【日本小3道德】25#黄色的伞
黄色い傘(黄色的伞)
作者:前川 直也(まえかわ なおや)
大助の家から、少し離れた所に、駅があります。ある日曜日、お母さんと町まで行った帰りに、大助は、駅の改札口から出てきました。
(距离大助家稍微有一段距离的地方有个车站。某个周日,大助和母亲一起去镇上的归途中,从车站的检票口出去。)
「あれっ。雨が降っていないのに、何本も黄色い傘が置いてあるよ。」
(“诶?明明没下雨,却放着几把黄色的伞。”)
いつも駅の前を通るのに、大助は気が付いていなかったのです。
(虽然总是经过车站前,但是大助没有注意到。)
「あら、知らなかったの。これはね、傘を持って来なくて困っている人は、誰でも借りていい傘なのよ。」お母さんは、傘立ての前に立ち止まって、教えてくれました。
(“哎呀,你不知道吗?这伞是给没带伞的困扰中的人,谁都可以借。”母亲站在伞架前告诉他道。)
「ふうん。それは便利だね。でも、皆、ちゃんと返すかな。」
(“是吗?真方便。不过,大家会好好还回来吗?”)
「そうねえ。そう言えば、この前に見た時より、少し数が減っているような気もするわ。」
(“是呢。说起来,感觉好像比之前看到的时候要少了几把。”)
それから何日か経った、ある日のことです。学校からの帰り道に、突然大粒の雨が降ってきました。大助も友達の茂も、傘を持ってきていません。
(这之后过了几日的某天。从学校回家的路上,突然下起了大粒的雨。大助和朋友茂都没带伞。)
「そうだ。茂君、いいことを思い出した。駅に傘が置いてあるよ。」と言うと、大助は、一目散に駆け出しました。
(“对了。茂,我想到了一个好主意。车站放着伞。”大助如此说着,一溜烟地跑起来了。)
茂も、大助について走りました。
(茂也跟在大助身后跑了起来。)
「ほら、見てごらん。おじさんも、高校生のお姉さんも、借りているだろう。」
(“看呀。叔叔和高中生的姐姐都在借伞吧。”)
「でも、僕達は、電車に乗ってきたわけじゃないから、借りていいのかなあ。」
(“但是,我们不是乘电车来的,可以借吗?”)
結局、大助だけが借りることにして、一本の傘に二人で入って帰りました。茂を送ってから、急いで家に帰ってきた大助は、玄関で、お母さんとぶつかりそうになりました。
(结果只有大助一人借了伞,两人撑着一把伞回去了。将茂送回去后,赶紧回到家的大助,差点和母亲在玄关处相撞。)
「あら、今、迎えに行くところだったのよ。どうして濡れてないの。」
(“哎呀,我正要去接你。你怎么没淋湿?”)
「お母さん、ほら、この傘だよ。」と、大助は、お母さんの目の前に傘を出しました。
(“妈妈,看啊,是这把伞。”大助将伞拿到了母亲的眼前。)
「あらっ、駅の傘でしょう。」と、お母さんは、にこにこして言いました。
(“哎呀,是车站的伞吧?”母亲笑道。)
何日か経ちました。黄色い傘は、大助の家の玄関に置かれたままです。
(几日过去了。黄色的伞依旧摆在大助家的玄关处。)
「大助、早く返してきなさい。」
(“大助,快点还回去。”)
夕食の時、お母さんはきつく言いました。お父さんがそれを聞いて、「何を、借りているんだ。」と聞きましたが、大助は、「ううん、何でもないよ。」と言いました。
(晚饭时,母亲严厉说道。父亲闻言,问道:“你借了什么?”大助回答道:“没什么。”)
次の日は、雨でした。大助は、自分の青色の傘をさして、茂と一緒に学校から帰ってきました。
(翌日,雨天。大助撑着自己的蓝色的伞,和茂一起从学校回家了。)
駅の前を通り過ぎようとすると、お婆さんが、困ったような様子で立っていました。
(正要经过车站前的时候,大助看到一个奶奶很困扰地站着。)
「お婆さん、改札口の所に、黄色い傘がありますよ。」
(“奶奶,检票口有黄色的伞。”)
大助は、物知りのように、お婆さんに話しかけました。
(大助好似见多识广般地向奶奶搭话道。)
「それが、今日は、あいにく一本もないのよ。」
(“那个啊,今天不巧,一把都没有啊。”)
「ええっ。」
(“诶?”)
大助は、お婆さんの顔を見つめました。そして、「お婆さん、ここで待っていて。」と、叫んだかと思うと、急いで走り出しました。
(大助注视着奶奶的脸。然后刚叫道:“奶奶,在这里等一下。”便急忙跑出去了。)

