日本小5课文:开启想象力【久我Masahi的日语课堂】#67

想像力のスイッチを入れよう(开启想象力)
作者:下村 健一(しもむら けんいち)
学校のマラソン大会で、あなたが十位に入ったとしよう。あなたの、前回のマラソン大会の結果は、五位だったとする。順位が下がったあなたは、こう言うだろう。「前回より、五位も下がってしまいました。」(假设你在学校的马拉松大会进了前十名。你上一次马拉松大会的结果是第五名。名次掉了的你会这样说吧:“名次比上次掉了五名。”)
しかし、先生はこう言うかも知れない。「でも、三十秒もタイムが縮まっていますよ。」(然而,老师也许会这么说:“但是,时间快了三十秒。”)
このように、同じ出来事でも、何を大事と思うかによって、発信する内容が随分違ってくる。(像这样,就算是同一件事,根据把什么看得最重要,所表达的内容相当不一样。)
これは、学校や家庭での会話だけで起こることではない。私達は、テレビやインターネット、新聞など、様々な手段で世の中の情報を得ている。こうした手段のことを「メデイア」と言うが、これらメデイアから発信される情報もまた、事実の全ての面を伝えることは出来ない。それぞれのメデイアは、大事だと思う側面を切り取って、情報を伝えているのである。(这不只是在学校和家庭对话中会发生的事。我们从电视、网络和报纸等各种手段获取世界上的情报。这些手段被叫作“媒体”,从这些媒体传达出的情报也并不能传达出事实的全部。这些媒体选取他们所认为最重要的一面,来传达情报。)
例えば、図①には、ある図形の右半分が見えている。あなたは、「これは、円の右半分だな。」と思ったのではないだろうか。一方、図②には、ある図形の左半分が見えている。今度は、「四角形の左半分だな。」と思うだろう。しかし、実はどちらの全体図も同じ図③の形だとすると、図①や図②から推測した「円」や「四角形」は、切り取られた情報だけから全体を判断したことによる思い込みということになる。(比如说图①,是某图形的右半部分。你会觉得“这是圆形的右半部分吧。”且看图②是某图形的左半部分。你这次会觉得“这是四方形的左半部分吧。”然而,这两个图形的全体图其实都是图③的形状的话,从图①和图②推测出的“圆形”和“四方形”就是只从一部分的情报来判断整体的主观想法。)
この様な思い込みを減らすため、私達は、与えられた情報を事実の全てだと受け止めるのではなく、頭の中で「想像力のスイッチ」を入れてみることが大切なのである。(为了减少这样的臆想,我们不应把得到的情报想成事实的全部,试着在脑海中开启“想象力的开关”非常重要。)

