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【GPT机翻】战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚)- 132 [千五百七十五年 十一月中旬]

2023-05-03 15:54 作者:爱吃果冻的沙耶  | 我要投稿

书名 战国小町苦劳谭

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作者: 夹竹桃

原作:http://ncode.syosetu.com/n8406bm/

翻译工具:ChatGPT

*机器输出的翻译结果UP未做任何修正,仅供试阅。标题章节号为原翻译版的顺延。*

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千五百七十五年 十一月中旬(*原文网页序列号 - 149)

「此度のいくさは敗戦なれど、奇妙を死地より無事に連れ戻し、損害を抑えたことを以て賞罰相殺(そうさい)とする」


“虽然这次战役我们失败了,但我们成功地将“奇妙”从死亡之地安全带回,并且控制了损失。因此,我们认为奖罚可以相抵。”


諸侯の居並ぶ謁見の間にて、信長より賜った言葉は叱責ではなかった。静子としては敗戦の責を問われると思っていただけに、予想外の沙汰であった。


在诸侯居住的接见间,信长所赐的话语并非斥责。作为静子,她只是认为自己将受到战败责问,因此这是出乎意料的事情。


「優勢でありながら詰め切れず、嵐によって軍を乱した。つまりは機が熟しておらぬということよ。敗戦の責は奇妙が負うが、貴様も暫く蟄居(ちっきょ)(閉門した上で、自宅謹慎すること)を申し付ける」


“尽管处于优势,但未能把握机会,受到风暴的干扰而使军队陷入混乱。也就是说,时机还没有成熟。失败的责任在于奇妙,但你也要暂时被安置在家中禁闭一段时间。”


「は、ははっ!」


"哈,哈哈!"


静子は信長の言葉から、裏に秘された思惑を察していた。


静子从信长的话中察觉到了隐藏的想法。


信長としては信賞必罰の原則として静子に罰を与えなければならない。しかし、静子は信長が与えた密命を果たした上に、大将の窮地を救い生還させるという困難な使命を達成している。


作为信长应该依据“信賞必罰”的原则惩罚静子。但是,静子已经完成了信长的秘密命令,还拯救了大将的危难并使其生还,完成了一项困难的使命。


そこで対外的な賞罰として功罪相殺し、実質的に公職免除となる蟄居を申し付けた。野心家の家臣達にとっては懲罰となるが、静子にとっては褒美となる沙汰を言い渡したのだ。


因此,为了对外进行奖罚,将功过相抵,实际上宣判了蟄居,即免除公职。虽然对野心家的家臣来说是惩罚,但对静子来说却是奖励。


今回静子に言い渡された蟄居の場合、織田家の公式行事への参加が禁じられ、また朝廷への出仕をすることも禁じられる。


这次静子宣布的禁闭,禁止参加织田家公开活动,禁止前往朝廷出仕。


しかし、静子の後継者が育っていない現状、領主としての仕事は静子が行う必要がある。織田家の事情とは別に朝廷より任された芸事保護についても滞りなく務める義務があった。


然而,由于没有培养静子的继承者,作为领主的工作需要由静子来完成。除了織田家的情况外,还有被任命保护艺术的义务,也需要顺利地履行。


実際的な制限としては、自領を出る際には信長の許可が必要となる以外は無いに等しい。自宅謹慎ならぬ尾張謹慎と言ったところだろう。


实际的限制只是需要得到信长允许才能离开自己的领地,除此之外几乎没有限制。可以说是尾張版本的居家隔离。


(東国征伐での試験運用は諦めたけど、もうすぐカメラの実地試験が始まる。これも芸事保護の一環と言い張れば、実際の試験にも立ち会えるかな? 最初は法隆寺、それとも東大寺の正倉院だろうか? 春日大社なんかも記録に残す意義があるよね! ふふっ、楽しみだなあ)


(虽然放弃了在东国征讨中的试验运营,但很快摄像机的实地试验就要开始了。如果坚持将其作为艺术的保护之一,那么能否参加实际试验呢?最开始是法隆寺,还是东大寺的正仓院呢?像春日大社这样的地方也有记录的价值!呵呵,真是期待啊。)


カメラが実用化されれば、記録を残すという意味では飛躍的な進歩となる。静子はあくまでも文化的な側面しか認識していないが、写真はその瞬間の世界を切り取って保存する。


如果相机得到应用,从记录的角度看,这将是一个飞跃性的进步。静子只认识到其文化方面,但照片可以捕捉并保存那一瞬间的世界。


当然露光限界等はあるものの、自分の見たままの情報をありのままに(・・・・・・)他者へ伝える(・・・・・・)事が出来る。これが齎す斥候や偵察は勿論、観測等に於いても飛躍的な進歩を促すという事を失念していた。


当然虽然有曝光的限制,但能够真实地传达自己所见所闻给他人,这将带来侦察和观测等方面的飞跃进步,这一点我们不容忘记。


「追って知らせるまで屋敷にて謹慎しておれ。次の東国征伐においては汚名返上の機会を与える、卑劣な北条めらに目にものを見せてやれ。それまで領地にて力を蓄えておけ」


在接到通知之前,待在庄园里保持谨慎。在下次东国征伐中,你将有机会洗清耻辱,向卑劣的北条证明自己的实力。在此之前,一定要在领土上积累力量。


「はっ」


“はっ”翻译成简体中文是“嗯”。


信長は公の場に於いて、次の東国征伐があることを明言する。家臣達は静子に対して同情とも憐憫(れんびん)ともつかない表情を浮かべていた。


信长在公开场合明言下一步东国征伐的计划。家臣们面带着既不同情也不怜悯的表情看着静子。


汚名返上の機会と言えば聞こえが良いが、多くの犠牲を払う必要のある矢面に立たされるというのに、使命を果たしてやっと失点がなくなるだけなのだ。


说起扭转恶名的机会听上去很好,但要想摆脱困境需要付出很多牺牲,并挺身而出面对压力,只有完成了任务才能避免遭受进一步的丢脸。


これでは借金を背負わされたようだと、家臣達は思った。信長のお気に入りであるはずの静子をして、この厳しい沙汰を下したことで家臣達は身が引き締まる思いをしていた。


家臣们认为,如果继续这样下去,就会像背负债务一样沉重。信长的宠妃静子也受到了严厉的处罚,这让家臣们倍感压力。


家臣達が明日は我が身かと戦々恐々としている中、静子は少し安堵していた。信長から暗に休暇を賜り、暫く政治にかかわる必要がなくなった上、織田家は北条への敵対姿勢を明確にした。


