欢迎光临散文网 会员登陆 & 注册

日本小3课文:小千送影【久我Masahi的日语课堂】#36

2020-02-07 15:11 作者:久我まさひ  | 我要投稿

ちいちゃんの影送り(小千送影)

作者:あまん きみこ

「影送り」って遊びをちいちゃんに教えてくれたのは、お父さんでした。(将“送影”这种游戏教给小千的是父亲。)

出征する前の日、お父さんは、ちいちゃん、お兄ちゃん、お母さんをつれて、先祖の墓参りに行きました。その帰り道、青い空を見上げたお父さんが、呟きました。「影送りのよくできそうな空だなあ。」(出征前日,父亲带着小千、哥哥和母亲,一起给先祖扫墓。扫墓归途中,仰视着蓝天的父亲嘟哝道:“是个非常适合送影的天啊。”)

「えっ、影送り。」と、お兄ちゃんが聞き返しました。(“诶?送影。”哥哥反问道。)

「影送りって、なあに。」と、ちいちゃんも訊ねました。(“送影是什么?”小千也询问道。)

「十、数える間、影法師をじっと見つめるのさ。十、と言ったら、空を見上げる。すると、影法師がそっくり空に映って見える。」と、お父さんが説明しました。「父さんや母さんが子どもの時に、よく遊んだものさ。」(“数到十的期间一直注视着影子。数到十的时候,仰望着天空。于是,可以到看一模一样的影子映衬在天上。”父亲说明道,“爸爸和妈妈孩提时也经常玩的。”)

「ね。今、皆でやってみましょうよ。」と、お母さんが横から言いました。(“呐。现在大家一起玩吧。”母亲从旁插话道。)

ちいちゃんとお兄ちゃんを中にして、四人は手を繋ぎました。そして、皆で、影法師に目を落としました。(小千和哥哥在中间,四人牵着手。然后,大家一起将视线落在了影子上。)

「瞬きしちゃ、だめよ。」と、お母さんが注意しました。(母亲提醒道:“不可以眨眼哦。”)

「瞬きしないよ。」ちいちゃんとお兄ちゃんが、約束しました。(小千和哥哥约定道:“才不会眨眼。”)

「ひとうつ、ふたあつ、みいっつ。」と、お父さんが数えだしました。(“一~二~三~”父亲开始数道。)

「ようっつ、いつうつ、むうっつ。」と、お母さんの声も重なりました。(“四~五~六~”母亲的声音也和父亲重合在一起。)

「ななあつ、やあっつ、ここのうつ。」ちいちゃんとお兄ちゃんも、一緒に数えだしました。(“七~八~九~”小千和哥哥也一起开始数数。)

「とお。」(“十。”)

目の動きと一緒に、白い四つの影法師が、すうっと空に上がりました。(随着视线的移动,四个白白的影子一下子飞到了天空中。)

「すごうい。」と、お兄ちゃんが言いました。(“好厉害~”哥哥说道。)

「すごうい。」と、ちいちゃんも言いました。(“好厉害~”小千也说道。)

「今日の記念写真だなあ。」と、お父さんが言いました。(父亲说道:“这是今天的纪念照片。”)

「大きな記念写真だこと。」と、お母さんが言いました。(母亲说道:“很大的纪念照片。”)

次の日、お父さんは、白い襷を肩から斜めにかけ、日の丸の旗に送られて、列車に乗りました。(翌日,父亲肩上斜挂着白色布条,在太阳旗的送别下,乘上了列车。)

「体の弱いお父さんまで、戦(いくさ)に行かなければならないなんて。」お母さんがぽつんと言ったのが、ちいちゃんの耳には聞こえました。(“竟然连身体虚弱的孩子他爸也不得不上战场。”母亲只嘟囔了一声,不过还是被小千听到了。)

ちいちゃんとお兄ちゃんは、影送りをして遊ぶようになりました。万歳をした影送り。片手を上げた影送り。足を開いた影送り。色々な影を空に送りました。(小千和哥哥开始玩起了送影游戏。送万岁的影子。送单手举起的影子。送腿张开的影子。把各种各样的影子送到了天空中。)

けれど、戦が激しくなって、影送りなどできなくなりました。この町の空にも、焼夷弾(しょういだん)や爆弾を積んだ飛行機が、飛んで来るようになりました。そうです。広い空は、楽しい所ではなく、とても怖い所に変わりました。(然而,战况激烈起来,玩不了送影等游戏了。这个城市的空中也飞来了装载着燃烧弹和炸弹的飞机。没错。广阔的天空不再是娱乐的场所,而变成了非常恐怖的地方。)


夏の初めのある夜、空襲警報のサイレンで、ちいちゃん達は目が覚めました。(夏初的某夜,空袭警报声将小千他们吵醒了。)

「さあ、急いで。」お母さんの声。(“快点。”是母亲的声音。)

外に出ると、もう、赤い火が、あちこちに上がっていました。(一出去,外面已经到处燃起了红色的火焰。)

お母さんは、ちいちゃんとお兄ちゃんを両手に繋いで、走りました。(母亲一手牵着小千,一手牵着哥哥,跑了起来。)

