【日本小2道德】33#玻璃中的月亮

ガラスの中のお月様(玻璃中的月亮)
作者:久保 喬(くぼ たかし)
ガラス工場の窓から、お月様の光が差し込みました。
(月光从窗户照射进了玻璃作坊。)
この工場の中には、ガラスの花瓶、ガラスの皿、ガラスの壺など、素敵な品物がいっぱい並んでいます。
(在这个作坊中,排列着很多例如玻璃花瓶、玻璃盘、玻璃壶等漂亮的物品。)
それは、皆で三百程もありました。その一つ一つに、お月様が映っています。何と沢山のお月様。三百程のお月様が、生まれたのです。
(总共有三百件左右。每一件都映着月亮。有那么多的月亮。三百个左右的月亮诞生了。)
「きらきら、つるつる、ガラスさんて冷たいな。」
(“闪耀光滑,玻璃好冷啊。”)
「するする、すうすう、冷たいな。」
(“滑溜冷飕飕,好冷啊。”)
あちこちのガラスの中のお月様が、呟きました。
(每一处玻璃中的月亮嘟哝道。)
「でも、お月様だって、冷たいではありませんか。」と、ガラスの皿が言いました。
(“但是,月亮不也很冷吗?”玻璃盘说道。)
「お日様は、ほてほてっとして、暖かいですよ。」と、ガラスの花瓶が言いました。
(“太阳暖洋洋的,很暖和。”玻璃花瓶说道。)
「私の光は弱いから、仕方がない。でも、心は暖かいつもりだよ。」
(“毕竟我的光很弱,没办法。但是,我的心是暖的。”)
お月様は寂しそうに言いました。
(月亮很孤寂地说道。)
「そうかしらね。」
(“真是如此吗?”)
ガラスの壺が、意地悪そうな顔をしました。
(玻璃壶露出一副刁难的表情。)
その時、部屋のドアがすうっと開いて、何だか黒い影のような人間が入ってきました。体を縮めて、辺りを見回しています。
(这时,房间门轻轻地开了,好像有什么黑色影子般的人类进来了。他蜷缩着身体,环视周围。)
(あっ、大変、泥棒だ。)
(啊,不好,是小偷。)
ガラス達は、すぐ気が付きましたが、どうすることも出来ません。泥棒は、ガラス達に近付きました。
(玻璃们虽然马上就注意到了,但是都无能为力。小偷渐渐接近玻璃们。)
その時です。急にさあっと、辺りが明るくなりました。お月様の光が、不思議に強くなったのです。
(这时。周围突然一下亮了起来。月光很不可思议地变强烈了。)
「ああっ。」
(“啊。”)
泥棒は、低い叫び声をあげました。ガラスの花瓶にも、ガラスの皿にも、ガラスの壺にも、泥棒がいます。三百人の泥棒がいるのです。
(小偷低声叫道。玻璃花瓶、玻璃盘、玻璃壶中都映着小偷。有三百个小偷。)
泥棒は、震え出しました。自分の影だと分かっていても、やはり恐ろしかったのです。
(小偷颤抖起来。虽然明知是自己的影子,但果然还是很可怕。)
「ああ、やっぱり私には泥棒は出来ない。」
(“啊,我果然当不了小偷。”)
泥棒はため息をつくと、ドアを開けて出て行きました。
(小偷叹了口气,打开门离开了。)
ほうっ、ほうっと、ガラス達もため息をつきました。
(玻璃们都哈哈地叹着气。)
「良かったなあ、誰も取られないで。」
(“太好了,谁都没有被拿走。”)
「お月様のおかげだね。」
(“多亏了月亮。”)
するとお月様は、静かな声で言いました。
(于是月亮沉静道。)
「何よりも良かったことは、あの人が悪い人にならずに済んだことだよ。」
(“再好不过的是那个人没有成为坏人。”)
それを聞いて、ガラスの壺が言いました。
(闻言,玻璃壶说道。)
「ああ、お月様、さっきはごめんなさい。あなたは本当に心の暖かい方です。」
(“啊,月亮,刚才对不起。你真的是内心温暖之人。”)
きら、きら、きらと、ガラス工場の沢山のお月様もガラス達も、皆一緒に嬉しそうに光りました。
(玻璃作坊内的众多的月亮和玻璃们一起高兴地闪闪发光。)

