重菱形农耕图目贯

鏨をまるで絵筆のように操ると称された京の名工細野惣左衛門政守在銘の名品金無垢目貫です。民衆の祭礼図や群遊図等の京都の日常風景を刀装具に落とし込み成功を収めたのがこの惣左衛門と一宮長常で、本作も彼のお家芸とも言える意匠です。細密な毛彫りで農耕風景を施し、裏には厚みのある短冊に堂々と銘を切っています。

重菱形は注文主の家紋でしょう。 当時の名工にこれだけの目貫を作らせる事ができるのはかなりの名家だと思います。

寸法：37.1ミリ、重量：13.1グラム