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【ChatGPT机翻】战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚) - (87) [千五百七十二年 三月上旬]

2023-03-31 23:08 作者:爱吃果冻的沙耶  | 我要投稿

书名 战国小町苦劳谭
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作者: 夹竹桃
原作:http://ncode.syosetu.com/n8406bm/
翻译工具:ChatGPT

*机器输出的翻译结果UP未做任何修正,仅供试阅。标题章节号为原翻译版的顺延。*

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千五百七十二年 三月上旬(*原文网页序列号 - 96)


「頭が痛い」


"头痛"


額に手を当てて静子は唸る。兼続があっさり素性を明かしたお陰で、静子の護衛達は警戒心を高めるが、本人は全く意にも介さなかった。


额头上静子感到疼痛并呻吟着。因为兼続轻易地透露了自己的身份,静子的护卫们变得更加戒备,但她本人却完全没有在意。


才蔵などは少しでも怪しい素振りを見せようなら手を出し兼ねない雰囲気だ。しかし、兼続の方は周囲の反応は当然、と言わんばかりに受け入れていた。


才藏等人稍有不寻常的举止,就会被视为可疑对象而受到警惕。但是,兼续却仿佛毫不在意身旁人的反应,自始至终显得淡然处之。


「俺はありのままの静子殿を見分しに参ったのだ。素性を隠して覗き見するなど性に合わん。第一、俺は間者ではない」


「我来到这里只是为了见真实的静子殿。隐藏身份偷窥之类的行为不适合我。再说,我不是间谍。」


頭を抱える静子に、頭痛の種は悪びれずに笑いながら答える。依然として警戒は解けないが、世話役に任じられた慶次はいつものように笑っていた。


抱着头的静子,对于她头痛的根源,那个人笑着回答,并不感到惭愧。虽然还是保持着警惕,但被任命为照顾人的慶次一如既往地微笑着。


「下手すれば織田と上杉のいくさになるところだったんだよ、本当に」


「如果不小心的话可能会变成织田和上杉之间的战争,真的」


「いくさとなれば是非も無し。いくさ場にて全ての決着をつける、とお実城様なら仰るであろう。戦端を開いた俺が華々しく散れば尚良し」


"在战争中没有什么绝对。像御实城大人一样,在战场上做出全部的决定。如果我开战并在光辉中消亡,那就更好了。"


「そんな、ちょっと出かけてくる、みたいなのりで死ぬとか言わないで欲しいな。キミが早く死ぬと割と困るんだよね」


“不要说像是随口说着‘出去一下’就死了那样过于夸张的话。如果你这么快死了,我会很麻烦的。”


上杉家の後継者争いで、と静子は心の中で付け足す。


在上杉家的继承争议中,静子在心里补充道。


与六、後の直江兼続は上杉謙信が死んだ後、上杉景勝と上杉景虎との間で起こった内乱で重要な役目を果たす。


在上杉謙信逝世后,直江兼續和六斎將会在上杉景勝和上杉景虎之间爆发的内乱中发挥重要作用。


御館の乱後、恩賞と引き替えに景勝陣営に鞍替えし大きな功績を残した毛利もうり 秀広ひでひろが、山崎秀仙の意見によって恩賞をなかったことにされた事に激高、直江信綱と会談中の山崎秀仙及び直江信綱を殺害する事件が起こる。


在“御馆之乱”之后,毛利秀广为了奖赏而转向了景胜阵营,并留下了伟大的功绩。但据山崎秀仙的意见,毛利秀广的恩赏被取消,这让他非常愤怒。随后,发生了在与直江信纲会谈期间杀害山崎秀仙和直江信纲的事件。


跡継ぎを失った直江家は、兼続を直江信綱の妻・お船の婿養子に迎える。兼続は直江家を継ぐと狩野秀治と共に上杉家を支え続けた。


失去了继承人的直江家,接纳了兼续作为直江信綱的妻子船的女婿。兼续与狩野秀治一起支持上杉家并继承了直江家。


「あ、もしかしてあの時、一緒にいた年上の子って長尾ながお 喜平次きへいじ氏(長尾 喜平次 顕景あきかげ、後の上杉景勝)?」


“啊,你是不是在那时候跟那个年长的孩子在一起?他是长尾喜平次(长尾喜平次顕景,后来变成上杉景勝)吗?”


「良く気付いたな。まさかあの様な場所に、供もつけず歩くとは思わなかったようだ。あの時の間者たちの驚いた顔は見物だったぞ」


"你发现得真好。我还没有想到在那种地方走路时没有带护卫。那时间谍们惊讶的表情真是好看。"


「酷い嫌がらせだ」


"太过份的恶意欺负"


「殿はあの時のお礼をと仰っていたが、此度は俺の我が侭だからご遠慮願った」


“当时他曾表示要感谢我,但这次是我自作主张,所以他婉拒了。”


何を考えて京に派遣したか分からないし、知ろうとも思わなかった。下手に藪を突いて蛇を出すような真似はしたくない。


我不知道他们派我去京都想了什么,也没想要去了解。我不想冒险去惹麻烦。


とにかく上杉家と絡む気がない静子だが、先方はそう思っていない事を改めて知る。


不管怎样,静子没有与上杉家联系的打算,但她重新意识到对方并没有这样的想法。


(上杉家って割と不気味なのよね。深入りしたら火傷では済まなそうだし、ここは一定の距離を保つのがベターかな)


(上杉家感觉挺不寻常的。深陷其中可能会付出代价,并且最好保持一定的距离。)


戦国時代の常識を覆したのは織田信長であると言えるが、彼に比肩し得る変人が上杉謙信である。


可以说颠覆战国时代常识的是织田信长,但能与他媲美的奇人是上杉战国。


独自の価値観を持ち、当時の思想・信条、道徳観に囚われない行動を幾つもなしている。


拥有独立的价值观,做出了许多不受当时思想、信仰和道德观束缚的行动。


そんな事を考えている内に、静子一行はとある街へ入る。


这时候,静子一行进入了一个城镇,她们仍然在思考着这些事情。


昨年から信長より運営・管理を任された街で、静子の邸宅からもほど近く、かつ港街へ通ずる主幹道路が整備されていた。


自去年起,这座城市的运营和管理被信长委托,静子的宅邸离这里很近,主干道路通往港口城镇也得到了整修。


港町から各方面を結ぶ途上に街があるため、街中には商人の姿が多い。


因为港口城镇连接各个方向,所以城市中有很多商人。


静子の邸宅が近いという立地上、静子軍の大半がこの町に起居しており、兵士やその身内達も商人に負けない勢力となっていた。


由于静子的住所位置靠近,静子的大部分部队在该城镇居住,士兵及其家属的实力也不逊于商人。


人が集まり、物があるとなれば当然金が落ちる。商人が港町から岐阜や京を目指す際に、まずこの街で宿泊するため、尾張領でも屈指の賑わいを見せていた。


人聚集,物品存在必然会吸引金钱。商人前往岐阜或京都时,首先会选择在这座城市住宿,因此这座尾張领也是热闹非凡的旅游胜地。


静子の邸宅があり、静子軍が集結している事から、住人の大半は静子が土地の領主だと思っているが、実際は代官ですらない。


静子的住宅有很多人聚集,大多数居民都认为静子是该地区的领主,但实际上她甚至不是代官。


原則的に都市計画は支配者たる信長がするものだが、この街に限っては全ての権限を静子に与えていた。そのため近代的設計が織り込まれた街は他の街とは一線を画す出来となっていた。


原则上城市规划应由当权者信长负责,但对于这座城市,他将所有权力都授予给了静子。因此,这座融入了现代设计的城市成为与其他城市显著不同的杰作。


一際異彩を放つのは道路、それも街道をそのまま引き込んだ目抜き通りである。


一条独具特色的道路便是那个引进了城市主干道的闹市区街道。


中世・近世の日本では主に軍事的な理由で、街道整備が為されることは無かった。道なき道を進軍する事を強いれば敵を消耗させることが出来るためだ。


在中世纪和近代的日本,主要出于军事原因,没有进行街道建设。这是因为迫使敌人通过无路可走的道路行军可以消耗对方的体力。


例外中の例外が武田信玄が開発した信玄堤しんげんつつみや棒道ぼうみちだ。これは信玄の持つカリスマ・資金力・人心掌握術があったからこそ出来た大規模公共事業だ。


例外中的例外是武田信玄开发的信玄堤和棒道,这是信玄具备的领导力、财力和人心掌控术的体现,也是一项大规模公共工程。


他国では大きな堤防や街道整備は殆ど行われず、城下町を離れればあぜ道程度、それもぐにゃぐにゃと曲がりくねって大変移動しにくい道ばかりだった。


在其他国家,几乎没有修建高大的堤防和街道整修,除了城下镇外,只有田间小路,而且曲折蜿蜒,出行非常困难。


このような道は物流が滞りやすく、また交差点(辻)での人さらいが発生しやすい。それらを解消するため、静子は幅広い直線の主幹道路を整備した。


这种道路容易造成物流堵塞,并且容易在十字路口发生抢劫事件。为了解决这些问题,静子修建了宽阔直线的主干道路。


またガードレールに当たる木製の防護柵を設置し、歩行者と牛車や馬車を分離、歩道と車道の境界を設けた。


另外安装了木制护栏来防护拦路的行人和马车,将行人道和车道分隔开来,并设立了行人道和车道的边界。


このお陰で港街との物流量が大幅に増加、尾張は勿論美濃にまで様々な物資が流れ込む事となった。


由于这个原因,与港口城市的物流量大幅增加,不仅是尾张,还涌入了各种各样的物资到美濃。


無論、人の移動や物流が増える事は、そのまま他国の間者が入り込みやすくなるが、それらは厳しい法で対応していた。


无论人员流动或物流增加,都会增加其他国家间谍的侵入机会,但这些情况都能通过严格的法律应对。


「静子殿、あれはなんじゃ?」


「靜子殿,那是什麼?」 请注意,这是繁体中文,它与简体中文有一些差异。


静子の横を歩いている兼続が、道の脇にあるものを指さす。指さす先を視線で追った静子は、それが何か理解する。


走在静子旁边的兼续指着路边的一物。静子追随他的目光,理解了那是什么。


「あれは牛馬飲水槽。文字通り、牛馬用の給水場だよ」


那是牛马饮水槽。字面意思上,是提供给牛马喝水的场所。


牛馬飲水槽とは文字通り牛馬用の水槽だ。飲料水なので人が飲んでも問題ないが、牛馬に合わせて水槽の高さや幅が設計されているため、人が飲むには向いていない。


牛马饮水槽就是专门供牛马使用的水槽。虽然里面的水可以供人类饮用,但由于水槽的高度和宽度是为适应牛马而设计的,所以不适合人类饮用。


「牛馬用の給水槽とは面妖な」


“供牛马用的给水槽很奇怪。”


