『HiGH&LOW THE WORST X』に残された“不良

『HiGH&LOW THE WORST X』に残された“不良モノ”としての宿題とは──ハイロー放談後編!
2022/10/18 19:00
文=
斎藤岬(さいとう・みさき)
『HiGH&LOW THE WORST X』公式サイトより
映画『HiGH&LOW THE WORST X』の公開に連動して展開してきた
サイゾーのハイロー特集
。最後に『HiGH&LOW THE MOVIE』から掲載している
恒例の座談会
をお届け! ヤンキーマンガや映画を長年見続けてきたライター・藤谷千明氏と、アクション映画やバイオレス映画に造詣の深いライター・加藤よしき氏によるハイロー放談の後半戦です。(以下、映画『HiGH&LOW THE WORST』の
前編はコチラ↓ 不良モノの一大テーゼにどう向き合っていくか 加藤 キャラクターに関して今回唯一不満なのは、轟の扱いです。僕は「轟はもっと強い」派なんで……。 藤谷 村山さんがいなくなったから、ちょっとしょうがないところも……? 加藤 僕の中では、轟は村山と互角であって、ほかの全員より頭一つ飛び抜けて強いという解釈なんです。だからバラ商の2人と戦うシーンでは、もっと圧倒的な強さでねじ伏せるところがちゃんと見たかった。最終対決では小田島・轟が須嵜と闘って仕留めきれなかったけれど、あそこで須嵜は最初から楓士雄に任せて、轟は周りにいるザコ100人くらいを「俺が適当にやっとくから」みたいにフラッといって全員倒す、とかでも良かった。轟一派の辻&芝マンも、バトルのシーンが彼らだけカットされてるんですよね。2人ともどんどん演技がうまくなっていってるし、もっと見せてあげてほしかった。 藤谷 それでいうと、私はハイローくん(ハイローくん?)には基晃というか、森崎ウィンさんに謝ってほしいんですよ。森崎さん自身はそんなこと思ってないと思いますけど。森崎さんはめちゃめちゃ“やれる”人のはずなのに、そのポテンシャルを活かせていなかったように感じます。基晃は『6 from HiGH&LOW THE WORST』(以下『6』)で巨大感情により楓士雄を付け狙っていたのが、楓士雄の拳カウンセリング(©加藤よしきさん)によって改心して今は名誉鬼邪高生みたいなポジションになっているわけですけど、正直とってつけた感が拭えない。『6』自体、コロナ禍の影響もあってか満足なアクションシーンが撮影できなかったという背景も推測されますが、不完全燃焼としか言えない展開でした。森崎さんを連れてきてそれ? ってどうしても思ってしまうのですよ。好きな人がいらしたら申し訳ございません。 加藤 でもほら、彼はすでにスピルバーグ映画に出てガンダムに乗ってますから(『レディ・プレーヤー 1』)、今さらここで実績を積むまでもないというか。 藤谷 だから「ハリウッド俳優を連れてきてこの扱い? 森崎さんにもスピルバーグにも謝って!」っていう(モンスターペアレンツ)。冗談はさておき、『6』の消化不良感はハイローの課題につながってると思うんですよ。ここで前編の最初に言った“気持ちよさ”の話をさせてください。『ザワクロ』はすごく気持ちいい作品だったけど、その気持ちよさってつまり、団地の幼馴染たちを切り捨てたことによるものじゃないですか。今回、最後に楓士雄が「あなたはどうする?」って問いかけてきますよね。あそこで私、「いや、君は記憶喪失の幼馴染、どうするの?」って思ったんです。発声OKの応援上映だったら叫んでましたよ。「そのセリフそっくりそのまま君に返すわ!(キンブレを振りながら)」って。 加藤 あそこの唐突なメッセージは、相変わらずハイローっぽいなと思いましたね。 藤谷 不良マンガ・映画においては、ヤンキー、イケメン、楽しいバトル、そして生活があるわけだけど、いつも「生活」は置き去りにされる。ハイローに限らず、これまでずっとそれを取り戻そうとしては「生活」は「楽しいバトル」に敗北していってしまう。それは市場が求めているから仕方ない部分も大きい。でもね、不良少年がなぜ不良になるのかといえば、だいたい経済問題が背景にあるじゃないですか。もちろん天下井みたいに金持ちがグレる場合もありますけど、貧困とか家庭環境とかそういうものがある中でどう道を踏み外さずに生きていくかの模索を描いているわけで。高橋ヒロシでいうと『QP』がクリティカルにそれを描いているし、『WORST』だって物語序盤の主題はそこだったはず。あるいは最近ドラマ化された『ナンバMG5』だって、ヤンキー一家育ちの息子が真面目なシャバ憎として青春を送ろうとするコミカルな二重生活モノから、続編の『ナンバデッドエンド』では「不良であること」のツケというか陰鬱なリアルが迫る展開に変わっていった。不良モノは基本的にそのテーマから絶対逃れられない。青春の終わりにどうケリをつけるかということをずっとやり続けていると思うんです。今回、ここまで気持ちよく振り切っていただいたおかげで、でっかい宿題が残ってしまったのでは。だから「たしかに気持ちいい。気持ちいいんだけどね、でも忘れ物がありませんか?」と(早口)。 加藤 生活の部分を今回は完全に切っちゃってるので、ヤンキーモノとしては「この後どうするんだ?」と。 藤谷 なんか閉塞感を覚えるんですよね。公式が膨大なキャラクターを供給して、オタクがその背景を埋めるべく二次創作して、そこで盛り上がっていた設定を本編で取り入れちゃったかも……盛り上がってもらえるかな……?的な目配せ……。ぶっちゃけ「先が見えない」というか。これは考えすぎですかね? 加藤 藤谷さんがそう思うのはわかります。ただこれは好みの問題もあって、僕はそもそもヤンキーモノで一番好きなのが『今日から俺は!!』だったりするんですよ。だからヤンキーは最後は旅に出ればいいと思ってるところがある。 藤谷 ほかにも『湘南爆走族』を筆頭にそういうENDはたくさんありますしね。ただ、今は不景気なんで、なんか旅にも出る余裕もなくないですか? 今というか、2000年代以降? だから高橋ヒロシも『QP』で「旅」ENDで終われない人たちの切実さを描いたし、田中宏も『莫逆家族』でそれを描いたし、もっというなら山本隆一郎だって『GOLD』でそれを描いたわけじゃないですか。 加藤 それでいうと僕は今回、「鬼邪高の子たちははたして不良なのか?」っていうそもそもの疑問が湧いてます。ケンカはしますけどタバコも吸わないし酒も飲まないし。 藤谷 クスリさばいたりもしないですし。というか、天下井たちがタバコ吸っててびっくりしましたね。鬼邪高の生徒さんは吸っているイメージがないので……。 加藤 三校連合は街なかの人も襲ってましたけど、鬼邪高はもちろんそういうこともしない。じゃあ不良って何? と。鈴蘭が出てきたことで、その問題がより一層際立ったと思いました。鬼邪高生は、制服着崩して髪染めて学校で焼きそば作ってましたが……。 ──逆にいうと、『ザム』(『HiGH&LOW THE MOVIE』)における鬼邪高定時の不良らしさは何が担保してたんですかね? 藤谷 「五留で一流」と言われるのは、申し開きできないほどに「不良」では……。ヤクザからスカウトが来るという設定もありましたよね。反社との距離感というのはあると思います。ハイロー初期のノボルもそうでした。やっぱりヤンキーモノって反社・ヤクザの影がちらつくんですよ。前編に出てきた『クローズ』のスネイク・ヘッズ編だってそうでしょう。『クローズZERO』だと源治もヤクザの長男でした。反社にならず世を拗ねずにどうやって大人になるかは、不良モノの一大テーゼだと思います。そしてそれは私が好きなところでもある。 ──ハイローにおける不良の“不良性”が揺らいでいる。 藤谷 だからやっぱり、面白かったからこそ課題は多いと考えます。 加藤 ヤンキーモノとして進んでいくなら絶対に避けられない課題があって、そこがより今回大きく目に見えるようになったなと思います。 藤谷 本当に、楓士雄たちが卒業式を迎えるまでに、記憶喪失になった誠司の件をちゃんとどうにかしてほしいのですが……。 加藤 とにかく記憶喪失が藤谷さんの中でかなり引っかかってるんですね。 藤谷 『ザワ』(前作:『HiGH&LOW THE WORST』)で誠司が「きゅうり演説」をするじゃないですか。「彼らはグレてるわけでもひねくれているわけでもない」「俺たちは真っ直ぐなきゅうりになってみせる」という。3年前の対談でも言いましたが、高橋ヒロシ作品のポリシーがあらわれているあの言葉を、不良じゃなくて優等生が口にするところに私はいたく感動したんですよ。世の中、「実は不良よりも優等生のほうが影で悪いことをやっている(だから不良のほうが相対的にマシ)」みたいな展開のフィクションもあるでしょう。そういう描き方にはしなかった。だから、その誠司というキャラクターを記憶喪失にしたままスルーしているのがどうしても気になるんです。 加藤 青春映画としての部分を切り捨てたがゆえに、その部分をこのままなかったことにしていくのか、もう一回戻していくのか。 藤谷 両立させて最高傑作を出したら、私は中目黒に土下座しにいきますよ。菓子折りも持参させていただきます。 加藤 そのときは、僕も一緒に土下座に行きます。いずれにせよいつか来るであろう卒業の日にはちゃんとみんな幸せになってほしいし、記憶喪失もなんらかの決着を見たいですね。 藤谷 春道みたいに留年していなくなるような真似はしないでほしいですね。 「僕の中のBL倫理審査機構が『警告』のカードを出しました」 加藤 藤谷さんがさっき言った楓士雄の「あなたはどうする?」には僕も別の引っ掛かりを覚えてるんですよ。あそこで心配になったんです。今回、普通にちゃんと映画として進んでいくから「初期衝動で突っ走って、遂にここまで完成度を高めてきたか」って思ってたんですけど、最後に急にあのメッセージが始まるじゃないですか。それでも途中の「指をさして笑う者もいるだろう」までは「まぁわかる」と思ってたんです。 藤谷 高橋ヒロシイズムですよね。 加藤 そうそう。でもその後に「中指を立てて唾を吐く者もいるだろう」って続いてビックリしましたね。アメリカンすぎませんか? 藤谷 ここはSWORD地区だから! SWORD地区だからね!! 加藤 というか、不良に対してそんなこと、『ドンケツ』とかの世界の住人しかやらないですよ! 藤谷 少なくとも戸亜留市にはいないかもしれませんね。 加藤 まぁ、その後の「それでも構わない。俺たちはありのままでいたい。これからも決して偽らず、自分らしく生きていこうと思うんだ」、ここで終わればまだいいんです。そこから「あなたはどうする?」って急にこっちに来る。こういうふうに問いかけてくるのは、不自然だったと思います。 ──そこは高橋ヒロシイズムではないんですか? 加藤 最初はそう思ったんですけど、高橋ヒロシイズムにしては被害妄想が過ぎる気がしますね。 藤谷 そうですね。『ザム3』(『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』)でネットで陰口を叩く人々を批判する村山さんのセリフがあったじゃないですか。あれは『サムライソルジャー』終盤の引用がすぎると繰り返し言い続けてるんですけど、なんにしてもヤンキーマンガからとってつけたような「え、そこ今関係ある?」みたいなセリフが出てくるのはハイローあるあるだとスルーしていました。言われてみれば被害妄想ととれますね。 加藤 仮にLDHの魂が受肉した“LDHくん”が今ここに存在したら、両肩持って「大丈夫だぞ」って言いたい。不安になってるのかもしれないけど、あのナレーションはナシでいいよ、って。そんなメッセージをわざわざ入れなくても、友情や変わっていくことの大切さといったメッセージは十分に伝わっているし、観ていてすごく元気が出た。みんなで楽しそうに合コンめぐってトランプのカード探して、轟がフッと笑って終わる、「クリストファー・ノーランの『インセプション』を超えたな」ってくらい締まるエンディングだったのに、もったいないです。映画としてあそこで終わって全然よかった。 小田島の“柔道(にゅうどう)”のシーンとかもそうですよね。「こういうことをやったらファンの人が喜んでくれる」というサービス精神でしょう。もちろんサービス精神は大事なんですが、過剰になりすぎると、それはサービスを受ける側も気まずくなる。過剰な「喜んでほしい」って気持ちは、裏を返すと不安の現れだと思うんです。「お客さんに喜んでもらうためにやらせていただいてます」って気持ちを伝えたいのはわかるのですが、行き過ぎると忖度になる。そこまでいくと不健全です。 藤谷 特定のファン層の服の裾を不安げにつかんでる印象を受けました。あのシーンに関しては公開後にTwitterでもいろいろ議論があったと思います。その中で『クローズZERO II』の鳴海大我が上半身裸の鳳仙生に囲まれていたシーンへのオマージュなんじゃないかという意見を見かけました。でもあれって、三池崇史監督による、『クローズ』原作あるいは「イケパラ」的ヤンキーホモソーシャルに対する批評にも見えませんか? だから鳴海大我が「ホモじゃねぇよ」とわざわざ軽い調子で言ってるわけで。まあ今となってはこのセリフもどうかと思うけれど。でも今回の寝技大会は、とくに批評精神は感じられないのですが……? 加藤 うーん、『クローズZERO II』のあのシーンも批評かどうかはわからないですけどね。僕は正直、あれは三池さんの大した考えのないギャグかなって思ってるので……。 藤谷 なるほど、そこは意見が分かれますね。 ──あれはLDHがこの数年で会社としてBLコンテンツにぐっと接近したからなのかなと思いました。『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』の町田(啓太)さん、『美しい彼』の八木(勇征)さんとBLドラマでブレイクする人が出たし、平沼監督もオタク女子が主人公の映画『私がモテてどうすんだ』を撮ってますし。 加藤 それはあるかもしれないですね。でもあの見せ方は決して正解ではないんですよ。僕の中のBL倫理審査機構が「警告」のカードを1枚出しました。 藤谷 カフェオレにクリープをいれるような所業は控えていただきたい。ヤンキーが殴り合ってるというだけで、十分にセクシーでしょう。 加藤 須嵜がケンカのときにボタンを外すとか、殴り合った後の楓士雄の前髪がちょっとタラッと垂れてるとか、そういうシーンで男性のセクシーさみたいなところは十分に担保されてるんですよね。だからそこまで必要ないよって。というか、もったいないんですよね。ああいうシーンを一つ入れると「正解」を見せることになっちゃって、ファンの妄想する自由を奪ってしまう。「柔道場で鳳仙のメンバー同士で戦っている」と伝えるだけでいいんです。そこで実際に誰と誰が戦うか、どんな格好になるか、そこは曖昧にして、ファンの妄想に委ねるほうがいい。そっちのほうが効果的だと思いますね。 藤谷 サービス精神それ自体は悪いことではないのかもしれませんが、発露の仕方が……。なので、ちょっと落ち着いてほしいなと思います。個人的にはラブドリームハピネスとスケベの食い合わせは悪いのではと感じていますが。 やっぱり岡田准一出演を諦められない! ──最後に毎度恒例となった、今後の展開に関する希望を好き勝手言っておきましょう。 加藤 『クローズ』からはさすがにもうキャラクターを引っ張れないですよね。 藤谷 そうですね。鬼邪高全日組はバイクに乗っている印象がないから武装戦線が出てきても困っちゃうかもしれないし。移動は徒歩の人たちでお願いしたい。楓士雄もチャリ移動でしたし、まあギリ、チャリはアリということで……。 加藤 さすがに走ってバイクには追いつけないですからね。ひょっとしたら次は、「千葉にすげぇやべぇ卑怯なやつがいるらしい、どうもそいつの横には髪がツンツンのやべぇやつもいるらしい」という展開も……?(『今日から俺は!!』) 藤谷 ヤマトにそっくりな人もいるんでしょ? 加藤さんの一番好きなヤンキー漫画は『今日から俺は!!』とのことですが、私は『カメレオン』が大好きなんです。話が逸れますが、今回の対談は、監督、キャストインタビューの後に掲載されるそうですね。「日刊サイゾー」編集部は何を考えているんですか? 正直「だーーーーーっ 面白すぎる」とヤザワ君よろしく鼻水流しながら泣いています。 で、『カメレオン』Vシネ版のように月亭方正(山崎邦正)さんにまたヤザワ君をやってもらうのも大変だと思うので、ここは松戸の「マツド苦愛」と戦ってもらいましょう。ほかにも、静岡に「アマギン」と呼ばれる男がいるぞ……という話になる可能性もあります。彼はそのまま令和に持ってこられないタイプの暴力野郎なので、その場合PG指定が大変なことになりかねませんが(『ウダウダやってるヒマはねェ!』)。しかしマッド苦愛もアマギンもバイク移動でした。 加藤 背中から金属バットが出てくる不思議な不良がいるかもしれない(『BØY』)。 藤谷 初めて買ったフライングVをその日にケンカでたたき壊しちゃう髪ツンツンのロックンローラーも出てくる(『BØY』)。 加藤 そうなったら最終的には「建物にロケットランチャーを撃ち込んだ沢田政寿という男がいるらしい」ってなっていきますよ(『ドンケツ』)。 藤谷 あるいは加藤さんもTwitterで言っていたように「ファブルという殺し屋がいる―――」でもいい。岡田准一さん! 我々(誰?)はいつでも歓迎しますよ! 加藤 岡田さんは絶対「HiGH&LOW」を観てるし、絶対やりたがってると思うんですよ。 ──岡田准一さん待望説、我々『ザム』からずっと言ってますね。 加藤 ジャニーズの方に出てほしいというのは普通にあるんですよね。 藤谷 それでいうなら、ラウールさん(Snow Man)の尋常じゃない脚の長さを活かした、画面いっぱいの蹴りが観たい! それから、本人がLDHに所属する前から「ハイローMIYAVI待望論」を掲げていた我々としてはやはりMIYAVIさんに出てほしいですね。近年『ギャングース』『ヘルドッグス』など、やたらめったら邦画で反社会的組織の人を演じていますが、そろそろハイローにも反社のMIYAVIが必要なのはないでしょうか? いや、反社でなくてもいいのですが……。 加藤 久保(茂昭)監督がいなくてもここまで撮れることは示せたわけで、今作を各所への交渉材料にしていただいて……。あと、今回の作品は海外の方が観てもわかりやすいと思うんですよ。アクションがすごく多くて、セリフの総量は少なくてお話がシンプル。『ザワ』っていろいろな要素があって、しかも駄菓子屋とか団地とか「日本人ならなんとなくイメージできる要素」に頼っている部分があるじゃないですか。さだばぁは完全にイマジナリー老人(※フィクションにたびたび登場するイイ感じの老人のこと)ですし。たぶん海外の人が観たら「What is SADABAA??」ってなるでしょ。でも今回はそういうのがない。韓国のNCTファンの方も観るだろうし、海外に向けていよいよ照準を定めたのかなというのは少し思いました。 藤谷 Netflixでの過去作配信の際に、川村壱馬さんたちが多言語で紹介する動画もあったじゃないですか。もっと広がっていったら、各国の俳優さんが出てくる可能性もあるかもしれない。夢が広がりますね。 加藤 海外展開に関してもうひとつ強いのが、今回は鈴蘭が出てるので、なんのエクスキューズもなく海外で『クローズ5』って銘打てるんですよ。『EXPLODE』が3、『ザワ』が4、今作が5。「HiGH&LOW」のロゴを小さくして「クローズ」って大きく打ち出す売り方が、なんの後ろめたさもなくできる。オープニングで「I WANNA CHANGE」流して「これは『クローズ』だ」と言いはりましょう。 ――加藤さん、『ザワ』のときの対談でも「海外タイトルは『クローズZERO 3』にしてもいい」「オープニングにTHE STREET BEATSのライブシーンを追加撮影で入れて『クローズZERO』感を出そう」と言ってましたよ。 加藤 全然I WANNA CHANGEできてないですね。よし、わかりました。また次に対談があるとしたら、そのときは何かしら良い方向にCHANGEしてきますよ。「あなたはどうする?」への「これが答えだ」を見つけてきますよ。そうしないと、6年も頑張っているハイローに申し訳が立たない。……さっき散々文句を言ったわりに、こういう気持ちになるので……やっぱ「あなたはどうする?」ってイイ台詞だったように思えてきました。確かに、僕もどうかしないといけません。 藤谷 こういう話、我々は一生していくんでしょうか。でも、それができることに感謝したいですね。ラブドリームハピネス……! <プロフィール>
加藤よしき
ライター。1986年生まれ。本業はゲームのシナリオライター。映画ライターとしては「Real sound」などで執筆。最新著書は『読むと元気が出るスターの名言 ハリウッドスーパースター列伝』(星海社新書)。 ブログ:
http://blog.livedoor.jp/heretostay/
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藤谷千明
ヴィジュアル系とヤンキーマンガとギャル雑誌が好きなフリーライター。1981年生まれ。執筆媒体「サイゾー」「Real sound」「ウレぴあ」ほか。著書に『オタク女子が、4人で暮らしてみたら。』幻冬舎) 、『すべての道はV系へ通ず。』(共著/シンコーミュージック)などがある。 twitterID:
@fjtn_c
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