統一して東北の覇者となるため、将来性をも考慮している。しかし、現時点での梵天(ぼんてん)丸(まる)(伊達政宗の幼名)は十にも満たない幼子でしかない。


在史实中,为了统一奥州并成为东北的霸主,考虑到将来的前途,伊达家是非常重要的。然而,目前的梵天丸(伊达政宗的幼名)只是一个不到十岁的婴儿。


信忠は伊達家がこちらの調略に同調するならば良し、さもなくば頭角を現す前に捻り潰す必要があると考えていた。


信忠认为,如果伊达家赞同我们的策略,那就好;否则,在他们显露头角之前,我们需要扭转他们的局面。


「急ごしらえの連合は危うい。本願寺の第二次織田包囲網で気付くべきだったのだ。しかし、北条の重臣どもは成功体験に固執し、都合の悪い現実から目を逸らしておる」


"仓促组成的联盟很危险。这应该在本愿寺第二次織田包围时察觉到的。然而,北条的重臣们一直固执于成功的经验,并逃避了不利的现实。"


「『船頭多くして船山に上る』ってね。民や配下の意見を良く聞き、共和制にも近い政治形態を実現しているのは見事だけれど、組織が肥大化するに連れて意思決定が鈍重になるのは避けられなかったんだろうね」


「‘船夫众多,船登高山’。听取民意和手下的意见,实现了近似共和政治形态的壮举,但随着组织庞大化,决策变得迟缓是不可避免的。」


「いずれにせよ北条と我らは共存できぬ。並び立てぬ以上は滅ぼすのみ、どうせ散るのならば潔く散らせてやるのが武士の情け」


"无论如何,北条和我们无法共存。既然无法并存,只能毁灭,既然注定要灭亡,就让武士的慈悲让他们最后有一个干净的灭亡。"


「うん、でも足満おじさんは佐渡島をお願いするね。出来ることなら手早く片付けて、応援に駆けつけて貰えると嬉しいかな。朝廷からの許可を得ているとはいえ、実効支配している本間氏が黙って従う道理が無いから充分に気を付けて欲しいな」


“是的,但是足满大叔请求我们前往佐渡岛。如果可以的话,快点处理完事情,前来给我们打气会让他很高兴。虽然我们已经获得了朝廷的许可,但由于本间氏拥有实际控制权,他可能不会听从无动于衷,所以请务必小心。”


「分かった。手早く(・・・)片付けよう(・・・・・)」


“知道了。 快速处理(......)让我们整理(........)"


元より実力行使を念頭に置いていた足満だが、静子の希望とあっては遅参する訳にはいかない。さして選ぶつもりもなかった攻略手段が、早期解決を図るという大義名分のもとに苛烈な方向へと舵がきられた。


一开始就以实力行使为前提的足满,但出于静子的希望,不能迟到。原本并没有选定的攻略手段,在早期解决的大义名分下,转向了残酷的方向。


「今年中に毛利まで片付くと良いんだけれどね。四国は同盟関係にある長宗我部(ちょうそかべ)が奮闘しているし、畿内はほぼ平定できたから……予想外だったのは本願寺の撤収が遅れているところかな。ちょっと信徒を送りすぎたね」


“希望能在今年内解决掉毛利问题。四国地区长宗我部展开了艰苦卓绝的同盟运动,而京都地区已经基本稳定……唯一出乎意料的是本愿寺撤军拖延的情况。我们派遣了太多信徒。”


本願寺は信長に屈し、下間(しもつま)頼廉(らいれん)が窓口となって指揮を執り、石山本願寺から退去することが決まっている。


本愿寺屈服于信长,下间依赖廉担任窗口并指挥撤退,决定离开石山本愿寺。


問題は石山本願寺内で生活していた膨大な信徒にあった。信長は本願寺を追い詰めるため、かつての本願寺の領土を削り取りながら、そこに住んでいた信徒を本願寺へと追い立てた。


问题出在石山本愿寺内生活的大量信徒身上。信长为了逼迫本愿寺而削减了其领土,迫使那里居住的信徒逃往本愿寺。


結果的に石山本願寺は許容量ギリギリまで信徒を抱え込むことになり、いざ石山本願寺を退去するとしても彼らに安住の地を与えることが出来ず四苦八苦していた。


结果,石山本愿寺最终拥有了最大容量的信徒,即使他们想退出石山本愿寺,但却不能提供安身之处,这让石山本愿寺陷入了苦恼。


人数が人数であるため、それらが全て暴徒と化せば近隣一帯の治安が地に落ちるため、信長は近衛前久(さきひさ)を通して援助しながら解体作業を進めている状況だ。


由于人数众多,如果所有人都变成暴民,邻近地区的治安将会很不稳定,因此信长通过近卫前久提供支援,推进拆卸工作。


「頼廉が顕如(けんにょ)を幽閉し続けている理由、恐らくだけれど戦後処理の不満を彼に向けない為なんだろうね」


「可能是因为頼廉不想向顕如发泄战后处理的不满,所以一直将他扣留在那里。」


「下剋上を企てた以上、汚名は己が被るつもりなのだろうな」


"既然企图颠覆上位,那么也必须承担起名声扫地的后果吧。"