家臣们对明天是否轮到自己上阵感到战战兢兢,但静子稍稍感到了安心。她暗示信长授予了她假期,在一段时间内不需要参与政治,并且織田家族已经明确表态反对北条家族。


事がここに至った以上、北条討伐に対する慎重派は口を噤(つぐ)まざるを得ない。東国征伐に対する気運の醸成を信長が担ってくれることになり、静子は少し肩の荷が軽くなる思いがした。


既然事情已经发展到这个地步,对于北条讨伐持谨慎态度的人只能保持沉默。信长将负责鼓励东国征伐的氛围,静子感觉肩上负担轻了一些。


信長に深々と頭を下げ、謁見の場を辞した後、静子はある事が気に掛かっていた。


信长深深地鞠躬行礼并辞别接见后,静子一直心存疑虑。


お目付け役の静子に対してすら罰が与えられたのだ、総責任者たる信忠にはどれほど厳しい沙汰が下されたのだろう?


就连责任人静子这个监管者都被处罚了,负总责的信忠受到了多么严厉的制裁呢?


信長は東国征伐を前にして信忠に「信玄を欠いたとは言え、勝頼はいくさ巧者。決して侮らず、慎重に当たれ」と言い渡していた。


信长在东国征伐前曾对信忠说:“虽然失去了信玄,但是胜须是个善于作战的人,一定不能轻视,要小心谨慎地应对。”


信忠は若輩でありながら初戦を見事に制し、勢いに乗って追撃に身を投じた。しかし、逸(はや)る配下を抑えきれず、不用意な場所に陣を張った結果、嵐に見舞われた。


信忠虽然是个年轻的菜鸟,却在他的第一场战斗中战胜了对手,并追击敌军。但是,他无法控制过于兴奋的部下,在一个错误的地方扎营,结果遭受了暴风雨的袭击。


部下の手綱を御(ぎょ)せなかったという明らかな失態であり、信長が叱責をした可能性が高い。


这是明显的失误,意味着没有掌握好手下的纲领,信长有可能会斥责。


(……今回は私も悪かった。彼に敗北を学ばせることに固執しすぎて、彼を補佐する立場にありながら、それを怠ってしまった)


(……这次也是我不好。我过于执着于让他学习失败,而忽略了我作为他的辅助者的职责)


静子が自省しながら歩いていると、信忠の小姓に呼び止められた。聞けば信忠が会って話をしたいと申し入れているとのこと。渡りに船と考えた静子は、即座に了承すると小姓に案内されて信忠の許へと向かった。


当静子正在自省时,信忠的侍从拦住了她。她听说信忠想要见她谈谈。静子想到正好借此机会顺便寻求帮助,于是立即同意,并跟着侍从去见信忠。


信忠との会談は、城下町で建設中の彼の屋敷で行われることになった。信忠の希望により、静子との一対一の対談となるため、才蔵や小姓たちも下がらせると、室内は二人だけとなった。


信忠与静子的会谈被安排在他正在建造的城下町的豪宅内进行。根据信忠的要求,为了与静子进行一对一的对话,才藏和侍从们也被撤退,只有两个人留在房间里。


「これか? 父上に思い切り殴られた痕だ」


"这个吗?这是被父亲狠狠打过的伤痕。"


静子は信忠を見て息を呑んだ、左目の下から頬にかけて青あざが出来ていた。信忠は静子の視線に気づくと、おどけた調子で信長から頂戴したと語った。


静子看着信忠,不禁倒吸了一口气,左眼下一直到脸颊处有一块青肿。信忠注意到静子的目光,便开玩笑地说他是从信长那里要来的。


殴られた場所は大きく腫れあがり、左目の下瞼を押し上げているため視界が悪そうに見えた。恐らく口の中も切れているのだろう、話しながら時折顔を顰(しか)めている。


被殴打的地方肿得很大,左眼下的眼睑被推高了,视线看起来很模糊。很可能嘴里也被割伤了,说话的时候脸上时不时地皱着眉头。


「手当をしないと! 取りあえず氷嚢(ひょうのう)を取って来させるから——」


"如果不处理伤口的话!先把冰袋拿来——"


「いや、このままで良い。これは俺が負うべき失敗の烙印(らくいん)よ、年かさの配下が反発するのを恐れ、危険を容認した俺のふがいなさの証だ」


“不,这样就好了。这是我应承担的失败印记。这证明了我因年长下属的反弹而害怕,容忍危险的无能。”


傷の手当てをしようとした静子を信忠が制した。静子は倍ほどにも腫れあがった頬を見て狼狽(うろた)えるが、信忠はさして気にしている風でもなかった。


信忠制止了试图对伤口进行治疗的静子。静子看着自己肿了一倍的脸颊感到惊慌,但信忠似乎并没有在意。


信忠は、生還できたからこそ反省も出来るが、嵐の中で風雨を避けようと迷走した挙句に凍死した将兵たちは後悔することさえ出来ないのだと自嘲して見せた。


信忠活下来,因此有机会反思自己,但最终被暴风雨中迷失寻找避难之路的将士们,则无法后悔,他们嘲笑自己的无力。


「それは私たち将全てが負うべき——」


那是我们所有人都应承担的责任——


「静子、俺は東国征伐の総大将だ。あそこに陣を張ると最終的に判断したのは俺だ。過程がどうであれ、最終的に決断したのが俺である以上、全ての責は俺が負わねばならぬ」


"静子,我是东国征讨的总大将。在那里扎营是我最终做出的决定。无论过程如何,既然最终决断是我做出的,那么所有的责任都必须由我承担。"


