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終のステラ-星之终途官方后日谈-Diary of a Faint Hope(4)

2022-12-31 15:43 作者:鹿仓椿妃  | 我要投稿


【#04 Chapter 4】 レフ25歳



「おめでとう」

“恭喜”

背後から唐突にかけられた声に、私は作業の手を止めた。

听到突然从背后传来的声音,我停下了作业的手。

「アイラに子供が生まれたんだって?」

“听说孩子是艾拉生的?”

基地内、データセンタ—。

基地内,数据中心。

渓谷街の近距離ネットワーク網を運用するための設備だ。

有着用以操作溪谷镇局域网的设备。

最重要施設であり、この存在は一部の者しか知らないし、入れない。

是最重要的设施,存在只有部分人知道,且不可进入。

勝手に入れないよう隔壁も閉じられている。

隔墙也合上了,以保无法擅自进入。

しかしフィリアなら、易々と突破するだろう。

但菲莉娅的话,估计突破起来轻而易举。

数年ぶりの再会だった。

这是时隔数年的再会。

私の心は千々に乱れた。

我心乱如麻。

「……子供のひとりくらい生まれもするよ。あれから何年が経ったと思ってるのかな」

“……诞生一个孩子多正常。你也不想想过了多少年了”

刺々しい言い方になってしまうのを抑えきれなかった。

我不禁说话带刺。

あれから5年ほど経過しても拭い切れずにいる絶望の残滓が、私の感情を昂らせる。

绝望自那之后经过五年仍去不干净,其残渣令我的情绪很激动。

「うーん……1年くらい?」

“嗯……1年左右?”

「……は?」

“……啊?”

呆れて言葉を失ってしまった。

我惊讶得说不出话来了。

ぶつけ損なった感情を吐き出すようにコンソールに手を叩きつけて、私は振り返った。

我把手拍在控制台上,宣泄憋着的情绪,然后回了头。

そこに……記憶の中と寸分違わぬ姿で彼女は立っていた。

她以与记忆中分毫不差的模样,站在那里。

その姿に心が持って行かれてしまった。

我的心被这副模样带走了。

「会わずにいなくなったことはごめん。私も顔くらい見ていきたかったんだけど……でも他のみんなと話して、全員立派に自立してる様子を見たら、もう君たちは大丈夫なんだって思ってね」

“没有见一见就走了,抱歉。我本来也想见个面的……但是,我和其他人交谈,看到全员充分自立的样子,就觉得,你们已经没什么问题了。”

たった一つの謝罪と期待の言葉で、怒りが立ち消える。

一句道歉并期待的话,就浇灭了我的怒火。

「それにしてもレフ、父親の顔になったね」

“话说雷夫你啊,已经是一张父亲的脸了呢”

顔をのぞきこんでそう言った。

她瞧着我的脸说道。

間近に彼女の顔が輝いていた。

她的脸在面前显得光彩夺目。

陶然となりかけるが、同時に薄々気付いていたことを確信させられた。

我几近陶醉,同时确信了一件隐约察觉到的事。

フィリアは出会った頃から、まったく加齢していない。

菲莉娅从相遇时起,就完全没有长大。

身長もとっくにこちらが追い越していた。

身高也早已被我超越。

誰が見ても、フィリアが年下と思うだろう。

谁看了都会觉得菲莉娅年纪比较小吧。

定住すれば、人々は彼女をどう見るだろうか。

她定居的话,人们会怎么看待呢。

好意的なものとはならないのではないか。

恐怕不会多么善意。

だから彼女は定住しないのだ。

所以她才不定居的。

それはあるひとつの悲しい未来を暗示していた。

这暗示了某个悲伤的未来。

「もしかしてまたすぐ去ってしまうのかな?」

“难道你又要立刻走吗?“

「みんなに挨拶くらいはしていくつもりだけど、そのつもり」

“我就是这个打算。跟大伙打个招呼还是要的。”

「まさか……それで最後?二度とここには来ないつもり?」

“难道……这就没了?你打算再也不来这里吗?”

「……わからない。ただ、定住はしない方がいいだろうね」

“……不知道。不过,还是不定居比较好吧”

「フィリアが僕たちを育てた。そのあなたがここにいられないというのはおかしいことだ」

“你养育了我们。不能待在这里才叫怪事。”

「ありがとう」

“谢谢”

「もし留まってくれるなら、皆には僕から話を通せる。今じゃ大半の住人があなたのことを知らない。僕たちさえ口をつぐんでいれば、ばれないよ」

“如果你留下来,大家就由我来说通。现在大部分居民都不认识你,只要我们不说,不会暴露的”

「でもまた時が流れたら?」

“可再过一段时间呢?”

言葉を失う。

我哑口无言。

そうだ……新しい世代もまた、疑念を抱く日が来る。

没错……总有一天,新世代的人也会抱有疑念。

一部の者で秘密を隠したところで、何の解決にもならない。

靠部分人隐瞒秘密,解决不了什么。

私は言葉もなく顔を伏せた。

我默默地低下了头。

「私って、伝説の救い手なんだって?」

“听说我是传说中的救星?”