顕如の所在については明かされていないものの、恐らくは奥の院にて幽閉されていると思われる。しかし、信長も静子も敢えて顕如を出頭させようとは考えていなかった。


虽然顕如的行踪没有被公开,但很可能被囚禁在后宫。但是,信长和静子都没有考虑让顕如自首。


既に武装解除が為された上に、蓄えられていた多くの財産は信徒の為に換金され配られたため殆ど残っていない。更に信仰の拠り所となる石山本願寺を失っている状態だ。


已经解除武装,大部分存储的财产已经被兑换为信徒和分配出去,因此几乎没有剩余。此外,作为信仰支柱的石山本愿寺也已失去。


万が一にも無いとは思うが、顕如が再起を図ろうとも彼の声に従う者は少ないだろう。既に決着はついてしまったのだ、誰しもが時代の流れに逆らって過酷な生を送れる訳ではない。


万一没有发生,顕如即使再起,也没有多少人会听从他的声音。大局已定,没有人可以逆流而上,过着艰苦的生活。


「顕如としても今更ことを荒立てるような真似はしないでしょう。仮にやったとしても、規模が拡大する前に鎮圧されるのは目に見えてるでしょうし」


「显如作为人不会做出激起争端的举动。即使这样做了,毕竟规模扩大前就会被镇压,这是显而易见的。」


武装集団としての本願寺は死んだ。頼廉の策により、辛うじて宗教としての本願寺教団が生を繋いでいるに過ぎない。


本愿寺作为武装集团已经消亡。仅仅是通过顺廉的策略,本愿寺教团以宗教的名义存续至今。


彼らは間者達によって常に監視され、武装蜂起の気配を察知されようものなら瞬く間に滅ぼされるだろう。


他们会被间谍时刻监视,一旦察觉到武装起义的迹象,就会瞬间被摧毁。


頼廉はそれが判らない程愚かではないのだが、一抹の不安が残されていた。強硬派であった教如(きょうにょ)の動向が掴めなくなったというのだ。


莱廉并不是愚蠢到不懂,但他有些不安。因为教如这个强硬派的动向已经难以掌握。


(もう一波乱あるかも知れないね)


(可能还会有一波波动)


このまま順調にことが済むとは思えない静子であった。


静子觉得事情不可能顺利地进行下去。


昨年の正月は信長の配慮により、比較的(・・・)穏当な正月を過ごしていた静子だが、今年は他の重臣たち同様過酷なスケジュールでの挨拶行脚(あんぎゃ)となった。


去年的新年,在信长的配合下,静子过了相对平静的新年。但今年,像其他重臣一样,她也要进行紧张的拜年活动。


信長や信忠、義父である前久をはじめとした目上の人々への挨拶が済むと、同格同士の挨拶回りが行われる。これが一段落しても終わりとはならない。


信长、信忠以及前久等长辈等人接受问候,然后进行同级别的问候。这并不是一次性结束的。


今度は自分が尾張で正月の挨拶を受ける番が回ってくるのだ。自分が矢面に立てば済む上位者への挨拶回りと異なり、挨拶を受ける方は想像以上に労力を要する。


这次轮到自己在尾张接受新年祝福了。与对高级人士的问候不同,自己要接受问候所需的劳力超乎想象。


軽々しく誰にでも面会したのでは鼎(かなえ)の軽重(けいちょう)を問わ(統治者としての能力を疑われる)れてしまう。


轻率地与任何人会面,会受到权力的质疑(被怀疑作为一名治理者的能力)。


ここでの主役は静子ではなく、それらを捌く家臣団となるため静子は見守るしかなかった。決裁等で静子の判断を求められることもあったが、基本的には任せっきりとなるため手持ち無沙汰となった静子は、お呼びがかかるまではハイイロオオカミのカイザー一家と過ごすことで精神の安定を図っていた。


这里的主角并不是静子,而是家臣们处理问题的角色。因此,静子只能旁观。有时会要求静子做出决定,但基本上是不得不委托他人。因此,静子有些无所事事,直到需要她的时候,她才跟随高地狼柯伊泽一家度过时光以保持心灵稳定。


