徒然草 第105段 北の屋蔭に消え残りたる雪の、・吉田兼好 日文念书

北の屋蔭に消え残りたる雪の :家の北側の日陰に雪が残っているのである。寒い冬の季節である。牛車の轅<ながえ>が霜に白く光っているぐらいなのだから。
人離れなる御堂の廊に:ひと気の無い御堂。この御堂は、大きな邸内の御堂で、人里はなれた神社仏閣のことではないらしい。
なみなみにはあらずと見ゆる男、女となげしに尻かけて:並でない男女とは、身分の低くない男と女。かれらはこの寒さの中、何を話しているのか??
尽きすまじけれ:話は尽きないらしい。
かぶし・かたちなどいとよしと見えて:頭つきも容貌も非常に立派に見えて。
えもいはぬ匂ひのさと薫りたるこそ:この個所不明。「えもいはぬ匂いさへこおりたる」とすれば、良い匂いでさえも凍りつくようなのこそ面白い、の意か???。
はつれはつれ聞こえたるも:「はつれはつれ」はとぎれとぎれに聞こえること。