「商人には割と人気だけどね。その関係で変な事しようとすると、周りの人からよってたかって殴られるから、悪戯しない方が身のためよ。っとと」


「商人很受欢迎,但如果想做一些奇怪的事情,周围的人们会拼命殴打你,所以最好不要玩恶作剧。」


兼続に説明している途中、静子の馬が牛馬飲水槽へ向きを変えた。港街へ向かった関係で水分補給が不十分だったかな、と思った静子は馬を自由にさせる。


在向兼续解释的过程中,静子的马将头转向牛马饮水槽。静子认为马在前往港口的过程中没有足够的补水,所以放马自由饮水。


牛馬飲水槽に着くと、馬は首を動かして水が欲しい事をアピールする。静子が牛馬飲水槽を覗くと、中は殆どなかったため水を汲み上げる必要があった。


当牛马到达饮水槽时,马会摇动头表示他们想要水。当静子看向饮水槽时,里面几乎没有水了,所以需要打水。


「分かったよ。今、水を入れてあげるからね」


“知道了。我现在会给你加水的。”


馬を撫でて落ち着かせると、静子は牛馬飲水槽の傍にある手押しポンプを動かして水を汲み上げる。程よく水が溜まったところで馬が顔を突っ込んで水を飲み始めた。


抚摸着马让它冷静下来,静子推动旁边的手动泵将水汲起。当水位适中时,马将脑袋伸进水槽开始喝水。


「暫く待ってね。暇ならその辺を観光してきても良いよ」


“等一会儿。如果有空的话,可以去附近观光一下。”


家臣が置いた床几に腰掛けると、静子は肩の力を抜く。どうするか考えあぐねた兼続だが、静子見分に来たのだから静子の許を離れるのは本末転倒と考え、彼女の傍に腰を下ろす。


当家臣坐在放置在那里的小桌旁时,静子松弛下肩膀。虽然兼続不能决定做什么,但他认为既然静子来到他这里,离开她则是得不偿失,所以他坐在她身旁。


無防備すぎる彼女が心配になったのも理由だ。だが、彼の心配は杞憂に終わる。


她太没有防备了,让我很担心。但是,我的担心是多虑了。


「お、静子様ではないですか。こんな所で休憩とは、是非ともうちの茶屋をご利用下さい」


“哦,这位不是静子大人吗?在这儿休息呢,一定要来我们的茶屋坐坐哦。”


「残念だけど私じゃなく馬が休憩なんだよね」


"很遗憾,但休息的不是我,而是马。"


歩道を歩いている男が立ち止まると、静子へ気さくに声をかける。余りの気楽さに兼続はギョッとしたが周囲は慣れたもので誰も気にしていなかった。


一名正在走在人行道上的男子停下脚步,友善地向静子搭话。这种轻松自在让兼续感到吃惊,但周围的人已经习以为常,没有人在意。


「残念ですわ。おっといけねぇ、早く帰らねぇと母ちゃんに叱られちまう。どうぞご贔屓に」


很遗憾,我必须走了,不然妈妈会骂我的。请多关照。


言うやいなや男は駆け足気味に立ち去った。それからも色々な人間が静子に声をかけてきた。それらに対して時にはユーモアを交えつつ静子は答える。


说完话,那个男人快步离开了。之后,许多人都会找静子说话。静子时而加入幽默回应这些人的话。


「静子様、こんな所で呑気にしておられますと玄朗様の雷が落ちますよ」


「静子,你在这里悠闲地玩耍,玄朗的雷就会落下来」


「その時は逃げるからご安心下さい」


“那时我会逃跑,请放心。”


「そんな所で油売っていないで、おらの店で金子を落として下さいよー」


“不要在那种地方卖油了,请到我的店里花钱。”


「はっはっはっ、私にお金を出させるだけのものを持ってくるのじゃー」


“哈哈哈,你带来的只是让我出钱的东西。”


目の前の光景が信じられず、兼続は目を丸くする。その間にも車道は彼が初めて見る人力車や馬車が次々と通過していく。


眼前的景象讓兼続難以置信,他瞪大了眼睛。與此同時,人力車和馬車穿梭於他從未見過的馬路上。


彼らは静子の横を通り過ぎる時、頭を下げたり被っている帽子を脱いだりして挨拶する。それに対して静子は軽く手を上げて答えた。


当他们经过静子身边时,会低头或脱下帽子致以问候。静子会轻轻举手回应。


支配する者と支配される者というより、顔見知りの挨拶にしか見えない。何がなんだか分からず呆然としている彼に、ニコニコと笑顔を浮かべた慶次が一言言った。


与其说是支配者和被支配者,倒更像是见面打招呼。对于一脸茫然的他不明白发生了什么,慶次露出微笑,轻声说了一句话。


「よぉく見物しておけよ、あれが静っちだ」


“好好看着,那个是静静的。”


結局、街が気になった兼続は一旦静子と別れて、街を見物する計画に変更した。静子は特に気にせず慶次に道案内を任せると、そのまま配下を連れて去って行った。


最终,兼续被街道吸引,他与静子暂时分别,决定改变旅游计划去观光街道。静子没有在意,把带着手下离开了,让景次带路。


その慶次も静子一行が見えなくなると、どこの店にいるからと兼続に教えると彼に背を向けて立ち去った。


当静子一行人消失不见后,慶次对兼续说他在哪家店,并背过身离开了。


静子たちから信頼されているのか、それとも侮られているのか、判断に迷うと兼続は思った。


兼续思考着,究竟自己是被静子们信任着,还是被他们轻视着,很难判断。


「良いのかあれは。才蔵殿は俺の行動を逐一見ていたのだが……あれで慶次殿も静子殿の馬廻衆なの、だよな。全く正反対なのに良くいがみ合わないな」


“那样好吗?才蔵殿一直在密切关注我的行动,慶次殿和静子殿都是他的侍从,真是全然相反但却没有互相敌视啊。”


慶次から渡された金子袋を懐にしまうと、兼続は先ほどから気になったものに足を向ける。近づくとそれは紙の山が入った木箱だった。


将被慶次递给的金子袋放入怀里后,兼续转向了一直引起他注意的东西。走近一看,发现是一个装满纸张的木箱。


「何故、このような場所に紙の山が……?」


“为什么这个地方会有那么多的纸山呢?”


首を傾げながら兼続は一番上の紙を手に取る。紙に書かれていた内容は、この街にある宿泊施設の情報雑誌だった。


一边歪着头,兼续一边拿起了最上面的纸。纸上写着的是这个城市的住宿信息杂志。


街には幾つかの旅籠はたごがあり、一人旅の行商から大人数で移動している豪商まで幅広い人間に対応出来る。


街道上有几家客栈和旅店,可以迎接不同人群,从一个人的旅游商贩到大批豪商的旅客都可以得到满足。


しかし、街のどの辺りに宿泊施設があり、どれぐらいの値段でサービス提供しているか、初見の商人たちには知る方法がない。


然而,对于首次前来的商人们来说,他们不知道住宿设施位于城市的哪个位置,以及服务的价格是多少。


どれほど良いサービスを提供しようとも、利用者が知らなければ意味はない。良いものが勝手に広まる訳ではない。然るべき情報発信をしなければ宝の持ち腐れだ。


无论提供多么好的服务,如果用户不知道,那就没有意义。好东西不会自动传播。如果不进行适当的信息传播,那么宝藏就会被埋没。


それらを解消するのが、街の至る所に配置された旅籠案内雑誌である。兼続が手に取ったのはその内の一冊だ。


解决这些问题的方法是通过城市中随处可见的旅馆指南杂志。兼续拿起了其中的一本。


もちろん情報雑誌は無料配布だ。一冊幾ら払え、というこすい事はしない。ただ、裏側に『知り合いに冊子を譲渡して広めて下さい』という内容が書かれている。


当然,信息杂志是免费分发的。我们不会要求读者支付任何费用。然而,在杂志背面会写着“请转交给你的朋友帮忙扩散”的内容。


「ふーむ、夕餉はないけど料理屋が並ぶ街道があるから、そちらを利用しろと。翌日の朝餉は出るのだな。それで宿泊料金を下げておるのか。おお! 料金を払えば倉に荷を預かってくれるのか。中々できる事ではないな」


“嗯,虽然晚餐没有,但是有很多餐馆排列在街道两旁,你们可以利用那里。明天的早餐我会提供的。这样住宿费会便宜些。哦!付费后,他们会在仓库保管你们的行李吗?这可真不容易啊。”


兼続は通行人の邪魔にならない場所まで移動すると、旅籠の情報雑誌を再度広げる。


兼续移动到不妨碍行人的位置,重新打开旅店信息杂志。


内容は全てが目新しいものばかりだった。兼続は感嘆の声を上げながら情報雑誌を読み進める。通りかかる人間が彼を訝しげに見てもお構いなしだった。


内容都是全新的,一直到最后。兼续继续阅读情报杂志时,发出了感叹声。经过的人们看着他,很奇怪,但他全然不在意。


「なんじゃ、この点数札というのは……ほほぅ、良く利用する客には色々と特典を付けてくれるのじゃな。旅籠によって変わるし、客はどこに宿泊するか悩むのぅ」


“这个记分牌是什么啊……原来是为了那些常来的客人提供各种特典啊。根据旅馆的不同有所不同,客人们会纠结着要住在哪里呢。”