しかし、そうしたお正月ムードは一月下旬に差し掛かって一変する。


然而,这种新年氛围在1月下旬就会改变。


「羽柴様は攻囲作戦中だから暫く武具の補給は優先順位を下げて、代わりに食料品と医療品、生活雑貨を増やして発送して」


「因为羽柴大人正在进行攻围作战,所以暂时将武器装备的补给降低优先级,代之以增加食品、医疗品和生活杂货的发运。」


松の内(一月中旬まで)は暗黙の休戦協定があったためか穏やかだったが、西は播磨・丹波平定と本願寺の解体作業。東は武田・北条征伐に向けての作業が一気に押し寄せてきた。


“由于在松的内气氛(直到1月中旬)中有一个默契的停战协议,情况很平静,但西方正在处理播磨丹波的安定和本愿寺的拆除工作,东方遭受着针对武田北条的一系列工作的攻击。”


丹波平定を担う明智光秀は、昨年時点で大勢を決しており、現在は地盤固めに着手しているためか目立った大きな動きがない。


明智光秀负责平定丹波,去年已经决定了大多数事情,现在正在着手巩固地盘,因此没有引人注目的大动作。


必然的に城攻めを継続している秀吉に注目が集まっていた。


所有注意力都集中在毫不动摇地攻打城池的秀吉身上。


件(くだん)の秀吉は、ここが己の分水嶺となることを理解しており、自軍の綱紀粛正を図った上で慎重に城攻めを進めていた。


正如所提到的那样,秀吉理解了这里是他的分水岭,因此在整顿自己军队的纪律后,小心地推进了城堡攻势。


名よりも実(じつ)をとる運用が幸いしたのか、秀吉軍は連戦快勝を重ね、明石まで攻め進めることに成功していた。


由于采取了实用优先的运筹策略,秀吉军连战连胜,成功地攻占了明石。


「明石を取り戻せても、ここからが難題だよね。明石港と尼崎港を確保できたから、海運での物資輸送が可能になった反面、この拠点を守るための兵力を常に割かないといけないし、海軍を組織する必要もあるよね」


“就算夺回了明石,从这里开始也是个难题啊。虽然能够确保明石港和尼崎港,实现了海运物资的运输,但为了守卫这个据点需要不断调配军力,还需要组织海军。”


語るまでもないが明石港と尼崎港は優良な港として名を馳せている。これらを手中に入れた事により、軍資金はもとより兵站維持という面に於いて、遠征軍であるという不利を覆せたと言っても過言ではない。


不言而喻,明石港和尼崎港作为优良港口享有盛名。拿下这些港口,不仅成功筹措了军资,而且在维持兵站方面也扭转了远征军的不利局面,这可谓不言而喻。


しかし、問題がないわけでもない。前述のように毛利が支援する村上水軍によって海上封鎖される可能性があるのだ。尼崎港に関してはより織田勢力圏に近いため、おいそれとは手が出せないだろうが、明石港は最前線に位置するため事情が異なる。


然而,并不是没有问题。正如前面所述,由毛利支持的村上水军可能会对海上封锁进行干扰。尼崎港更靠近织田势力范围,因此不太容易受到攻击,但是明石港位于最前线,情况就不同了。


最前線へ直接物資を運びこめるという利点もあるが、敵の手に落ちれば再び窮地に立たされることになりかねず、これまでのように攻勢一辺倒という訳にはいかなくなった。


直接运送物资到最前线的优点是显而易见的,但一旦落入敌手,我们可能会再次陷入困境,因此我们不能像以前一样只采取攻势。


更に淡路島を勢力下におけていないため、そこからの攻撃に備える必要もあった。明石港は要衝だが、ここだけに依存する訳にはいかないと秀吉は考えた。


此外,由于未能控制淡路岛,因此需要准备应对来自该地区的攻击。明石港虽然是重要要塞,但秀吉认为不能仅仅依靠它。


「上様から新港(神戸港)開発の許可は下りた?」


"上级已经批准了新港(神户港)的开发吗?"


