【日本小4道德】26#小爸爸
小さなお父さん(小爸爸)
作者:荻原 武雄(おぎはら たけお)
日曜日の午後、田舎の家から、お婆さんが急に具合が悪くなったと言う電話がありました。父は会社の仕事で外国に出張していて、急には帰ってこられません。そこで、母が仕事を休んで田舎へ行くことになりました。
(周日午后,乡下的家中打来了电话说奶奶突然身体不好。父亲因为公司的工作正在外国出差,一下子回不来。于是,母亲工作请假,去乡下了。)
夜の留守番は、初めてです。僕は寂しいような怖いような気持ちでしたが、一年生の法子はもっと寂しいだろうと思って我慢しました。寝る支度をしている時、法子が急に、泣きそうな顔で、「お兄ちゃん、どうしよう。明日、先生に保護者会の手紙の返事を出さなくちゃ。お母さんに書いてもらうの忘れちゃった。」と、言いました。僕は困りましたが、色々考えて、明日、法子の担任の山田先生に訳を話すことにしました。
(我第一次晚上看家。我虽然很寂寞害怕,但是一想到一年级的法子更加寂寞,于是我就忍住了。准备睡觉的时候,法子突然快要哭出来道:“哥哥,怎么办?明天得把监护人会的信的回复交给老师。我忘记让妈妈写了。”我虽然很困扰,但是考虑了很多后,决定明天向法子的班主任山田老师说明原因。)
法子が安心して眠った後、僕はどうしても眠れません。(お母さんは無事に着いたかな。)(お婆さんはどうしたかな。)(明日山田先生に上手く話せるかな。)と色々考えていると、電話が鳴りました。急いで出ると母の声です。お婆さんの具合は思ったより軽く、様子を見て、明日中には帰れそうだということです。僕はほっとしました。僕が家の様子を話すと、母もほっとしたようでした。電話が済むと、安心したせいか、僕はすぐに眠ってしまいました。
(法子放心地睡了之后,我怎么也睡不着。母亲平安到了吗?奶奶怎么了?明天能不能顺利地对山田老师说明,我考虑了各种各样事的时候,电话响了。我赶紧接起电话,是母亲的声音。奶奶的身体情况比想象中的要好,看情况,明天似乎能回来。我放心了。我说了家中的情况后,母亲似乎也放心了。打完电话后,我似乎是因为安心了,很快便睡着了。)
次の日の朝、いつも母に起こされている僕も法子も、目覚まし時計が鳴る前に目が覚めました。布団を畳んだり、洋服を着たり、法子もいつもと違ってしっかりやっています。母が用意しておいてくれたサンドイッチを食べて、二人で学校へ行きました。
(翌日早晨。总是被母亲叫醒的我和法子在闹钟响之前就醒了。叠被子、穿衣服,法子和平常不一样,很可靠。我们吃了母亲准备好的三明治后,一起去学校了。)
学校に着いてすぐ、僕は職員室へ行って、山田先生に保護者会の返事が出せないわけを話しました。山田先生は、にこにこして、「分かった。お婆さんの具合も大したことがなくてよかったな。返事はお母さんが帰っていらっしゃってからでいいよ。小さなお父さん、頑張れ。」と、大きな手で僕の肩をぽんと叩きました。僕は嬉しくなりました。
(到达学校后,我马上前往办公室,向山田老师说明了无法提交监护人会的回复。山田老师笑嘻嘻的说道:“明白了,奶奶的情况也没什么大问题太好了。回复等母亲回来了后再提交吧。小小的爸爸,加油啊。”然后用大手拍打了一下我的肩膀。我很高兴。)
放課後、僕は皆と野球をする約束でしたが、訳を話して家へ帰りました。野球は大好きでとても残念だったのですが、法子がもう家に帰っているし、母から電話がかかってくるかも知れないので、(僕は小さなお父さんだ。)と思って我慢したのです。
(放学后,我虽然和大家约好了打棒球,但是说明了原因后回家了。我虽然最喜欢棒球了,感到很遗憾,但是法子已经回家了,母亲还可能打来电话,所以我想道自己是小爸爸,就忍住了。)
家で法子と遊んでいると、四時頃母から電話がかかってきました。お婆さんのその後の具合もよく、遅くなっても今日中に必ず帰るということです。法子も電話に出て、母は安心したようでした。
(我在家和法子玩的时候,四点左右,母亲打来电话了。奶奶那之后的情况也很好,最晚今天内一定回来。法子也接了电话,母亲似乎放心了。)
「勉。夕ご飯は、冷蔵庫の中のものを食べていてね。大丈夫ね。」
(“勉。晚饭吃冰箱里的东西吧。不要紧吧。”)
「うん、大丈夫。小さなお父さんに任せておいて。」
(“嗯,没事。交给小爸爸吧。”)
「まあ、小さなお父さんですって。」
(“哎呀,小爸爸。”)
母の声は、電話の向こうで笑っていました。
(母亲在电话的另一头笑道。)
「お母さん、気を付けて帰ってきてね。」
(“妈妈,当心点回来。”)
「はいはい、小さなお父さんの言う通り、気を付けて帰ります。」
(“是是,就听小爸爸的,我会小心回来的。”)
電話の後、僕は、何だか大きな声で歌を歌いたい気持ちでした。
(打完电话后,我总有种想放声高歌的想法。)

