【睡前故事】星の王子さま-僕-61

星の王子さま-僕-61
それは飛行機の故障で砂漠に不時着してから,八日目のことだった。/那是发生在因飞机故障而在沙漠迫降,第八天的事。
僕は水の蓄えの最後の一滴を飲みながら,王子さまの話を聞いていた。/我一边喝着最后一滴储备水,一边听着小王子的故事。
「ああ、君の思い出話はとても楽しかったよ。/“啊,你的回忆故事非常愉快啊。
でも、飛行機の修理はまだ終わっていないし,水も底を尽いた。」/可是,飞机的修理工作还没有结束,水也见底了。”
「僕の友達の狐が言うにはね。」/“我的狐狸朋友说。”
「もう狐どころじゃないんだよ。」/“已经没有狐狸了哟”
「どうして?」/“为何?”
「僕はもうすぐ喉が渇いて死んでしまうんだ。」/“我快要渴死了。”
「もうすぐ死ぬとしても,友達がいたっていうのはいいことだね。/“即使已经快要死了,可是有过朋友也是件好事呢。
僕だって、狐という友達がいて,本当によかったもの。」/“我也觉得觉得能拥有狐狸这个朋友,真的是很幸运。”
「この子は、どれほど危険が差し迫っているか,分かってないんだな。/“这个孩子并不明白现在迫近我们的,是何等的危险。
飢えも渇きも感じないのだろう。僅かな日の光で十分なんだ。」/他应该感觉不到饥饿和干渴吧。只需要少量的阳光就已经足够了。”
しかし王子さまは,僕の考えが聞こえたかのようにこう言った。/可是,小王子像是可以听到我的想法一样。
「僕も喉が渇いたよ。井戸を探しに行こう。」/“我也渴了,去找水井吧。”
僕は,「やれやれ」という身振り(みぶり)をした。/我摆出一副“败给他”的姿势。
この広大な砂漠で,当てもなく井戸を探すなんて馬鹿げている。/在这么广大的沙漠里,盲目地寻找水井,实在太荒唐了。
それでも、僕たちは歩き始めた。/即便如此我们还是出发了。
何時間も黙りこくって歩いていたら,夜になって星が見え始めた。/就这样一言不发地走了几个小时。入夜,开始看得到星星了。
渇きのせいか、少し熱っぽかったので,夢見心地(ゆめみごこち)で星を眺めた。/不知道是不是干渴的关系,我稍微有些发烧,所以精神恍惚地眺望着星星。
僕の記憶の中で,王子さまの言葉が踊っていた。/我的记忆中的,小王子的话跳了出来。
「じゃあ、君も喉が渇いているの?」/“那么,你也渴吗?”
しかし、王子さまは問い掛けには答えず,ただこう言った。/可是,小王子没有回答提问,仅仅这样说道。
「水は心にもいいんだよね。」/“水对心灵也有好处。”
意味がよく分からなかったが,黙っていた。/我不是十分清楚这句话的意思,便沉默了。
王子さまにあれこれ聞いても,答えは返ってこないと分かっていたからだ。/因为我明白即使问小王子这个那个,他也不会回答。
王子さまは疲れて座り込んだ。/小王子因为疲惫而坐下不走了。
僕もその横に座った。我也在他的身边坐下。
「見えない花のおかげで、星が綺麗だね。」/“多亏了看不见的话,星星好美呀。”
「そうだね。」“是啊”
「砂漠も綺麗だ。」“沙漠也很美。”
それは本当だった。僕はずっと砂漠が好きだった。/这是真的。我一直喜欢沙漠。
砂丘(さきゅう)に座る。何も見えない。何も聞こえない。/坐在砂丘上。一望无际,万籁无声。
それでも静寂の中で,何かが光る。何かが歌う。/但是,却有些什么在静寂中,发着光、唱着歌。
「砂漠が綺麗なのは,どこかに井戸を隠しているからだよ。」/“沙漠之所以美丽,是因为在某个地方藏着口水井哦。”
僕は,不意に砂漠の不思議な光の秘密が分かって,ビックリした。/我突然明白了沙漠里不可思议的光芒的秘密,十分吃惊。