「はっ! 先日ご裁可頂きました。それに伴い、事業計画通りに技師集団を派遣しております」


“啊! 我们最近已经获得批准。相应地,我们正在按照业务计划派遣技术人员团队。”


「判りました。これは愛知用水に並ぶ大規模な国家事業となるでしょう。当面は前線への物資補給を目的としますが、将来を見据えて設計するよう指示して下さい」


“明白了。这将成为与爱知用水相媲美的大型国家事业。暂时的目标是补给前线的物资,但请考虑未来进行设计。”


秀吉が打診し、静子が立案したのが神戸港の開港であった。六甲山脈から大阪湾にかけての急峻な地形によって海底が大きく削られて水深が急激に深くなっており、神戸には天然の良港となれる素養があった。


秀吉提出的打算,加上静子提出的计划,推动了神户港口的开放。六甲山脉到大阪湾之间的陡峭地形,使海底大幅度削减,水深急剧增加,使神户成为了具备天然良港潜力的地区。


現代日本に於いても五大港の一つに数えられ、国際戦略港湾にも指定されている。


现代日本也将其列为五大港之一,并被指定为国际战略港口。


神戸港の歴史を繙(ひもと)けば、大輪田(おおわだの)泊(とまり)と呼ばれた兵庫港が始まりとされている。しかし、厳密には兵庫港と神戸港の位置は半島を挟んで左右に並んだ扇型の形状をとっている。


如果追溯神户港的历史,兵库港被称为“大轮田泊”被认为是其起源。但严格来说,兵库港和神户港的位置是左右分布在扇形状的半岛上。


かつては日宋貿易の中心地となって栄えていた兵庫港だが、戦国時代の発端となった応仁の乱によって荒廃してしまっていた。


曾经作为日宋贸易的中心地繁荣发展的兵库港,在応仁之乱的战国时代变得荒废。


一方、後の神戸港となる場所には小さな寒村が広がっているだけとなる。


然而,后来成为神户港的地方仅仅是一个小而寒冷的村庄。


史実に於いては明治時代に政府が開港場(かいこうじょう)(外国貿易用の港)として兵庫港を指定し、海域を詳細に調査したところ、単なる入り江に過ぎなかった神戸の方が港として適していると判明した。


历史上,在明治时代,政府指定兵库港作为开港场(用于外国贸易的港口),并对海域进行详细调查后,发现只是一个简单的海湾,而适合作为港口的是神户。


これを機に、居留地が設けられ、神戸港の開発が始まった。開港当初は波止場の長さが短く、水深が浅いため大型船が横付けできなかった。


由此,居留地设立,神户港开始发展。开港初期,码头长度短,水深浅,无法停靠大型船只。


この問題を解決するため、水深の深い位置まで突き出した新港埠頭が増築されたことにより、国際港湾都市として発展することとなる。


为了解决这个问题,通过将新的码头延伸到深水位置来扩建,将会使其成为一个国际港湾城市的发展。


(見出されたのは明治以降。つまり今は寒村があるだけの僻地。おかげで上様や羽柴様を説得するのに骨が折れたけど、将来を見据えるなら断然こっちだよね)


(发现是明治时期以后。也就是说现在这里只是一个有寒村的偏远地区。虽然为了说服上位者和羽柴先生付出了很大的努力,但如果考虑未来,毫无疑问选择这里才是最好的)


既にあるものを利用するのは簡単だが、既得権益が出来てしまっているため利害関係の調整が難しい。それより誰の手垢も付いていない無垢な土地に、新たな港を一から作り上げる方が全ての権益を握れるため旨みが大きい。


已经存在的东西很容易被利用,但因为既得利益已经成立,利益调整变得困难。相比之下,在没有任何人涉足的纯净土地上,从头开始建造新港口更有利,因为可以把所有的权益掌握在手中。


寒村の住民に移住先を提示し、立退きさせればこの計画に口を出せる者はいない。いずれ港湾の規模が拡大すれば、現在の神戸港のように二つの港を合わせて神戸港と呼ばれるようになるだろう。


如果向寒村居民提供搬迁地,并强制其搬离,那么就没有人能够干涉此计划。随着港口规模的不断扩大,最终会像现在的神户港一样,将两个港口合并成一个称为神户港的大港口。


そこまで発展すれば利害関係が衝突する事もあり得るが、それは将来の課題として後継者に託すこととなるだろう。


如果事情发展到那一步,利益冲突也有可能发生,但那将成为后续人员面临的未来课题。


静子は以前から神戸港を開港する機会を窺っていたのだが、秀吉が一帯を制圧したことによって計画を推進することが可能となったという背景がある。


静子一直渴望开放神户港,但丰臣秀吉掌控了该地区后,这些计划变得更为可行。


「本来ならば寒村の地元民を雇って、現地に富を落とすのが上策ですが、毛利側の工作がある可能性が捨てきれません。故にこの港湾開発に関わる単純労働者以上の者に関しては、こちらから送り込むことで対処します」


“原本应该雇佣当地居民,将财富留在本地是最好的方法,但不能排除毛利方面的操纵。因此,对于与这个港口开发相关的不仅是简单劳工的人员,我们将采取派遣人员的方式处理。”


「承知致しました」


"已了解"


「羽柴様については一段落として……明智様に必要となるのは政治工作をするための情報と、金かな?」


"羽柴殿这边暂时告一段落……明智殿需要的是为了进行政治工作所需的情报和金钱吧?"


