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漁業から“海業”への転換

2023-06-09 19:59 作者:湯川秀策  | 我要投稿

日本近海での不漁に歯止めがかかりません。2022年の1年間の水産物の生産量は(養殖含む)、初めて400万トンを割り込み、比較可能な1956年以降、過去最低を更新しました。不漁や漁業者の高齢化で、漁船の数はピーク時からほぼ半減、担い手の数も減っています。そこで今、課題になっているのが、漁業の拠点となる地域の漁港をどう元気にしていくか。キーワードは「漁業から“海業”(うみぎょう)への転換」です。いったいどういうことか取材しました。(サタデーウオッチ9取材班 井上聡一郎・経済部記者 保井美聡)

バーベキューはじめました

訪れたのは、和歌山県有田市の箕島漁港。ここにことし4月、漁協直営のバーベキュー場がオープンしました。

売りは新鮮で格安な魚介類。殻付きのかきは、なんと6個で698円。食材は、すぐ隣にある漁協の直売所で買うことができます。

魚市場などを介さず、漁業者が直接販売しているので、格安な値段で提供できます。

この漁港では、主にタチウオを漁獲し、大阪などに出荷しています。しかし漁獲量は去年までの10年間で半分以下に減り、高齢化などで漁業者も減少していました。

そこで3年前、漁協と自治体が協力し、かつて駐車場だった空きスペースに直売所を建設しました。

もくろみは当たって、観光客の数は年々増加。さらに人を呼び込もうと、バーベキュー場が建設されたのです。

有田箕島漁業協同組合 直売所「浜のうたせ」 中田博也支配人

中田支配人
「当初は地元の客が多いと見ていたが、大阪や奈良、神戸あたりからも来てもらっている。漁港の活性化に取り組むことで、認知度をさらに上げていきたい」

漁業から“海業”へ

このように漁業以外の施設を作って漁港を活性化させようという取り組みを、水産庁は「海業」と名付けています。

海や漁村の魅力をいかすことで、観光客を新たに呼び込み、地域の活性化につなげる。そうすれば、漁業者の所得向上にもつながるという発想です。

不漁で漁獲量が減る中、漁港の機能を維持するためにも大事な取り組みだとして、国も支援に乗り出しています。

魚のおいしさも伝えたい

漁業を体験してもらって、消費者と交流を深めようという取り組みもあります。

神奈川県逗子市の小坪漁業協同組合では、漁船に乗って漁を体験したあと、とった魚をさばいて調理するイベントを計画しています。

小坪漁業協同組合 大竹清司組合長

このイベントの発起人が大竹清司組合長です。

海水浴場などに近いこの場所では、シラス漁などが盛んですが、おととしの漁獲量はピーク時から8割減少。漁業者の生活は苦しくなるばかりだと言います。

なんとか状況を打開したいと、大竹さんは、子どもたちが漁船に乗って漁業を体験するツアーを開催してきました。

ただこれまでは魚をとって港に戻ったらイベントは終わり。魚のおいしさをみずから伝えることができないのが悩みでした。

そこで大竹さんは、漁港内に広い調理場を作って、魚のさばき方や料理のしかたを子どもたちに教えられるようにしたいと考えています。

漁協の組合員の中には、みずからレストランを経営している人もいます。一緒に料理を作ることで、魚の魅力をもっと伝えられるようになると考えています。

またこうした取り組みが成功すれば、漁業者の収入アップにもつながると期待しています。

大竹組合長
「磯焼けや不漁など課題は多いが、今の海とどう向き合っていくのかを考え、できることにチャレンジしていきたい。浜のみんなで取り組めば、それなりにお客さんを受け入れられるので、そうやって盛り上げていけたらおもしろくなると思う」

海業を全国に広げる

こうした海業に向けた取り組みを、国は5年間で500件増やす目標を掲げています。

ことし新たに12の漁港をモデル地区に選定し、それぞれの漁港では専門家から経営のアドバイスを受けながら、今年度中に計画をまとめることにしています。

大竹さんや逗子市が取り組みを進める小坪漁港もこのモデル地区に選ばれていて、先行事例となることが期待されています。

海業振興のカギは

漁港にレストランや直売所ができれば、消費者にとってもメリットは大きいですが、はたして課題はどこにあるのか。

東京海洋大学の工藤貴史教授は、漁業以外の地域の資源も集めて、魅力を高めていけるかが成功の鍵を握っていると指摘します。

東京海洋大学 工藤貴史教授

工藤教授
「地域資源の魅力を最大限発揮させるためには、これまであまり意識されなかった産業どうしの連携が重要になる。地域の漁業者や民間業者も一緒になって話し合い、事業の全体像を考えていくことが活性化のカギではないか」

海流の変化や海水温の上昇によって、日本の漁業はかつてない厳しい状況にあります。

漁獲量がかつての水準に戻ることは考えにくく、漁業者には地域資源をフル活用して、その魅力を外に向かって売り込んでいく、攻めの姿勢が求められていると取材を通じて強く感じました。

その道のりは決して簡単ではないと思いますが、新たな漁港の姿を思い描く人々の生き生きした表情が印象的でした。

数年後により多くの人が漁港を訪れ、地域活性化の核となる場所になっていることを期待したいと思います。


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