風の強い日でした。(这天风很大。)

「こっちに火が回るぞ。」(“火烧过来了。”)

「川の方に逃げるんだ。」誰かが叫んでいます。(“往河边逃。”不知谁在叫喊。)

風が熱くなってきました。炎の渦が追いかけてきます。お母さんは、ちいちゃんを抱き上げて走りました。(风渐渐变热。炎涡追过来了。母亲抱起小千跑着。)

「お兄ちゃん、逸れちゃだめよ。」(“哥哥,可别走散了。”)

お兄ちゃんが転びました。足から血が出ています。ひどい怪我です。お母さんは、お兄ちゃんを負んぶしました。(哥哥摔倒了,脚上出血了。受伤严重。母亲把哥哥背了起来。)

「さあ、ちいちゃん、母さんとしっかり走るのよ。」(“好了,小千,紧跟妈妈一起跑。”)

けれど、沢山の人に追い抜かれたり、ぶつかったり—、ちいちゃんは、お母さんと逸れました。(然而,小千被很多人追赶过,被冲撞,和母亲走散了。)

「お母ちゃん、お母ちゃん。」ちいちゃんは叫びました。(“妈妈,妈妈。”小千叫道。)

その時、知らないおじさんが言いました。「お母ちゃんは、後から来るよ。」(这时,素不相识的大叔说道:“你的妈妈之后会来的。”)

そのおじさんは、ちいちゃんを抱いて走ってくれました。(大叔抱着小千一起跑。)

暗い橋の下に、沢山の人が集まっていました。ちいちゃんの目に、お母さんらしい人が見えました。(在昏暗的桥下,很多人聚集在一起。小千看到了一个似乎是母亲的人。)

「お母ちゃん。」と、ちいちゃんが叫ぶと、おじさんは、「見つかったかい。よかった、よかった。」と下ろしてくれました。(“妈妈。”小千叫道,于是大叔说着“找到了吗?太好了,太好了。”并把小千放了下来。)

でも、その人は、お母さんではありませんでした。(但是,那个人并不是母亲。)

ちいちゃんは、独りぼっちになりました。ちいちゃんは、沢山の人たちの中で眠りました。(小千变成孤零零的一个人无依无靠。小千在众多的人当中睡觉。)


朝になりました。町の様子は、すっかり変わっています。あちこち、煙がのこっています。どこがうちなのか—。(到早上了。城市完全变了样,到处都残留着烟雾。哪里是自己的家呢?)

「ちいちゃんじゃないの。」という声。振り向くと、斜向かいのうちのおばさんが立っています。(“这不是小千吗?”闻声望去,是住在斜对面的阿姨。)

「お母ちゃんは。お兄ちゃんは。」と、おばさんが訊ねるました。ちいちゃんは、泣くのをやっとこらえて言いました。「おうちのとこ。」(“你妈妈和哥哥呢?”阿姨询问道。小千终于忍住了哭泣道:“在家那边。”)

「そう、おうちに戻っているのね。おばちゃん、今から帰るところよ。一緒に行きましょうか。」(“是吗,要回去是吧。阿姨我现在也正要回去。一起回去吧?”)

おばさんは、ちいちゃんの手を繋いでくれました。二人は歩きだしました。(阿姨牵着小千的手,两人一起步行。)

家は、焼け落ちてなくなっていました。(家被烧塌了。)

「ここがお兄ちゃんとあたしの部屋。」(“这里是我和哥哥的房间。”)

ちいちゃんが蹲んでいると、おばさんがやって来て言いました。「お母ちゃんたち、ここに帰ってくるの。」(小千蹲下时,阿姨过来说道:“你妈妈他们会回来的。”)

ちいちゃんは、深く頷きました。(小千重重点头。)

「じゃあ、大丈夫ね。あのね、おばちゃんは、今から、おばちゃんのお父さんのうちに行くからね。」(“那么,没关系吧。那个,阿姨我现在要去阿姨的父亲家。”)

ちいちゃんは、また深く頷きました。(小千再次重重点头。)

その夜、ちいちゃんは、雑嚢(ざつのう)の中に入れてある乾飯(ほしいい)を、少し食べました。そして、壊れかかった暗い防空壕(ぼうくうごう)の中で、眠りました。(是夜,小千稍微吃了一点帆布包里的干饭。然后在快要破损的昏暗的防空壕中睡觉。)

「お母ちゃんとお兄ちゃんは、きっと帰ってくるよ。」(“妈妈和哥哥一定会回来的。”)

曇った朝が来て、昼が過ぎ、また、暗い夜が来ました。ちいちゃんは、雑嚢の中の乾飯を、また少し噛りました。そして、壊れかかった防空壕の中で眠りました。(早晨到来,天色阴沉,过了中午,又迎来了黑暗的夜晚。小千又稍微啃了一点帆布包里的干饭,然后在快损毁的防空壕中睡觉。)


明るい光が顔に当たって、目が覚めました。(明亮的阳光照在脸上,小千醒了。)

「眩しいな。」(“好耀眼。”)