政治の世界は清濁(せいだく)併(あわ)せ呑(の)むというように、生活の延長線上にあるため綺麗ごとだけでは回らない。


政治的世界与清浊并存,就像是生活的延续,仅有美好的想法是不足以应对的。


手っ取り早く地盤を固める為に必要となるのは、誰がキーマンとなるかという情報と、それらを自分達の味方にするための金であった。


为了快速巩固基础,所需要的是谁成为关键人物以及用金钱将他们变成自己的盟友的信息。


光秀は織田家に属する者たちが多数派となれるよう多数派工作を、反織田でまとまっている者達へ離間工作を、地元有力者に金を配ることで辺り一帯の民心を獲得するロビー工作を行う予定だと、静子は知らされている。


静子被告知,光秀计划进行多数派工作,以使織田家的人成为多数,进行离间工作以将織田家内部的反对者分裂,通过向当地有权有势的人物分配金钱来赢得周围居民的信任。


ただし金で靡(なび)くものは、より大きな利益を提示されれば容易に裏切るため、監視が必要となる。それでも先祖代々の恨みなどの感情に根差した関係よりは扱いやすいし、利益を提供し続ける限りは従順だ。不用になれば関係を断てば良いため、後腐れも無い。


然而,那些会被金钱驱使的人容易被更大的利益所裹挟,因此需要监管。尽管如此,相对于基于祖传仇恨等情感而形成的关系,这些人还是比较好处理的,只要一直提供利益,他们就会顺从。而且如果不再需要他们,只需要断绝关系即可,不会留下后患。


「西国に関しては積雪などで交通が断絶することはまずないし、これからは西国の情勢が重要になるかな。よし、アレ(・・)を持っている藤堂君に、連絡を密にするよう伝えて下さい」


“关于西国,交通因积雪等原因中断的情况很少见,现在西国的形势变得越来越重要。好的,让拥有那个(···)的藤堂先生,密切保持联系。”


「ははっ」


“哈哈”


藤堂高虎が配備している装備、それは無線電話機であった。現代では皆が当たり前に使っている携帯電話の先祖とも言える機械である。


藤堂高虎配备的装备是无线电话机,在现代可以说是移动电话的祖先。


無線電話の技術に関しては専門的な知識が必要となるため、簡単に解説すると音声を電気信号に変換し、それを増幅した後に電波として飛ばし、別の受信機にて受信した信号を増幅して再び音声に変換することで実現する無線通信である。


无线电话技术需要专业知识,简单解释来说,它是通过将声音转化为电信号,然后将其放大后作为电波发送,再在另一个接收机上对接收的信号进行放大并重新转换回声音来实现的无线通信。


これを利用することにより、静子は尾張に居ながらにして西国の情報を直接入手でき、また東国征伐の状況を逐次把握することが可能となる手筈となっている。


通过使用这个手段,静子能够在尾张乃至西国直接获取信息,也能够随时掌握东国征讨的状况。


西国に関しては途中の領域が支配下にあるため、中継基地を設置することが容易であり、現時点では伝送に問題が発生していない。


由于中间地区已处于支配地区之下,因此在西方地区设立中转基地非常容易,并且目前没有传输问题。


しかし、東国征伐に関しては発電設備と電波中継施設を逐次設営しながら進軍しなければならないため、準備に膨大な労力と資金を費やしている最中であった。


然而,针对东国征伐,由于需要逐步设立发电设备和无线电中继设施才能推进进军,因此正处于消耗大量人力和财力进行准备的中期。


これらの技術を実現する要となった人物が足満である。彼はタイムスリップした先で、幼い子供ですら己の通信端末を持ち、遠く離れた人と連絡を取り合っている姿に感銘を受けた。


实现这些技术的关键人物是足满。他曾在时间旅行中看到,即使是小孩子也有通信设备,可以与远方的人联系,深受感动。


凄まじい技術であるにもかかわらず、それらの基礎的な知識は秘匿されることなく誰にでも開示されていると知り、何故か無性に学びたくなったのだ。


尽管它是一项令人惊叹的技术,但这些基础知识并未被隐瞒,而是向任何人披露。因此,我不知怎的就对它产生了浓厚的兴趣,渴望学习它。


記憶喪失であったため、その奇妙な熱意の原動力が何なのか判らないままに大型図書館に通いつめ、中学レベルの電子回路から始まり、鉱石ラジオを経て電子工作の世界へとのめり込んでいった。