旅籠には組合があり、その組合はポイントカードを発行している。加入している旅籠に宿泊するとポイントが付き、点数に応じて様々な特典が提供される。


旅馆设有协会,该协会发行积分卡。入住加入协会的旅馆会获得积分,根据积分数量提供各种不同的特惠。


ポイントで得られる特典は各旅籠が好き勝手に決めている。


通过积分获得的特权由每个旅馆自行决定。


色々な特典が用意されており、比較的低いポイントであっても尾張の特産品が貰えるなど、よそ者には堪らない品ぞろえであった。


准备了各种福利,即使点数较低,也可以获得尾張特产等,对于外来者来说,商品的品种非常丰富。


「なるほどなぁ。飯は飯屋、寝泊まりは旅籠、と分けておるから宿泊料が下げられる。しかも持ちつ持たれつだから、どこかの組合にお金が集まり続けるということもない」


“原来是这样啊。饭就在饭店吃,住宿就在旅馆住,这样可以降低住宿费用。而且互利共赢,也不存在向某个联盟不断汇聚资金的情况。”


呟きつつ兼続は料理屋が並ぶ街道へ足を向ける。料理屋が建ち並ぶ事に物珍しさを感じたが、それ以上に酒が安いという事の方が兼続には重要だった。


喃喃自语着,兼续转向了林立着料理店的街道。虽然感到了料理店林立的新奇,但对兼续来说更重要的是酒更便宜这一点。


しかも尾張や美濃の酒は、主君である謙信が手放しに褒めていた酒だ。何よりも酒飲みの越後人として、他国の酒が気にならない方が無理な話だ。


而且尾张和美浓的酒,是主君謙信大加赞赏的酒。作为一个酒鬼的越后人,无法不关注其他地方的酒。


だがもう少しという所で彼は足を止める。酒を呑んで果たして歯止めが利くのか、彼は自問自答する。答えはすぐに出た。


然而在离目的地不远的地方,他停下了脚步。他喝了酒,自问自答,是否能够控制自己。答案很快就出来了。


(ま、また今度だ。流石に続けざま金子の無心など破落戸と変わらない)


(嘛,下次再说。连续不断的金子乞讨已经毫无用处,与街头乞丐无异)


花街で痛い目を見た兼続は断腸の思いで踵を返す。その後は頭の中から酒を追い出し、冷静に街を見ていく。


在花街受到惨痛打击的兼续,满心痛苦地回头离去。之后,他排除思绪中的酒意,冷静地观察街道。


街は大きく5つの区画が設けられていた。街の中心には様々な公共施設が建ち並んでいる。中心から右側に農業関係の区画が2つ、左側は上が商業、下が工業地区となっている。


该城镇被分为五个大区。各种公共设施林立于市中心。从市中心向右两个区域是与农业相关的,向左则是商业区和工业区。


一番賑やかな場所は商売が行われる商業地区だ。様々な商品が並び、客の呼び込み声があちらこちらでしていた。


最热闹的地方是商业区,那里有各种各样的商品摆放着,到处都能听到吆喝声,吸引着客人。


これだけ物が溢れれば、夜盗や物取りが頻発するのではと兼続は感じた。しかし、それは近くの人を捉まえて質問した際に解決する。


如果物品太多溢出来,就可能频繁出现夜盗和扒手,兼续感到担忧。不过,当他找到附近的人进行询问时,问题就迎刃而解了。


街では犯罪に対する厳しい取り締まりがあり、定期的に兵が巡回している。更に街で犯罪を犯した者を追う専門の追跡部隊までいるとの話だ。


城市中有严格的打击犯罪措施,定期有士兵巡逻。据说还有专门的追踪小组追捕在城市中犯罪的人。


鍛冶一家を殺した犯人を追い、安土辺りまで追いかけて捕縛した噂もあるほど、追跡能力に長けているとの事だ。


据传这个能追踪犯人的人,曾经追捕杀害铁匠一家的犯人直至安土一带将其捕获。


犯罪者が自暴自棄になりやすいが再犯が起きない事、犯罪に対する厳格な態度が強い抑止力となり、商人や旅人の信頼を獲得している。


罪犯很容易变得自暴自弃,但是严厉的打击犯罪态度可以成为强有力的威慑力,获得商人和旅客的信任,防止再次犯罪。


更に岐阜の市場と違い、五月蠅いというより賑やかな雰囲気だ。詳しく調べなくても活発な売買が行われている事が分かる。


此外,与岐阜市场不同,这里的氛围不仅仅是嘈杂而是很热闹。即使不详细调查,也能明白这里正在进行着活跃的买卖。


国人を知りたくば民を見よ、謙信の言葉を兼続は思い出す。


如果你想了解国人,就要看待他们作为民众。兼续引用了这句謙信的话。


(みな、生き生きとしておる。織田家が四方八方敵だらけになっても、戦い続けられる理由はこれか)


(大家都兴致勃勃。織田家虽然四面八方都是敌人,但能够继续战斗的原因就在这里吗?)


大抵の支配者は民から全てを奪う。しかし、織田家の支配する尾張・美濃は奪うのではなく共存する。民は安らかに暮らせる代わりに税を納める。税を受け取った織田家は民を守る。


大多数的统治者从民众那里夺取一切。但是,織田家控制的尾張和美濃不是夺取而是共存。 人民缴纳税款以换取安宁的生活。 織田家收到税款并保护人民。


民がいなければ織田家は食べていけず、さりとて民だけでは平和を享受する事は不可能。


如果没有人民,織田家就无法生存,但仅仅有人民也无法享受和平。


(こりゃお実城様が手強いと思う訳だ。我らと同じ力……否、それ以上だ)


这就是我认为实城先生很强的原因。他的力量与我们相当,甚至更强。


いくさ人ゆえ織田家とのいくさは楽しみに思う兼続だった。しかし、いくさをせずとも織田家と上杉家が手を取り合えば、多くの民が救われるのではないか、とも思った。


因为身为武士,兼续很期待与织田家的战斗。然而,他也认为,如果织田家和上杉家能够握手言和,让许多人从中受益,也许不必进行战斗。


(どういう風に報告するか、難しい話になってしまったな)


(该如何报告已经变得很复杂了)


苦笑しながら兼続は足を慶次がいる方へ向ける。静子見分はこれからだ、じっくり楽しもうと思いながら彼は一歩足を進めた。


苦笑着,兼续把脚朝着庆次所在的方向移动。静子的评估现在才刚刚开始,他想认真地享受一下,于是向前迈出了一步。


「よろしいのですか?」


"可以吗?"


兼続と別れて先に家へ帰宅した静子は、彼のことを彩に話した。それに対する彩の返答は至極単純だった。


与兼续分别后,静子先回家了,并向彩谈起了他的事。彩的回答非常简单。


織田と上杉は同盟だが、家臣が行き来するほど親密な関係ではない。それを勝手に自宅へ引き込んで問題ないのかが彩には疑問だった。


织田和上杉结盟,但家臣之间并没有非常亲密的关系。彩对将他们带回家中是否合适存在疑问。


「どうせ、お館様のことだから彼の行動も逐一調べているでしょう。それに今、私は大事な案件に関わっていないしね。ま、お館様にはどうするべきか確認はとるけども」


「反正,既然是屋主大人的事情,他的行动肯定也被紧密关注了。再说现在我也没有参与到什么重要的案件中去。嗯,我会和屋主大人确认该怎么做的。」


「それはそうですが……」


"那是这样的......"


「何、気にしなくても問題ないよ。下手にコソコソすれば『上杉家の武士が間者の真似事など言語道断』と言えるし、堂々とするならヴィットマンたちの監視から逃れるのは不可能だしね」


“不用担心,这没问题。若是偷偷摸摸的话,可能被人误以为是上杉家的武士在模仿间谍,太危险了。而如果大方向地行动的话,就根本无法逃脱维特曼等人的监视。”


静子の邸宅は言うまでも無くヴィットマンファミリーの縄張りだ。人による監視と動物による監視、その両方をかい潜るのは至難の業だ。


静子的宅邸无需多言,它是维特曼家族的管辖范围。在人类监视和动物监视的双重关卡下进行潜行是极为困难的。


もしも兼続がコソコソと間者の真似事をするならば、その点をついて主導権を握れば良い。それをせず堂々としても、今の静子に秘匿せねばならない機密は無い。


如果兼续打算模仿间谍行动的话,就要抓住他的把柄,夺取主导权。如果不这样做,现在对静子来说也没有必要保守机密。


「とはいっても油断は禁物、暫くヴィットマンたちや丸太辺りを部屋に入れておくか。割と警戒心強いからね、丸太は」


“虽然如此,放松警惕是禁忌的,暂时把维特曼和木头圆方面放在房间里。他们有相当高的警惕心,尤其是木头圆。”


彩はちらりと丸太がいる方へ視線を向ける。警戒心ゼロで腹丸出し、しかも大の字に寝ている丸太を見て、警戒心が高いと言われても頭の中で結びつかなかった。


彩转向靠近一根木料的方向。她毫不警惕地躺着,肚子朝天,看着正躺成"大"字形的木料,即使有人说她缺乏警觉心也想不起来。


しかし、ヴィットマンたちがいれば問題ないと思い、彩は丸太の事を置いておくことにした。


然而,她认为只要有维特曼在,就没有问题,于是彩决定把木头圆木放在一边。


「そうなさって下さい。私はお館様に文を送る支度をしてきます」


“请这样做。我会准备给您的这位公子写信。” (note: I changed the "お館様" to "您的这位公子" as the original term is difficult to translate directly without context)


最初は読み書きすらろくに出来なかった彩だが、静子がきっちり仕込んだお陰で、今や読み書き算盤が出来る才女となった。


最初无法流利地读写的彩,由于静子的精心教导,现在已成为能够熟练运用读写和计算的才女。


負けず嫌いの蕭も奮闘しているが、流石に勉学した時間が違うので、まだ読み書きしか出来ない。それでも前田利家の血を引く者ゆえか、算盤の腕はめきめきと上達していた。


输不起的萧也在奋斗中,但因为学习时间的差异,他仅能读写。但因为是继承了前田利家血统的人,他的算盘技能却不断提高。


「ヨロシクねー」


「ヨロシクねー」in Simplified Chinese is "请多关照" (Qǐng duō guān zhào).