次のような報道を例に、具体的に考えてみよう。(以下面的报导为例,具体思考一下吧。)
サッカーの人気チームで監督が辞任することになり、Aさんが新しい監督になるのではないかと注目が集まっている。(人气足球队的监督辞职,A是否会担任新的监督备受瞩目。)
ここで、まず大切なのは、メデイアが伝えた情報について、冷静に見直すことである。この報道の中で、「Aさんは、報道陣を避けるためか、裏口から逃げるように出て行きました。」と言うレポートがあったとする。これを聞くと、あなたは、Aさんが何かを隠しているように思わないだろうか。しかし、裏口から出たのは、その方向に行く必要があったからかも知れない。こう想像してみると、「報道陣を避けるためか」と言うのは、レポーターが抱いた印象に過ぎない可能性がある。また、急がなければならない理由があったのかも知れないから、「逃げるように」も印象だろう。このように、想像力を働かせながら、一つ一つの言葉について、『事実かな、印象かな。』と考えて見ることが大切です。このレポートから、印象が混じっている可能性のある表現を取り除くと、結局、確かな事実として残るのは、「Aさん/裏口から/出て行きました」と言う言葉だけになる。ここには、Aさんが次の監督になると判断する材料は何もない。(这里首先最重要的是冷静重视媒体传达的情报。假设在这则报导中,有“A是否是为了躲避记者,从后门逃也似地离开了。”这样的报导。闻言,你会认为A隐瞒了什么吧。然而,从后门出去,也许是有去那个方向的必要。试着这样想象的话,所谓的“是否是为了躲避记者”就有记者的主观印象的可能性。此外,也许有很着急的理由,所以“逃也似地”也是主观印象吧。像这样,开动想象力,试着考虑每一句话“是事实,还是主观印象?”很重要。从报导中,去除可能混合着主观印象的表达后,结果,明确的事实只剩下“A/从后门/出去了”这几句话。在这里没有任何判断A会担任下一个监督的因素。)
しかし、こんな新聞記事も出たとしよう。(不过,假设还有这样的新闻报导。)
「Aさんは、来月から予定していた外国での仕事を、最近、キャンセルした。」(“A最近取消了下月本预定要去外国的工作。”)
この表現には、印象は混じっていない。だから、これは事実として、監督就任の有力な情報であるように感じられる。だが、ここで、『他の見方もないかな。』と想像してみよう。その仕事は、相手側の都合で、急にキャンセルせざるをえなかったのかも知れない。他の見方も有り得ることに気付けば、この事実もまた、Aさんが次の監督に違いないと考える決め手にはならないのである。(这样的表达没有混杂着主观印象。所以将此当作事实,可以感觉到这是担任监督的有力情报。不过,试着想象一下“有没有其它的看法。”也许这项工作,是因为对方的情况不方便,不得已突然取消了。注意到其它看法也有可能的话,这一事实也无法判定A肯定担任下一个监督。)
次の大切なのは、メデイアが伝えたことについて冷静に見直すだけでなく、伝えていないことについても想像力を働かせることである。メデイアは、ある出来事の特定の部分にスポットライトを当てて、私達に情報を伝えている。明るいスポットライトの周囲には、必ず、見えない暗がりができる。その暗がりに、『何が隠れているかな。』と想像することも大切だ。この報道の場合、Aさんにばかりスポットライトが当たっていたら、「他の人が監督になる可能性はないのか。」と想像してみよう。具体的に別の監督候補を思い浮かべられなくても、頭の中に、Aさん以外の可能性を残すことである。先程の図で言えば、図③を想像できなくても、図①や図②で、「円」や「四角形」の反対側に別の何かが隠れているかも知れない、と考えてみることが大切なのだ。(接着重要的不只是冷静重视媒体所传达的内容,要开动想象力,想象没有传达的内容。媒体把焦点放在某件事的特定的部分上,然后向我们传达情报。在明亮的聚光灯周围,肯定有看不见的暗处。想象暗处“是否隐藏着什么”也很重要。这则报导的情况,只有A成为了焦点,试着想象一下“是否有其他人担任监督的可能性。”就算脑海内浮现不出具体的其他监督候补,也要留下A以外的可能性。就拿刚才的图来说的话,就算想象不到图③,试着想象图①和图②的“圆形”和“四方形”的对面是否隐藏着什么别的东西非常重要。)
最後に、一番大切なのは、結論を急がないことである。世の中の出来事には、様々な見方がある。新しい情報を聞けば聞く程、想像力のスイッチが入れば入る程、段々と多くのことが見えてきて、少しずつ事実の形が分かっていく。まずは一度落ち着いて、『まだ分からないよね。』と考えることが大切なのである。(最后,最为重要的是不要急着下结论。世界上的事情有各种看法。越是得知新的情报,越是开动想象力的开关,可以看到越来越多的东西,渐渐了解事实。首先冷静一下,考虑“还没弄清楚吧”很重要。)
結局、サッカーチームの次の監督には、別の人が選ばれた。Aさんは関係なかったのである。しかし、この期間、Aさんは多方面から注目され、Aさんに大きな仕事を頼もうとしていた会社が「Aさんは監督になるから、忙しくなるだろう。」と、他の人にその仕事の依頼を変更してしまうなどのことが起こった。(结果,别人当选了足球队的下一个监督。和A没有关系。不过,在此期间,A受到了各方面的瞩目,原本准备把重要的工作交给A的公司,认为“A要当监督了,会很忙吧。”结果,把这项工作交给了别人来做。)
もちろん、この報道は、実際の出来事ではない。しかし、このように、思い込みや推測によって誰かを苦しめたり、誰かが不利益を受けたりすることは、実際に起こりうるのだ。(当然,这则报导不是真实的事。然而,像这样,主观想法、推测的确可能会让谁受苦,让谁蒙受损失。)
メデイアは、わざと私達を騙したり、誤った思い込みを与えたりしようとしているわけではない。少しでも早く、分かり易く、情報を伝えようと工夫する中で、時に、思い込みに繋がる表現になってしまうことがあるのだ。そんな思い込みを防ぐために、メデイアの側も、情報を受け取るあなたの側も、それぞれに努力が必要なのである。(媒体并非故意欺骗我们,把错误的主观想法传达给我们。为了更快,更简单易懂地向我们传达情报的时候,有时会产生带有主观的表达。为了防止这样的主观想法,媒体一方,接收情报的你们一方,都有必要努力。)
あなたの努力は、「想像力のスイッチ」を入れることだ。与えられた小さい窓から小さい景色を眺めるのでなく、自分の想像力で壁を破り、大きな景色を眺めて判断できる人間になって欲しい。(你要努力的是打开“想象力的开关”。不是从被给予的小窗户里观看一小片景色,而是要打破自己想象力的墙壁,眺望一大片景色,成为有判断力的人。)

词汇
切り取る(きりとる):切下、砍下、剪下;(用武力)侵占(一部分领土)
スポットライト:舞台聚光灯;焦点、公众注意中心、围绕某一事情汇集话题

作业
1.读课文
2.思考课文相关内容:

3.参照例句看图写话:

4.阅读汉字的读法和使用方法并完成练习:
