夢見ること　その二

    大学入学三年間、一度も数学オリンピックのことを誰でも話し合わなかった。

    所属する城市与环境学院は、数学を利用する場合は少ないし、そもそも別専門で該当する数学科目もあるし、自分は自然地理専門を選択したので、数学との関係は日々疎遠になった。

    大学三年生の夏休み、卒業論文の指導先生を決めた後、自分を励ますために、先生はそう言いた。

    「きみ、高校生オリンピックのこと知ってか。どうして我が大学はオリンピック経験・成績ある高校生を重視しますか」

    「すみません、僕はオリンピック経験がないので、分かりません」

    それは嘘じゃない、先生はオリンピック全国大会レベル以上を指して、地方金賞を受けないとオリンピックなんで全然失敗したでしょ。自分はさえ中途半端ものだ。ほかの選手たちが数学のパズルにがむしゃらに挑戦し、思考力を問う難問に取り組んでいる間、私はいつものクラスの仲間たちと同じように、グループでカラオケに出かけたり、ワイン造りの実験をしたりと、幸せな2年生を過ごした。

    「そうかな」

    残念そうな口調で、先生は続きました。

    「息子は高校生コンピューター・オリンピックに参加したことがある。現在はMITに在籍。オリンピックも科学研究も、複雑で難しい問題を自力で解決しようとする品格が求められるという点では同じだ。そして何より、他の高校生が青春を謳歌している一方で、オリンピック志向の学生は、たとえ地方金賞が3年までできなくても、冷たい研究室に粘り強く取り組むことができるのだろう。他の卒業生が就職し、他の研究者が論文を発表しているのに、自分の研究がなかなか進まないとき、研究者は、たとえ自分が見向きもされず、理解されず、その成果が主流に認められなくても、研究を続けることができるだろうか」

    教師オフィスのエアコンは古い品だから、もう汗がかかった。

    なぜ自分は、７年前数学を選択したか、2年前、地質年代に関する卒業論文を選択したか、１年前親戚より水科院に推薦されることを拒まないか。他の人が進むとき、自分はなんとなく不安を感じて、そして動揺の気持ちで最悪な選択を選びます。清華大附属高校の時も、周りの人たちは大学院推薦入学した時も、今では……自分は寂寞するより、ほかの賑やかな世界の存在がもっと怖い。

    今から考えれば、恐らくあの時、自分は自分の欠点をちゃんとわかりました。学歴について、必ずしも大学院に入学する必要はない。もしかして大学院に入学するなら、必ずしも大学院に研究する必要はない。しかし、我がソサエティはいまだにビューロクラティズムであり、学歴不問せましかば、血縁や出自によって判断がもう一層頻かまし。院卒と学部卒では、この国で大きな違いがあります。

    教育の話はこれまで。卒業論文が終わった後、自分はTOFELを備考しないが、逆にＮ１を受験しました。