「他の者たちには蕭殿から連絡して頂きます。私よりは良いでしょうしね」


"我会让其他人从萧殿联系,比我的效果更好。"


仮邸宅に移り住んでからか、それとも新しい邸宅は大人数前提だからか、織田家家臣たちは自身の子を静子の侍女、もしくは邸宅の使用人、下働きにと派遣するようになった。


自从搬到了临时住所,或者是因为新的府邸是为大人数而设计的,织田家家臣开始把自己的孩子派遣为静子的侍女,或是府邸的使用者、下人。


仮邸宅と言っても彩や蕭だけでは管理しきれず、それ自体は有り難い話だった。だが別の問題が出た。彩が平民の出というのが、家の管理においてネックになってしまった。


即使是称为暂居宅,由彩和萧管理也无法完全掌控,这本身是一件令人感激的事。但是另一个问题出现了。在家族管理方面,彩身为平民的身份成为了一个障碍。


静子の所は良い意味でも、悪い意味でも実力と運が必要不可欠だ。


静子所在的地方无论是好是坏,实力和运气都是必不可少的。


今でこそ数百の兵を任されている玄朗であるが、最初は鍛冶職人であり村を襲われて奴隷になり、その後買い主から逃げて夜盗になるも静子の部隊に鎮圧される。


现在虽然玄朗被授予指挥着数百士兵的职务,但一开始他却是位铁匠,在他的村庄遭到攻击后被迫成为奴隶。他曾逃离其主人并干起了盗贼,但最终被静子率领的部队逮捕了。


何とか処罰は免れたが、今度は肉盾に近い仕事をさせられた。だが何とか生き延び、様々な武功を上げてようやく静子隊に組み込まれた経歴の持ち主だ。


好不容易避免了惩罚,现在被迫从事一项类似于肉盾的工作。但是,经过努力活下来,并取得了各种成就,终于成为了静子队的一员。


弓騎兵隊の隊長格である仁助と四吉も、波瀾万丈な人生を歩んでいる。


弓骑兵队的队长级别的仁助和四吉也经历了波澜壮阔的人生。


彼らが静子を信奉するのも、どん底を味わい、最底辺の出自であるにも関わらず、実力のみを評価してくれるからだ。


他们信奉静子,是因为即使经历了低谷,出生于最底层,并且也只看重实力的她依然得到了大家的认可。


邸宅の中でも静子の実力主義は変わらず、才女となった彩を側仕え、かつ家の取りまとめ役に採用している。


府邸中,静子一向秉持实力主义,聘用才女彩为侧仕,并担任家中的协调者。


ただし、これを面白くないと思う人物がいた。


然而,有人认为这并不有趣。


人事に身分は影響しないと事前に知らされていても、今まで身分社会で生きてきた者にとっては、そう簡単に意識を変えられないかと静子は若干諦め気味だった。


即使事先知道身份不影响人事,对于一直生活在身份社会中的人来说,改变意识并不容易,静子有点放弃的倾向。


もっとも、下手な事をすれば家長から手痛い叱責が待っているため、面白くないと思う者たちも、思うだけに終わっていたが。


然而,由于如果做得不好的话,就会受到家长的严厉斥责,所以即使有些人觉得无聊,也只是停留在想想而已。


「別に気にする必要はないと思うけどね。何なら彩ちゃんを私の妹にする手もあるよ」


“我觉得你没必要担心,如果你愿意,甚至可以将彩作为我的妹妹。”


「……私如きには有り難いお話ですが、それでは静子様に頼り切る事になります。もう少し、我が身でどこまで出来るか知りとうございます」


"虽然这对像我这样的人来说是值得感激的话,但那样会使静子完全依赖我。我想知道我还能为自己做些什么。"


「そう? まぁその気になったらいつでも良いよ」


"是吗?好啊,只要你有心了随时可以。"


「ありがとうございます。その時にはよろしくお願い申し上げます。では、話は終わりにして、こちらの書類の処理をお願い申し上げます」


"非常感谢。在那个时候请多多关照。那么,谈话到此结束,请处理这些文件。"


深々と礼をした後、彩は静子の眼前に書類を積み上げる。ミシリ、と机が悲鳴を上げたのは、決して幻聴ではないだろうと静子は思った。


深深地鞠了一躬之后,彩在静子眼前叠起了一摞文件。静子感觉到桌子发出了一声咯吱声,她想这绝不可能是幻听。


乾いた笑いを浮かべつつ、最初の一枚目を手に取る。


面带干笑,拿起第一张图片。


「は、ははっ、割と多いね」


「啊,啊哈,还挺多的呢」


「今年度の計画を立てる月ゆえ、色々と処理する書類が多いのです。申し訳ありませんが、本日中に精査をお願い申し上げます」


"由于要制定今年度计划,所以有很多文件要处理。非常抱歉,请在今天之内仔细审查。"


「えー、まぁやるけどさ。あんまり期待しないで欲しいね」


“嗯,好的,但别期望太高了。”


「本日中に精査をお願い申し上げます」


"请在今天之内进行审查"


念を押すような形で再度告げた後、彩は信長に兼続の件を報告するために部屋を後にする。残された静子は重いため息を吐いた後、改めて紙に目を通す。


再次强调了这一点后,彩离开房间向信长汇报了兼续的事情。留在那里的静子叹了一口气,重新看了看那张纸。


「……ふーむ、割と良い着眼点の計画だね」


"嗯,这是一个相当好的计划视角。"


「お、こんな所にいたか静っち」


“哦,静姐,你在这里啊。”


紙と付随していた資料に目を通していると、にこやかな笑みを浮かべた慶次が入ってきた。礼儀もへったくれもなく、入り口の襖を勢いよく開けると、その勢いのまま部屋へ入ってくる。


看着与纸张一起附带的资料,正面带着微笑的慶次走了进来。他没有礼貌地一边用力打开门一边冲进了房间。


もっとも、それを見ても静子は襖が壊れないか心配するだけだった。


然而,静子看到这一切只是担心屏风会不会坏掉。


「与六殿の件かな」


"与六殿的事情吗" would be the Simplified Chinese translation.


「正解。なのでーーー」


"正确答案。因此——" (Zhèng què dá'àn. Yīncǐ——)


「夜通し語り合いたいから、お酒を出してくれ、とは言わないわよね?」


“因为想通宵聊天,所以你不会说出来给我倒一杯酒,对吧?”


瞬間、慶次が笑顔のまま固まる。頬に手を添えた静子はにっこりと笑顔を浮かべて、冷や汗を流す慶次に向かって言葉を続ける。


顷刻间,庆次的笑容冻结了。静子把手放在脸颊上,微笑着朝着出汗的庆次说话。


「肴としてカラスミが欲しい、とも言わないわよね」


"你能不能说你想要墨鱼干吃啊?" (Simplified Chinese)


「い、いやぁその通りだよ。流石は静っち、良く分かったなー。だからお願い、な?」


“是,是的,你说得对。果然是静同学,理解得真透彻啊。所以拜托你了,好吗?”


全部察せられた事を知った慶次は、両手を合わせて静子を拝む。暫く半眼で睨んでいた静子だが、考えるのが馬鹿らしくなり片手で顔を覆う。


庆次知道了所有的情况,他合起双手向静子行了拜礼。静子一直半眯着眼睛看着他,过了一会儿,她感到自己想得有点傻,于是用一只手遮住了自己的脸。


「夕餉はブリと野菜の鍋よ。その時にお酒を呑まないなら許可しましょう」


"晚餐是黄鳝和蔬菜的炖菜。如果此时不喝酒,可以允许."


「うっ、鍋で酒禁止はきっついな」


「呃,锅里禁止喝酒还真难受啊。」


「これでも割と譲歩しているのよ。普通なら駄目って言う所だしね」


“这也算是比较让步了。正常情况下会被说不行的。”


腕を組んで唸る慶次だが、流石にこれ以上の譲歩は出来ない。


“腕并起来咕哝着的庆次,但再怎么样也不能再做出更大的让步了。”


金子の立て替えでも割と骨を折ったのだから、ここは静子の提案を飲むか、飲まないかのどちらか以外に慶次が選べる選択肢はない。


既然金子的垫付费用也相当费力,因此在这里除了接受静子的提议或不接受之外,桂次没有其他选择。


「仕方ない。その条件を飲もう」


"没办法。就接受那个条件吧。"


「なら夕餉後に鍵を取りに来て。蔵の地下室に通じる鍵も一緒に渡すから」


"那就晚饭后来取钥匙吧。我会把通往地下室的钥匙一起交给你。"


