欢迎光临散文网 会员登陆 & 注册

【日本小5道德】16#煎蛋卷

2022-07-16 19:49 作者:久我まさひ  | 我要投稿

卵焼き(煎蛋卷)

作者:福井 三亥(ふくい さんがい)

秋も深まった山の辺の道。天気に恵まれ、遠足の子供達の表情も明るい。ようやく目的地のお寺に到着。

(深秋的山边道路。天气晴朗,远足的孩子们的表情也很明朗。大家终于到达了目的地的寺院。)

木立に囲まれた広いお寺の境内で、五年生は、それぞれのグループを作ってお弁当を開き始めた。担任の由紀先生は学級の子らを見て回った。皆ご馳走が詰めてあり、どの子のお弁当にも卵焼きが入っていた。由紀先生の胸には、あの日のことが蘇ってくるのであった。

(被树木围绕着的宽敞的寺院内,五年级生们各自分组,开始打开便当。班主任由纪老师环视着班级的学生们。大家的菜都塞得满满当当,每个孩子的便当里都有煎蛋卷。由纪老师回想起了那天的事情。

由紀が五年生の秋、遠足があった。その朝、由紀は母に起こされて慌てて飛び起きた。母から渡されたお弁当を手早くリュックサックに入れ、学校へと急いだ。その時は遅れたら困るという一心で、昨夜のことはすっかり忘れていた。

(由纪五年级时的秋游。这天早上,由纪被母亲叫醒后,急忙跳起。她将母亲递给她的便当迅速装入背包,然后赶紧去学校。这时,她一心想着迟到的话就不好了,完全忘记了昨晚的事。

やがて山の頂上に着いた。そしてグループに分かれてお弁当を開いた時、のりをつけたおにぎりの横に並んでいる卵焼きの黄色が、由紀の目に飛び込んできた。由紀は思わず「あっ。」と言う声を呑んだ。

(不久后到达了山顶。然后分组打开便当的时候,海苔饭团旁边的黄色煎蛋卷映入了由纪的眼帘。由纪不由得差点“啊”出声来。

前の日の夕方、畑から疲れた表情で帰ってきた母に、由紀は待ちかねたように頼んだ。

(昨日傍晚,由纪等不及地拜托一脸疲惫地从田里回来的母亲道。

「お母さん、遠足のお弁当作ってや。」

“妈妈,帮我做远足的便当。

「ああ、作ったるとも。せやけどなあ由紀。いいおかずがないので、竹輪と野菜で辛抱しといてや。」

“好啊,当然做啊。但是啊由纪。没有什么好菜,就只有鱼糕和蔬菜,你忍耐一下吧。

「お母さん、私の大好きな卵焼きにして。」

“妈妈,给我做我最喜欢的煎蛋卷。

「それがなあ、卵を切らしてしもて、一つもないのや。」

“啊,鸡蛋一个都没了。

由紀はそれを聞くと、かえって卵焼きがほしくなった。

(由纪闻言,反而非常想要煎蛋卷。

その頃、卵は値段が高くてなかなか買えるものではなく、お祝いや病気など特別な時にしか食べられなかった。だから、卵焼きはご馳走の一つだった。

(此时的鸡蛋价格高昂,很难买到,只有在庆祝以及生病等特殊情况下才吃。因此,煎蛋卷是酒席佳肴之一。

「お母さん、卵焼きこしらえて!」と、由紀は同じことを何遍も繰り返し、いつになくだだをこねた。母は初めはなだめていたが、しまいにはこらえかねて、「この子は!何遍言うたら分かるのや。」と大声を出した。そこに、山仕事を終えて父が帰ってきた。事情を聞くと父は、「由紀、わがまま言うたらあかん。卵がないねから、ほかのおかずで辛抱しとけ。」と言って聞かせた。いつもなら父の言うことをよく聞く由紀なのに、「卵焼きほしい!卵焼きほしい!」と、泣きじゃくりながらごねた。

(“妈妈,给我做煎蛋卷!”由纪反复说着同样的话,一反常态地缠人。母亲最初安抚她,最后忍不住地大声道:“你这孩子!要说几遍你才懂。”这时,做完山里活的父亲回来了。父亲听说了事情的前因后果后,说道:“由纪,别任性。没有鸡蛋,你吃其它的菜忍耐一下。”平常总是听父亲话的由纪,抽泣着不满道:“我要煎蛋卷!我要煎蛋卷!”

そして、奥の間へ駆け込み、敷いてあった布団の中へ潜り込んだ。いつの間にか泣き疲れて、夕飯も食べずに寝入ってしまった。

(然后,她冲进了内室,钻进了铺好的被褥中。不知何时,她哭累了,晚饭也不吃就睡着了。

由紀は開いたばかりのお弁当の蓋を閉じた。そのまま、皆と喋りながら食べる気がしなかった。松の木の下へ場所を移した。一人になった由紀は、そっとお弁当の蓋を開き、卵焼きの一切れを口の中に入れた。ゆっくり口を動かしていると、卵焼きの美味しい味が口いっぱいに広がり、瞼には昨夜の父の顔と母の顔が浮かんできた。いつの間にか由紀の頬を、涙が一筋二筋流れていた。

(由纪将刚打开的便当又盖上了。她不想就这样和大家一边聊天一边吃。她来到了松树下。独自一人的由纪轻轻打开了便当的盖子,然后将一块煎蛋卷送入了口中。她缓缓地咀嚼着,煎蛋卷的美味在口腔中蔓延开来,眼前渐渐浮现出了昨晚父母的脸。不知何时,由纪的脸颊上流下了一两道眼泪。

遠足から戻って、由紀は母を見るなり、「お母さん、卵焼き美味しかったわ。」と、礼を言った。母も嬉しそうだった。

(由纪远足回家后,一看到母亲就答谢道:“妈妈,煎蛋卷很好吃。”母亲也很高兴。

「そうか、良かったなあ。」

(“是吗,太好了。”

「お母さん、卵どうしたん?」

(“妈妈,鸡蛋是怎么回事?”

「実はな、お前が泣き寝入ってから、お父さんが奥の間へお前の様子を見に行って、由紀の顔に涙がまだついている、よっぽど卵焼きが欲しかってんなあ、と言い出しはったんや。」

“其实在你哭得睡着之后,你爸到内室看你,然后说你的脸上还有眼泪,看来是非常想要煎蛋卷。

「うん。」

(“嗯。”

「由紀があんなに欲しがるのやから、何とかならんのかと、お父さんが言われたんで、竹造さんとこまで行けば卵あるやろというたら、遠いけど行って分けてもろてくるかと言われたんや。」

“你爸说既然你那么想要,能不能想想办法呢。我说竹造家应该有鸡蛋吧,然后你爸说虽然很远,但我去让他分一些给我们。

由紀の家は山の奥にあり、隣の家とも遠く離れていた。

(由纪的家在深山,去隔壁家也距离很远。

「夜、あんな遠い家まで行ってくれはったん?」

“晚上去那么远的地方?

「うん、お父さんが行かれんでも、お母さんは行ってくるつもりしとったけどな。」

(“是啊,就算你爸不去,我也打算去的。”

由紀先生は、幼い日の感動を噛み締めていた。

(由纪老师细细回味着幼时的感动。


【日本小5道德】16#煎蛋卷的评论 (共 条)

分享到微博请遵守国家法律