「……そういう噂になってしまったんだ」

“……传闻已经传成这样了”

「でも伝説の救い手が、まさかこんな若いなんて誰も思わないよね。絶対におかしいと思うし、きっと不安に思う子も出てくるよ」

“但是谁都不会觉得,传说中的救星是我这种小孩吧。谁都会觉得很奇怪,一定还会有人觉得不安”

その通りだった。

没错。

救い手がいつまでも変わらぬ姿で、何十年と居続けたなら……。

救星以始终如一的样子,持续住了几十年的话……

「良くないことが起こる。きっとね。今のレフならわかるよね?」

“会发生不好的事。肯定的。现在的你明白吧?”

黙ったまま頷いた。

我保持沉默并点了头。

フィリアは私に歩み寄り、肩に手を置いた。

菲莉娅走进我,把手放在了我的肩上。

もう背伸びをしないと、頭に手が届かないのだ。

她得踮起脚尖,才能够到我的头了。

「大手を振って会いに来ることは、もうやめるよ。でも二度と会えないわけじゃない。この渓谷街に助けが必要になったなら、必ず戻ってくる」

“我不会大摇大摆地来见你了。但我们并非再也不能见面。只要这座溪谷镇需要帮助,我必将回来”

「……うん」

“……嗯”

「……それで悪いんだけど、今回の物資、ちょっと代価もらっていい?別件の仕事で入り用になっちゃってね。倉庫に眠ってるオールドデバィスをいくつか引き取りたいんだけど……大丈夫だよ、ボラないからっ」

“……还有一件事,不好意思,这次的物资,我可以要点代价吗?因为别的工作所以需要了。我想拿几个在仓库积灰的旧机器……不用担心,我不会坑你的“

私はなんとか笑顔を作って、彼女に向けた。

我挤出笑容,面对她。

その後、子供たちはすくすく成長していった。

之后,孩子们茁壮成长了。

豊かで満ち足りた生活をしたせいか、よくいえば溌剌、悪くいえば危機感のない世代となった。チュンはそのことをよく嘆いている。

往好了说是朝气蓬勃,往坏了说就是成了没有危机感的一辈。可能是过着丰衣足食的生活导致的。乔恩经常对此叹气。

しかし、それが平和というものだろうと私は思う。

但是,我在想,这就是所谓的和平吗。

街はさらに拡大し、気付けば老若男女が住まう土地となっていた。

镇子再次扩大,等我缓过神来,发现这里已经成了男女老少居住的土地。

フィリアは完全に表舞台から姿を消した。

菲莉娅完全从表舞台消失了。

その名が入出記録に書き込まれることはなくなった。

如今不再有那个名字,被记在出入记录上。

しかし……ほんの時折、痕跡を察知することはある。

但是……有些时候,我会察觉到痕迹。

数年後、街が大規模な武装集団に狙われたことがある。

几年后,镇子被大型武装集团盯上了。

この時は、全市民が基地内に一斉避難する事態にまで陥った。

此时甚至陷入了全体市民到基地内一起避难的事态。

敵は正面の入り口を封鎖すると、出入りする旅人を殺すか奴隸にし、物資を奪った。

敌人封锁正面的入口后,杀死或奴役进出的旅行者,夺走了物资。

隘路を塞ぐ形でキャンプを設置し、さながら攻城戦の構えだった。

他们以阻塞小路的形式设置了营地,像在准备攻城战。

渓谷という地形の都合上、正面を塞がれると外部とのやりとりは遮断される。渓谷の後方から逃れても峻厳な山岳地帯に入るだけで、数百人の市民に生存の目はない。

溪谷这个地形,一旦正面被堵住,与外部的通讯就会被遮断。从溪谷后方逃跑,只会进入险峻的山川地带,数百市民将毫无生存希望。

さすがに私も頭を抱える事態であった。

这个事态就连我都苦恼。

武装集団の頭目らしき仮面をかぶった半裸の大男が、正門の向こうから降伏勧告らしき言葉をわめき立てるストレスフルな日々が続いた。

像是武装集团头领并且戴着面具的半裸壮汉,从正门对面喊出劝降的话。这样压抑的日子持续了一段时间。

その武装集団が、突然撤退したのである。

那伙武装集团,突然撤退了。

こちらは何もしていない。

我们什么也没做。

引き上げていくならず者たちを、市の義勇兵が追撃した。

城镇的义勇兵追击了撤退的流浪者们。

彼らはキャンプが巨大機械に襲われている様を目撃した。

他们目睹了营地被巨大机器袭击的场面。

ならず者たちは恐慌状態だった。彼らのどんな武器も、巨大機械には通じなかった。仮面の頭目は巨大機械に踏み潰されて死んだ。

流浪者们陷入了恐慌。他们的任何武器,对巨大机器都不起作用。面具头领被巨大机器踩死了。

巨大機械は去ると、破壊され尽くしたキャンプの跡地だけが残った。

巨大机器离开后,只剩下了被破坏殆尽的营地的残址。

奴隸にされていた人々もすでに何者かに救出されていた。

被奴役的人们,已被什么人给救出来了。

彼らは安全な場所に逃がされていて、一様に「女の子に助けられた」と口にした。

他们逃到安全场所后,异口同声地说“被一个女孩子救了”。

その少女は、名乗らなかったという。

那名少女,据说没有报上名号。

一部の者だけが、その正体を薄々察した。

只有部分人,隐约意识到了其真实身份。

彼らはみだりに喋らなかった。

他们没有随意说出去。

それが彼らなりの、彼女に対する恩義だった。

这就是他们自身对她的恩义。


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