蔵は地上2階が基本だが、酒を保管する蔵のみ地下1階が設けられている。これは地下の方が保存に適した温度と湿度を維持出来るのが理由だ。


仓库主要建在地面的二楼,但仅用于储藏酒品的酒窖则设在地下一层。这是因为地下更容易保持适宜的温度和湿度以确保储存品质。


一階や二階の場合、人が蔵の扉を開けた時に湿度や温度が変化してしまう。その点、地下は設備が整っていれば扉の開け閉め程度では気温や湿度が大きく変化することはない。


在一层或二层的情况下,当人们打开仓库的门时,湿度和温度会发生变化。而地下室只要设施齐备,开关门时温度和湿度的变化不会太大。


品質維持及び、容易く持ち出させないようにするため、あえて酒は地下蔵に保管されているのである。


为了保持质量并防止容易带出,酒被故意保存在地下酒窖中。


「じゃあそれでよろしくー」


那好,就这样吧。


話し合いが終わると、慶次は手をひらひらと振って立ち去る。一つため息を吐いた後、静子は手に持っている書類へ再び視線を落とした。


谈话结束后,景次挥手离开。静子叹了口气,然后又把目光投向手中的文件。


それから夕餉の時間になるまで、彼女はひたすら書類の処理をし続けた。


然后直到晚餐的时间,她一直刻苦处理文件。


兼続にとっては驚きの連続だった。屋敷の中に多くの獣が住んでいる事も驚いたが、何より驚いたのは静子が慶次たちと食卓を一緒に囲む事だった。


对兼续来说,这是一个惊奇不断的时刻。他惊讶于屋子里住着许多动物,但更惊讶的是静子与景次等人一起围坐在餐桌旁。


武士の飯といえば玄米がたっぷり、それも赤米や黒米が基本だ。副食も漬け物や梅干しなど、塩辛いものだけ、良くて野菜の煮物が出る程度だ。


武士的饭菜是以糙米为主,更是赤米和黑米。配菜只以腌制食品和酸梅干为主,仅有蔬菜煮菜作为小菜。


それが飯は白飯、味噌汁は糠味噌ではなく豆味噌、メインは野菜とブリの鍋だ。それも白飯を食べているのは静子だけでなく、慶次や才蔵たち家臣、そして侍女の彩に至るまで白飯だ。


那是白米饭,味噌汤不是糠味噌而是豆味噌,主菜是蔬菜和鳶鱼火锅。不只是静子,庆次、才藏等家臣,以及侍女彩也都吃白米饭。


飯だけでなく副食も何もかも同じ物を食べていた。毒云々以前の話だと兼続は驚愕した。


不仅仅是饭,所有的副食都吃同样的东西。毒药什么的之前的事,兼续都感到震惊。


「あれ、口に合わなかったかな」


"哎呀,难道不适合我的口味吗?"


箸が進まない兼続に気付いた静子が食事を止めて質問する。その言葉で我に返った兼続は、慌てて首を横に振る。


察觉到兼续筷子没有动静的静子停下了进餐,发问。在听到这句话后,兼续恍然大悟,急忙摇头。


「いえ、白飯など滅多に食える物ではないゆえ、驚きを隠せませぬ」


“不,白米饭等很少有能吃的东西,所以我无法隐藏我的惊讶。”


「一応栄養価を考えて、たまに赤米や黒米を混ぜる事はあるよ。あっちの欠食児童たちには不人気だけどね」


“为了考虑到营养价值,偶尔会混合红米或黑米。虽然那边的缺食儿童不太喜欢。”


あきれ顔で静子はある方を指さす。彼女の指さす方を向くと、慶次と才蔵、長可が賑やかに飯を食べていた。


静子面露不悦,指着一个方向。我望过去,看到慶次、才藏和长可正在热烈地吃饭。


が、よく見ると奪い合うように鍋の具を取り、飯をかき込んではお代わりをしていた。


然而仔细一看,他们抢夺着锅里的食材,舀着米饭吞下去,还要不停地加餐。


毎日、白飯だけでも十分な量を確保している静子だが、栄養価を考えて玄米食や、白飯でも5%ほど赤米や黒米を混ぜて、ビタミンやミネラル類を補充している。


每天,静子确保即使只有白米饭也有足够的量,但考虑到营养价值,她会加入糙米、红米或黑米等占白米饭总量的5%,以补充维生素和矿物质。


また赤米や黒米は白米と一緒に炊くことで見た目が美しくなり、赤米や黒米独特の香りが楽しめるご飯となる。


同时煮红米和黑米与白米混合烹煮,不仅使米饭外观更加美观,而且可以品尝到独特的红米和黑米香气的美味米饭。


全てを赤米や黒米にすれば美味しいと思えない飯になるが、このような「かやくご飯」にすることで、飯にも色々なバリエーションを持たせていた。


把所有的米都用红米或黑米来做,可能会让饭菜变得不好吃。但是,通过做出这样的“菜饭”,可以为饭菜带来各种不同的变化。


もっとも、常日頃白飯を食べるような慶次たちにとっては、赤米や黒米などの混ぜ物ご飯や玄米食は割と不評なのだが。


然而,对于像慶次这样平时只吃白米饭的人来说,混合饭如赤米或黑米以及糙米饭等相对不受欢迎。


「それにしても、侍女まで飯が食えるなど、よほどの財をお持ちですね」


"话说,竟然连侍女也可以吃饭,你一定是有很多财产的吧"


「ん? ブリは別だけど、鍋の野菜と米は私が栽培したものだし、味噌は私が作ったものよ。だから、それほどお金はかけてないよ」


"嗯? 除了鲱鱼外,火锅的蔬菜和大米都是我种的,味噌也是我做的。所以,我没有花太多钱。"


「は?」


"啥?"


静子の言葉を聞いて、兼続は更に悩む。


听了静子的话,兼续更加烦恼。


(待て待て、栽培だと? 何故、織田家の重鎮が百姓の真似事をしている。これは彼女なりに財を知られないよう誤魔化しているのか。いや、違う。どう見ても本気の目だ。とても人を騙そうとしているようには見えぬ)


(等等,是种植吗?为什么织田家的重要成员要去模仿农民的生活?难道她是在掩饰自己的财富,不让别人知道吗?不,不对。她看起来非常认真,似乎并不打算欺骗任何人。)


自分も上杉家で傾奇者だ、常識知らずだと言われたが、静子の言動はそんな兼続すら困惑するものだった。


自己也是上杉家的倾奇者,被称为没有常识,但是静子的言行让就连兼续也感到困惑。


(考え直そう、与六。栽培していると言ったが、ただ管理しているだけだろう)


(重新考虑一下,与六。你说你在种植,其实只是在管理而已吧)


「そういえば静っち、最近作った施設は何のためにあるんだ?」


“顺便说一句,静子,你最近建造的设施是为了什么?”


「あれは放流する鮭の稚魚を育てているところだよ」


“那里是在养殖放流的鲑鱼幼鱼。”


無理矢理納得しかけた兼続だが、慶次と静子の何気ない会話でまた思考が奈落へと突き落とされる。


无理矢理地接受了兼续,但在景次和静子的闲聊中,思考又被推入深渊。


(待て待て、放流だと? 鮭の稚魚だと、一体何のためにそんな真似をしておる。というか、何故静子殿自らが育てているのだ。いや、家臣といえどもいつ寝首をかかれるか分からぬ身、自身の技術はなるたけ秘匿すべきなのだろう)


(等等,这是放流吗?这是三文鱼的幼鱼,你为什么要这样做呢?更重要的是,为什么静子小姐要亲自养育它们?虽然是家臣,但是身处这个危险的世界,个人的技术应该尽可能保密。)


サケやマス類の人工ふ化は、端的に言うと産卵時期の魚を捕まえ、水がかからないように注意しながら採卵し、受精させた後、ふ化に適した環境の水槽に浸ける。


鲑鱼和鲑鱼科鱼类的人工孵化,简而言之,就是抓住产卵期的鱼,在注意不让鱼接触水的情况下采集鱼卵,受精后将其浸泡在适合孵化的水缸中。


これが近年、サケやマス類の人工ふ化に使われる乾導法という技術だ。この技術は19世紀後半にC. G. アトキンス博士によって確立された。


这是近年来用于鲑鱼和鳟鱼人工孵化的干导法技术。这项技术是19世纪后期由C. G. 阿特金斯博士确立的。


なお、水がかからないようにする理由は、水がかかると卵が受精したと考え、受精した卵と同じ成長をするが、決してふ化しない未受精卵になるからだ。


此外,避免水淋到蛋的原因是,如果水淋到了卵,则会认为卵已受精,并会像受精卵一样成长,但最终不会孵化成未受精卵。


「もう少ししたら、他の人が育てている稚魚と一緒に放流するよ。一昨年からやっているから、後1年か2年は成果が出ないけどね。ま、来年ぐらいにいっぱい帰ってくると思うよ、鮭」


"再过一段时间,会与其他人一起将养育的稚鱼放流。我们自从前年开始做这件事,前一两年可能不会看到成果。但我认为明年应该会回来很多鲑鱼。"


(いやいやいやいや、待て待て。鮭が獲れる川は知行地として与えられるほどの川。武田は獲った鮭の実じつに半分近くを税として納めさせておる。その鮭を増やす技術を、何故ほいほい他の者に教えておるのだ!)


(哎呀呀呀,等等。能够捕获鲑鱼的河流是被授予作为领地的河流。武田确实向税收缴纳近一半的鲑鱼。为什么要轻易地教给其他人增加鲑鱼的技术!)


彼が悩むのも仕方ないが、実は静子はある政策を行っており、彼女の技術を他人が知っても特に問題なくしている。


虽然他感到困扰,但实际上静子正在执行某项政策,即使别人知道她的技术也没有什么问题。


それが特許だ。特許とは社会に有益な発明をした人物や組織が、一定期間独占的な権利を有する事を保障する制度だ。


那就是专利。专利是一项保障社会受益发明的个人或组织,在一定期间内拥有独占权利的制度。


商工業を独占したり、特許を利用したい者たちから特許料を徴収したりできる。特許は諸刃の剣ではあるものの、職人が有益な技術を秘匿したまま、技術が消失する事が防げる。


可以向想独占商业或利用专利的人收取专利费。虽然专利是一把双刃剑,但工匠们能够将有用的技术保守秘密,防止技术消失。


また、発明者が開発意欲を失ったり、新しい事業、新しい市場の開拓に対する意欲が失われる事も防げる。


同时,也能够避免发明者失去开发热情、失去开拓新业务、新市场的意愿。


無論、制限なき優先権ではない。市場独占には一定の制限がかかり、特許料についても支払う方に不服があれば異議申し立てが可能となっている。


无论是没有限制的优先权,还是市场垄断,都存在一定的限制,对于专利费用,如果支付方不满意,可以提出异议。


もっとも大事な事だが、特許と認定された内容を他国に売れば、厳しい罰則が課される。


如果将被认证为专利的内容卖给其他国家,将会面临严厉的惩罚,这是最重要的事情。


技術のランクにもよるが最低でも一家全員斬首、基礎研究などの根幹技術になれば族滅、いわゆる一族郎党全員が斬首に処されることもある。


这取决于技术的级别,但至少需要斩首整个家族。如果成为基础研究等核心技术,则可能会导致族灭,即所谓的整个家族都会被处以斩首之刑。


一族以外の関係者がいれば、関係者にも拷問を含む尋問がされる。


如果族外人员在场,相关人员也会受到拷问,包括审问。


特許に関しては様々な刑法が制定されているが、情報漏洩やスパイ行為は特に厳しい対応が取られるようになっている。


在专利方面,虽然制定了各种各样的刑法,但信息泄漏和间谍行为尤其受到严厉的惩罚。


(ぬー、分からぬ)


(不知道,不明白)


その辺りの事情を知らない兼続は散々考えて、そして最後に考えることを放棄した。大人しく白飯を食おうと飯を口に入れた瞬間、入り口の襖が勢いよく開け放たれた。


不知道那里的情况的兼续思考了很久,最后放弃了思考。他静静地吃着白饭,就在这时,门被猛地推开了。


「静子ぉ……はりはり鍋が延期とはどういう事じゃあ〜!」


“静子啊……火锅宴延期是什么情况啊!”