敗戦の責任は総大将だけでなく、武将全員にあると静子は口にしかけたが、信忠が強引に遮(さえぎ)った。


败战的责任不仅在于总大将,而且责任在于所有武将。静子说了这句话,但是信忠强行打断了她。


信忠は正しく敗北を学んでいた。自分が判断を誤ったと認め、静子の尽力により生を拾った。幸いにして次に繋がる機会を得た。


信忠正确地学习了失败的教训。他承认自己的判断错误,并在静子的帮助下保住了生命。他幸运地得到了下一个机会。


信忠は失敗を胸に刻み、悔やむのではなく次にどうすれば良い結果を出せるかを考え、明日に向けて一歩を踏み出していた。


信忠将失败铭刻在心,不是懊悔,而是思考下一步如何取得良好结果,为明天迈出一步。


「自棄(やけ)になっているかと思ったけど、元気そうで安心したよ」


「我以为你已经绝望了,但很高兴看到你还是很健康。」


「思うところがないわけではないが、俺が感情に任せて自棄になったところで、俺の足を掬ってやろうと狙っている輩を喜ばせるだけだ。鉄は熱いうちに打たねばならぬ、いつまでも足踏みをしているようでは配下に見限られてしまう」


虽然并不是没有自己的想法,但是如果我任由情绪失控,变得自暴自弃,那只会让那些瞄准我犯错误的人得意。铁必须趁热打制,一直踏步不前的话,我的手下也会开始失去信任。


「判っているなら、敢えて諫言(かんげん)するまでもないね」


如果你已经明白了,就不需要刻意去反对了。


静子は居住まいを正し、真正面から信忠を見つめながら声を掛けた。


静子站在住所正中间,正视着信忠,开口说道。


「勿論、武田と北条にはお礼をするよね?」


“当然要向武田和北条表达感谢之情了吧?”


「当然だ。徳川に噛みついた仕置きは済んだが、織田に牙を剥いた事に対する躾(しつけ)が済んでおらぬ。今回のことで何でも俺がやろうとするのは誤りだと気付いた。そこで上杉内の親北条派への対処を静子に任せたい。静子の手には間諜に長けた者がいるであろう? 俺はその間に武田と決着をつける。さすれば残すは北条のみとなる」


“当然。对于咬了德川一口的处理已经结束了,但还没有对剥夺织田的权力采取措施。我已经意识到我试图做所有事情是错误的。因此,我想把处理上杉内部的亲北条派的任务交给静子。静子手下应该有一些擅长间谍活动的人吧?我将在这期间解决与武田的争端。这样,北条就是唯一留下的问题了。”


「次に繋がる布石を打つのね。でも、軍を動かすとなったら上様の判断を頂かないと……」


"下一步就是打下后续的布置了。但是,如果要调动军队的话,就必须得到上级的判断才行......"


「問題ない。父上には静子の手を借りる事、武田に対して行う報復の概要を語って了承を得ている。『丈夫な矢だと思って藁に縋(すが)った事を後悔させてやろう』」


“没有问题。我已经得到了父亲的同意,他同意让静子帮助我们,也同意了我们对武田采取报复的概要。‘让他们后悔像靠稻草一样依赖坚固的箭’。”


それは多少変わってはいるが、かつて静子が信長に伝えた言葉であった。恐らく信長が裏から手を回して、信忠の耳に入るようにしたのだろう。


那句话有些不同了,但曾经是静子对信长说过的话。恐怕是信长背地里做手脚,让信忠听到了。


信忠はそれを咀嚼(そしゃく)し、己の再起に懸ける信念として信長に語ってみせたのだ。


信忠咀嚼着这话语,向信长表达了他的信念,将其押上了重生的赌注。


信長が描いた絵図面は、おおむね現実のものとなった。今回の敗戦によって信忠が学んだことは、信長や静子が予想していたよりもはるかに多かった。


信长所画的图纸大致都成为现实。信忠从这次失败中学到的教训远比信长和静子所预料的要多得多。


初めての黒星と家臣達の面前で叱責されるという挫折を味わったと言うのに、不貞腐れることすらなく再起に向けて最善の手を打てる。


首次在家臣们面前受到斥责并经历了挫折,然而他并没有沮丧,反而采取了最佳措施以重新振作。


今回の敗北を経て、信忠は精神的に大きく成長を遂げた。『男子三日会わざれば刮目して見よ』とは正にこのことだと静子は思った。


通过这次失败,信忠在精神上有了很大的成长。静子认为“男子三日不见,便会如初见”正是指的这种情况。


「次の東国攻めに於いて、静子はどう動くか考えを聞かせてくれないか?」


“在下次东瀛攻击中,能否请你分享一下静子的行动计划?”


「初手から上杉謙信へ出陣を要請する。そうなれば越後に巣食う親北条派は動かざるを得ない。武田と北条が滅んでしまえば、彼らは孤立し派閥(はばつ)を保てなくなる。彼らが上杉家の主流になれる最後の機会(・・・・・)になるからね」


“请求从一开始向上杉謙信出兵。这样一来,栖息在越后的北条派亲敌群体就不得不行动起来。如果武田和北条被消灭了,他们就会孤立无援,无法保持派系。这是他们成为上杉家主流的最后机会……”


「流石は静子よ。此度のいくさでは、親北条派は動くに動けなかった。我らの敗北で奴らは勢いづいていることだろう、そこで隙を見せてやれば簡単に食いつくという寸法か!」


「静子果然厉害。在这场战争中,亲北条派根本动弹不得。我们的失败恐怕让他们更加咄咄逼人,如果我们露出破绽,他们很容易就会乘虚而入!」


「野心を捨てない限り、取れる行動は蜂起しかない。謙信には事前に隊を伏せながら進軍して貰い、蜂起の報が届いた瞬間とんぼ返りを打ち、伏せておいた兵で囲めば一網打尽。彼らには城を枕に討ち死にするような覚悟はないだろうし、わざと逃げ道の一つも残しておけば労せず討ち取れるだろうね」


只要不放弃野心,唯一可行的行动就是起义。让信玄事先悄悄地率领队伍前进,等到蜂起的消息传来,立刻打退潮水,用事先隐藏好的士兵包围敌人,一举歼灭敌军。他们不会像我们一样准备在城中战死,如果故意留下一条逃生的路,也就更容易地一劳永逸地消灭敌人了。


信忠は静子の話を聞いて、内心舌を巻いていた。元来人の心は覗けぬもの、先読みをしても不確定要因は排除できない。それならば取り得る選択肢を狭めてしまい、それを選ばざるを得ない状況に追い込むという静子の戦略眼は恐ろしくすらあった。


信忠听了静子的话后,内心感到很吃惊。人的内心是无法洞察的,就算先预测也无法消除不确定因素。这样一来,静子的战略眼就可怕地将可选的选择缩小,迫使人们不得不做出他们不想要的选择。


恐らく彼らは自分の手で最善の手を選んだと、最後の瞬間まで思いながら討ち取られるのだろう。決着は既に盤外にてついており、現実は感想戦の如く進んでいくのだ。


他们可能会在最后一刻仍认为自己选择了最好的一手,然后被击败。结果已经在棋盘之外决定,现实会像一场后感比赛一样继续下去。


「静子も底意地が悪くなったな、それは足満譲りか?」


「静子变得非常刻薄,那是受了足满的影响吗?」


「人聞きの悪い! 私は味方の犠牲を少しでも減らせる手を探しているだけです。彼らには既に何度も手を差し伸べた。野心からそれを振り払って敵対する道を選んだのだから、相応の結末は覚悟するべきでしょう?」


“听起来很不好,但我只是在寻找能尽量减少盟友牺牲的方法。我已多次向他们伸出援手,但他们却因野心而选择了敌对的道路,所以应该做好应得的结局的准备。”


「親北条派どもは賭け皿に自分の命が載せられているとは思っていまいよ。それまでは精々釈尊(しゃくそん)の掌で暴れた猿猴(さる)のように思い上がって居れば良い」


“北条一派的人们不要觉得把自己的命托在赌注上。一直保持像猴子一样嚣张自大,直到此时才顺从释迦牟尼的手掌。”


「へー『西遊記』から引用するだなんて、最新の書物にも目を通してるんだ?」


“哦,你引用《西游记》啊,看来你也有关注最新的书籍?”


「ああ、父上は南蛮に目を向けておいでだから、俺は逆に唐(から)(外国全般を指す言葉、ここでは明(みん)を意味している)にも学ぶ。俺はいずれ織田家の家督を継ぐ身。父上の歩まれた足跡をなぞるだけでは意味がない。見ておれ静子、俺は必ず再起を果たし、織田に信忠ありと言わせて見せる!」


“啊,父亲已经把目光投向南蛮了,所以我反过来也要学习唐国(一般指外国,这里指明朝)。我会继承織田家族的家督。仅仅追随父亲的脚步是没有意义的。请看着我,静子,我一定会再次崛起,让人们说織田家族有忠信!”


拳を固く握りしめ、信忠は己の心意気を語って見せた。


握紧拳头,信忠展现出他的奋斗意志。


信忠との会見を終えた静子は、真っすぐ自領へと戻った。蟄居の申し付けもあり、いくさをしている間にたまった仕事などを片付ける良い機会だと考えたからだ。


结束了与信忠的会面后,静子径直返回自己的领地。由于被限制自由,她认为这是一个很好的机会来处理在战斗中积累的工作和其他事务。


留守中の事は彩を筆頭として、雇い入れた文官たちに権限を委譲していたため、既存の案件については過不足なく回っている。


留守期间的事情,由聘用的文官代表,以彩为首委托授权处理,因此现有的案件都在适当的范围内顺利运转。


しかし、新規の案件や突発的な問題への対処は静子の判断を仰ぐ必要があった。そうした書類は静子の机の文箱に積まれ、決裁を待つこととなっている。


然而,处理新的任务或突发问题需要征询静子的判断。这些文件被堆放在静子的文件盒里等待批准。


無論、決裁を待つことが出来ないものについては、文官たちの合議で決定するか、早馬を仕立てて静子の許へと届けさせることなどで対応する。


无论不能等待决策的事项,要么由文官们合议决定,要么安排快马送到静子那里处理。


「うーん……すぐには解決しない問題ばかりだね」


"嗯......只有那些不能立即解决的问题"


静子の基盤は農業にある。今でこそ生産から加工、流通までを包括して運営する六次産業を擁しているが、物がない事には始まらないため、起点は一次産業となる。


静子的基础在于农业。尽管现在我们拥有从生产到加工和流通的六次产业,但是没有物质的基础,一切都无从谈起,因此起点是第一产业。


そして農業の出来を左右する大きな要因に水利があった。『我田引水(がでんいんすい)』の言葉があるように、命に直結する農業の成否を左右する水利権は、多くの騒動の要因となっていた。


农业的成功与否有许多关键因素,其中水利是一个重要的因素。正如“我田引水”的说法一样,水利权利涉及到农业的生死存亡,因此它是许多骚动的源头。


静子の場合は信長が強権で水利を把握し、都市計画を立案した上で静子に農地を任せた。最初から可能な限り平等な水利を与える計画のもと、農地が準備されていたため誰からも文句の声は上がらなかった。


静子的情况下,信长通过强权掌握了水利,并制定了城市规划,然后将农田交给了静子。由于计划一开始就考虑了尽可能平等的水利,因此准备工作做得很充分,没有人提出反对意见。


しかし、時の流れと共に人口の増加や、豪農による農地の統廃合の結果、徐々にバランスが崩れ始めた。増加の一途を辿る人口を養うため、農地はどんどん拡張された。


然而,随着时间的推移,人口的增长和富有的农民将土地统合并废除的结果,平衡逐渐开始被打破。为了养活不断增长的人口,农田不断扩大。


野放図に広がる農地に対して、十分な水を供給できるだけの体制はついぞ作る事が出来なかった。こうなると水利を巡って農民同士が争うという問題が発生する。


面对散布在各处的农田,我们一直未能建立起足够的水利供应体系。由此引发的农名之间的水资源争夺也成为一大问题。


信長が制定した法により、許可を得ずに河川に手を加えることは重罪にあたる。彼らに出来る事と言えば、代官を通じて領主である静子の許へ水利の調整を願い出る陳情をすることだけだった。