因为失去了记忆,不知道那种奇怪的热情的原动力是什么,他常常去大型图书馆,并从初中水平的电子线路开始,经过矿石收音机,一直陷入电子制作的世界。


電波の正体が磁界と電界の相互作用によるものだと理解できるようになった頃には、自分で回路の設計図を引いてトランジスタラジオを作れるようになっていた。


当我理解电波实质是由磁场和电场的相互作用所引起时,我已经能够自己画电路图并组装晶体管收音机了。


戦国時代に於いても発電機とモーターが製造できるようになった時点で、電波の送受信は可能になっていたのだが、どうしても信号増幅という点で行き詰ってしまった。


即使在战国时代就已经能够制造发电机和电动机,从而使无线电的发送和接收成为可能,但由于信号放大方面一直存在问题,无线电技术发展停滞不前。


現代ならばトランジスタやダイオードによって極めて簡単に出来ることが、戦国時代では至難となる。そこで足満はトランジスタが実用化される前の真空管を用いることにした。


在现代,利用晶体管或二极管可以极其简单地实现的事情,在战国时代却变得十分困难。因此,足满选择使用真空管,而不是在晶体管实用化之前。


現時点の工作技術があれば、真空管自体を作ることは然程難しくはない。しかし、高熱が加わるため基幹部品であるフィラメントの損耗率が極めて高く寿命が極端に短いという欠点があった。


如果有现代的制作技术,制造真空管本身并不太难。但由于高温问题,作为核心部件的灯丝的损耗率非常高,且使用寿命极端短暂。


いつ寿命を迎えるか判らない真空管を補完するため、電子回路は冗長化して巨大化する。回路が肥大化すれば銅線の抵抗も馬鹿にならず、必用とされる電力も跳ね上がった。


为了补充不知何时寿命到来的真空管,电子电路进行冗余和巨型化。随着电路的庞大化,铜线的阻力也变得不可忽略,所需的电力也急剧增加。


現代のフィラメントに用いられているようなタングステンがあれば良いのだろうが、そもそも融点が摂氏3000度を超える金属を溶かすこと自体が困難であった。


如果有像现代丝绵一样使用的钨,那就好了。但是,本身融点超过摄氏3000度的金属本身就难以熔化。


またタングステンを含む鉱床の多くが中国に分布しており、尚且つ未だに未開発の土地に集中しているため、調達することも難しい。


又因为许多含钨矿床分布在中国,而且仍集中在未开发的土地上,因此采购也很困难。


そこで現在持ちうる最高の炉を使用し、精製できる高融点合金であるニッケルとクロムの合金を用いてフィラメントを作成している。


因此,我们使用目前可用的最高级别的炉子,使用镍和铬的高熔点合金进行精炼,制作灯丝。


因みに音声を電気信号に変換するのは比較的容易であり、ワイン醸造の副産物として得られる酒石酸ナトリウムの結晶、いわゆる『ロッシェル塩』を用いる。


顺便说一下,将声音转换为电信号相对容易,可使用从葡萄酒制作中得到的酒石酸钠晶体,也就是所谓的“罗谢尔盐”。


酒石酸ナトリウムの飽和溶液を作成し、可能な限り大きな結晶を析出させれば準備は完了だ。紙コップの底にでも貼り付けて固定し、電極をつないだ状態で紙コップに話し掛ければ微弱な電流が流れる。


制备酒石酸钠饱和溶液,尽可能地产生大晶体,准备工作完成。将晶体粘贴在纸杯底部固定,连接电极并向纸杯发出声音,微弱电流将流经电极。


この電極に電線を繋いで延長し、途中に信号増幅器を噛ませて別の同様のコップに電気信号を入力すると、紙コップから人の声が聞こえるという仕組みである。


将电线连接到此电极上并延伸,在途中插入信号放大器,将电信号输入到另一个类似的纸杯中,这就是从纸杯中听到人声的机制。


こうした経緯の末に開発された無線電話機は、大型かつ据え置き型ではあるが、現時点でも尾張と京とを通信で結べている。


在经过这样的发展过程后,无线电话机被开发出来了。虽然它是一种大型并且需要固定的电话机,但目前已经能够连接尾张和京城进行通信。


「西国に関しては以上かな。 東国について何か報告はありますか?」


「关于西方地区,以上就是全部了。关于东方地区,你有什么报告吗?」


「現時点では特筆すべき報告はございません。武田は慢性的な物資の供給不足に陥っており、生活必需品を工面するのにも四苦八苦しているようです。食料を調達するので精一杯という状況であり、いくさなど論外でしょう」


