【日本小2道德】27#雪豹莱娜

雪豹のライナ(雪豹莱娜)
カシミールの山々に、春が訪れました。厳しい冬を乗り越えた生き物が、姿を現します。
(喀什米尔的群山上,春天到来。越过了严冬的生物出现了。)
ライナは、雪豹の子供です。辺りの景色は、ライナにとって、珍しいものばかり。雪が残る野山を、生まれて初めて探険に出かけました。
(莱娜是小雪豹。周边的景色对于莱娜来说都很稀奇。她出生以来第一次出发去有着残雪的山野探险。)
小川のせせらぎに、きらっと光るものがあります。
(潺潺的溪流中有什么闪了一下。)
「あれっ、なんだろう。」
(“哎呀,是什么呢?”)
それは、川の流れをすいすい泳ぐ魚でした。
(那是在溪流中轻快游动的鱼。)
「お水の中で、どうして、そんなに速く動けるの。」
(“为什么能在水中动得那么快呢?”)
ライナは、岸辺に座ると、暫く見とれていました。
(莱娜坐在岸边,对其入迷地看了片刻。)
すると、空から大きな鳥が小川に降りてきたかと思うと、先程の魚を口に咥えてしまいました。
(于是,刚有一只大鸟从空中飞落到小溪上,它就把方才的鱼含进了口中。)
「あなたはだあれ。私はライナよ。」
(“你是谁?我是莱娜。”)
その鳥は、魚をつるりと呑み込むと、「ああ美味しい。僕は鷺さ。魚をとるのは、得意中の得意なのさ。じゃあね、可愛い雪豹さん。」
(这只鸟一下子将鱼吞下后说道:“啊真好吃。我是鹭。非常擅长抓鱼。再见了,可爱的雪豹。”)
そう言って、羽をひと羽ばたきすると、また、空へ飛んで行きました。
(如此说着,它拍打了一下翅膀,再次飞往空中。)
ライナは、食べられた魚のことを思いながら、鷺が飛んでいった空を眺めました。お日様が輝いていました。
(莱娜一边想着被吃掉的鱼,一边眺望着鹭飞走的空中。阳光闪耀。)
今度は、向こうの木の根っこの所に、狐を見つけました。
(这次,莱娜在对面的树根处看到了狐狸。)
体を低くして、何かに狙いをつけているようです。狐の狙いの先には、子兎達が、巣穴から出たり入ったりしているのが見えました。狐が飛びかかろうとした時、「やめて。」
(狐狸低着身体,似乎在瞄准着什么。可以看到狐狸瞄准的前方有小兔子们从巢穴中进进出出。正当狐狸准备扑向它们的时候,“住手。”)
思わず、ライナが声を上げました。
(莱娜不禁大声道。)
すると、子兎達は、一斉に穴に入ってしまいました。
(于是,小兔子们一起进了巢穴。)
「何をするのさ。もう少しで、獲物にありつけるところを……。」
(“你在做什么?我还差一点就能抓到猎物了……”)
狐はかんかんです。
(狐狸非常生气。)
「ごめんなさい。でも、……。」
(“对不起。但是……”)
「獲物をとらなければ、こっちが命をなくしちゃうんだよ。まったく、困った雪豹の子だよ。」
(“抓不到猎物的话,我要死了。真是的,让人头疼的小雪豹。”)
呆れた顔でライナを見ると、狐は行ってしまいました。ライナは悲しくなって、座り込んでしまいました。
(狐狸无语地看了一下莱娜,然后走了。莱娜感到难过地坐了下来。)
「どうしたんだい、雪豹のお嬢ちゃん。」
(“你怎么了,小雪豹?”)
木の上の方から、声が聞こえました。
(从树的上方传来了一个声音。)
「私はライナよ。あなたはだあれ。」
(“我是莱娜。你是谁?”)
すると、高い枝から、一羽の大きな鳥が、ライナの近くに降りてきました。
(于是,一只大鸟从很高的树枝上降落到了莱娜的身旁。)
「わしはみみずくじゃよ。もう、何十年も、この山で生きている。」
(“我是猫头鹰。已经在这座山上活了数十年了。”)
ライナは、みみずくのお爺さんに、訳を話しました。
(莱娜向猫头鹰爷爷说出了缘由。)
「なるほど。」
(“原来如此。”)
お爺さんは、大きく頷きました。そして、こう話してくれたのでした。
(爷爷大幅度地点了点头。然后说道。)
「生まれたものは、いつかは命が無くなる日が来る。だが、無駄な命は何一つないんじゃ。ライナに食べられたものは、ライナの命のもとになっていくんじゃよ。だから、ライナ。なくなった命の分も、一生懸命生きることじゃ。」
(“生物总有一天要死去。但是,没有一条生命是无用的。你所吃的食物渐渐成为了你生命的部分。所以,莱娜。你要将逝去的生命的份也一起拼命地活着。”)
それから、何年かが経ちました。
(从此之后,经过了多年。)
そして、カシミールの山々に、春がやってきました。
(然后,喀什米尔的群山迎来了春天。)
そこには、野山を駆け巡る、ライナのたくましい姿がありました。
(在山野上到处奔跑的是莱娜那健硕的身影。)


