日本小5课文:不可以看的房间【久我Masahi的日语课堂】#71

見るなの座敷(不可以看的房间)
作者:桜井 信夫(さくらい のぶお)
昔、あったと。(从前。)
ある山里に、炭焼きの兄(あに)さんが一人でひっそり暮らしておったそうな。(某个山村里,一个烧炭的小哥独自一人默默地生活着。)
そろそろ雪が消える、早い春の、暖かな日のこと。(冰雪即将消融,正值早春,暖和的一日。)
兄さんは、鉈(なた)を研いでおったが、何やら、家の裏辺りが騒がしい。(小哥正在磨柴刀时,不知为何屋子后面一带很吵闹。)
出て行ってみると、白い花を咲かせている梅の木に、一羽の鶯(うぐいす)が止まって鳴き叫んでおった。(出去一看,只见一只莺正停在绽放着白色花朵的梅树上鸣叫着。)
よく見れば、枝に足を挟まれて、どうにもならん様子だ。(仔细看去,它的脚卡在树枝间动弹不得。)
「ほうれ、おいらが、助けてやるに。」と、兄さんは枝を折り取って、鶯を優しく放してやった。すると、嬉しげに、山の奥へと飛び立っていったそうな。(“好嘞,我来帮你了。”小哥说着把树枝折断,温柔地放走了莺。于是,莺高兴地飞向了山里。)
それから暫く経った、ある日。兄さんは、まき取りに山に入った。行けば行くほどに、ホーホケキョ ホーホケキョ と、鶯の鳴き声がする。ついつい、その鳴き声を追いかけるように、兄さんは、いつの間にか山深く入り、とある谷間に迷い込んでしもうた。(自此经过了一段时间后的某日。小哥进山拾柴。越往里走越能听到莺唧唧唧唧的鸣叫声。小哥不由自主地追随着莺的鸣叫声,不知不觉间走进了深山,误入了某个山谷。)
そこには、ついぞ見たこともない、大きな屋敷があった。(那里有一座从未见过的大宅邸。)
はて、誰が住んでおるんじゃろと、兄さんは屋敷の門をくぐった。広い庭の外れには、倉が立ち並び、正面には、立派な家が静まり返っていた。(那么,是谁住在里面呢?小哥穿过了宅邸的门。宽阔的庭院的尽头排列着仓库,庭院的正面,漂亮的屋子万籁俱寂。)
その戸口が開いて、目の覚めるように美しい姉様が、ついっと出てきた。「あれまあ、ようこそ。どうぞ、お入りになって。」(屋子的大门打开了,光彩照人的漂亮姐姐一下子出来了:“哎呀,欢迎。请进。”)
兄さんが、夢見るような気持ちで座敷に上がると、大層なご馳走が出された。(小哥觉得自己在做梦一般地走进了宅邸,很多佳肴被端了出来。)
酒もたっぷりよばれて、ただもう、姉様の姿に見惚れておるうちに、日が暮れた。(还被招待了很多酒,只是着迷地看着姐姐姿容的时候,夜幕降临。)
「どうぞ、いつまでも、ゆっくりしていっておくれ。」と、姉様が勧める。(姐姐劝道:“请一直悠闲地享用。”)
兄さんは、その晩ばかりか、次の日も、また次の日もと、帰ることなんどとんと忘れて、泊まり続けてしもうたと。(小哥不只这晚,接下来几天,完全忘了回去,一直住在这里。)
そんなある日、姉様が言うた。「里まで、用足しに出かけてまいります。暫く、留守をお願いします。退屈でしたら、庭の倉座敷で遊んでくだされ。けれど、最後の一つは、決して覗かないでおくれ。」(就这样一直留宿着的某日,姐姐说道:“我要去村里办点事。暂时拜托你看家。如果你觉得无聊的话,请去庭院的仓房玩。不过,只有最后一间绝对不能看。”)
「いいとも、約束する。」兄さんが答えると、姉様は、ほっとしたように頷いて、急ぎ足で出かけて行った。(“好,我答应你。”小哥回答道,于是姐姐放心地颔了颔首,然后快步出门了。)
やはり、姉様がおらんのでは何とも退屈で、次の日、兄さんは庭の倉の前に立った。(果然,姐姐不在实在是无聊,所以小哥翌日来到了庭院的仓库前。)
四つの倉のうち、まず、一の倉の戸を開けてみた。(小哥首先打开了四个仓库中的第一个仓库门。)
中は、立派な座敷で、奥に簾が下がっておって、しかも、その向こうには、砂浜と海が見渡せた。(仓库内是漂亮的房间,里面垂着竹帘,而且,竹帘的那一面可以望到沙滩和海。)
「なんとまあ、魂消たことだ。」(“哎呀,真惊人。”)
座敷を抜けて、砂浜に出てみると、お日さんがかっかと照りつける夏だった。潮風が吹き渡り、ざんぶりざんぶりと、波が寄せては返しておった。(小哥穿过房间,来到了沙滩,这里是烈日炎炎的夏天。海风刮过,浪涛哗哗冲来又退去。)
山育ちの兄さんは、白い砂浜を走ってみたり、波につかってみたりと、夢中になった。(在山里长大的小哥忘我地跑在白色的沙滩上,浸在浪涛中。)
疲れて座敷に戻れば、ご馳走が並んでおる。たらふく食べると、涼風(ずすかぜ)吹き通る中で昼寝した。(小哥疲惫地回到房间,佳肴已经排放好了。吃饱喝足后,在凉风习习中午睡。)
ふと目が覚めた兄さんは、倉屋敷の表に出てみた。もう夕日が差しておって、一日を遊び暮らしたのだと気がついた。(一下子醒来的小哥走出了仓房。已经夕阳西下了,小哥意识到自己玩了一天。)
次の日は、二の倉の戸を開けた。(翌日,小哥打开了第二个仓库门。)
座敷の向こうには谷川が流れ、辺りは紅葉の真っ盛りで、何とも美しい秋の景色であったと。(房间的对面溪流流淌,周围红叶正盛,多么美的秋景啊。)
谷川に下りる道もあって、流れを辿れば、見事な滝がかかり、いつまでも見飽きない。(溪流还有往下的路,小哥顺着溪流往下走,只见壮观的瀑布挂着,怎么也看不厌。)
座敷に戻ると、きのこの料理、川魚の料理、酒やらと、すっかり調っておって、そのうまいことったらない。(小哥回到房间,蘑菇料理、河鱼料理和酒都已经准备好了,非常美味。)
また、次の日は、三の倉の戸を開けた。(接着,翌日,小哥打开了第三个仓库门。)
一面の雪景色が広がり、遠くには、白く輝く山が連なっておった。座敷には、囲炉裏があった。赤々と火が燃え、吊るした鍋からほかほかと湯気が立って、美味そうな匂いがする。囲炉裏の脇には、白くて柔らかい、搗き立ての餅が山盛りだ。(一面满是雪景,远处白色耀眼的山连绵不绝。房间里有地炉。红彤彤的火燃烧着,吊着的锅里热气腾腾,美味的气味扑鼻而来。地炉的旁边堆满了刚捣好的白色柔软的年糕。)
兄さんは、すっかり気に入って、のんびりご馳走になったと。(小哥很满意,悠闲地享用年糕。)
こうして、一の倉から三の倉まで一巡りしたけど、姉様は戻らん。そこで、二巡りしたけど、まだ戻らん。(就这样,小哥从第一个仓库到第三个仓库转了一圈,然而姐姐没有回来。于是,转了第二圈,姐姐仍然没有回来。)
三度目の巡りをしようとしたけれど、それはやめて、兄さんは、四の倉の前に立った。(小哥打算转第三圈,不过就此作罢,他站在了第四个仓库前。)
「一の倉が夏景色。二の倉が秋景色。三の倉が冬景色。ならば、この四の倉は春景色。なのに姉様は、この倉だけは見ちゃならんと言うた。約束だもの、見られんなあ。」(“第一个仓库是夏景,第二个仓库是秋景。第三个仓库是冬景。那么,这个第四个仓库是春景。既然如此,为什么姐姐说只有这个仓库不能看?已经约定好了,不能看啊。”)
いったん戸に手をかけたものの、兄さんは諦めた。(小哥暂且将手搭在了门上,不过放弃了。)
けれど、次の日。とうとうたまらずに、四の倉の戸を開けた。(然而,翌日。小哥终于忍不住地打开了第四个仓库门。)
ほんのりと明るく、立派な梅の木が枝を広げ、香しい花を咲かせておった。座敷はなかった。(微微泛亮,漂亮的梅树树枝伸展,芳香的花绽放着。没有房间。)
「あれ、梅の木だけか—。」(“诶,只有梅树吗?”)
途端に、一羽の小鳥が、ぱたぱたっと枝から飛び立った。見れば、鶯だった。(突然,一只小鸟拍打着翅膀从树枝处飞起。一瞧,是莺。)
その姿を追って、兄さんが振り返ると、目の前に姉様が立っておった。髪の毛乱し、悲しげな顔で、こう言った。「私は、いつぞや助けられた鶯です。兄さんの嫁様になりたいばかりに、願かけをして、こもっておりました。けれど、あと少しのところで見られてしまいました。もうこれまでです—。」(小哥追随着它的身影,回头看去,姐姐站在眼前。姐姐头发乱糟糟的,带着悲伤的表情说道:“我是你上次救下的莺。我只是想嫁给你,斋戒祈祷着。然而,还差一点的时候被看到了。到此结束了。”)
見る間に、姉様は鶯になり、歌いながら飛び去ってしもうた。(眼见姐姐化为莺,唱着歌飞走了。)
この里 こいしや(恋慕 这个村庄)
兄さん こいしや(恋慕 小哥)
ケキョ ケキョ ホーホケキョ(唧唧 唧唧)
兄さんは、ぼんやりと立ち尽くしておったが、ふと気が付くと、そこは、何もない、元の谷間だったそうな。(小哥呆立着,突然意识到那里什么都没有,是原来的山谷。)

词汇
ついぞ:(后接否定)从未、未曾
静まり返る:万籁俱寂、鸦雀无声
魂消る(たまげる):吃惊、吓一跳
香しい(かぐわしい):芳香、馨香;美好、美丽

作业
1.读课文
2.朗读诗歌:

3.阅读并完成复合语相关练习:

