麻将Pro的分娩(完)(文:浅见真纪)
原文:https://note.com/asamimaki/n/n11a9ff694fe2 日期:2020年11月21日 前一篇:cv26260541
「
やじーが四暗刻つもったよ!
」
“YAJI(矢岛亨)自摸四暗刻了哦!”
さあ、こんな時。みなさんならどう答えますか。
那么在这个时候,各位会如何回应呢?
「今それどころじゃねーんだよ!!」 「うるせー!痛いんだよ!!」 「だからなんだよ!」 「こっちはこんなに痛いのにいつまで麻雀見てんだよ!!」
“现在不是说这个时候吧!”
“吵死了!老娘疼死了!”
“那又怎么样啊!”
“我都疼的要死了你还在看什么麻将啊!”
妊婦の返答として考えられるものは色々ありますよね。
站在孕妇角度,大家能想到的回答有很多种。
私の返答は、 「
いま何場?!もう南入してるの?!
」 だった。
而我的回答是:
“现在是东场南场!?已经南入了吗!?”
以上。
役満をツモるなら、できるだけ残り局数の少ない南場が良いものだ。東場でツモってしまうと、逆転されるチャンスが多いからである。 矢島プロは、堀プロを追いかける立場であって、もう絶対に大きなトップが必要な場面になっていた。 であるから、この四暗刻はぜひ南場でツモっていて欲しい。それならば矢島プロはかなりの確率でトップを取ることができ、接戦が期待できる。
要是自摸了役满的话,那最好就是在剩余局数较少的南场自摸。因为在东场自摸的话,被逆转的机会也更多。
矢岛Pro出于追赶堀Pro的立场,这会绝对很想取得一个很大的TOP。
所以我希望这个四暗刻是在南场自摸的,这样矢岛Pro获得TOP的概率就会很高,能期待一下五五开的战斗。
ただその頃、陣痛促進剤を打ったことにより、わたしの陣痛はとんでもない痛みになっていた。 夫からの返事がどう返ってきたか覚えていない。 きっと夫は「南入してるよ!」とかなんとかいいながらわたしのケツに昇竜拳をお見舞いしていたのだと思う。
但是这个时候由于我被注射了阵痛促进剂,我的阵痛已经变成了无比的痛苦。
我已经不记得丈夫怎么回答怎么我的问题了。
但我相信丈夫当时一边回答我“已经南入了!”之类的话一边对我的屁股继续使出升龙拳。
こんな切羽詰まった時ですら、役満をツモったときの局進行が気になってしまうなんて私も麻雀プロとして捨てたもんじゃないな…と意識朦朧ながら感じたものだ。
就算是如此紧急的时刻,我还如此关注役满自摸时的局势,“我当麻将Pro的这些年也没有白费啊”在我朦胧的意识中出现这种想法。
子宮口は7センチになっていた。
我的子宫口扩张到了7厘米。
すでにわたしは決定戦を見る余裕もなくなっており、ただ分娩台の手すりの様なものを握りしめながら 「ぐぅッ…く、来る…!」 くらいの発言しかできなくなっていた。 このわたしの合図で夫が昇竜拳をかます。 この繰り返しを数時間行った。
这会我已经没有任何去看决定战的余地了,只能一边抓着分娩台上手把一样的东西一边喊出
“咕……要,要来了!”这样的话。
为了回应我的话语丈夫仍在使用升龙拳,
这样重复了数个小时。
真実は定かではないが、陣痛促進剤というものを打つと、本来の陣痛よりも痛みが倍増するらしい。 わたしは当初投与されていた促進剤では効果が得られず、どんどん量を増やして投与されていたため、 前述した内容が確かなのであればかなりの痛みを伴っていたはずである。
不知道是真是假,被注射了阵痛促进剂之后,原本阵痛的痛楚也会倍增。
我原本被注射的促进剂的量收效甚微,所以后面的剂量越来越大,
要是这句话是真的我应该感到了无比的痛楚。
◆21時、22時頃。 痛みの感覚がどんどん短くっていく中、時計を見てはひとつの目安となっていた24時までの時間を確かめていた。 この日の晩は、たしか世界卓球の日本女子の準決勝の試合が地上波で流れていて、分娩室に備え付けのTVでもこの試合を流していた。 分娩台に寝そべりながらもTVを見ることは可能である。準々決勝まではわたしも家で試合を見ていたので、準決勝が気になるところではあったがもちろんそれどころではなかった。
大概在21、22点左右。在痛觉残留越来越短的时间里,我看向时钟,看现在是否来到了目标时间的24点。
这天晚上,我记得电视上在直播日本选手参战的乒乓球世锦赛的女单半决赛,在分娩室放置的电视也在直播这场比赛。
即使我仰卧在分娩台上,也是能看到电视的。我在家里看了8强的比赛,所以我还是很在意半决赛的,但这会不是看比赛的时候。
TVモニターは分娩室の上部に設置されており、その下にちょうど私の今までの経緯がわかる陣痛グラフやデータが表示されるパソコンがあった。 この時間帯は頻繁に担当医師の先生がこのパソコンをチェックしにきてくれていた。しかし私の目線からは先生が卓球の試合を見に来ているように見えてしまっていた。
电视设置在了分娩室的高处,而正下方则放置了显示我至今经历的阵痛曲线图和数据的电脑。
这个时间段我的主治医生频繁地前来观测电脑上的数据,但从我的角度看他似乎是来看乒乓球比赛的。
わたしがこんなに苦しんでいるのに担当医師がピンポン球の行方を気にしているとは何事か。 私より佳純が大事なのか。 錯乱していた私はそんな思考にすらなっていた。
明明我现在如此痛苦,主治医生却非常在意乒乓球赛的走向,这是什么情况。
佳纯比我更重要是吗。
我由于精神混乱甚至形成了这样的思考。
物事をまともに考えられるような余裕は既にない。もしこの時間に矢島プロが四暗刻をツモっていたら、夫に「だからなんだよ!!!」と言ってしまっていた可能性がある。 ギリギリの時間にあがってくれてありがとうやじー。
我已经没有余力去正常思考别的事物了。要是这个时候矢岛Pro自摸了四暗刻,我甚至有可能对丈夫怒吼“那又怎么样啊!!!”。
YAJI,谢谢你及时自摸了。
◆23時半。 下腹部近辺でパツンッと何かが破けるような音がした。破水である。 破水というのは子宮内で赤ちゃんを包んでいた羊水が流出することを言い、つまり間もなく出産が始まるサインとも言える。助産師さんに破水が来たようだと告げた。 バタバタと人が増えてきた。『産まれるオーラ』だ。先ほどまでは姿を消すこともあった医師の先生も常にそばにいる。どうやら帝王切開にはならずに済みそうだ。
23点半。我的下腹部附近传来一声“啪”地炸开的声音,这就是破膜。破膜指的是在子宫里包裹胎儿的羊水流了出来,这就是不久后即将开始分娩的信号。我对助产士说我似乎破水了。
不一会房间里的人数增加了。这是要分娩的氛围啊。刚才还偶尔会从病房离开的医生也常驻在我旁边了,看来今晚我不需要做剖腹产了。
ここからは記憶があまりない。 「次の陣痛がきたらいきんでいいよ!」と助産師さんからついに許可が下りた。 ここ何時間も、痛みが来たときに息を吐き続けないといけないという拷問を続けていたわたしにとって、 陣痛時に踏ん張れることが嬉しかった。想像してみて欲しい。腹を格闘家に全力で殴られた瞬間、人はつい腹に力を入れたくなるものだ。それが許されない状況というのは思っている100倍苦しいものだ。
在这之后我没什么记忆了。
我终于从助产士那里获得了“下一波阵痛来了的话你不用再忍耐了哦!”的许可。
对于在这几个小时里,一直忍受阵痛来临的时候都必须不断吐气这样的拷问的我,
能在阵痛来时用上全身力气是很高兴的事情。请大家想象一下,要是你的腹部被格斗家全力殴打,无论是谁都会用力绷紧腹部。要是被禁止这么做的话,这将比想象中痛苦100倍。
夫はわたしの頭側から見守っていてくれている。正直いるかいないかわからない。
丈夫一直在床头守护着我。说实话我也不清楚这会他是不是必须在场。
「赤ちゃん頭でてきたよ!もう少し!」 助産師さん達が大声で教えてくれる。 わたしはたぶん「あ゛あ゛あ゛あ゛」しか言えてなかったはずだ。
“胎儿的头已经出来了!再坚持一下!”
助产士们如此大声地告诉我。
这会的我应该只能发出“啊啊啊啊”的喊叫声。
「赤ちゃん引っ張るから吸引器つかいますね」
“我们要把胎儿吸出来,所以我们得用吸引器了哦”
もう世界卓球を見ていないであろう先生の声が聞こえた。赤ちゃんが自力で出てくることができず、頭に吸引器をつけて引っ張る処置をするようだ。 吸引器を見せられた。もっとトイレの詰まりを直すゴム製のアレみたいな形状をしていると思っていたが、意外と機械チックでかっこよかった気がする。
大概是那位医生不再观看世乓赛了,这会我听到了他的声音。由于胎儿无法自力钻出来,医院决定在他的头安上吸引器并拉出来。
他们向我展示了吸引器,我本以为是橡胶制成的马桶塞那样的形状,但它意外令我觉得更为机械化,还有点帅气。
数人の叫び声が聞こえる。でも何を言っているのかはわからない。 もう産めない。息子よごめん。かーちゃんは弱い人間だ。これからは夫婦2人だけで手を取り合って生きていこう…
耳边传来了几个人的声音,不过我已经不知道他们在讲什么了。
我无法继续坚持分娩了,对不起,儿子。你的母亲是很柔弱的人。今后就由我们夫妇二人携手走完剩下的人生吧……
そう思った瞬間、頭の上から夫の声がした。 「
真紀!力抜いて!!
」
在我这么想的时候,我的头上传来了丈夫的声音。
“真纪,放松一点!!”
どうやら助産師さん達は皆わたしに力を抜く様に指示していたらしいのだが、パニックになっていたわたしはそのままいきみ続けていた様だ。それをみかねた夫が、助産師さんに倣い、大声で力を抜く様伝えてくれた。 なぜか夫の声だけがわたしの耳に届いた。 オッケー、力抜きます!
似乎是助产士们一直在向我发出放松身体的指示,但我由于陷入恐慌使身体进入持续紧绷的状态。而看到这个情景的丈夫模仿助产士,大声地指示我让我放松。
不知为何只有丈夫的声音传到了我的耳边。
那好,我就放松下来吧!
するするするっと大きなものが産道を通るのがわかった。息子はすぐに産声をあげ、綺麗に洗われ、わたしの胸元に置かれた。 日付が変わって11月10日、0時30分の出来事だった。 分娩室に入って実に12時間、気の遠くなるような時間であった。
我能明显感到有个大家伙从产道里滑溜溜地出来了。儿子立刻发出了哭声,再被好好地淋浴后,放在了我的胸前。
这是到了翌日11月10日,0点30分所发生的事情。从我进入分娩室后经过了12个小时,这段时间漫长得让我失去了意识。
【終わりに 〜誕生】
【写在最后 ~诞生】
2019年11月10日日曜日
2019年11月10日 星期日
何より驚いたのは、産まれた瞬間痛みが全くなくなったことだ。あんなに激痛だったのに、余韻のよの字もない。それと共に自分のこどもの可愛さにも驚いた。 産まれたての赤ちゃんは猿のようで、丸みもなく、可愛さはあんまりないと思っていたが、十分に十二分に可愛かった。
令我无比惊讶的是,在我分娩完毕后痛楚一瞬就完全消失了。明明是那么地痛,但它并没有留下一点余韵。伴随而来的则是我对自己小孩可爱程度的惊讶。
刚出生的宝宝就像猴子一样,没有圆润感,也不怎么可爱,但在我眼里他却十分甚至十二分的可爱。
赤ちゃんは新生児室に運ばれて行き、夫も私の実家に帰っていった。 私は産後2時間は安静にしなくてはならないとのことで、分娩室でベッドに寝たまま過ごした。 その間、隣の分娩室に妊婦が運ばれてきた。苦しそうな声と助産師さんの声援も聞こえる。
婴儿被送往了新生儿室,而丈夫也回到了我的娘家。
我被要求在产后2小时内必须静养休息,所以我躺在分娩室的床上度过了这段时间。
在这期间,也有孕妇被送往隔壁的分娩室。我能听见她痛苦的喊叫声和助产士的应援声。
ああ、これからわたしと同じような経験をするんだな、さぞ辛かろう。辛かろう。頑張るのだよ。 そう思っていた1時間後にはお隣さんの赤ちゃんが産声をあげた。 クソほど安産な人もいるものだと思った。
唉,看来她也要和我有同样的体验,想必会很辛苦吧,很辛苦对吧,努努力吧。
这么想着,1小时后隔壁房的孩子就开始哭喊了。
我心想原来还有这么顺利就能分娩的人啊。
夜中の3時になると個室への移動が許された。 とても1人で歩ける状態ではないので、車椅子で部屋に戻る。ここ数日ろくに寝ていないのに、ハイになってなかなか寝付けない。
到了深夜3点,我被允许移动至单间。
但我怎么看都不像能一个人走回去的状态,所以我坐着轮椅回到了自己的房间。这几天我明明就没怎么睡好觉,但这会我却非常精神,无法入眠。
Twitterを見るといつのまにか雀王も決まっていた。大逆転は起きておらず、優勝は堀慎吾プロだった。矢島プロは四暗刻をツモったものの優勝には手が届かなかった様だ。 それでもひとりの妊婦を勇気づけてくれたのだからありがたい。そして今期にあたる19期、矢島亨プロが雀王に輝いた。おめでとう!そしてその節はありがとう。
看了下推特,这会也已经决出新的雀王了。结果没有产生大逆转,取得冠军的是堀慎吾Pro。矢岛Pro虽然自摸了四暗刻但仍无法取得冠军。
但仍很感谢他给这么一位孕妇带来了勇气。而本期也就是第19期(2020年),矢岛亨登上了雀王的宝座。恭喜你!然后我得在这件事情上向你道谢。
これがわたしの経験した出産のほぼ全てである。
这就是我体验了的几乎全部的分娩过程。
「出産は奇跡」とは良く言うが、わたしの出産が奇跡だったかどうかはよくわからない。 ただ家族3人いまも元気に暮らしているのだからきっとこれは奇跡なのだろう。
经常有人说“孩子能出生就是奇迹”,我也不知道我的分娩是不是奇迹。
但是我们一家三口现在还健康的生活着,那这大概就是奇迹吧。
このとき3170gだった息子は、 無事に一歳になり、11キロの元気な赤ちゃんとなって毎日立ちあがろうとしては転んで母を求めて泣いている。
当时体重3170克的儿子,现在平安无事地长到1岁,长成了11千克的充满活力的宝宝,每天都在试图站起并摔倒后哭着寻找他的母亲。