根据信长制定的法律,未经批准非法改变河流是重罪。他们所能做的就是通过代官向领主静子提出水利调整的请求。


(この農地に水を回せば、下流域が不足するのは目に見えている。これは大元の水量を増やすしかないけど、愛知用水は未だに目処が立たない。調整池を用意して水量を増やすしかないか……調査が必要だね)


(给这块农田引水,下游地区的水资源明显短缺。唯一的办法就是增加整体的水量,但是爱知用水问题还未解决。只能考虑设置调节水池来增加水量……需要进行调查。)


あちらを立てればこちらが立たずという状況の陳情書を眺め、文官たちが添えてきた資料を元にうんうんと唸りながら処理をしていく。


在阅读了“如果一边竖起来,另一边就无法竖起来”的陈述书并查看了官僚们提供的资料后,他们嗯嗯地哼着歌,开始着手处理。


静子は数日かかり切りになって書類を集中して処理しきった。面倒で繊細な作業だが、水利権を疎かにすれば国の礎である『食』が崩壊してしまう。静子としては決して手の抜けない仕事であった。


静子花了几天时间专心处理文档。这是一项繁琐而又细致的工作,但如果忽视水利权利,那么国家的支柱“食品”就会崩溃。对于静子来说,这是一项绝不可马虎的工作。


「これは……宗易様からか。長谷川殿は試験に臨むと決断したんだ。こちらとしては期限を切らなかったけれど、先方から今年一杯までを期限としたいと言う申し入れか。それでやる気が出るなら好きにさせるかな」


“这是……从宗易大人那里来的吗。长谷川殿决定要去参加考试了。虽然我们这边还没有设定期限,但对方提出要将期限设定为今年年底。如果这样能让他有动力的话,我们就顺着他吧。”


承諾する旨の返事を認(したた)めると、静子は処理済みの文箱へと入れる。これは文官たちに回収され、正式な文として整えられて送られることとなる。


确认了承诺的回复后,静子将其放入处理完毕的文件箱中。这些文件将被文官们收集起来,并被正式整理成文书并发送出去。


「次は、京からの報告かあ」


"下一步,是来自京都的报告啊"


京に配された間者からの報告をまとめた書類を捲(めく)りながら静子は呟(つぶや)いた。常であれば昌幸が確認し、彼の権限に於いて決裁されるため、静子のところにまで上がってくる書類は珍しい。


静子翻阅着总结京城派驻间谍汇报的文件,轻声自语道。通常这些文件由昌幸确认,并由他的权力审批,所以送到静子这里的文件很少见。


何か大きな問題でも起きたのかと若干不安を抱きつつ読み進めた。そしてその不安は的中していた。確かにこれは自分どころか信長にまで報告する必要がある事案であった。


阅读时我略感担忧,好像发生了什么大问题。然后这个担忧被证实了。确实,这是一个需要向信长报告的事件,而不仅仅是我自己的问题。


(イエズス会が割れたか……)


(耶稣会分裂了吗……)


報告に拠れば発端は京に居るキリシタンの間で囁かれた噂であり、間者がイエズス会と取引のある商会や有力者たちなどの動向などを元に裏を取った結果、どうやら真実らしいと言う事が判った。


报告称,起因是在京城居住的天主教徒之间流传的传言,间谍根据与耶稣会有交易的商会和有权势的人的动向等进行了调查,并发现似乎是真的。


近頃、静子とも関係を構築しているオルガンティノと、日本教区の責任者たるカブラルが対立しているとのことだった。


最近据悉,与静子有着关系的奥尔加蒂诺与担任日本教区责任者的卡布拉尔之间存在分歧。


カブラルはオルガンティノが絹などを用いた華美な服装を着用しており、清貧であるべき聖職者の精神に反していると非難した。


卡布拉尔批评奥尔甘蒂诺穿着华丽的服装,如丝等,并表示这与应该保持贫困的神职人员的精神相反。


カブラルに言わせれば、オルガンティノは商人たちと結託し、金儲けに傾倒し過ぎて信仰を疎かにしているのだそうだ。


如果按照卡布拉尔的说法,奥尔甘蒂诺与商人勾结,过度追逐金钱利益,导致信仰被忽视了。


対するオルガンティノは、前任者のトーレスが語ったように日ノ本に於いて、身なりを疎かにしていては侮蔑の対象となってしまう。


相对应的奥尔加蒂诺,在日本,如果不注意穿着打扮就会变成被轻视的对象,正如前任托雷斯所说。


故国ではない日ノ本に於いて、身なりを整える為には資金が必要となる。故に自ら積極的に資金を集める必要があり、その為の努力は布教の為に不可欠な行為であり、我が身に神罰が下らぬ以上、神の意に適っていると反論した。


在非故乡的日本,想要整理打扮就需要资金。因此需要积极地筹集资金,这是布教不可或缺的行为。如果我遵从神的意愿,做出这样的努力,就不会受到神的惩罚。


現場に出ないカブラルの目にはオルガンティノが商業主義の走狗に成り下がったように見えた。しかし乾燥した祖国と異なり、湿潤な日ノ本に於いては身を清潔に保つだけでも相応の努力と金を必要とする。


在场外的卡布拉尔眼中,奥尔加汀诺看起来像是沦为商业主义走狗。然而,与干燥的祖国不同,在潮湿的日本,仅保持身体清洁就需要相当的努力和金钱。


資金と手間暇をかけて清潔を保つからこそ、人々はその人物に敬意を払う。一日中屋敷に籠っているカブラルと、布教に際して精力的に動き回るオルガンティノたち現場の修道者たちとでは、そもそも必要となる衣服の量からして違うのだ。


只有通过投入资金和劳力保持清洁,人们才会尊重这个人。从一天呆在房子里的卡布拉尔和布道时精力充沛地活动着的奥尔甘蒂诺修道者之间,起初就有区别,从所需的衣服数量就可以看出来。