勢いよく襖を開けたのはお市だった。後ろで茶々と初が、両手を広げて襖を勢いよく開けるポーズをしていた。ここの住人は勢いよく襖を開けるのが礼儀なのか、と兼続は半分呆れた。


迅速地推开屏风的是小市。在后面,茶々和初都摆出了双手张开、迅猛推开屏风的姿势。这里的居民推开屏风似乎是一种礼仪,兼续感到有些惊讶。


「いや、だから言ったじゃないですか。肉を熟成させるのだから、少し待ちますよって」


“不,我是说了的。因为需要让肉成熟,所以需要等一下。”


「うむ、聞いておらんぞ。だから妾は知らぬ」


“嗯,我没有听到。所以我不知道。”


「そこを偉そうに言わないで下さい。幾ら解体前に熟成しているとはいえ、もう少し待つ必要があるのですよ。大丈夫です、明日には食べられますから」


“请不要自以为是地说那个。虽然它在拆解前进行了一定的陈化,但是还需要再等一段时间。不用担心,它明天就可以吃了。”


鯨は人間より少し体温が高い。そのため、高い温度で腐敗しないよう腹部を裂き(内臓は捨てずに残す)、16時間ほど海中に入れて温度を低温に保ち、肉の熟成をする。


鲸鱼的体温比人类稍高。因此,为了防止在高温下腐烂,需要裂开腹部(但不丢弃内脏),将其放入海中约16小时以保持低温,以便让肉类成熟。


捕鯨後、港に運ばれた鯨は神事の後に、この作業が必ず行われる。ゆえに神事が終わった後、1日待たねば鯨の肉は手に入らない。


捕鲸后,运到港口的鲸鱼必须在祭祀之后进行这项工作。因此,祭祀结束后必须等待一天才能获得鲸肉。


その事は事前に伝えていたはずだが、お市の耳には届いていなかったようだ。


应该事先已经告知了那件事,但似乎并未传到市政的耳朵里。


「ぐぬぅ、仕方ない。ならば今日はその鍋で許してやる」


“嗯,没办法。那么今天就用那个锅原谅你吧。”


「許してやるも何も、これは私の夕餉ですが……というかそちらにも夕餉が用意されているでしょう」


「原谅还是怎样的,这是我的晚饭...... 话说你们那边也已经准备好晚饭了吧。」


「冷えた飯など食えたものではない。それに旨いものは皆で囲んで食べるべきだ、と濃姫殿も言われていたしな。これ、母はお前らの面倒なぞ見ぬぞ。静子に見て貰え」


“吃冷饭什么的都不行。而且好吃的东西应该大家一起围坐在一起吃,濃姬殿也这么说过。这件事情,母亲已经不管你们了。请让静子来照顾你们。”


言うやいなやお市は空いている席に腰を下ろす。茶々や初も隣に腰を下ろそうとしたが、お市は無情にも我が子を追い払う。


说完这句话,小市坐在空着的座位上。茶茶和初想要坐在她旁边,但小市却无情地赶走了自己的孩子。


だが慣れたもので、茶々と初はそのまま静子の方へ行くと、適当な場所に陣取った。


但是因为已经习惯了,茶茶一开始就直接走向静子那边,并且在一个合适的地方占了个位置。


(男も女も関係ない。旨いものは皆で囲んで食べるべき、か。何とも型破りな話だ……だが悪くはない)


男女不限,好吃的应该大家一起围坐享用,这是个颇为另类的说法……但并不是坏事。


知らず知らずの内に兼続は笑みを浮かべていた。


不知不觉间,兼续露出了微笑。


「風呂とは良いものだ」


“洗澡是一件好事”


人生初の入浴を経験した兼続はご満悦だった。全身ぽかぽか状態の兼続は、慶次が寝泊まりしている庵へ向かう。


经历了人生中第一次沐浴的兼续非常开心。全身暖洋洋的他走向慶次在庵里睡觉的方向。


仮邸宅の庭にある庵は大きく見積もっても6畳程度と、広いとは言い難いが俗世から切り離された静寂な風情があった。


暂居住处的庭院里的小屋就算估计也不过六畳左右,说它宽敞还是有些勉强,但却带有与尘世隔绝的静谧氛围。


「まずは一献」


"先来一杯" (Xiān lái yībēi)


慶次が用意した茶碗二つに酒を注ぐと、片方を兼続に差し出す。兼続が受け取ると、慶次はニヤリと笑うと胡座をかく。兼続もそれにならう。


庆次为两只茶碗倒上酒,将其中一只递给兼续。兼续接过酒后,庆次咧嘴笑了笑,然后盘腿坐下。兼续也跟着坐下。


「変わった器だな」


"这是个不同寻常的容器"


「静っち曰く茶碗酒って奴さ。本来は茶を飲む器で酒を呑む。何とも痛快な話ではないか」


“静说酒杯叫做茶碗酒。本来是用来喝茶的器皿,结果变成了喝酒的器皿。这是个令人感到痛快的故事。”


「確かにな」


"确实"


茶の湯は上流階級の娯楽として定着しているが、その為に使われる器であえて酒を呑む。型破りな話だが、何とも小気味よい話だと兼続は思った。


茶道作为上流社会的娱乐已经定着,但是茶道具也被用来饮酒,这种打破常规的故事非常有趣,兼续想到。


酒が月明かりを反射するのに気付いた兼続は、茶碗の中を覗き込む。


看到酒在月光下反射,兼续低头看着茶碗。


「水のように透き通っておる。月明かりを映すのも当然と言えよう」


“像水一样清澈透明。可以说自然也会反射月光。”


「眺めるのはそこまでにして、まずは呑もう」


“先别看风景了,先喝点吧。”


言うやいなや慶次は茶碗を傾けて、一気に飲み干す。少し遅れて兼続も慶次と同じく茶碗の酒を一気飲みする。


说完这话,景次一口倒空了茶碗里的酒。稍稍落后的兼续也像景次一样,一口气喝完了酒。


「……旨い! それしか語れぬ」


"太好吃了!只能这样形容"


「良いものに言葉はいらないさ」


“好东西不需要言语”


カラになった茶碗へ互いに酒を注ぐ。


倒酒到空碗中。


「そうだな……うむ、この肴も旨い。酒がどんどんすすむな」


"嗯……好的,这小菜也很不错。酒越来越好喝了。"


カラスミを一切れ口に入れ、続いて酒を口に流し込む。何とも言えぬ旨さが口の中に広がった。


将一片鱼籽放入口中,然后倒入酒。一种难以形容的美味在口中弥漫开来。


酒のあてなど常に塩で、それも数回に一回つけば良い方の兼続にとって、カラスミは望外の逸品であった。


酒肴常常加盐,但对于像兼续这样只需每几次才沾一次的人来说,鱼子酱是一款意料之外的美味。


それからは酒の旨さに太鼓判を押しつつ、二人は談笑する。話す内容は色々だった。勿論、機密に関する事は互いに口が軽くなる訳にはいかなかったが。


然后两人一边称赞着酒的美味,一边闲谈。他们谈论的内容很广泛。当然,有关机密的事情他们并不敢多嘴。


「いや、しかし本当に羨ましい。このような酒を呑めるなど早々ない。我が主君が褒めるのも無理はない」


"不,但真是太羡慕了。能喝到这样的酒不容易。我的主人夸奖也是无可厚非的。"


「静っちは知行地がないからな。土地を与えられない代わりに、って言って色々と融通してくれる。まぁたまに飲み過ぎて叱られる事もあるけど」


“静子没有自己的土地,但是代替土地,领到了其他一些补贴,能够灵活运用。虽然有时会因为过度饮酒而受到指责。”


叱られている割に、全く懲りていない雰囲気の慶次だった。笑いながら兼続が茶碗に口をつけると、どこからともなく良い匂いが漂ってきた。


虽然被斥责了,但景次的气氛仍然完全没有反省。当兼续微笑着喝茶时,从某个地方飘来了好闻的气味。


気になって周囲を見回すと、慶次も匂いに気付いたようで、しきりに匂いの元を探っていた。


注意到周围的气味,景次也开始寻找气味的来源。


「入るぞ」


"入门了"


その言葉と同時に襖が開けられる。続いて大皿を片手に才蔵と長可が部屋に入ってきた。匂いの元は才蔵が持っている皿だと二人は気付く。


随着那句话,推拉门被打开。接着,才藏和长可手拿大盘子进了房间。两个人察觉到气味来自才藏手中的盘子。


大皿を中心に置くと才蔵は適当な場所に腰を下ろす。持っていた酒瓶を大皿の横に置くと、長可も同じように座る。


把大盘子放在中心,才藏便在一个合适的地方坐了下来。他把手里的酒瓶放在大盘子旁边,长可也跟着坐了下来。


「お前がこっちに来るなんて珍しいな。お、焼き鳥とはまた豪勢だな」


“你能来这儿可真少见啊。哦,烤鸡肉串真是豪华啊。”