「目前为止没有特别值得注意的报告。武田正陷入长期物资供应短缺的困境,看起来艰难地应对生活必需品的采购。现在,精力已经全部用在获取食物上,战斗等行为已经排除在外了。」


「上々ですね。自分達が食うや食わずという状況でも敵は攻めて来ると理解している人もいるでしょうから、引き続き手を緩めないよう真田さんに伝えて下さい」


“很好。即使是在我们自己的困境中保持食不果腹,也有人理解敌人会继续进攻,因此请向真田先生传达,继续保持紧张。”


「はっ。承知しました」


“好的,我明白了。”


「あまり締め付け過ぎて難民が大量発生しても困りますから、生かさず殺さずの匙加減を工夫して下さいと伝えて。私は少し見回りをしてきます」


“告诉他们不要过度限制,以免大量难民的出现,要谨慎处理并谨慎处理。我会去巡视一下。”


間者との窓口を担っている連絡役との会談を終えた静子は席を外す。護衛の才蔵を伴った静子は、越後から預かっている人質たちの許へと向かう。


结束了与负责联系间谍的联络人的会谈后,静子离开了座位。静子带着保镖才藏前往越后地区接收的人质处。


彼らは近頃練武館(いわゆる武道場)に入り浸っており、ご多分に漏れず今回も皆が練武館で汗を流していた。


他们最近经常在练武馆(也称为武道场)待着,这次也不例外,大家都在那里锻炼出了一身汗。


閉ざされていた道場の扉に才蔵が手を掛けて押し開く、最初に感じたのは冬の寒気をものともしないむせ返るような熱気だった。


才藏伸手推开了关闭的道场门,他最先感受到的是冬天的寒冷无法抵挡的热气。


彼らは誰しもが熱心に鍛錬しており、上着をはだけた袴姿となり無心に槍を振るっている者もいた。


他们每个人都非常热心地锻炼,有些穿着敞开衣服的袴子,全神贯注地挥动着长枪。


「これは静子殿。このような場所までご足労頂くとは何か御用でしょうか?」


“这位是静子女士。您为何到这种地方来了?”


開け放たれた入り口より吹き込む寒風によって、静子の存在に気付いた景勝が手拭いで汗を拭きつつ声を掛けてきた。


寒风从敞开的门口吹进来,景胜感觉到了静子的存在,拿着手巾擦了擦汗,走过来打招呼。


静子は彼らに自分に構わず稽古を続けるよう声を掛けると、景勝を練武館の端へと誘(いざな)った。


静子对他们说,让他们继续练习,不要理她。然后她把景胜引到了练武馆的一角。


「今日は通達事項があってきました。お待たせしていましたが、ようやく全員分の入浴手形が準備できました」


"今天有一个通知事项。虽然让你们久等了,但是终于所有人的洗澡券都准备好了。"


「おお! お骨折り頂き有難く存じます。では働き口については?」


“哦!非常感谢你的辛勤付出。那么,关于工作岗位呢?”


「そちらについては正式な命令書が届いていませんが、上様の決裁は頂けたので近日中にも許可できるでしょう」


“关于那方面我们还没有收到正式的命令书,但是得到了上级的批准,所以近日内可以批准许可。”