イエズス会内での位階としてはカブラルの方が上位だが、現場で布教している宣教師たちの支持はオルガンティノに集中していた。


虽然从耶稣会的职位来讲,卡布拉尔的地位更高,但现场传教的宣教士们更支持奥尔加廷奥。


更にオルガンティノは、天下人と目される信長と関係を結んでいるため、さしものカブラルとしても容易には手を出せないでいた。


此外,由于奥尔甘蒂诺与被视为天下人的信长有关系,即使是最顶尖的卡布拉尔也不容易对他下手。


「まあカブラルが赴任した時からこうなりそうな気はしてたんだけど。カブラルは宗教家としては優秀で、イエズス会でもエリートだけれど、理想に固執する上にヨーロッパ中心主義者だしね。今の日ノ本の情勢下に於ける布教を考えるなら、オルガンティノが目指す融和策が望ましいんだけど……まあ、これは下手に手を出せないから見守るしかないね。恐らく真珠の輸出に食指を動かしたのが、本国のお偉方の逆鱗に触れたのかな?」


“从卡布拉尔赴任的时候开始,我就有这种感觉。卡布拉尔作为一名宗教家非常出色,在耶稣会中也是精英,但他太执着于理想,同时又是一位欧洲中心主义者。考虑到目前日本的情况,如果想进行布教,奥尔甘蒂诺(译注:人名)所追求的和谐政策是最可取的......好吧,我们只能观察而不能轻举妄动。也许触怒了本国领导人的是,他动了真珠出口的心思吧?”


真珠は聖書にも最高の宝石として登場する。慣用句として有名な『豚に真珠』という言い回しも、聖書に記された『豚の前に真珠を投げてはいけない』という一節が由来とされている。


真珠在圣经中被描述为最珍贵的宝石之一。而千古流传的成语“献珠投翠”,来源于圣经中“不可将珍珠扔在猪前”的一节。


故にカブラルの目には、日ノ本の真珠取引を掌握し、莫大な利益を生み出そうとするオルガンティノが背信者に見えるのだろう。


因此,对于卡布拉尔来说,奥尔甘蒂诺试图掌握日本珍珠贸易并获得巨额利润,看起来像是一个叛徒。


「取引される真珠が養殖された物だと知ったら、カブラルは憤死するんじゃないかな?」


如果卡布拉尔知道这些交易中的珍珠是养殖的,他可能会气死。


妙な想像をした静子は思わず苦笑していた。気を取り直すと、静子は報告書を読み進める。


想象起了奇怪的事情,静子不由得苦笑起来。她恢复了思维,继续读报告书。


「イエズス会の分裂は、キリシタンたちにも他人事じゃないようだね」


「耶稣会的分裂对基督徒们来说也不是无关的事情。」


今回の件がなくとも、カブラルの布教方針は宣教師や日本人信徒との間に溝を作っていた。そこにはカブラルの方針が持つ、致命的な問題が潜んでいたのだ。


即使没有这次事件,卡布拉尔的传教方针也已经在传教士和日本信徒之间制造了裂痕。这个问题的致命之处在于卡布拉尔的方针中潜藏着。


カブラルの方針に沿えばキリスト教こそが至上の教えであり、未熟で粗野な現地の宗教など取るに足りないとして扱われる。


如果遵循卡布拉尔的方针,基督教就是最高教义,当地未成熟和粗糙的宗教不值一提。


この時代の京では、各宗派による説法があちこちで頻繁に行われていた。このため、多くの日本人はそれぞれの宗教の教義に対する基本的な知識を有しており、たとえ読み書きが出来ずとも宗教の本質を理解しているという冗談のような信徒が存在し得た。


在这个时代的京都,各个宗派都频繁地进行布道。因此,许多日本人具备对各自宗教教义的基本知识,即使不会读写,也可能存在理解宗教本质的信徒,这可以说是一个笑话。


このためあちこちの説法に顔を出す百姓などは、粗末な身なりをしていても宣教師顔負けの知識を持ち、理論武装している事すらあった。


因此,即使是走遍各地听布道的农夫们,也可能拥有比传教士还要出色的知识和理论素养,甚至可以与他们抗衡,尽管他们的衣着可能比较朴素。


こうした背景から既存の宗教や信仰に対する知識を持たない宣教師は、勉強不足で頭が悪いと見做され軽蔑された。


由于这种背景,对现有宗教或信仰缺乏知识的传教士被视为知识不足、头脑简单,并受到轻蔑。


一方的にキリスト教の美点だけを述べ続ける説法では誰も耳を貸すことがなく、カブラルの方針は日ノ本の信者だけでなく、布教者たる宣教師たちからすらも疎まれるようになっていた。


仅仅不断强调基督教的美好之处的讲道,没有人会听取,卡布拉尔的方针已经开始引起不仅仅是日本教徒,还有作为传教士的宣教士们的反感。


救世を謳う宗教が流行る背景には、社会情勢が不安だと言う要因がある。信長の元に権力が一本化され、治安が安定している京に於いては宣教師の教えも今一つ心に響かないと言う裏事情もあった。


大力宣扬拯救世人理念的宗教流行,反映出社会形势动荡不安的背景。在信长统治下,权力已经归一,京城治安稳定,宣教士的传教活动也已不再如以往般感人至深。


「下手に動くと伴天連追放令が出されるという現実をカブラルは理解しているのかな? 今は上様が布教の自由を担保しているけれど、布教の不首尾にかこつけて政治に手を出せば……」


“卡布拉尔是否理解,下手动作是会被发布伴天连驱逐令的现实?现在虽然由上方保障了宣教自由,但如果以宣教失败为借口插手政治,后果将会……”


宗教家が政治的野心を抱き、信徒の数を恃(たの)みに権威を振りかざすことを信長は殊の外嫌う。本願寺や延暦寺も仏の権威をかさに着て、政治権力を手中に収め武装したが故に敵対しているのだ。


