「期末テストの光源氏よ」NHK全国短歌大会 3人の短歌が大賞に
全国の短歌の愛好家から寄せられた優れた作品を紹介する「NHK全国短歌大会」が東京 渋谷で開かれました。
24回目を迎えるこの大会はNHKとNHK学園が開き、3年ぶりに東京 渋谷のNHKホールで行われました。
ことしは全国からおよそ1万7000首が寄せられ、3人の短歌が大賞に選ばれました。
長崎県の小泉浪士さん(75)の作品「夕光(ゆふかげ)を使ひ切るまで影を連れ一人刈り行く千枚田かな」は、機械の使えない狭い棚田で高齢の農家が鎌を使って地道に稲を刈る様子を詠んだもので、「夕光を使ひ切る」という時間の描写が巧妙だと評価されました。

埼玉県の神谷小百合さん(61)の「再婚の意味を知る子と知らぬ子が砂のトンネル開通させる」は、作者が保育園で働いていたときの出来事を詠んだ作品で、社会にはさまざまな背景を抱えた人がいることを表現すると同時に育った環境に違いはあっても関係を築くことができるという希望も見いだせると評価されました。

大阪府の赤松みなみさん(21)の作品、「千年を越えて私をかき乱す期末テストの光源氏よ」は、多くの女性を惑わせた光源氏に作者自身も心を乱され、テストでも苦労したという高校の授業の思い出を詠んだ歌で、物語を踏まえたユーモアが光ると評価されました。
大会のもようは来月29日午後2時45分からEテレで放送されます。