静子の返答を受け、景勝をはじめとした越後の皆は歓喜に沸いた。入浴手形とは彼らが風呂に入るための許可証である。


听到静子的回答,包括景胜在内的越后众人欣喜若狂。入浴手形是他们进入浴室的许可证。


彼らも随分と尾張様式の生活に染まっており、鍛錬をして汗を流した後は熱い湯船に浸かって体を癒したいと言う気持ちが強かった。


他们也深受尾张风格生活的影响,锻炼后流汗之后,他们渴望泡在热水浴缸中,舒缓疲惫的身体。


今までは慶次が同道していれば団体として入浴が許可されていたのだが、彼が居ないとなると湯を貰って体を拭うのみとなる。


之前只要景次在一起,作为一个团体就可以使用浴室,但如果他不在,就只能领取热水洗涤并擦干身体了。


今更彼らが悪さをするとは思えないが、寸鉄を帯びられない浴場への立ち入りを自由にするとなると静子一人の裁量の範疇(はんちゅう)を超えた。


现在虽然不认为他们会做坏事,但是如果要自由进入没有武装的浴场,这已经超出了静子一个人的裁量范围。


最終的に信長が下した判断は、一度に五人までの入浴を許可するというものであった。注意書きとして長湯を戒めるものと、風呂への酒類持ち込みを禁じる旨が添えられていた。


最终决定是让每次只允许五人入浴。注意事项包括避免长时间泡浴和禁止饮酒入浴。


恐らく慶次が最初にやってみせたのだろうが、湯船で酒を一杯やるというのは越後の面々にとって至福の時間であったのだろう。


恐怕是景次最先尝试的,但在浴缸里喝一杯酒对于越后的人们来说是至福的时光。


しかし、さしもの越後人(うわばみ)であっても風呂での深酒は昏倒必至であった。あわや湯船で溺れ死ぬという騒動となり、以降の酒類持ち込みは厳禁となった。


然而,即使是优秀的越后人(俗称上八)也会因在浴室饮酒过量而昏倒。这场风波差点导致溺水身亡,鉴于此自此之后严禁携带酒类。


また景勝が口にした働き口とは、本格的な職業斡旋ではなく、臨時のアルバイトに類するものであった。


再者,景胜口中所说的“工作口”并非指正式的职业介绍,而类似于临时打工的工作。


人質の立場では、腰を据えて職業に就くわけにもいかないため、隔日で半日程度の仕事を探していたのだった。


在人质的位置上,他不能安定下来就业,因此他每隔一天就会寻找大约半天的工作。


彼らは人質であるため、比較的裕福な武士と同程度の待遇が保証されている。しかし、彼らも人の子であり、夏頃に界隈で流行りはじめたビールと焼き鳥や、海産物をたっぷり使った練り物の浮かぶ『おでん』で一杯やってみたいこともある。


因为他们是人质,所以保证了与相对富裕的武士同等的待遇。但是,他们也是人的孩子,有时也想尝试在夏天在周围流行的啤酒、烤鸡肉和海鲜糊状物浮现的“关东煮”中喝一杯。


つまりは自分の裁量で自由に使える小遣いを増やしたいというものだ。最低限の食い扶持とは異なり、贅沢の部類になるため、彼らは己で金を稼ぎたいと願ったのだ。


换句话说,他们希望增加可以自由支配的零花钱,与最低限度的口粮不同,这些钱属于奢侈品类别,所以他们希望自己赚钱。


「(時代劇だと武士のアルバイトって言えば番傘作りが定番だよね)労働については、いきなり外部に出るのは難しいため、まず私の屋敷の補修や町内の道普請(みちぶしん)等に従事して頂きます」


“对于雇佣,因为对于立即外出的者可能有所困难,所以请先从修补我屋子或是在镇上修建道路等工作开始进行。”


尾張の静子邸もそこそこ年季が入ってきており、随所に老朽化の兆候が見られるようになっていた。とは言え、老朽化しているのも表層部分や、可動部などの負荷が掛かる場所に限られている。


尾张的静子住宅已经相当老了,到处都可以看到老化的迹象。不过,老化仅限于表面和可动部分等受重负载的部位。


この程度の補修であれば、専門の大工や黒鍬衆などを動員する必要もない。現場を指揮する者として数人の大工と、彼らを補佐する労働力としての越後勢が居れば事足りる。


这种程度的维修工作并不需要动用专业的木工或黑鍬衆等人员。只要有几名作为现场指挥者的木工和作为协助劳动力的越后勢就足够了。


「格別のご配慮痛み入る。皆の者! これから忙しくなるぞ! だが旨いものを食い、湯船で一日の疲れを流せると思えば何のことはない!」


"特别的关照让我感到不好意思。大家!接下来会变得很忙碌!但只要享受美食,泡个澡洗去一天的疲劳,就不是什么难事了!"


「応!!」


"应!!" --> "应!!"


(基礎体力はあるだろうけれど、武道と大工仕事じゃ使う筋肉が違うって言うし、按摩(あんま)師の手配もしておくかな)


(基本体力可能有,但是武道和木工使用的肌肉不同,还要安排按摩师的手)


気炎を上げている景勝を見て、微笑ましく思いながらも近い将来に起こり得る事象への備えを進める。


看着气势磅礴的景色,尽管心情愉悦,但仍需准备应对可能发生的事情。


手始めに数人ずつが一組となって代わる代わる労働に従事したのだが、案の定慣れない労働で全身筋肉痛に陥るものが続出した。


起初每组几个人轮流进行劳动,但不出所料,由于不习惯的劳动方式,许多人全身肌肉疼痛不已。


【GPT机翻】战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚)- 152 [千五百七十七年 一月下旬]的评论 (共 条)

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