宗教家抱有政治野心,依靠信徒的数量来展示权威,信长特别厌恶这种行为。本愿寺和延历寺也依仗佛教的权威,武装起来掌控政治权力,因此与信长敌对。


このため信長は宗教と政治を切り離すべく、史実に於いて石山本願寺と十一年にも及ぶ戦争をし、延暦寺にも執拗に武装解除を迫り、ついには坂本を焼き払うに至っている。


因此,信长为了分离宗教和政治,在历史上与石山本愿寺进行了长达11年的战争,并强迫延暦寺放下武器,最终焚烧了坂本。


「まあ、長崎での前例があるから、追放令が出されるのも時間の問題だろうね」


“嗯,因为在长崎已经有先例了,所以出台驱逐令只是时间问题。”


近畿圏に拠点を置くキリシタンにとっては一大事であったが、静子としては必然的な事象として軽く流した。


对于在近畿地区设立基地的基督徒来说,这是一件大事,但对于静子来说,这是一个必然事件,她轻松地处理了它。


イエズス会と静子との関係性は相互に利用し合っているに過ぎない。信長が伴天連追放令を発布すれば、静子としても従うほかはない。


耶稣会与静子之间的关系只不过是相互利用而已。如果信长下令驱逐伴天连,静子只能顺从。


無理を押して庇いだてするような関係ではないし、統治者が法を軽んじる姿を見せれば、いずれ民も法を軽んじるようになる。それだけは統治者が犯してはならない最大の禁忌であった。


在不适当的压力下掩护或保护而形成的关系,并不是最理想的,如果统治者轻视法律,那么人民最终也会轻视法律。这是统治者绝不能犯的最大禁忌。


「あ! 長谷川殿の件については補足をしないと! 課題に取り組むに当たって足りない物があれば、遠慮なく申し出よと書き添えないとね」


"啊!关于长谷川殿的事情需要补充说明!在解决问题时,如果有不足的东西,请毫不犹豫地提出来。"


先ほど処理済みの文箱に入れた文を取り出し、余白に少し文字を小さくして書き込んだ。少々無作法ではあるが、格式ばった形式が必要な相手でもなし、意図が伝われば十分として再び文箱に戻した。


刚才我将已处理的文件从文件箱中取出,稍微将空白处缩小了一些,然后写下了一些文字。虽然有点不礼貌,但我并不需要向格式严格的人展示,只要意图传达清楚就可以了。然后,我把文件放回到文箱中。


「さてさて、どんな作品が出来上がってくるかな」


“那么那么,会有什么样的作品诞生呢?”


長谷川信春の作品、今から楽しみで仕方が無い静子だった。


长泽川信春的作品,让静子从现在开始就迫不及待地期待着享受它。


「えーと上杉家からか……ふむ、『鰤起こし』に協力してくれるんだ!」


“嗯,是从上杉家来的吗……嗯,他们会帮助我们合力进行‘鰤起こし’!”


鰤起こしとは石川県金沢地方で使われている言葉になる。


"鰤起こし"是在日本石川县金泽地区使用的词语。


北陸では、十一月の中頃から十二月にかけて、激しく雷が鳴り響いたり、猛烈な風が吹き荒れる日があり、それを指して『鰤起こし』と呼んでいる。


在北陆,从11月中旬到12月期间会有激烈的雷声和狂风肆虐的日子,称之为“鰤起こし”。


この頃に日本海を回遊している寒鰤が獲れ始めるため、漁師が網を『起こす』というのと寝ている鰤を『起こす』と言う意味をかけて『鰤起こし』というようになったのだそうだ。


据说,“鲤鱼起床”这个词源于当地渔民捕获开始在日本海回游的鳕鱼,它们在水中“睡觉”,渔民则会造成搅动,以便捕获。渔民用捕鱼网“起床”这个词,后来演变成了“鲤鱼起床”。


この時期に回遊してくる鰤は、その身にたっぷりと脂を宿しており非常に美味とされる。美食の追及に余念がない静子としては当然見逃せるはずもなく、以前より謙信に対して協力を要請していたのであった。


在这个季节回游的鰤鱼,身上富含大量的脂肪,被认为是非常美味的。作为一位对美食追求不懈的静子,自然不会错过这个机会。她之前已向謙信请求了合作。


今まで静子の知る海は太平洋側であり、それ以外では琵琶湖などの湖に過ぎない。冬の日本海の荒波に対して、経験のない静子達では太刀打ちできるはずもなく、鰤漁をする為には謙信の協力が不可欠であった。


迄今为止静子所了解的海洋只有太平洋一侧和琵琶湖等湖泊,而对于冬季的日本海汹涌波涛,缺乏经验的静子们根本无法应对,要进行鲣鱼捕捞,需要信玄的协助是不可或缺的。


更に言えば、獲れた鰤を新鮮なまま安土や京、尾張へと届けるためには道中を守護する柴田の協力をも必要とした。柴田は織田家内の人間であり、早々に了承を得られたのだが、謙信のそれはしばらく時間を必要とし、ようやく今静子の許へと届けられた。


进一步说,为了将捕获的鲤鱼新鲜地送到安土,京都和尾张,需要柴田的协助来保护道路。柴田是织田家的一员,很快就得到了同意,但是需要一些时间才能得到謙信的同意,最终鲤鱼才被送到今静子的家里。


「川を使って一気に運びたいところだけど、保冷用の氷を潤沢に用意しないと道中で腐っちゃうよねえ……季節的に湖の氷を切り出しても良いけど」


“虽然想利用河流一口气把东西运到目的地,但若没有充足的保冷用冰块,在路上可能会发霉……虽然季节来临可以从湖中切出冰块使用。”


日本海側で水揚げされる寒鰤を、遠く離れた安土まで運ぶには色々と手順が必要となる。


在日本海附近捕捞的寒鰤,要运往远离的安土,需要许多步骤。


現代ならば大型の水槽に入れて生かしたまま鰤を運ぶことも可能だろうが、戦国時代に於いては望むべくもない。となれば必要となるのは魚の活け締めと呼ばれる技法になる。


现代情况下可以将鰤保存在大型水槽中并运输,但在战国时代是不可能的。因此,需要使用被称为“活け締め”的鱼类处理技术。


魚に限らず多くの動物は、その肉体を動かすためにATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれる物質を消費する。ATPは呼吸によって体内物質を消費することで生み出される。