「……静子様が『男が話し合うならコレでしょ?』と仰って、我々に酒と肴を下されたのだ」


「……静子女士说:『如果是男人之间的谈话,这不是理所当然吗?』然后她给了我们酒和小菜。」


「中々粋いきな事するじゃん。では早速……うむ、旨いな」


"做得还挺别致啊。那么,马上来……嗯,很好吃。"


今も兼続を警戒する才蔵に、静子は腹を割って話し合えと、彼をここへ送り込んだのだと慶次は理解した。


慶次理解了,静子派遣才藏到這裡後讓他小心兼續,並且坦率地交談。


長可は気にしていないのか、手早く酒を自身の茶碗に注ぐと、焼き鳥片手に才蔵の行動を見守っていた。


长可并没有在意,他迅速地将酒倒进了自己的茶碗,一边拿着烤鸟肉,一边观察着才藏的行动。


「まずは呑め。呑めぬとは言わさぬぞ」


"先喝一口。不喝就别说了。"


言うやいなや空っぽになった兼続の茶碗に、才蔵がなみなみと酒を注ぐ。随分呑んだ兼続だが彼は笑みを浮かべていた。


才蔵一说完,立即向已经空了的兼续的茶碗中倒满了酒。虽然兼续已经喝了很多了,但他仍带着笑容。


「おい、越後人を舐めんなよ。これぐらいどうってことねぇよ!」


“喂,别小看越后人。这点事情算不了什么!”


注がれた酒などなんのその、兼続は酒を一気に飲み干す。ニヤリと笑うと、才蔵は自分の茶碗を突き出す。注つげ、という意味だと理解した兼続は、同じように酒をなみなみと注ぐ。


倒入的酒什么的都不要紧,兼续一口气把酒喝干。他咧嘴一笑,才藏便端起自己的茶碗。兼续理解了“斟满”的意思后,也满满斟满了自己的酒。


才蔵も兼続と同じように酒を一気に飲み干した。


才藏也像兼续一样一口气喝光了酒。


「侮るなよ、小僧。こっちは大酒飲みと付き合っているのだ。越後人など片手で捻ってくれる」


“别小看我,小子。我交往的是个大酒鬼。像越后人这样的人我一个手指头就能搞定。”


「そっちこそ越後人を舐めるなよ。先に慶次殿と呑んでいた量など、この俺にとっては不利にならない事を証明してやる」


“不要小瞧越后人。我可以证明,像桂次先生一样喝酒的量对我并不会产生不利影响。”


そこからは互いに酒を一気に呑む、慶次と長可がなんやかんやはやし立てながら、自分たちもしっかり呑んでいた。


从那时起,景次和长可相互一饮而尽,虽然他们也在喝酒,但他们依然在开玩笑。


ペースを考えずノリと勢いで呑んで騒いだため、翌日、四人は揃って二日酔いに近い状態になったのは言うまでもない。


由于不考虑速度而是随性喝闹,第二天四个人都陷入了接近二日醉的状态,这是不言而喻的。


技術街や醸造街はたとえ上杉家の者でも入る事は叶わぬが、港街と静子が関わっている街は普通に出入り出来る。


技术街或酿酒街即使是上杉家的人也不能进入,但港口和静子所涉及的城市可普通出入。


二つのどちらにも言える事だが、料理店が並ぶ場所は胃が刺激される香りが漂っていた。特に港街は海の幸が豊富に集まる関係で料理店が多く、それゆえ各店がしのぎを削っていた。


这是一件可以适用于两种情况的事情,那就是,餐馆所在的地区弥漫着让胃口被刺激的香气。尤其是港口城市,由于海鲜丰富,餐馆非常多,因此每家餐厅都在竞争中努力生存。


「どの店も腹に訴える匂いだ」


每家店都有让人感到肚子发饿的气味。


周囲に漂う匂いを嗅ぎながら兼続は呟く。そこまで腹は空いていないが、それでも何か食べたくなるほどかぐわかしい料理の香りだ。


闻着周围弥漫的香气,兼续喃喃自语。他并不是很饿,但这种芳香扑鼻的料理还是让他觉得想吃点什么。


「ははっ、ここは静っち肝いりの場所だからな。どこも旨いが、やはり一番人気は鰻静だろう。あそこは静っちから秘伝の『タレ』とやらを貰って、鰻丼や鰻重を始めたそうだがこれが大流行おおはやり。鰻が沢山獲れた日にゃ長蛇の列が出来るぜ」


“嘿嘿,这里是非常重视宁静的地方。每家店都很好吃,但最受欢迎的当属鳗鱼静吧。据说,那里得到了静大师的秘传‘酱油’,开始推出鳗鱼饭和鳗鱼重,结果大热起来了。每当有大量捕获鳗鱼的日子,那里就排起了长队。”


隣を歩く慶次が、どの店に入ろうか悩みつつ兼続に説明する。


与其难以决定到哪家店里去,慶次一边走路一边向兼续解释。


「食ってみたいが、そこまで人気だと並ぶのも大変だな」


“想尝一尝,但排队也太辛苦了吧,太受欢迎了。”


「大流行過ぎて、たまに喧嘩まで起きるほどだ。お陰で静っちが鰻の養殖を計画するまでになった」


"流行得太厉害,有时甚至会引发争吵。感谢这一点,静君开始计划养鳗鱼了。"


「……前も聞いたが、何故わざわざ増やそうとする。魚など幾らでも獲れよう」


"我之前听过,但为何要特意增加呢。像鱼这样的东西,照样可以捕到很多。"


養殖とは対象の生物を人工的に育てる産業だ。現代のように海洋資源の枯渇が心配されるならともかく、外洋にも出られない時代では海洋資源が枯渇するような事は中々起きない。


养殖是一种人工饲养动植物的产业。尽管如今海洋资源枯竭成为了一种担忧,但在外洋无法到达的年代,海洋资源枯竭的情况并不多见。


何百年に一度の異常気象が起これば話は別だが、戦国時代の気候は現代より寒くとも安定を保っている。海洋資源が危険に晒される事はない。


若出现百年难遇的异常天气,则情况另当别论,但战国时代的气候即便较现代更寒冷,也相对稳定。海洋资源不会受到危害。


「獲れたとして、民の口にどれだけ入るかね」


"即使得到了,也能赢得民心吗?"


「は?」


"哪?"


一瞬、兼続は慶次の質問の意図が分からなかった。慶次は煙草が入っていない煙管を口で上下に動かしながらも真面目な表情をする。


一瞬间,兼续不明白景次的问题意图。景次一边上下移动没有装烟草的烟管,一边保持认真的表情。


「魚が豊富に獲れようとも、民がその魚をどれだけ食える。お上の連中だけが食って、下々の連中が食えないのなら何も変わらない」


“无论鱼类丰富多彩,人民能吃多少呢?如果只有上面的人吃鱼,底层人民无法享用,那么什么也没有改变。”


「……つまり、運次第の海に頼らず自分たちで確実に取れる食い扶持を増やす、という事か」


“也就是说,增加自己稳定的谋生手段,而不是仅仅依赖运气不可预测的海洋资源。”


「織田の殿様が天下を統一すれば、自ずと戦はなくなっていく。今までのように食い扶持を確保する戦は出来なくなる。そうなったらものの取り合いだ。取り合いをすれば、やがて何もかも食らいつくしてしまう」


“如果织田殿下统一天下,战争自然会逐渐消失。将无法像以前那样通过战争来确保生计。那样只能是互相争抢资源。相互抢夺的话,最终会吃光一切。”


少し寂しそうな声色で慶次は言葉を続ける。彼は生粋のいくさ人だ、いくさがなくなれば彼は死に場所を失う。いくさ人にとって、死に場所を失うほど辛いことはない。


“慶次用有点寂寞的语调接着说。他是个天生的武士,如果没有战争,他就失去了死亡的地方。对于武士而言,没有比失去死亡之地更痛苦的了。”


それでも彼は静子の所を離れない。例えいくさ場を失う事になろうとも、彼女が信長の元で作ろうとする新しき世を見てみたいのだ。


即使失去了战场,他也不会离开静子的身边。他想要看看她在信长的领导下创造的新世界。


自分でも難儀な性格だと慶次は思った。いくさ人としての死に場所を求めながら、新しき世がどの様な形になるのか見てみたい、そんな矛盾する想いを抱くのだから。


“景次意识到自己也是个难搞的人。他不仅想寻找战场上的死亡,而且还想看看新世界会变成什么样子,这种矛盾的想法充斥着他的心。”


「おや、そこにおわすは慶次様ではございませぬか」


“哦,您在那里的不是慶次大人吗?”


急に声をかけられた慶次は後ろを振り返る。そこにはでっぷりと肉付きの良い女性がいた。お供の女が後ろに控えている所から偉い立場の人間だと窺える。


突然被叫住的慶次回头看去,发现一位身材丰满的女性站在背后。从旁边守候的女伴来看,她应该是地位很高的人。


「咲さき殿か。珍しいな、こっちに出向いてくるなんて」


"咲大人啊,很少有人主动过来这边呢,这可真少见。"


「ほっほっほ、ようやくこっちに店を構えて良いって許可が下りたからね。下見も兼ねての見学さ」


“呵呵呵,终于得到了能在这里开店的许可。这也是来考察的一部分。”


本名不明、女郎からは咲と呼ばれる女性は、港街にある花街・二之区の有力者だ。琴と音が細身で美人なのに対し、咲は太っている方であり、決して美人とは言い難い。


这位名字不明的女性被从女郎那里称作“咲”,她是港口城镇二之区的一位有影响力的花街人物。与纤瘦美丽的琴和音不同,咲的身材较胖,很难说她是美女。


しかし、いつも優しく、時に厳しくも愛のある叱咤をする咲は、二之区の女郎から「かかあ様」と呼ばれるほど慕われている。


然而,因为总是温柔,有时又会严厉地给予带有爱的斥责,咲备受崇拜,被二之区的女郎们称为“老大娘”。


「ああ、おたくんとこは瘡毒そうどく出したものな」


"哦,你家的确患上了疮毒。"


瘡毒、またの名を梅毒という感染症にかかった人間が、かつて咲が管理する二之区から出てしまった。それも静子の街へ支店を構える許可が出る直前である。


患有疮痈(又称梅毒)感染病的人从咲所管理的第二区逃出来了,并在直子市获得建立支部的批准前离开了该区域。


基本的に性行為で感染する病気ゆえ、静子が管理する街へ支店を構える許可は取り消され、新たな患者が出ない事が条件に加えられた。


由于基本上是通过性行为传播的疾病,因此静子所管理的城镇被取消了支店的设立许可,并加入了不再出现新病患的条件。


「一時は本当に参ったけど、静子様のお陰で何とか治ったよ」


“一开始真的很挣扎,但静子女士的帮助下我终于康复了。”


「おー、という事は二之区閉鎖は解除されたのか」


“哦,这意味着二之区的封锁解除了吗?”