ちいちゃんは、暑いような寒いような気がしました。ひどく喉が渇いています。いつの間にか、太陽は、高く上がっていました。(小千有种好像很热又好像很冷的感觉。喉咙非常渴。不知不觉间,太阳已经高高挂起了。)

その時、「影送りのよくできそうな空だなあ。」というお父さんの声が、青い空からふってきました。(这时,“是个非常适合送影的天啊。”父亲的声音从蓝天中飘下。)

「ね。今、皆でやってみましょうよ。」というお母さんの声も、青い空からふってきました。(“呐。现在大家一起玩吧。”母亲的声音也从蓝天中飘下。)

ちいちゃんは、ふらふらする足を踏み締めて立ち上がると、たった一つの影法師を見つめながら、数えだしました。(小千踉踉跄跄地用力站起后,注视着仅有的一个影子,数了起来。)

「ひとうつ、ふたあつ、みいっつ。」(“一~二~三~”)

いつの間にか、お父さんの低い声が、重なって聞こえだしました。(不知何时,小千听到了父亲低沉的声音和自己的声音重合在一起。)

「ようっつ、いつうつ、むうっつ。」(“四~五~六~”)

お母さんの高い声も、それに重なって聞こえだしました。(小千听到了母亲尖细的声音也一起重合起来。)

「ななあつ、やあっつ、ここのうつ。」(“七~八~九~”)

お兄ちゃんの笑いそうな声も、重なってきました。(哥哥的笑声也重合在一起。)

「とお。」(“十。”)

ちいちゃんが空を見上げると、青い空に、くっきりと白い影が四つ。(小千仰视着天空,蓝天上,赫然映着四个白色的影子。)

「お父ちゃん。」ちいちゃんは呼びました。「お母ちゃん、お兄ちゃん。」(“爸爸。”小千叫道,“妈妈,哥哥。”)

その時、体がすうっと透き通って、空に吸い込まれていくのが分かりました。(这时,小千的身体一下子变得通透,渐渐被吸入到天空之中。)

一面の空の色。ちいちゃんは、空色の花畑の中に立っていました。見回しても、見回しても、花畑。(一片天蓝色。小千站在天蓝色的花田之中。环视着,环视着,四周都是花田。)

「きっと、ここ、空の上よ。」と、ちいちゃんは思いました。「ああ、あたし、お腹が空いて軽くなったから、浮いたのね。」(“这里一定是天空上面。”小千想道,“啊,我是肚子饿了,身体变轻,所以浮起来了。”)

その時、向こうから、お父さんとお母さんとお兄ちゃんが、笑いながら歩いてくるのが見えました。(这时,小千看到爸爸妈妈和哥哥笑着从对面走来。)

「なあんだ。皆、こんな所にいたから、来なかったのね。」ちいちゃんは、きらきら笑いだしました。笑いながら、花畑の中を走り出しました。(“什么嘛。原来大家都在这里,所以没有回家啊。”小千咯咯笑了起来。一边笑着,一边在花田中跑了起来。)

夏の初めのある朝、こうして、小さな女の子の命が、空に消えました。(在夏初的某天清晨,一个小女孩的生命就这样消失在了天空之中。)


それから何十年。町には、前よりもいっぱい家がたっています。ちいちゃんが一人で影送りをした所は、小さな公園になっています。(那之后的数十年。城市比以前建起了更多的家。在小千一个人送影的地方,建有了一个小公园。)

青い空の下、今日も、お兄ちゃんやちいちゃんぐらいの子ども達が、きらきら笑い声を上げて、遊んでいます。(在蓝天之下,今天也有像哥哥和小千差不多大的孩子们在欢笑着玩耍。)

词汇

墓参り(はかまいり):扫墓、上坟

瞬き(まばたき):眨眼

すうっと:行动轻捷或变化迅速;笔直的延伸;松一口气、心情舒畅

襷(たすき):挽系和服长袖的带子;斜挂在肩上(做为标记的)布条

ぽつん:只说一句或嘟囔一声;一般指泪珠或雨点等扑簌而下,也指滴落声;出现一个小点或小洞;孤单单、孤零零;比喻线等突然断掉

積む(つむ):堆积、积累;装载

逸れる(はぐれる):走散;错过、没赶上、失掉机会

負んぶ(おんぶ):(儿童用语)背;让别人负担费用、依赖

独りぼっち(ひとりぼっち):孤独一人、无依无靠

斜向かい(はすむかい):斜对面

焼け落ちる(やけおちる):建筑等烧塌

蹲む(しゃがむ):蹲下

噛る(かじる):啃、咬、一点一点地咬

踏み締める(ふみしめる):用力踩;踩结实

いつの間に(いつのまに):不知不觉、不知什么时候

透き通る(すきとおる):透彻、透明、清澈;声音清脆

吸い込む(すいこむ):吸入、吸收、抽,将气体、液体等吸到内部;卷入、使陷入、吞掉、消失,比喻被吸进黑暗、幽深处等的里面

作业

1.读课文

2.看图写话:


日本小3课文:小千送影【久我Masahi的日语课堂】#36的评论 (共 条)

分享到微博请遵守国家法律