不仅仅是鱼类,许多动物为了使身体运动,需要消耗名为ATP(三磷酸腺苷)的物质。ATP通过呼吸消耗体内物质产生。


低温の水中で生活する魚にとって、釣り上げられた常温の陸上は灼熱の地獄である。このため魚は体内のATPが枯渇するまで力の限り暴れまわる。


对于在低温水中生活的鱼来说,被钓上常温陆地就像是火热的地狱一样。因此,鱼会使出全身力气挣扎,直到体内的ATP耗尽。


こうして死んだ魚は体温上昇によって自身の体を焼き、ATPを消費し尽した体は死後硬直が発生し、体内で筋肉が分解される自己消化反応が始まる。


这样死去的鱼通过体温升高烧伤自己的身体,消耗了ATP后死后发生了僵硬,身体内的肌肉开始分解自身消化反应。


マグロなどの巨大な魚はこの傾向が顕著であり、身焼けと呼ばれる変色を起こした身は酸味を帯びてしまい、犬も食わないと呼ばれた魚肉に堕してしまう。


大型鱼类如鲔鱼等尤其明显,经过晒黑后出现的变色现象被称为“烤身”,导致肉带酸味,被称为狗不吃的鱼肉。


こうした魚の鮮度低下を防ぐのが活け締めと呼ばれる技法である。水揚げされた魚に対して、即座に活け締めを施すことにより、魚を即死させてATPの消費を防ぐことで死後硬直を遅らせる事が出来る。


这种被称为生捕的技术可以防止鱼类新鲜度的下降。对于捕捞上来的鱼,通过立即进行生捕处理,可以让鱼类立即死亡,并防止ATP耗尽导致死后硬直的发生,从而延长鲜活期。


活け締めは魚の脊髄を切断し、脳からの神経信号を遮断することで魚を即死させる。しかし、それでも筋肉は反射によって動くため、針金などの細長い金属を用いて延髄を抉り、髄液と共に神経を掻きだしてしまう。


活鱼的处理方式是切断鱼的脊髓,阻止大脑发出信号,以使鱼立即死亡。然而,肌肉仍会因反射而动,因此需要用细长的金属线(如钢丝)取出延髓,将神经和脑脊液一起清除。


これと並行して常温になると途端に雑菌の増殖が始まり、生臭さの元となる血液を体外に放出することで鮮度を保つ。これら一連の流れを指して活け締めと呼ぶ。


这样一来,当温度下降到常温时,细菌立即开始滋生,而将血液排放到体外则可以保持鲜度。这整个过程称为“活け締め”。


これらを行うことで、魚の鮮度を長期に亘って保つことができ、冷蔵環境下に於いてゆっくりと自己消化を促し、筋肉を分解してイノシン酸へと変える熟成などを行う事も可能となっている。


通过这些方法,可以长期保持鱼的新鲜度,在冷藏环境下缓慢自我消化,促进肌肉分解并转化为肌苷酸等,还可以进行成熟处理。


「魚の処理って化学だよねえ」


"鱼的处理用的是化学方法"


活け締めをすることにより、調理時間から逆算して鰤の流通を計画する必要があり、それに応じて氷やオガクズなどを準備する量を決めることになる。


通过进行现场捕捞来使金枪鱼达到活体状态,需要根据烹饪时间逆向规划金枪鱼的流通并相应地确定准备冰块、章鱼脚等物品的数量。


活け締めだけでなく、更に水揚げ直後にエラと内臓を取り除くよう指示も出している。これは海水から酸素を濾しとるエラには様々な雑菌が付着しており、腐敗や悪臭の元となるからだ。


不仅要进行活鱼处理,而且还指示在刚刚打捞上岸后拆除鱼腮和内脏。这是因为鱼腮从海水中过滤氧气,上面可能会附着各种细菌,这是腐败和臭味产生的根源。


内臓については寄生虫の温床であり、魚が死ぬと内臓は真っ先に腐敗し始める。この時、寄生虫は溶けだした内臓を脱して筋肉に移行することがあり、内臓を取り除くことには鮮度を保ちつつ寄生虫リスクを回避するという側面もあった。


内脏是寄生虫的温床,鱼死后内脏首先开始腐败。此时,寄生虫有时会离开溶解的内脏而移动到肌肉中,因此去除内脏既可以保持新鲜度,也可以避免寄生虫感染的风险。


こうして様々な苦労を経て、ようやく信長の口に入る鰤となる。こうまでして面倒な手間をかけるのは、信長が冬の風物詩としていたく鰤を気に入った事が影響している。


经历了各种困难后,终于成为进入信长口中的鲤鱼。这么费周折地付出是因为信长喜欢作为冬季风物诗的鲤鱼。


太平洋側で獲れた鰤を食べていた信長に対して、静子が寒鰤であればもっと脂が乗っていて美味しく、活け締めをすれば鮮度を保ったまま尾張まで運べるかもしれないと口にしたことに起因する。


由于静子说如果是寒鰤,肉质更加鲜美,而且经过活体处理后可能保持新鲜度并可以运至尾张地区,因此信长在吃着太平洋海岸捕捞的鰤鱼时,静子说出了这番话。


そんな話を聞かされた信長は、是が非でも寒鰤を味わわせよと静子に命を下したのであった。


听完这样的话,信长一定要让静子品尝寒鰤,于是下达了命令。


「食事に拘りを持たず、湯漬けで満足していた上様が恋しいね……」


「不注重饮食,只满足于泡在温泉里的上方,真是让人怀念啊……」


事情を知るものが聞けば「お前が原因だ!」と声を大にして突っ込まれるであろう愚痴は、冬の夜空へと吸い込まれていった。


如果那些了解情况的人被问到,他们会大声责备“是你造成的!”的牢骚被吸入冬天的夜空。


【GPT机翻】战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚)- 132 [千五百七十五年 十一月中旬]的评论 (共 条)

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