梅毒が出た以上、感染拡大を防ぐ為に静子は二之区を一時的に封鎖していた。商売あがったりだが、こればかりは契約の関係上、受け入れて貰う以外にない。


由于患了梅毒,静子暂时封锁了二区以防止感染扩大。虽然这对生意产生了影响,但由于合同关系,她不得不接受客人。


「ほっほっほ、ようやく商売再開だよ。これから損した分を取り戻さないとね。それじゃ、あたいはこれで失礼するよ」


"嘿嘿嘿,商业终于可以重新开始了。接下来要赚回之前的损失。那么,我先失陪了。"


慶次たちに別れの挨拶をした後、咲はお付きを引き連れてどこかへ立ち去った。


在向庆次他们告别后,咲带着她的随从离开了。


「ふーむ、色々とあるのぅ。っと、いかん。俺たちも酒を買って帰ろう」


“嗯,有很多事情呢。那么,走吧。我们也买点酒回家。”


「中々に興味深い話だった。今夜の酒の肴にしよう」


"这是一个相当有趣的故事。让我们把它当作今晚酒的开胃菜。"


笑いながら二人は酒屋へ向かう。静子の倉に酒はたんまりあるが、たまには外で売られている酒も呑んでみたい二人は、手頃な酒を何種類か購入して帰路につく。


笑着的两个人朝着酒屋走去。虽然静子的仓库里有很多酒,但两人想尝试一下外面出售的酒,于是购买了一些相对便宜的酒回家。


道中何事もなく帰宅した二人だが、静子の邸宅前まで来た時、異変に気付く。


两人平安无事地回家了,但当他们来到静子家前时,察觉到了异常。


「あん? なにやら人が多くないか」


「啊?好像有很多人呢」。


普段はそれほど人が多いわけでもなく、人の出入りも少な目な静子の邸宅前が人でごった返しになっていた。格好からして身分の高い者の従者だという事が分かった。


通常情况下,静子的住宅前并不那么拥挤,人们的出入也相对较少。但这一次,看起来身份很高的随从们让这里变得热闹非凡。


二人は首を傾げながらも彼らを避けて家へ入る。入ってすぐ、嗅いだことのない香りが鼻腔をくすぐった。良く嗅げば発酵食品のような酸っぱい感じだが、一癖ありそうな香りと分かる。


两人虽然歪着头避开他们,走进了房子。刚进去就闻到了从来没闻过的味道,刺激着鼻腔。如果好好嗅一下,就会感到一种酸酸的发酵食品般的味道,但可以意识到它是一种独特的气味。


「……あ、まさかっ!」


"哎呀,不会吧!"


何かに思い至った慶次が慌てて駆け出す。一瞬、驚いた兼続だがすぐに彼の後を追う。鋭敏な嗅覚で香りの元へ走る慶次だが、少しして彼は足止めされる。


某件事讓慶次想到了什麼,他慌忙奔跑出去。兼続一開始感到驚訝,但隨即追上了他。憑藉著敏銳的嗅覺,慶次跑向氣味的來源,但不久便被攔住了。


「ここより先は殿がおられる。何人たりとも通すわけには参らぬ」


「在这里之后,殿下在那里。无论多少人都不能通过。」


慶次の前に立ちはだかったのは堀だ。彼を見て、慶次は地団駄を踏む。誰がこの家に来て、何をしているか理解したからだ。


在景次面前挡路的是堀。看到他,景次跺着脚。因为他理解了谁来到这个家,做了什么。


「くそ、何かしようとしているのは分かっていたが、まさか今日だったとはっ!」


"该死,虽然知道他在想些什么,但没想到会是今天!"


「諦められよ」


"放弃吧"


話の流れについて行けない兼続は目を丸くする。


兼续跟不上话题的转变,眼睛瞪得圆圆的。


「構わぬ」


不关心。


一体何が起きているか、慶次に尋ねようと兼続が言葉を口にしようとした瞬間、廊下の奥から有無を言わせぬ迫力を秘めた声が飛んできた。


刹那间,兼续正要问慶次到底发生了什么,就听到从走廊深处传来一道充满威势的声音,不容置疑。


その言葉を耳にした瞬間、堀は脇に避けて跪いた。慶次もばつの悪そうな顔をして、廊下の脇へ避ける。


听到这句话的瞬间,堀侧身跪下。景次也露出不悦的表情,躲到了走廊的侧面。


「旨いものは皆で共有すべきだ。が、一番に味わうのはわしだがな」


“美味的东西应该被大家分享,但最先品尝的应该是我。”


奥から現れたのは信長だった。彼は未だオロオロとしている兼続を見据えると、唇の端を吊り上げて言葉を発した。


从深处出现的是信长。他看着还处于困惑中的兼续,嘴角扬起,说道。


「貴様が上杉の者か」


"你是上杉家的人吗?"


その一言で静寂が場を支配する。


那句话让宁静支配了现场。


冷や汗を流した兼続は、何かを言おうとした。だが、言葉が口から出る事はなかった。


流了冷汗的兼续想说些什么,但是他的口中无法说出任何话。


信長から感じる重圧に耐えるだけで、今の兼続は精一杯だった。上杉景勝の右腕になっている時ならまだしも、今は近習、それも12歳程度の若造だ。


面对信长的压力,现在的兼续竭尽全力挺过去。如果成为上杉景胜的得力右手还好,但现在只是个近臣,而且只是个12岁左右的年轻人。


数多の戦を駆け抜け、魑魅魍魎が跋扈する京で何年も公家や仏家と争い、時に協力して政治を取り仕切っている信長を前に、彼は知らずの内に足がすくんでいた。


在频繁经历数次战斗後,在魑魅魍魉横行的京都城,多年以来与公家和佛教团体争斗,有时会协助管理政治的信长站在前方,他毫不知情地畏缩不前。


だがそれを悟られまいと兼続は精一杯の虚勢をはる。


但是为了不被察觉,兼续尽力装作很强大的样子。


「ふっ……堀よ、まもなく静子が南蛮の食い物『ぴざ』とやらを焼き上げる。貴様は人を連れてそれを運ばせよ。焼きたてが旨いらしいからの。はよぅ運ぶように厳命しろ」


「嗯......堀,静子很快就要烤南蛮披萨了。你带人去运送它。听说新鲜出炉的味道很好。赶紧去运送吧。」


全てを見抜いた信長だが、兼続の虚勢には触れず堀へ命令を飛ばす。一瞬だけ兼続を見た堀だが、すぐに恭しく信長へ礼をすると、静かに立ち去った。


信长看透了一切,但没有触及兼续的空洞。他下令挖掘防御工事。堀只是瞥了一眼兼续,然后恭敬地向信长鞠躬,并静静地离开了。


「わしが何をしたいか知りたくば、静子と民を良く見ておけ。そこに貴様の求める答えがある」


如果你想知道我想要什么,就好好看看静子和民。你所寻求的答案就在那里。


それだけ言うと信長は一度も振り返らず、兼続の横を通り過ぎて廊下の向こうに消えた。信長が消え去って暫くしてから、兼続はようやく息を吐き出す。


只说完那句话,信长就没有回头,从兼续的旁边经过,消失在走廊的另一边。信长消失后过了一会儿,兼续才终于松了口气。


知らず知らずの内に緊張し、呼吸する事すら忘れていた。それほど信長の存在は異質だった。極めて自然体なのに油断すれば喉を食い千切られるような雰囲気を感じた。


不知不觉中我变得很紧张,甚至连呼吸都忘记了。信长的存在如此独特,虽然非常自然,但一旦放松警惕就感到像是喉咙被撕裂般的气氛。


(あれが……敵ならば仏家すら滅ぼす第六天魔)


(那是……若是敌人的话,即使佛门也会被摧毁的第六天魔)


信長のニックネームにもなっている第六天魔。しかし、この名が付けられたのは信長が初ではない。


第六天魔成为信长的绰号,但这个名字并不是信长首先得到的。


有名な人物としては最初は延暦寺の天台座主についたが、後に還俗げんぞくして足利将軍となった足利義教も、延暦寺と敵対した時に第六天魔の名で呼ばれていた。


作为著名人物,足利義教最初跟随延暦寺的天台座主,但后来還俗成为足利将军。当延暦寺与其敌对时,足利義教也被称为第六天魔。


他にも二回目の延暦寺焼き討ちを行った細川政元など、延暦寺と敵対すると延暦寺関係者や民衆から第六天魔の名で呼ばれる事が多い。


除了细川政元进行第二次延寿寺焚毁之外,与延寿寺敌对的人常被称为第六天魔,他们是延殿关系者或民众。


(言葉では表せぬ、何とも言えない人だ)


(无法用语言表达,难以言说的人)


兼続は暫く取り憑かれたように、信長が去った方を見続けていた。


兼续如同被附身一样,一直注视着信长离去的方向。


【ChatGPT机翻】战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚) - (87) [千五百七十二年 三月上旬]的评论 (共 条)

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