欢迎光临散文网 会员登陆 & 注册

【日本小5道德】10#一踏十年

2022-05-19 16:12 作者:久我まさひ  | 我要投稿

一踏み十年(一踏十年)

作者:吉藤 一郎(よしふじ いちろう)

勇達の乗った高原バスは、ようやく室堂に着いた。ここは、海抜二千五百メートルもあり、立山直下に広がる、高山植物に覆われた台地である。

(勇他们所乘坐的高原巴士终于抵达了室堂。这里是海拔二千五百米,被立山正下方蔓延的高山植物所覆盖的台地。)

勇は、初めて間近に見る立山の美しさに、すっかり見とれてしまった。母と二人で遊歩道のそばの草むらに腰を下ろし、あたりの三千メートル級の山々を眺めていた。

(勇完全陶醉于了这第一次近距离所见的立山之美。他和母亲两人在散步道旁的草丛上坐了下来,眺望着附近三千米的群山。

「もし、もし。」と言う声に振り向くと、若草色の制服を着た男の人が笑顔で立っている。

(“你们好。”两人闻声回头望去,只见一个穿着草绿色制服的男人正笑容满面地站着。

「すみませんが、そこに腰を下ろさないでください。あなた方の腰の下は全部高山植物なんです。ほら、そのクリーム色の花は、チングルマと言う高山植物ですよ。」

(“不好意思,请不要坐在那里。你们坐下的地方全都是高山植物。看,那淡黄色的花是名为珍车的高山植物。”

そう言われて勇達は、慌てて遊歩道に戻った。その後は、芝生のような草が折れ曲がり、その中にはチングルマも何本かあった。

(勇他们闻言慌张地回到了散步道。他们身后如同草坪一样的草折弯了,其中还有几棵珍车。

「高山植物を大切にしなさい。」と、勇は家を出る時、父から聞かされていたし、バスの中でも注意されたことだった。勇は、自分の頬が段々熱くなってくるのを感じていた。

(勇在离开家的时候,听父亲说了“要爱护高山植物。”在巴士上也被提醒了。勇感到自己的脸颊渐渐热了起来。

この人は、自然解説員の松井さんだった。その松井さんが、勇達を、「立山自然保護センター」と言う所に案内してくれた。広い部屋には、白い掲示板が何枚もあり、高山に生えている木の年輪の大きな写真が貼ってあった。

(这人是自然解说员松井先生。松井先生将勇他们带到了“立山自然保护中心”。在宽敞的房间中,有好几块白色的布告牌,上面贴着生长于高山的树的年轮的大照片。

「さあ、これを覗いてごらん。」

(“来,看看这个。”

松井さんはそばの虫眼鏡を指差した。目を近づけると、固定されている虫眼鏡のレンズを通して年輪が見える。勇は虫眼鏡から目を離して、横の方からそれを覗いてみた。そこに、マッチ棒より少し太めの植物の茎が、二センチメートルほどの長さに切られて立っていた。

(松井先生指着旁边的放大镜。靠近一看,通过固定着的放大镜的镜片,能够看到年轮。勇将目光从放大镜上移开,然后从旁边看了一眼。那里竖着比火柴棒稍微粗一点的植物的茎,被切成长约两厘米左右。

(チングルマに年輪がある。チングルマは木なのだろうか。だって草と同じような茎があるではないか。)

(珍车有年轮。珍车是树吗?但和草有差不多的茎啊。

「チングルマの茎には、年輪があるのですか。」

(“珍车的茎有年轮吗?”

勇は、思わず大きな声で聞いた。

(勇不禁大声问道。

「そうです。高山植物には、木の仲間と、多年草の二種類があって、これは木の仲間です。ところで、その年輪を数えてごらんなさい。」

“是的。高山植物分为树的同类和多年草这两种,这是树的同类。话说,你数数它的年轮吧。

松井さんに言われて、勇は急いで虫眼鏡に目を押し付けるようにして年輪を数えた。十以上は確かにある。それ以上はぎっしり詰まっていて数えられない。

(松井先生如此说道,于是勇赶紧将放大镜按在眼前似的数起了年轮。十以上肯定是有的,然后就紧紧地挤在一起数不清了。

「ああ、立ったマッチ棒くらいの太さになるのに十年以上も……。」

“啊,长到和竖起来的火柴棒差不多粗竟要十年以上吗……

勇は、チングルマに年輪があると分かった時よりも、もっと驚いた。そして、腰を下ろして折ってしまったチングルマを思い出して、胸がぎゅうっと痛んだ。

(这比得知珍车有年轮的时候,更令勇感到惊讶了。然后他回想起被自己坐折的珍车,感到胸口一紧。

「昔から立山では『一踏み十年』と言う言葉があるのです。」

“从前在立山有句‘一踏十年’的古话。

松井さんは、静かに勇に語りかけた。

(松井先生轻轻地对勇说道。

「それは、『高山植物を踏みつけてしまうと、元のようになるには、十年以上もかかるよ。皆で気を付けよう。』と言う合い言葉なのです。バスが通っていない昔は、山へ登ることが大変辛いことでした。自分の足だけがたよりですからね。それでも山へ登ると言うのは、山がとても好きだからなのです。山が好きな仲間はこれを合い言葉にして、皆で山の自然を守ってきたのですね。

“这是‘踩了高山植物的话,要恢复原状,要花十年以上。大家一起注意吧。’的口号。在从前还没有巴士的时候,爬山非常辛苦。因为只能靠自己的腿爬上来。即便如此,爬山是因为爱山。喜欢山的同伴之间以此为口号,大家一起守护山中的自然。

今は、バスで誰でも来ることが出来ます。そして沢山の人に、この大自然を味わってもらいたいと思います。しかし、中には平気で花を折ったり、踏みつけたりする人もいます。そんな人を見ると悲しくなります。そんな人は、なんのために山へ来たのかと思いますよ。」

(如今,谁都可以乘巴士来山上。我想让众多的人体会大自然。然而其中也有人毫不在乎地折花、踩踏。看到这种人我很难过。我会想这些人到底是为了什么来山上。

勇は、その言葉一つ一つに重みを感じていた。

(勇感到了他的每一句话中的沉重感。


【日本小5道德】10#一踏十年的评论 (共 条)

分享到微博请遵守国家法律