徒然草 第55段 家の作りやうは、夏をむねとすべし。・吉田兼好 日文念书

家の作りやうは、夏をむねとすべし:家を作るときには、夏の住みやすさを優先して作るのがよい。
遣戸は、蔀の間よりも明し:<やりどは、しとみのまよりあかし>と読む。遣り戸の部屋は、蔀の部屋よりも明るい。「遣戸」は引き戸のこと。「蔀」は、平安時代から住宅や社寺建築において使われた、格子を取り付けた板戸。上部に蝶番(ちようつがい)をつけ、外または内側に水平に釣り上げて開ける(『大字林』より)。
造作は、用なき所を作りたる:家の造りとしては、特に要もないというようなところを作っておく、。
人の定め合ひ侍りし:人々が議論し合ったことだ。